介護保険とは?40歳からの保険料と制度の仕組みを図解でわかりやすく解説【2026年最新】
本記事では、介護保険制度の仕組みや対象者、保険料、自己負担割合などについて解説します。
介護保険は、保険料と公費で支え合い、介護が必要になったときに必要なサービスを利用できる公的制度です。介護保険という言葉は知っていても、誰が対象で、どのくらいの費用がかかるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
【この記事で分かること】
- 介護保険制度の仕組みと、40歳から始まる保険料負担の内容
- 第1号被保険者と第2号被保険者の違い、介護サービスを利用できる条件
- 保険料や自己負担割合、公的介護保険と民間介護保険の違い
目次
介護保険とは?
介護保険とは、介護が必要になった方を社会全体で支えるための公的保険制度です。40歳に達したときから保険料を納める義務が生じ、介護が必要と認定されると、原則1~3割の自己負担でサービスを利用できます。
財源は、被保険者が納める保険料が50%、国・都道府県・市区町村が負担する公費が50%という構成です。制度を運営するのは市区町村(保険者)で、利用者は市区町村へ保険料を納め、必要になった際に要介護認定を申請します。
認定を受けた後は、サービス提供事業者と契約を結び、利用者は自己負担分を事業者へ支払います。残りの費用は、事業者が市区町村に請求する仕組みです。
介護保険でできること・できないこと
介護保険が対象とするのは、「本人の自立支援」と「心身機能の維持」に必要なサービスに限られます。
たとえば訪問介護では、ヘルパーが自宅を訪れ、入浴・排泄・食事などの身体介護や、調理・掃除・洗濯といった本人のための家事支援を受けられます。また、デイサービスでは施設に通い、入浴や食事、リハビリなどのサービスを利用可能です。他にも、手すりや杖など、自宅で使う福祉用具のレンタルや住宅改修も対象になります。
一方、家族の分の食事作りや洗濯、庭の手入れ、ペットの世話、趣味の外出への付き添いなどは対象外です。これらは「本人の日常生活に必須ではない」と判断されるためで、必要な場合は自治体の支援や民間の保険外サービスを利用します。
介護保険サービスを利用できる人は?
ここからは、公的介護保険において被保険者が介護サービスを受給するための要件や要支援/要介護認定の種類についてご説明します。
第1号被保険者
65歳以上の高齢者で、要支援/要介護と認定されたすべての人が介護サービスを受けられます。認定を受ければ、その原因が病気か加齢によるものかを問わないのが特徴です。
第2号被保険者
40~64歳で、老化に起因する「特定疾病」が原因で要支援/要介護状態になった場合に限り、介護サービスを受けられます。
特定疾病とは
加齢との関連が認められる16種類の病気を指します(末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患など)。第2号被保険者は、主治医の診断により特定疾病のいずれかと判断され、自治体から要支援/要介護認定を受けた場合に介護サービスを利用できます。
要支援/要介護認定の種類
介護保険では、心身の状態に応じて要支援1~2、要介護1~5の7段階に区分されます。認定区分によって利用できる介護保険サービスや支給限度基準額が異なります。各区分の特徴や認定基準、利用できるサービスについては後編で詳しく解説します。
介護保険料はいくら?
令和8年度の介護保険料は、第1号被保険者(65歳以上)で月額6,225円、第2号被保険者(40歳~64歳)で月額6,360円(見込額)でした。実際の金額は年齢区分・所得・お住まいの自治体・加入する健康保険によって決まります。
保険料の仕組み
保険料は年齢によって第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40~64歳)に区分され、それぞれ決め方が異なります。
第1号の保険料は、自治体が地域の介護サービスの需要や高齢者数に応じて設定するため、住む地域によって自治体ごとに設定されます。第2号の保険料は、加入している健康保険(協会けんぽ、組合健保、国保など)の保険料率によって異なります。
計算方法と支払い方法、平均保険料
第1号被保険者は、市区町村ごとに定められる「基準額」に、所得段階に応じた倍率をかけて計算され、年金からの天引き(特別徴収)で納めます。なお、年金の受給額が年間18万円未満の方や、他の自治体から引っ越してきたばかりの方などは、納付書や口座振替で自治体に直接介護保険料を納めます(普通徴収)。
全国平均の基準額は6,225円ですが、東京都小笠原村の3,374円から大阪府大阪市の9,249円まで、地域による差が大きいのが現状です。
第2号被保険者は、会社員などの場合「標準報酬月額×介護保険料率」で計算され、労使折半で健康保険料と一体徴収されます。
保険料はなぜ上がっている?
