マンションに防犯カメラを個人で設置することは可能?設置時の注意点を解説

マンションによっては、入居者の安全のために「防犯カメラ」が設置されている場合があります。空き巣やストーカー対策になるといわれる防犯カメラですが、具体的にどのような防犯効果があるのでしょうか。
また、個人で賃貸や分譲マンションに防犯カメラを設置したい場合、近隣住民への配慮や、大家さんや管理会社の許可は必要なのでしょうか。
この記事では、マンションの防犯カメラの防犯効果や、自分でマンションに防犯カメラを設置するときの注意点を解説します。マンションの防犯対策におすすめの防犯グッズや防犯サービスもあわせてご紹介します。
目次
マンションに設置された防犯カメラの防犯効果

新築マンションや分譲マンションの多くには、防犯対策の一環として「防犯カメラ」が設置されています。マンションにある防犯カメラには、主に2つの防犯効果があります。
犯罪行為の抑止
防犯カメラを目につきやすい場所に設置することで、不審者に「見られている」という印象を与え、空き巣やストーカー被害などを未然に防止できます。防犯カメラの中でも特に犯罪抑止効果が高いのが、「ボックス型カメラ」です。大きくて四角く、存在感があるタイプなので、防犯カメラの設置をアピールして犯罪の抑止を図りたい場合に有効です。
一方で、コストを抑える目的で「ダミーカメラ」を設置しているマンションもあります。見た目は本物の防犯カメラに似ていますが、撮影・録画機能はなく、窃盗犯に偽物と見破られてしまうと被害に遭うリスクがあります。
犯人の特定や証拠映像の保存
防犯カメラは犯罪の発生を防ぐだけでなく、万が一敷地内で犯罪行為やトラブルが起きた際の証拠を記録する役割も果たします。防犯カメラの映像を警察に提出することで、迅速な犯人の特定・逮捕につながる可能性があります。
賃貸マンションに自分で防犯カメラは設置できる?
賃貸マンションにお住まいで、個人で防犯カメラの設置を検討している場合、室内用であれば設置してもとがめられることはありません。工事を伴わず、壁や天井を傷つけないタイプのカメラであれば、特別な許可も不要なケースがほとんどです。
ただし、設置のために壁や天井に穴が開くような工事が必要な場合は、大家さん・管理会社へ事前に相談しましょう。
また、室外の玄関ドア付近やベランダなど、設置場所が共用部になる場合、許可を得る必要があります。近隣住民へのプライバシーへの配慮も必要です。
防犯カメラの設置許可を得るために必要なことは?
マンションに個人で防犯カメラを設置する場合は、設置場所や工事の有無に応じて大家さんや管理会社の許可を得ることが重要です。ここでは、防犯カメラの設置許可を得るために必要なことについて解説します。
設置場所と撮影範囲を事前に相談する
防犯カメラは、設置場所によっては近隣住民が映り込む可能性があります。プライバシーの侵害につながるおそれがあるため、設置場所やカメラの向き・撮影範囲について、事前に大家さんや管理会社に相談し、共通認識を持つことが大切です。
無断で設置すると、「監視されている」と不信感を与えたり、トラブルに発展したりするケースもあります。あらかじめ話し合っておくことで、万が一問題が起きた際の認識の食い違いも防ぐことが可能です。
また、個人による防犯カメラの設置がマンションの管理規約で禁止されている場合もあります。必ず規約を確認したうえで、設置を検討しましょう。
共用部分を傷つけないように配慮する
防犯カメラの中には、設置時に壁に穴を開けたり、配線工事を伴ったりする機種もあります。マンションでは、共用部分に傷をつける行為は基本的に禁止されているため、物理的な工事が必要な場合は設置が認められない可能性があります。そのため、設置の際は共用部分を傷つけずに取り付けられるタイプのカメラを選ぶのがおすすめです。工具不要で簡単に取り付けられるモデルであれば、大家さんや管理会社の理解を得やすくなります。
防犯カメラを自分で設置する場合の注意点
次にマンションに防犯カメラを自分で設置する場合、どのようなことに気をつければ良いのか、あらためて解説します。
室内に防犯カメラを設置する場合
