高齢者見守りサービスとは?種類ごとの特徴、選び方を解説

ご高齢の親御さんと離れて暮らしていると、何か問題が起こっても、駆けつけるどころか気づくことすら困難な場合もあります。
そうした不安を少しでも和らげる手段として利用されているのが「高齢者見守りサービス」です。この記事では、見守りサービスとはどのようなサービスなのかを分かりやすく解説し、種類ごとの特徴やメリット、デメリット、具体的な選び方のポイントをお伝えします。
目次
高齢者見守りサービスとは?
高齢者見守りサービスとは、家族に代わって高齢者の生活を見守ってくれるサービスです。一人暮らしの高齢者は、家の中での転倒や詰め物(義歯)・洗剤の誤飲など、日常生活の中で事故が起きる可能性が高く、健康上の不安を抱えていることも多いです。また、地震や火災、不審者の侵入といった不測の事態の発生も懸念されます。家族が同居していない場合は何かが起きたときにすぐに駆けつけて対処することが困難なことが多く、心配の種は尽きません。見守りサービスを利用することで、緊急時も迅速な対応が可能になり、離れて暮らしていても高齢の家族が元気に暮らせるようサポートできます。
一人暮らしの高齢者が増えている

出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書:図1-1-8 65歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別)と全世帯に占める65 歳以上の者がいる世帯の割合」
近年、高齢者の一人暮らし世帯が増えています。実際に、65歳以上の単身世帯数を見てみると、平成24年は約486万8千世帯なのに対して、令和4年は約873万世帯と約1.8倍に増えていることが分かっています。高齢者の一人暮らしの増加にともない、見守りサービスの需要も高まっている状況です。
高齢者見守りサービスを導入する主な目的
高齢者見守りサービスは、家族に代わって、高齢者の生活をサポートします。主な目的は、安否確認や緊急時の対応・駆けつけ、健康管理などです。見守りサービスの導入は、高齢者本人だけでなく、ご家族にとっても安心を与えてくれます。
高齢者見守りサービスの種類とそれらのメリット・デメリット
高齢者見守りサービスは、民間企業を中心にさまざまなタイプが提供されています。ここでは、代表的な見守りサービスの種類と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
高齢者見守りサービスの種類 | 概要 |
---|---|
訪問型 | スタッフが住まいを訪問する |
配食型 | スタッフが食事宅配を行う |
緊急時通報型 | 利用者が緊急時に通報する |
カメラ型 | カメラを設置して状況を確認する |
センサー型 | センサーを設置して状況を確認する |
ロボット型 | ロボットを設置して状況を確認する |
GPS型 | GPS機能によって居場所を確認する |
訪問型高齢者見守りサービス
訪問型高齢者見守りサービスは、スタッフが定期的に利用者の住まいを訪れて生活状況や安否を確認するタイプです。主に介護事業所や電気・ガス会社、宅配業者などが提供しており、スタッフが利用者と会話を交わしながら相談を受けたり、食事の内容を確認したりします。ヒアリングした内容は、後日家族に共有されます。
メリット
対面でコミュニケーションをとるので、利用者の孤独感を軽減する効果があり、日々の様子をより細やかに把握できます。さらに、安否の確認だけではなく、地域情報の提供や防犯の呼びかけなども行ってもらえる場合があります。
デメリット
決められた日のみ訪問するサービスであるため、24時間日常的に見守りを行うわけではありません。そのため、突然倒れたり、発作が起きたりした際に、すぐに異常を察知することができません。
また、訪問時は必ず在宅している必要があり、外で元気に体を動かしたい高齢者にとっては窮屈になってしまう可能性があります。
配食型高齢者見守りサービス
配食型高齢者見守りサービスは、スタッフが食事を宅配する際に利用者の健康状態や安否をチェックするタイプの見守りサービスです。
メリット
利用者は、日々の食事を準備する負担を軽減できます。低糖質食、低タンパク食、低カロリー食、減塩食などに対応しているサービスもあり、栄養バランスの整った食事が提供されることで、健康維持に役立ちます。
デメリット
訪問型と同じように、24時間常に見守りを行うわけではないので、突然倒れたり、発作が起きたりした際に、すぐに異常を察知できません。また、配達員が介護や食事、医療に関する専門的な知識を持っていない場合も多く、利用者の体調の変化に気づくことが難しいという課題もあります。
緊急時通報型高齢者見守りサービス

