90歳で一人暮らしは可能?高齢者の一人暮らしの割合や限界年齢、活用したいサービスを解説

高齢者・介護2026.07.17更新(2025.05.19公開)
一人暮らしをするシニア女性

本記事では、90歳で一人暮らしを続けられるかを判断するポイントや、一人暮らしを安全に続けるために活用できるサポートやサービスについて解説します。

90歳の親や祖父母が一人暮らしを続けている場合、「このまま一人で生活を続けられるのだろうか」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
近年は高齢化が進み、高齢者の一人暮らしは増加傾向にあります。なかには80代、90代になっても住み慣れた自宅で生活を続けたいと望む方も少なくありません。しかし、年齢を重ねるにつれて身体機能や認知機能の低下などにより、一人暮らしを継続することが難しくなる場合があります。

【この記事で分かること】

  • 90歳の親が一人暮らしを続けられるか判断する「限界年齢」を見極めるポイント
  • 90歳の一人暮らしで起こりうる問題
  • 90歳の一人暮らしに不安を感じたときに活用したいサービス

目次

高齢者の一人暮らしの現状

90歳だから一人暮らしができないと、一律にはいえません。一人暮らしを続けられるかどうかは、年齢だけでなく、身体機能や認知機能、住環境、家族や地域の支援体制によって変わります。公的統計では「90歳単独」の一人暮らし割合が必ずしも公表されていないため、本記事では65歳以上の単独世帯データや90代に近い統計をもとに傾向を確認していきましょう。

65歳以上人口に占める一人暮らしをする者の割合

出典:内閣府「令和8年高齢社会白書」

令和8年版高齢社会白書によると、65歳以上の者のいる世帯数は2,760万4千世帯と、全世帯(5,482万世帯)の50.3%を占めています。
65歳以上で一人暮らしをしている人も男女ともに増加傾向にあり、令和2年(2020年)では男性15.0%、女性22.1%だった割合が、令和32年(2050年)には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれています。

さらに性別・年齢階級に分けたデータを見ていきましょう。

65歳以上の単独世帯の性·年齢構成

出典:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

65歳以上の単独世帯は女性の割合が多く、85歳以上の単独世帯も女性のほうが多いことが分かります。
高齢化の加速に伴い、高齢者の一人暮らしは珍しいものではなくなってきていますが、年齢が上がるにつれてさまざまな課題が生じやすいことも事実です。

90歳でも一人暮らしは可能?限界年齢の考え方

高齢者が一人暮らしできる限界年齢を考えるときは、暦年齢よりも「健康寿命」が重要な指標となります。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活を制限されずに過ごせる期間を指します。

厚生労働省の発表によると、令和4年(2022年)の健康寿命は男性72.57年、女性75.45年となっています。一般的に、健康寿命を過ぎると自力で日常生活を送ることに支障が出てきて介助が必要になり、心身の状態の変化に応じて介護等が必要になってくると考えられます。
ただし、健康寿命はあくまで平均値であり個人差があります。90歳を超えても元気に一人暮らしを続けている方もいれば、70代でも支援や介護が必要になる方もいます。一人暮らしが可能かどうかは、年齢だけでなく本人の心身の状態や生活環境、家族のサポート体制などを総合的に判断する必要があります。

出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

90歳の一人暮らしを続けられるか判断するポイント

90歳の一人暮らしを続けられるか判断するチェックリスト
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90歳でも一人暮らしを続けている方はいますが、大切なのは年齢だけで判断しないことです。一人暮らしを安全に続けるためには、健康状態や日常生活の様子に変化がないかを定期的に確認することが重要です。

歩行が安定せず、転倒することが増えた

歩行が不安定になったり、つまずくことが増えたりしている場合は、注意が必要です。高齢者は転倒によって骨折しやすく、骨折をきっかけに寝たきりになるケースもあります。
また、転倒後に一人で起き上がれず、助けを呼べない状況になるおそれもあるため、歩行状態の変化は一人暮らしを続けられるか判断する重要なポイントです。

物忘れが目立つようになった

「食事をしたことを忘れる」「同じものを何度も購入する」「約束を忘れる」など、以前より物忘れが目立つようになった場合は、認知機能が低下している可能性があります。年齢とともに多少の物忘れは増えますが、日常生活に支障が出始めている場合は一人暮らしを継続しにくい状況になることがあります。

家事が負担になっている

食事の準備や掃除、洗濯などの家事を負担に感じるようになると、生活環境が悪化しやすくなります。体力の低下によって思うように家事ができなくなるだけでなく、栄養バランスの偏りや室内環境の悪化につながることも考えられます。以前は問題なくできていた家事が難しくなっている場合は、一人暮らしの継続を見直すきっかけになるでしょう。

外出を嫌がるようになった

外出する機会が減ると、運動不足による筋力の低下だけでなく、人との交流が少なくなることがあります。会話が減ることで、認知機能や意欲の低下につながるおそれがあります。買い物や散歩などの日常的な外出を避けるようになった場合は、体調や生活への不安を抱えている可能性も考えられます。家族は外出頻度の変化にも目を向けることが大切です。