制度が始まった2000年度の第1号保険料は月額2,911円でしたが、現在は2倍以上に上昇しています。3期分をみると、第1号保険料だけでなく第2号保険料も年々増加していることが分かります。おもな理由は、団塊の世代が後期高齢者となり、要介護認定者やサービス利用者が増えていること、そして増大する介護給付費を賄い、制度を安定して維持する必要があることの2点です。
出典:厚生労働省「令和8年度 介護納付金の算定について(報告)」
自己負担割合は?(原則1割、所得により2割・3割)
介護サービスを利用した際の自己負担は、原則としてかかった費用の1割です。ただし、65歳以上で一定以上の所得がある方は、所得に応じて2割または3割負担となります。残りの費用は、保険料と公費によって賄われます。
2割・3割負担となる所得基準
自己負担割合は、本人の所得や世帯の状況などをもとに判定されます。なお、40~64歳の第2号被保険者は、所得にかかわらず原則1割負担です。
高額介護サービス費で自己負担に上限あり
介護サービスの利用により自己負担額が高額になった場合は、負担を軽減する制度も設けられています。自己負担割合や負担軽減制度の詳細については、後編で詳しく解説します。
特定疾病16種一覧と該当時の対応
第2号被保険者は、加齢に伴う以下16種類の特定疾病に該当すると医師に診断され、自治体による要支援または要介護認定を受けた場合に限り、介護保険によるサービス給付を受けることができます。
特定疾病とは、65歳以上に多く発症するものの40歳以上65歳未満にもみられ、罹患率や有病率などの観点から加齢との関係が認められる疾病のうち、介護保険制度で定められた16種類の疾病を指します。
特定疾病の種類については、要介護認定の際に運用しやすいよう、個別疾病名が列記されています。(介護保険施行令第二条)
16種の特定疾病一覧
特定疾病は以下の16種です。
| 疾病名 | 主な特徴・症状 |
|---|---|
| がん(末期) | 医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したがん |
| 関節リウマチ | 関節内に炎症が生じ、痛みやこわばりが現れる |
| 筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 運動をつかさどる神経が障害を受け筋力が徐々に低下。視力・聴力などは保たれることが多い |
| 後縦靱帯骨化症(OPLL) | 後縦靱帯が骨化して脊髄を圧迫し、感覚障害・運動障害を起こす |
| 骨折を伴う骨粗鬆症 | 骨量が減って骨がもろくなり、骨折を伴う状態 |
| 初老期における認知症 | 65歳未満で発症する認知症で、認知機能の低下により日常生活に支障をきたす状態 |
| 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 | 転びやすい、手足の震え・こわばり、動作が遅い、歩行困難など(パーキンソン病関連疾患) |
| 脊髄小脳変性症 | 歩行時のふらつき、手の震え、呂律が回らない、身体を思い通りに動かすことが難しい |
| 脊柱管狭窄症 | 脊柱管が狭くなり、痛み・しびれ、足に力が入らないなどを起こす |
| 早老症 | 思春期以降に急速に老化が進行。白髪・脱毛・手足の筋肉減少など |
| 多系統萎縮症(MSA) | 立って歩くときのふらつき、動作緩慢、手足のこわばりなど |
| 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症 | 糖尿病の合併症。足のしびれ・痛み、むくみ、視力低下など |
| 脳血管疾患 | 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管障害による疾患 |
| 閉塞性動脈硬化症 | 足の血流が悪くなり、歩行時にしびれ・痛み・冷たさを感じる |
| 慢性閉塞性肺疾患(COPD) | 喫煙など有害物質の長期吸入で気管支に炎症。息切れ・長引く咳と痰 |
| 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 | 両側の膝関節または股関節に著しい変形が生じ、痛みや可動域の制限によって日常生活に支障をきたす状態 |
該当した場合の申請手順
特定疾病により介護が必要になった場合は、市区町村の窓口へ「要介護認定」を申請します。第2号被保険者はまだ介護保険証がないため、マイナ保険証や資格確認書を持参します。その後、認定調査と主治医意見書をもとに審査が行われ、原則30日以内に結果が通知されます。