緊急時通報型高齢者見守りサービスは、異常を感じた利用者がボタンを押して通報するタイプです。主に警備会社が提供しており、必要に応じてスタッフの駆けつけなども利用できます。
メリット
ボタンを押すだけで助けを呼べる手軽さと安心感が魅力です。高齢者でも操作が分かりやすく、簡単に導入できます。緊急時の通報だけではなく、専門のスタッフに健康相談ができるなどの付加機能がついているサービスもあります。また、カメラを使うことなく本人の意思で操作するタイプのため、プライバシーに配慮した見守りができます。
デメリット
見守りにあたり通報のためのシステムを導入する必要があります。また、通信インフラ(インターネット回線など)が必要となります。
カメラ型高齢者見守りサービス
カメラ型高齢者見守りサービスは、利用者の住まいにカメラを設置し、遠隔から映像で様子を確認するサービスです。
メリット
高齢者の様子を映像で確認できるため、離れて暮らしていても日常の状況を具体的に把握しやすくなります。マイクやスピーカーが搭載されている場合には、会話をすることもでき、孤独感の軽減や緊急時の呼びかけにも対応できます。夜間の転倒や急な体調不良などにもいち早く気づけるのがメリットです。
デメリット
人によっては「見られている」という感覚が精神的な負担となることもあります。また、見守りサービスの専門スタッフが駆けつけたり緊急対応したりしたときは、別途費用が発生するケースもあります。
センサー型高齢者見守りサービス
センサー型高齢者見守りサービスは、住まいに設置したセンサーが利用者の状況を感知します。例えば、動体検知センサーであれば、特定の場所を通ったことを検知して家族へ連絡が行き、安否が確認できる仕組みになっています。ほかにも、室内の熱中症リスクに変化があった場合に通知する、温湿度センサーを設置するサービスなどもあります。
メリット
センサー型高齢者見守りサービスは、プライバシーを重視したい高齢者にも受け入れられやすいのが特徴です。カメラがないため「見られている」という感覚が少なく、精神的な負担を抑えられます。
デメリット
センサーはあくまで動きの有無のみを検知するため、遠隔地から現地の様子を映像で確認することはできません。そのため、転倒や急な体調変化があっても詳細な状況把握が難しく、緊急時には即時対応がしにくいという側面があります。
会話型高齢者見守りサービス
会話型高齢者見守りサービスでは、スタッフが電話やメールで利用者に健康状態などを尋ねます。頻度は一般的に週1回、多くても週に数日となります。また、音声ガイドに従ってプッシュ式で回答するサービスやメールに返信して安否を確認する、よりシンプルなサービスもあります。
メリット
費用面がリーズナブルであることです。電話・メールの対応のみですので、サービスを受ける側の精神的負担も最小限で済みます。また、専用の機器を導入する必要がなく、すぐに利用できるのもメリットです。
デメリット
常時見守りをするサービスではないため、緊急時にすぐ異常を察知することができません。
また、高齢者が元気かどうか、何も問題がないかどうかの情報は高齢者側の言葉だけで判断することになります。「心配をかけたくない」と不調を隠してしまうケースもあるため、客観的な安否確認や細かい体調変化の把握が難しいことなどもデメリットです。
ロボット型高齢者見守りサービス
ロボット型高齢者見守りサービスは、カメラが搭載されたロボットを自宅に設置、遠隔から様子を確認したり、会話をしたりできる見守りサービスです。
メリット
住まいに設置することで離れた場所にいても利用者の様子を確認できます。会話機能を搭載したロボットもあり、孤独感の軽減などにも役立ちます。また、大がかりな工事をせずに導入できるのもロボット型のメリットです。
デメリット
ロボット型は機能が充実している分、コストが高くなる傾向にあります。また、カメラが搭載されている場合もあり、常に見られているような感覚を不快に感じる高齢者もいます。さらに、インターネット回線が必要になることも多く、通信環境の整備も必要です。
GPS型高齢者見守りサービス