服薬・金銭などの管理に不安がある

薬の飲み忘れやの重複して服用することなどが増えた場合は、認知機能や判断力が低下している可能性があります。また、公共料金の支払いを忘れる、通帳や印鑑の保管場所を忘れるなど、金銭の管理に不安がある場合も注意しなければなりません。

90歳の一人暮らしで想定される問題

  • 病気やケガへの対応が遅れるおそれがある
  • 家族が異変に気づきにくい
  • 災害時に避難や情報収集が困難になる
  • 社会的孤立につながる
  • 高齢者は詐欺や強盗などの犯罪の標的になりやすい

90歳の高齢者が一人暮らしを続ける場合、さまざまな問題が想定されます。

病気やケガへの対応が遅れるおそれがある

90歳前後になると、体調の変化が起こりやすく、予期せぬ病気やケガのリスクが高まります。一人暮らしの場合、具合が悪くなったときに自分で助けを求められず、対応が遅れるおそれがあります。また、自分が医療処置を必要とする状態であると認識できない場合や、病院への受診を渋るケースもあります。

家族が異変に気づきにくい

悩んでいるシニア男性

加齢に伴い認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす場合があります。特に認知症を発症すると、金銭管理や服薬管理、食生活の維持が難しくなる場合があります。さらに、食事の準備や洗濯、掃除などの家事を一人で行うことが難しくなり、日常生活の水準が低下することがあります。
自身で認知機能の低下に気づかず、家族が遠方に住んでいると周囲も変化に気づきにくいことから、適切な支援につながるまでに時間がかかる場合もあります。

災害時に避難や情報収集が困難になる

高齢になると、身体能力の低下などが要因となり、迅速な行動が難しくなります。
そのため、地震・台風などの自然災害や火災が発生した場合、適切な判断をして避難を行うことが困難になるでしょう。災害時は、情報収集や避難経路の確認、必要な物資の準備など、迅速な判断と行動が求められます。
特に、避難所への移動が身体的に困難であったり、慣れない環境での生活に適応できなかったりすると、災害弱者となりやすい立場にあります。

社会的孤立につながる

一人暮らしの高齢者は、体力的な問題などで家にこもるようになると、人との交流が減ることからコミュニケーションが少なくなる傾向があります。コミュニケーションが少なくなると、認知機能の低下につながるだけでなく、社会的な孤立によって生きがいを感じにくくなるなど精神的な健康にも影響を及ぼすおそれがあり、孤独死のリスクにもつながりかねません。人との交流は脳を活性化させ、認知症予防にも効果があるといわれているため、コミュニケーションの機会を意識的に持つことが重要です。

詐欺や強盗など犯罪の標的になりやすい

高齢者を狙う詐欺や強盗などの犯罪は年々増加しており、被害に遭わないための対策が必要です。特に一人暮らしの高齢者は標的にされやすく、対策が十分にできない場合があります。また、詐欺の手口は巧妙化しており、実際に被害に遭った場合に気づけないことも考えられます。家族の見守りや地域とのつながりがない場合は、被害が大きくなったり長期化したりするリスクも高くなるでしょう。

90歳の一人暮らしを継続するには

  • 健康的な食事や運動をする
  • 地域のコミュニティやサロンに参加する
  • 家族が積極的にコミュニケーションをとる
  • 日常生活の負担を減らす

加齢によるさまざまな課題があるものの、「住み慣れた自宅で暮らしたい」という本人の思いから、施設入所や家族との同居を望まない場合があります。また、施設への入所が希望通りに決まらないというケースも少なくありません。90歳の一一人暮らしを可能な限り安全に継続するために、本人や家族ができることを考えてみましょう。

健康的な食事や運動をする

体操をする高齢者

健康の基本である食事と運動に気を配ることは、高齢者の自立した生活を支える基盤となります。食事を自分で作ることが難しい場合には、民間の食事配達サービスを活用するのも選択肢の一つです。定期的に栄養バランスのとれた食事が届くことで、食生活の質を維持しやすくなります。

また、定期的に体を動かすことで体力をつけて、筋力や柔軟性を維持し、転倒リスクを減らすことが可能です。散歩やラジオ体操など、無理のない範囲で継続できる運動習慣を取り入れましょう。

地域のコミュニティやサロンに参加する

コミュニケーションを維持し、社会的に孤立することを防ぐために、地域のコミュニティや高齢者サロン、ボランティア活動などに積極的に参加することが大切です。定期的な外出の機会を持つことで、生活にメリハリがつき、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。地域の自治体や社会福祉協議会では、高齢者向けのサロンや交流会を開催していることが多いので、近隣の情報を調べてみると良いでしょう。

家族が積極的にコミュニケーションをとる

離れて暮らす家族であっても、定期的に連絡を取り合うことで高齢者の孤独感を軽減することが可能です。家族とのコミュニケーションは精神的な支えになるだけでなく、体調の変化に気づくきっかけにもなります。なるべく直接会う時間を作り、可能であれば一緒に食事をするようにしましょう。また、電話やビデオ通話などを活用して、顔を見ながら会話する機会を設けることも効果的です。

日常生活の負担を減らす

自宅に手すりを設置したり段差を解消したりするなど、住環境を整備することで日常生活の負担やリスクを減らすことができます。転倒予防のための環境整備は、一人暮らしを継続するうえで非常に重要です。介護保険を利用して住宅改修を行える場合もあるので、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみましょう。

90歳の一人暮らしに不安を感じたときはどうするべき?