公的介護保険と民間介護保険の違い
介護保険は、厚生労働省によって設けられた公的な介護保険制度を指す場合が一般的ですが、民間の保険会社からも、介護に関するさまざまな保険商品が提供されています。民間介護保険は、公的介護保険を補うための現金給付が中心であり、サービスの現物給付を補完する役割を持ちます。国が設ける公的介護保険と、民間保険会社の民間介護保険との違いは以下の通りです。
| 公的介護保険と民間介護保険のおもな違い | |||
|---|---|---|---|
| 公的介護保険 | 民間介護保険 | ||
| 第1号被保険者 | 第2号被保険者 | ||
| 加入の要件 | 65歳以上の全国民(加入義務あり) | 40歳から64歳までの健康保険加入者(加入義務あり) | 保険会社の規定による(加入義務なし) |
| 対象者 | 自治体が認定する要介護者すべて | 特定疾病で介護認定を受けた人 | 被保険者すべて |
| 利用の条件 | 要支援・要介護の程度に応じてサービスや利用金額が決まる | 特定疾病で要支援・要介護となった場合 | 公的介護保険に準じる場合が多いが、基本的には保険会社の規定による |
| 保障内容 | 介護保険法に則って介護サービスの利用が可能 | 一時金や年金など現金支給の形が一般的 | |
| 加入手続き | 手続き不要(強制加入) | 保険会社 | |
一人暮らしの高齢者に必要な介護保険以外の備え
一人暮らしの高齢者の場合、介護保険サービスを利用していても、家族や介護職員が常にそばにいるとは限りません。特に、夜間や早朝、サービス利用のない時間帯に転倒や急な体調不良が起きた場合、発見や対応が遅れてしまう可能性があります。また、離れて暮らすご家族にとっては、普段の様子が分かりにくいことも不安につながるでしょう。その場合には、見守りサービスの活用をおすすめします。
高齢のご家族が離れて暮らしている場合の見守りにおすすめなのが「HOME ALSOKみまもりサポート」です。
体調が悪くなったときは緊急ボタンを押すことで、ALSOKがすぐに駆けつけ対応します。また、ヘルスセンターへつながる相談ボタンがあり、看護師資格を持つスタッフに健康や体調に関するお悩みをいつでも気軽に相談できます。
熱中症や災害時の危険なときは音声で警告。さらに、センサーが火災や煙を感知した場合に、ALSOKが駆けつけるオプションサービスもご用意しています。ご家族が安心して生活できるよう、ALSOKグループが24時間365日サポートいたします。
ALSOKの介護
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まとめ
40代が知っておくべき介護保険の3つのポイントは、40歳からの保険料負担の開始、40~64歳でも特定疾病により利用できる仕組み、そして親の介護への備えです。介護保険制度の全体像を理解したうえで、実際にサービスを利用する際は、要介護認定の区分や支給限度基準額、利用できるサービス内容も確認しておくことが大切です。
後編では、介護保険における要支援/要介護認定の基準や、介護保険で利用できるサービスに関する詳細を紹介しています。後編も、続けてぜひご覧ください。
介護保険に関するよくある質問
Q:一人暮らしの高齢者でも、介護認定を受けることはできますか?
A:受けられます。同居家族の有無は認定の基準には影響しません。一人暮らしで日常生活に不安がある場合こそ、ヘルパー(訪問介護)や見守りサービスを利用するために、早めに市区町村の窓口へ相談することが大切です。
Q:ホスピス(緩和ケア)を利用する場合でも、介護保険は使えますか?
A:施設の種類や提供されるサービス内容、本人の病状などによって「医療保険」と「介護保険」のどちらが優先されるかが異なります。末期がんなどの「特定疾病」に該当する40歳以上の方であれば、医療保険でホスピスに入院しながら、必要に応じて介護保険のサービスを併用できるケースがあります。
Q:介護保険を申請するにはどこに相談すればよいですか?
A:本人が住んでいる市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターです。本人だけでなく、家族が相談することも可能です。
Q:介護保険被保険者証(介護保険証)はどこで受け取れますか?
A:原則65歳を迎える年の誕生月に自治体から郵送で交付されます。特定疾病にかかった第2号被保険者は、要支援/要介護認定を受けた後に交付されます。





