先に述べた通り、室内への設置であれば、賃貸マンションにお住まいの場合でも基本的に問題はありません。特に、壁や天井に穴を開けるような工事を伴わないタイプであれば、許可を取らずに設置できるケースがほとんどです。
ただし、壁や天井に穴を開ける場合は、退去時に原状回復(補修)が必要となることがあるため、注意が必要です。後からトラブルになるのを防ぐために、設置前に大家さんや管理会社へ相談しましょう。
また、ベランダや窓のある方向を撮影することで他人の部屋が映り込む可能性もあります。プライバシーの侵害となる場合があるため、他人の部屋が常時映り込むことのないよう配慮が必要です。
室内用の防犯カメラはコンパクトな製品が多く、部屋のインテリアとも調和します。比較的設置も簡単で、製品によっては取り付けの際の工事が必要ないものもあります。
室外に防犯カメラを設置する場合
室外に防犯カメラを設置したい場合は、近隣住民のプライバシーへの配慮が必要です。マンションの管理規約によっては、プライバシーの保護を目的として、防犯カメラ・監視カメラの設置を禁止しているケースもあります。賃貸マンション・アパートにお住まいの場合は、まず管理規約や賃貸契約書を確認したうえで、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
分譲マンションの場合も同様で、玄関ドアの前であってもマンションの廊下は共用部分のため充分な配慮が必要です。自治体によって防犯カメラのガイドラインを定めている場合もあるため確認してみましょう。
映像の管理や取扱いについて
防犯カメラの映像に他の人が映り込んでいると、個人情報に関するトラブルの元となることがあります。
映像は第三者へ流出しないよう、厳重に管理する必要があります。映像を見るためのログインIDやパスワードは初期設定のままにせず、セキュリティ性の高いものに設定し定期的に変更するなど、運用を徹底しましょう。
また、録画データを長期間保存しすぎると、他人の行動履歴などが過度に蓄積されてしまい、プライバシーの侵害につながるおそれがあります。そのため、防犯の目的やプライバシーへの配慮に加え、保存媒体の容量やカメラの画素数、通信環境などを総合的に考慮し、録画の保存期間は1週間から1カ月程度に設定しましょう。期間が短すぎても、トラブルが起きた際にさかのぼって映像を確認できなくなるため、一定期間は保存するのがおすすめです。
近隣住民への周知
室外に防犯カメラを設置する場合は、事前に近隣住民に周知する必要があります。防犯のためとはいえ、突然自分が利用するスペースにカメラが設置されていたら、多くの方が不安に思うでしょう。また、実際には映り込むことがなくても、カメラの大きさや角度によっては自分の部屋や玄関を映しているのではと思われる可能性もあります。
大家さんや近隣住民に対してきちんと防犯カメラを設置する理由や撮影範囲などの説明を行っておきましょう。
賃貸マンション向けの防犯カメラの選び方
賃貸マンションに防犯カメラを設置する場合、場所や目的に合ったカメラを選ぶ必要があります。ここでは、賃貸マンション向けの防犯カメラの選び方について解説します。
カメラの性能・機能
屋外に防犯カメラを設置する場合、雨風やほこりに強く、耐久性に優れたモデルを選ぶことが重要です。耐久性の基準となるのが「IP規格」で、これは製品の防塵・防水性能を表しています。IPの後に続く数字のうち、十の位が防塵性能を、一の位が防水性能を示しており、数字が大きいほど防塵・防水性能に優れた防犯カメラとなっています。目安としてIP65以上の製品が屋外設置に適しています。
また、防犯カメラは犯行の瞬間をしっかりと記録できなければ、設置の意味が薄れてしまいます。夜間や暗い場所でも鮮明に映像を記録できるよう、フルHD以上の高画質に対応し、赤外線ナイトビジョンやHDR機能などを備えた高性能モデルを選ぶと安心です。
設置・運用コスト
賃貸マンションの場合は、壁や天井に穴を開ける工事が許可されないケースも多いため、工事不要で簡単に設置できる防犯カメラがおすすめです。さらに、設置スペースに限りがあることを考えると、コンパクトなモデルのほうが扱いやすいでしょう。
