セーフルーム・パニックルームとは?設置時のポイントや強盗対策も解説

防犯 2025.07.24更新(2023.10.06公開)
セーフルーム・パニックルームとは?設置時のポイントや強盗対策も解説

警察庁が発表している「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、「住宅への侵入窃盗犯罪」は1万7,469件発生しています。また、近年闇バイトによる強盗事件のニュースをよく目にするようになりました。最近の強盗は凶悪化していて、強盗からの殺人事件に発展したケースもあります。
そのため、「もし在宅中に強盗が来たらどうしよう…」と、心配に思いセーフルームの設置を検討している方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、セーフルームの概要や用途、すぐにできるおすすめの強盗対策をご紹介します。

出典:警察庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料

目次

セーフルーム・パニックルームとは

セーフルームとは、主に一般住宅に設置された「避難部屋」のことです。シェルターの一種で、犯罪や災害から身を守る目的で作られます。
セーフルームは「セイフティールーム」「シェルター」「パニックルーム」など、さまざまな呼び方がありますが、基本的な機能は同じです。

海外ではこうしたセーフルームの設置が一般的な国も多く、例えばスイスでは、過去に国が核シェルターの設置を義務付けていた影響もあり、人口あたりの核シェルターの普及率は100%です。一方、日本では核シェルターがほとんど普及しておらず、セーフルームやシェルターそのものに対する関心が薄いのが現状です。

セーフルーム・パニックルームは後付けできる?

セーフルームにはさまざまなタイプがありますが、大きく分けると「地上」または「地下」のいずれかに設置できます。

地下タイプのセーフルームは、家を建てる際に一緒に設置しなければならず、完成後に後付けはできません。また、注文住宅の一戸建てであれば建築時に設置可能ですが、マンションや集合住宅の場合は難しいでしょう。そもそも、マンションや集合住宅の建物自体は大家さんや管理会社が所有しているため、住民が勝手に地下にセーフルームを作ることはできません。共有スペースとして地下にセーフルームが設置されている物件であれば、使用することができます。

一方で、地上タイプのセーフルームであれば、既存の住宅を改築・増築して作れるものもあります。

セーフルーム・パニックルームを使用するケースとは

セーフルーム・パニックルームを使用するケースとは

セーフルームは、どのようなときに使用するのでしょうか。

強盗や窃盗などの不法侵入者が発生した際

セーフルームを利用する可能性があるケースとして「強盗や不審者の侵入」があります。
以下は、警察に報告された住宅への侵入件数です。

侵入窃盗の認知・検挙の認知件数(住宅対象)

侵入窃盗の認知・検挙の認知件数(住宅対象)

出典:警察庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料

  • 忍込み:夜間など、就寝している際に住宅の屋内に侵入する手口のこと
  • 居空き:日中など、人がいるときにすきを見計らって侵入する手口のこと

特に怖いのは強盗と鉢合わせする可能性がある「居空き」で、毎年1,000件近く発生しています。空き巣だけでなく、在宅中であっても強盗が侵入してくる可能性があります。

強盗の侵入に気づいた際、もし自宅にセーフルームがあれば逃げ込めるので、身の安全を守れます。セーフルームは内側から施錠できるものが多く、住宅への侵入犯罪から身を守るために有効です。
セーフルームの設置が難しい場合、既存の部屋の内扉を頑丈にしたうえで、鍵を複数設置することで、強盗が侵入したときに逃げ込める部屋を作ることもできます。

地震や津波などの災害が発生した際

セーフルームは、強盗などの犯罪から守るだけでなく、地震や津波、大雨などの災害が発生した際にも役立ちます。

2024年に日本で震度5弱以上を観測した地震は28回。今後も日本では大きな地震が発生する可能性があります。また、地震に伴う津波や、台風・大雨による水害も考えられるでしょう。日本ではさまざまな災害に遭う可能性が高いことから、災害にも対応したセーフルームがあります。

例えば、水害に対応したセーフルームは、水に浮く設計になっており、セーフルーム内で救助を待つ仕組みです。耐震のセーフルームは、庭に設置できるものもあれば、家の一部に鉄骨構造を取り入れ、耐震を強化する方法もあります。災害時を想定し非常灯や食糧庫などが設置できる製品もあるので、いざという時も慌てずに行動できます。

出典:気象庁「令和6年(2024 年)の日本の地震活動

日常的な使用

セーフルームは、防犯性や防音性が高いことから日常的に使用されるケースもあります。例えば、貴重品の保管場所や寝室、ウォークインクローゼットなどとしても利用されます。製品によってはベッドやソファが設置されていたり、オプションでトイレを付けたりすることも可能です。そのため、普段は快適に過ごせる多目的な部屋として活用し、緊急時には避難場所として利用するのも良いでしょう。

セーフルーム・パニックルームを作る際のポイント

自宅にセーフルームを設置する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

家族がアクセスしやすく不審者が侵入しにくい場所に設置する

セーフルームは、いざという時に家族全員が慌てずに避難できる場所に設置することが大切です。家の中心部に近い部屋やリビングなど、家族が普段から集まる場所の近くに設置すれば、緊急時でも迷わずに避難できます。
また、不審者に気づかれにくい場所に設置することも重要です。玄関や勝手口など、侵入口に近い部屋にセーフルームを設置した場合、逃げ込む前に鉢合わせするリスクが高くなります。特に地下に設置する場合は、外から見てセーフルームだと分からないように、収納部屋や物置に見せかけるなどの工夫をすると、より安全性を高められます。

侵入リスクを下げる工夫をする

セーフルームの構造自体も、防犯性能を意識して設計された製品を選びましょう。具体的には、窓や扉の数は必要最小限にとどめ、防犯性の高い部材が使用されている製品を選ぶのがおすすめです。
また、扉や窓は室内から確実に施錠できるものにしましょう。万が一不審者が侵入した場合も、セーフルームに避難し鍵をかけて身を守ることができます。