90歳の一人暮らしに不安を感じた場合は、家族だけで判断せず、専門機関や支援サービスを活用することが大切です。

  • 地域包括支援センターに相談する
  • 介護サービスや見守りサービスの利用を検討する
  • 必要に応じて施設入居や家族との同居も選択肢に入れる

地域包括支援センターでは、高齢者本人や家族からの相談を受け付けており、健康状態や生活状況に応じた支援制度や介護サービスを案内しています。どのような支援を利用すれば良いか分からない場合でも、状況に合わせた提案を受けられるため、まずは相談してみましょう。

また、認知機能や身体機能の低下によって一人暮らしの継続が難しい場合は、介護サービスや見守りサービスを活用することで、安全に生活を続けられる可能性があります。それでも生活が困難な場合は、施設への入居や家族との同居も選択肢の一つです。本人の意思を尊重しながら、家族やケアマネジャーなどと相談し、将来を見据えた生活環境を検討しましょう。

90歳の一人暮らしをサポートするサービス

90歳になると、体力や判断力の低下により、一人で今まで通りの生活を続けることが難しくなる場合があります。90歳前後の高齢者が一人暮らしを続けるには、さまざまなサポートやサービスを活用することが重要です。例えば、以下のようなサービスが挙げられます。

  • 見守り・安否確認サービス
  • 介護サービス
  • 食事配達サービス
  • 自治体によるその他の高齢者支援サービス

見守り・安否確認サービス

多くの自治体では、一人暮らしの高齢者を対象とした見守り活動や安否確認サービスを提供しています。訪問による見守り活動、サロン(高齢者が集える場所)の実施、デジタルツールを活用した見守り活動などが行われています。これらのサービスを利用することで、日常生活において異変があった際の早期発見・早期対応が可能になり、一人暮らしの不安を軽減できます。

ALSOKの「みまもりサポート」がおすすめ

みまもりサポート

ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」は、高齢者の一人暮らしを24時間365日サポートする見守りサービスです。体調不良や急な発作時には、「緊急ボタン」を押すだけでALSOKが駆けつけて対応します。また、「相談ボタン」を押すことで看護師資格を持つスタッフに健康や介護の相談もできるため、日々の不安や疑問を解消することができます。
コントローラーはシンプルなデザインで、機械が苦手な高齢者でも扱いやすくなっています。
さらに、オプションを利用すれば、毎日のみまもり情報を取得でき、離れて暮らす家族が安否確認をすることも可能です。緊急時の対応だけでなく、日常的な見守りや健康相談にも対応しているため、90歳の一人暮らしを支えるサービスとして活用できます。

介護サービス

介護サービスを活用し、一人暮らしをサポートしてもらう選択肢もあります。例えば、介護保険制度を利用することで、訪問介護(ホームヘルパー)や通所介護(デイサービス)、訪問看護など、さまざまなサービスを受けることができます。
しかし、一人暮らしを続けられても、将来的に継続が難しくなる場合もあります。一人暮らしの継続が難しくなった場合に備え、早めに入所できる施設などの情報収集をしておくことも大切です。

ALSOKグループでは、利用者の状態に合った介護サービスを展開しています。デイサービスや訪問介護に加え、設備の整った有料老人ホームやグループホームのご紹介も可能です。施設の感染対策はもちろん、ALSOKならではの防犯対策や防災訓練にも積極的に取り組んでいるため、安心してご利用いただけます。
介護に関して不安なことやご要望等あれば、お気軽にお問い合わせください。

食事配達サービス

高齢者向けの食事配達サービスの利用によって、毎日栄養バランスのとれた食事をとることができます。配達スタッフが定期的に訪問するため、調理や買い物の負担を軽減できるだけでなく、見守りの役割も果たします。体調の変化や異変に気づくきっかけにもなるため、安心感につながるでしょう。

自治体によるその他の高齢者支援サービス

自治体によって利用できるサービスは異なりますが、一人暮らしの高齢者向けにさまざまな支援サービスを提供しています。例えば、緊急通報システムの設置、食事配達サービス、買い物支援、移動支援などがあります。また地域包括支援センターでは、高齢者の生活全般に関する相談を受け付けており、必要なサービスを紹介してくれます。どのようなサービスが利用できるか、まずはお住まいの地域の地域包括支援センターへ相談してみると良いでしょう。

まとめ

90歳での一人暮らしにはさまざまな課題がありますが、本人の意向や状態に合わせて適切な支援サービスを活用することで、住み慣れた自宅での生活を継続することができます。家族による定期的な連絡や訪問に加え、介護サービスや見守りサービス、食事配達サービスなどを上手に取り入れることで、一人暮らしの不安を軽減できるでしょう。本人の意思を尊重しながら、安全に暮らせる環境づくりを進めることが大切です。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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