ただし、工事不要の防犯カメラは充電式や電池式のものが多いため、定期的なバッテリーの充電や電池交換が必要になります。防犯カメラを選ぶ際は、連続動作時間やメンテナンスの頻度も事前に確認しておくと、設置後の手間を減らすことができます。
防犯カメラ以外の防犯対策も必要!3つの防犯グッズやサービスを紹介

空き巣やストーカー被害から住まいを守るためには、二重、三重の防犯対策が効果的です。ここでは、防犯カメラ以外の3つの防犯対策を紹介します。
防犯対策の基本は「ワンドアツーロック」
不審者の住居侵入を防ぐためには、1つのドアに2つの鍵を取り付ける「ワンドアツーロック」が基本です。窓やドアに補助錠を取り付ければ、不審者が解錠に手間取り、侵入をあきらめる可能性が高くなります。
官民合同会議が認定した「CPマーク」のある錠なら、特殊な工具を用いるピッキングやサムターン回しなどの手口への防犯対策が施されているものもあります。
また、扉と枠のあいだに5mm以上の隙間がある場合は、ドアの隙間からバールやドライバーなどで強制的にこじ開けられないようドアとドア枠の隙間に「ガードプレート」を取り付けることで、玄関ドアの防犯性能を高めることができます。
「防犯フィルム」を貼れば窓のセキュリティを強化できる
空き巣などの侵入窃盗犯は、マンションでは玄関だけでなく「窓」もターゲットにしています。警察庁の調べによると、令和5年に発生した共同住宅への侵入窃盗のうち、3階建て以下の住宅では約38.9%、4階建て以上の住宅では約24.3%が「窓」からの侵入によるものでした [注1]。
こうした被害を防ぐには、窓に防犯フィルムを貼ることも有効です。窓に防犯フィルムを貼っておけば、大きな音が出るほど強打しないとガラスが割れず、侵入に時間がかかるようになるため、泥棒が犯行をあきらめやすくなるでしょう。
ただし、賃貸マンションにお住まいの場合は、防犯フィルムを貼る前に大家さんや管理会社に相談し、許可をもらいましょう。
[注1]警察庁「住まいる110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」
ホームセキュリティなら長時間の外出時も安心
ホームセキュリティなら、在宅中はもちろん、子どもの留守番や長期外出時も、警備会社が24時間365日体制で住まいの安全を見守ります。防犯カメラの設置だけでも犯罪抑止力はありますが、万が一室内へ侵入された場合でもホームセキュリティを導入していれば侵入時に大音量のアラームが鳴る、警備会社へ通報され専門のスタッフが駆けつけるといった、より高い防犯効果を得られます。
これから防犯カメラを導入しようとお考えの方は、セットでホームセキュリティを契約するのがおすすめです。警備会社だからこそのノウハウで思わぬトラブルやリスクから住まいを守ることができます。
まとめ
今回は、自分でマンションに防犯カメラを設置するときの注意点や、防犯カメラの選び方を解説しました。
マンションに設置された防犯カメラは、空き巣やストーカー被害などを未然に防ぐ抑止効果があります。また、もしマンションの敷地内で犯罪行為が発生した場合でも、犯罪の証拠が記録されている場合には、犯人特定につながる可能性が高くなります。
賃貸マンションにお住まいの場合、室外への防犯カメラ設置には大家さんや管理会社からの事前許可と近隣住民のプライバシーへの配慮が必要ですが、個人でも設置可能です。
設置場所は玄関前やベランダなどが考えられますが、カメラの向きなど住民の方のプライバシーに配慮し、事前に周知して理解を得たうえで設置しましょう。
ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」であれば、不審な動きを捉えてスマホにアラートを送ることができるのはもちろん、いざというときは、ALSOKの駆けつけ依頼を利用できます。ワイヤレスのため配線工事の必要がなく、マンションでもすぐに設置・ご利用が可能です。
また、ホームセキュリティ契約と併用すれば、住宅への侵入や火災が起こった際に全国の待機所からALSOKが駆けつけるため、いざというときも安心です。防犯対策をより万全にしたい場合は、お気軽にALSOKまでご相談ください。