長時間の滞在が可能な構造にする

セーフルームは一時的な避難だけでなく、災害や停電などの発生により長時間滞在する可能性を考慮し、設備や備蓄品を整備しましょう。例えば、空調設備や換気システムが備わっていれば、避難中でも快適に過ごすことができ、夏場の熱中症予防などにも役立ちます。また、食料品や水、衣類、簡易トイレなどの備蓄も用意しておけば、外の状況が落ち着くまでセーフルームで生活できます。食料品や水は定期的に賞味期限を確認し、期限が近くなったら消費して新しいものを買い足しましょう。さらに、停電時に備えた懐中電灯、外と連絡を取るための通信回線やモバイルバッテリーなども用意しておくと安心です。

防犯カメラやホームセキュリティとの連携を検討する

セーフルーム内から外の様子を確認できる環境を整えることも重要です。屋内外に防犯カメラを設置し、その映像を手元のスマートフォンなどで確認できるようにしておけば、侵入者の動向の把握や避難判断に役立ちます。さらに、ホームセキュリティと連携することで、異常時の通報や警備会社への自動連絡といった、より高度な防犯対策が可能になります。

セーフルーム・パニックルーム以外にできる強盗対策

セーフルーム・パニックルーム以外にできる強盗対策

自宅にセーフルームがあれば安心ですが、大掛かりな工事になるケースも多く、実際にすぐに設置するのは難しいでしょう。ここでは、すぐにできる強盗への対策をご紹介します。

まずは強盗が侵入しにくい状態にする

強盗に狙われにくい住まいを作るには、まず「侵入に時間がかかる家」にすることが重要です。警察庁の「住まいる防犯110番」によると、泥棒の17.1%が「2分以内」、51.4%が「2分を越え5分以内」に侵入をあきらめることがわかっています。

基本的な対策としては、1つのドアに2つの錠を取り付ける「ワンドアツーロック」が挙げられます。玄関や勝手口のドアに、通常の錠に加えて補助錠を設置することで、侵入までに時間がかかるようになり、犯行をあきらめさせやすくなります。

また、侵入経路は玄関や勝手口だけではありません。空き巣や強盗は窓を破って侵入するケースも多いです。そのため、窓には防犯フィルムを貼ったり、防犯ガラスに交換したりすることで、防犯性を高めておくのが効果的です。

出典:警察庁「住まいる防犯110番

侵入された際に気づくことのできる対策をしておく

空き巣や強盗が侵入したとしても、すぐに気づくことのできる環境を整えておくことで、被害の拡大を防止できます。例えば、窓ガラスが開閉したり割られたりした際に大きな音が鳴る窓用防犯ブザーや、歩くと大きな音が鳴る防犯砂利、訪問者に反応するセンサーライトなどの設置がおすすめです。大きな音やライトが反応し、不審者にすぐに気づくことができれば、外へ逃げたりセーフルームに避難したりなどの判断がしやすくなります。

逃げ道が確保されている状態であれば逃げる

在宅中に強盗が入った場合、セーフルームの有無に関係なく、逃げ道が確保できる場合は早急に不審者から遠い場所に逃げましょう。

もしセーフルームがあった場合でも、あくまで一時的な避難であって、根本的な解決にはなりません。強盗が侵入した場合はできるだけ早く警察に通報し、逃げることが重要です。
また、セーフルーム内にはあらかじめ非常用の通報システムや通信機器を準備しておき、外部と連絡がとれるようにしておきましょう。さらに、スマートフォンの充電が切れていた場合に備え、モバイルバッテリーなども準備しておくと安心です。

いざという時のために駆けつけてくれるホームセキュリティを契約する

強盗対策にはホームセキュリティの導入も効果的です。ホームセキュリティを契約していれば、異常事態が発生した際に非常ボタンを押すだけで、専門のスタッフが駆けつけてくれます。
またピッキングやガラス破りなどによる窓やドアからの侵入を感知した場合も、すぐにシステムが作動するため、被害を最小限に防げます。状況によって瞬時に警察とも連携し対応してくれるので、さまざまな危険を回避できるでしょう。

強盗対策でホームセキュリティの導入をご検討の場合は、ALSOKの「HOME ALSOK Connect」がおすすめです。HOME ALSOK Connectは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。
セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの依頼駆けつけが利用可能です。
オンラインセキュリティでは、異常発生時には自動でALSOKが駆けつけ、適切に対処します。さらに、在宅中でも「在宅警備モード」を設定しておけば、侵入時に警報メッセージが流れて不審者を威嚇できるため、犯行をあきらめる効果が期待できます。住人が異変に気づくきっかけにもなり、ALSOKや警察の到着までセーフルームに避難したり、外に逃げたりするための備えとして有効です。

強盗への防犯対策を取り入れて住まいの安全を守ろう

セーフルームは、強盗や災害などの緊急時に身を守るための避難部屋です。ただし、設置には費用や住まいの構造による制約があるため、一般家庭に取り入れるのは現実的には難しいことが多いでしょう。
セーフルーム以外での強盗対策をご検討の場合は、ホームセキュリティサービスの導入がおすすめです。ホームセキュリティは、外部からの侵入を留守・在宅中に関わらず感知し、必要に応じて警備会社へ通報できるほか、自動での駆けつけも可能であるため、万が一の際にも被害を最小限に抑えられます。
また、警備会社のステッカーなどを掲示し、ホームセキュリティへの加入を外部に知らせることで、強盗やその他の犯罪を未然に防ぐ効果も期待できます。家族や住居を守りたいとお考えの方は、ホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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