GPS型高齢者見守りサービスでは、GPS機能で利用者の居場所を検知できます。道に迷ってしまったなど、緊急時に助けを呼べる機能が備わっているサービスもあります。
メリット
通常の外出時だけでなく、利用者が徘徊する可能性がある場合にも役立ちます。常にどこにいるかを特定することが可能です。
デメリット
GPS型の見守りサービスを活用するには、利用者が端末を身に付けて行動する必要があります。また、GPS電波の受信状況によっては、正確な位置が把握できないこともあります。例えば、利用者が地下に入った場合にはGPS電波が受信できず、位置の特定ができなくなる可能性があります。
高齢者見守りサービスの選び方のポイント
高齢者見守りサービスにはそれぞれ異なる特徴があるため、どのタイプを選べば良いか悩む方も多いでしょう。サービスを導入する際は、料金やサービス内容などを比較して目的に合ったタイプを選ぶことが重要です。
利用者本人の気持ちに寄り添って選ぶ
見守りサービスを選ぶにあたって、まずは利用する人の状況・ライフスタイルを確認し、本人の気持ちをよく理解することが大切です。
家族にとっては見守ることが安心につながりますが、高齢者にとっては家族に監視されていると感じることもあります。
どのようなサービスであれば本人も安心できるのか、ライフスタイルや個人の性格に合っているかを見極めたうえで選びましょう。
料金で選ぶ
種類が多すぎて迷ってしまう場合は、料金面からサービス同士を比較するのもひとつの方法です。
見守りサービスは介護保険が適用されず、費用は全額自己負担となります。継続的に利用することを考えると、無理のない料金であることが重要です。料金とサービス内容のバランスを考慮し、適切なサービスを選びましょう。自治体によっては補助金の助成を受けられる場合もあるため、事前に確認しましょう。
サービス内容で選ぶ
見守りサービスの内容は以下の3つに大きく分かれるので、利用者にとってどれが良いかを絞っておくと選びやすくなります。
セルフ通報型
1つ目は、自分でボタンを押したり、自動音声の番号に電話をかけたりするセルフ通報型です。シンプルな操作で通報が可能ですが、緊急時も利用者が自分で行う必要がある点に注意しなければなりません。
自動通報型
2つ目は、カメラやセンサーなどで利用者の動きや状態を把握し、異常があれば自動で通知するタイプです。利用者自身が操作をしなくても見守ってもらえるため、一人暮らしの場合にも安心感があります。ただし、最初に機器を導入するための工事が必要な場合があります。
対面型
3つ目は対面型で、スタッフが巡回したり電話をかけたりしてくれるサービスです。訪問や電話の頻度はそれほど高くありませんが、会話を通じて細かな変化に気づいてもらいやすく、ちょっとした悩み事の相談なども可能です。
目的に合わせて選ぶ
見守りサービスを導入するときは、見守る対象の方がどのような状態にあるのか、どのような考えであるかを考慮しなければなりません。例えば、カメラで監視されることを嫌がる方がいます。また、機器の操作はできるだけ簡単であることを好む方もいます。利用者それぞれの特徴を踏まえたうえで、できるだけニーズに合った選び方をすることが重要です。
使い勝手の良さを考慮する
見守りサービスが使いにくいと、せっかく導入しても使わなくなってしまう可能性があります。そのため、本人の使いやすさを考慮することも大切です。例えば、ボタンを押すだけ、液晶の文字が大きくて読みやすく操作しやすいなど、緊急時でも簡単に操作できるものが望ましいでしょう。
専門家に相談する
見守りサービス選びに迷ったら、自治体の相談窓口やケアマネジャーといった専門知識を持った方に相談するのもおすすめです。本人の身体状況などに合ったサービスを選んでもらいましょう。
安心につながる見守りサービスを選ぼう
見守りサービスの種類は豊富にあるので、事前によく検討して家族のニーズに一番合うものを選択するようにしましょう。

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