実は意外と多い!高齢者の日常生活で困ることと解決方法

高齢者になると体力や危険を察知する判断力の低下など、老人特有の問題が多くなり、困ることが増えていきます。しかし、その悩みを周囲に相談できない高齢者は少なくありません。そこで、具体的にはどのようなことができなくなっていくのか、高齢者が感じている生活上で困ることや解決方法について解説していきます。
高齢者が日常で難しいと感じることはこんなにある
鍛え方や体質など個人差はあるものの、高齢者になると次第に体力が落ちていくのが一般的です。そのため、それ以前は普通にできていたことができなくなって困りごととなるケースが増えていきます。内閣府が発表した「平成29年高齢者の健康に関する調査」によれば、約20%の高齢者が健康上の問題で生活に影響が出ていると感じています。その中でも、とくに難しいと感じて困っている内容について見ていきましょう。
特に難しいと感じる活動


出典:内閣府「平成29年高齢者の健康に関する調査」
もっとも目立つのは、重いものを持ち上げたり運んだりという行動です。とくに「一人では困難」と回答している人は男性よりも女性の方が割合は高く、男女ともに健康状態が良くない人ほど「一人では難しい」と感じている傾向があります。重い物を運ぶという作業は自宅でもありがちなことです。一人暮らしの高齢者にとって悩ましい困りごとといえるでしょう。立ったり座ったりという動作や階段を上がる動作も「一人では困難」と感じている高齢者は多く見られます。他には、歩行困難を感じている高齢者も少なくありません。数百メートル程度歩くだけでも一人では難しいと感じている人は、高齢になるほど増えています。
また、夜間ぐっすり眠ることができないといった症状を感じている高齢者もいます。立つ、座る、歩くといった動作に加え、睡眠障害などの困りごとを持つ高齢者の多くは都市規模が小さい地域に多いのが特徴的です。ここにあげた困りごとの多くは、自宅や外出先など、普通に生活していて誰もが直面しやすい問題といえます。つまり、多くの高齢者が何らかの困りごとを抱えて暮らしていることになります。
日常生活で利用可能な高齢者のための支援サービスは?
説明してきたように、多くの高齢者は身体上に何らかの悩みを抱えています。とくに一人暮らしの老人や高齢者夫婦だけの世帯では、掃除や買い物といった日常的なことに困りごとを抱えていることが推測できます。自分たちだけではできないという困りごとを解消するには、家事代行や訪問介護など、経済的に負担が少ないサービスの利用を考えるべきです。経済的な負担を軽減するためには介護保険制度の活用が望ましいですが、自ら進んで利用する高齢者は少ないようです。制度がよくわからないことに加えて手続きが面倒ということもあり、子どもなど近親者が制度の活用について積極的に考えてあげることが必要な状況にある方たちが意外に多いようです。
介護保険で用意されているサービスは、基本的に自分から請求しなければ利用できません。サービスの利用には介護保険申請をして「要介護認定」を受ける必要があります。申請の仕方については地元の「地域包括支援センター」か「市区町村の介護保険担当課」に相談するといいでしょう。
介護保険申請をすると30分から1時間ほどの訪問審査があり、その審査の結果介護が必要であると認定されるとサービスを受けられるようになります。
審査の結果、要支援1〜2なら「介護予防サービス」、要介護の1〜5に該当すれば「介護サービス」を受けることが可能になります。
「要介護(要支援)認定」を受けられれば担当のケアマネージャーがつき、あとは具体的な症状や生活上の困りごとに応じたプランを立ててもらえます。ケアマネージャーへの相談やプランの検討は家族の判断や了承を伴うので必ず協力しましょう。また「要介護(要支援)認定」が受けられなかった場合でも、全額自己負担にはなりますが、地域支援事業のサービスを利用することはできます。
要介護認定で実際に利用できる介護サービスとは?
「要介護」は1〜5段階まであり、段階に応じて利用できるサービスが分かれています。1〜5までのどの段階でも利用できるのは、「身体介護」に「通院等乗降介護」、そして「生活援助」の主に3つです。
「身体介護」とは食事や入浴の介助、おむつ交換に着替えの手伝い、排泄介助や移動の介助などがあげられます。寝たきり状態になってしまった場合には床ずれ防止のための体位変換や洗面、歯磨きの介助なども含まれます。
「通院等乗降介護」とは、病院や役所など外出が必要なとき、ヘルパーが車の運転や乗り降りを介助してくれるサービスです。
「生活援助」では、調理や家の掃除、洗濯など生活全般に関するサポートを受けることができます。日用品や食材などの買い物やゴミ出し、さらに薬の受け取りまで代行してもらえるので、自分でできないことが増えた高齢者でも生活の困りごとを解消することができます。
一方、「要支援」で受けられるのは訪問による「介護サービス」ではなく「介護予防サービス」です。
「要支援」は身体介護や生活援助などの区別はなく、「介護予防通所介護」や「介護予防通所リハビリ」、「介護予防訪問介護」に分かれており、1カ月単位の定額料金で利用することができます。「要支援」も「要介護」も介護保険を利用して在宅でサービスを受けることが可能です。
介護保険を使わずに生活をサポートしてもらえるサービスとは?
介護保険以外で高齢者の日常生活をサポートしてもらえるサービスには、民間企業やボランティア、NPO法人などが主体となって提供している以下のようなサービスがあります。
困りごと1 ひとりで「買い物」
大手スーパーなどは基本的に買い物介助サービスを行っています。スーパーにいって買ったものを後で届けてくれるサービスや電話などで注文して届けてもらうサービスなど、さまざまなサービスがありますので問い合わせてみるといいでしょう。このほかにもコンビニによる宅配や生協などの食材宅配を利用する方法もあります。
また、家事代行サービスを利用して買い物を依頼することも可能です。宅配業者が運営する「みまもり」サービスなどでも買い物介助サービスを行っているところがあります。
困りごと2 ひとりで「調理」
ひとりで調理するのがむずかしく食事が思うようにとれなくて困るという場合は、食事支援や配食サービスを利用すると楽です。食事支援サービスは市区町村で支援しているケースもあるので、まずは役所・役場などに問い合わせてみましょう。このほか民間企業やNPO法人、さらにボランティアが運営しているサービスもありますが、役所・役場に問い合わせてみればこうしたサービスについてもあれば教えてくれると思います。
困りごと3 ひとりで「掃除」
ひとりで掃除がむずかしい、あるいは毎日の掃除ではなくお風呂場や換気扇などを徹底的に掃除したいがひとりではできそうもないといった場合には、掃除や片付け支援などのサービスを利用しましょう。とくに衛生は健康にも直結してきますので、不衛生にならないようにためらわず気軽に依頼してしまうのが正解です。ALSOKではこの様なお困りごとやお悩みを解決する清掃・家事代行サービスを提供しています。
日常生活で困ることが増えたら「みまもり」を考えてみよう
日常生活のさまざまなことをサポートしてくれる事業者や団体はたくさんあります。親の心配も大切ですが、自分のために備えておくことも重要です。一人暮らしや高齢者だけの世帯になると、いつ何が起こるかわかりませんし、緊急時に適切に対応することもむずかしくなります。
緊急時に助けを呼べるタイプのみまもりサービスを利用するとこうした不安も和らぎます。警備会社が提供しているみまもりサービスは緊急ボタンひとつで訓練を受けたプロのガードマンが駆けつけてくれ、異常があれば適切な措置を講じてくれるので安心です。
ALSOKの「みまもりサポート」は月々1,870円(税込)からニーズに合わせてさまざまなプランをお選びいただけます。相談は無料、専門のアドバイザーが相談に応じます。ぜひお気軽にお問い合わせください。