マンションも強盗に狙われやすい?マンションで強盗被害に遭わないための防犯対策

防犯 2025.05.30
マンションも強盗に狙われやすい?マンションで強盗被害に遭わないための防犯対策

マンションにお住まいの場合、防犯面における安心感を理由に住居を選んだという方も多いのではないでしょうか。オートロックなどのセキュリティ設備により、一戸建てよりも安全性が高いというイメージがあります。しかし、近年ではマンションを狙った強盗事件が少なからず発生しており、マンションであっても油断は禁物です。本記事では、マンションでの強盗発生状況や狙われやすい特徴、犯行手口などを解説し、被害に遭わないための具体的な防犯対策について詳しくご紹介します。

目次

マンションでの強盗発生状況

マンションでの強盗発生状況

出典:警察庁「令和5年の犯罪 17 侵入強盗発生場所別侵入口・侵入手段別認知件数」

警察庁の統計によると、令和5年における共同住宅(アパートも含む)での強盗発生件数は、3階建以下の共同住宅で36件、4階建以上で33件です。認知件数全体の17%が共同住宅で発生しているのです。

また、住人が在宅中に気付かれないように侵入して金品を盗む「居空き」の被害もあり、侵入窃盗被害から強盗に発展するケースもあります。

強盗 発生時間帯別認知件数

出典:警察庁 犯罪統計資料(令和5年)
※侵入強盗(一戸建て住宅、共同住宅、商店など)、非侵入強盗を含んだ数値

上記は、強盗の発生時間帯別の認知件数を示したグラフです。強盗は0時~2時、2時~4時、22時~24時の時間帯が特に多く、深夜帯での発生が目立っています。一方、日中においても一定数発生しているため、明るい時間帯でも警戒が必要といえるでしょう。

マンションで発生した強盗事例

近年マンションで発生した強盗事件の例をご紹介します。

2023年10月、東京都渋谷区の高層マンションで強盗致傷事件が発生しました。複数の犯人が住居に侵入し、住人に暴行を加えて現金や高級腕時計などを奪う被害がありました。セキュリティが整っているはずの都心の高層マンションでさえ、犯罪のターゲットになり得ることを示す事例です。

また、2024年4月には大阪府淀川区のマンションで強盗事件が発生しました。犯人グループは2回に渡って被害者宅に侵入しており、1回目は貴金属や現金が奪われました。2回目は、バールでドアをこじ開けようとしたところで住人が通報したため、逃走しています。特殊詐欺グループ「トクリュウ」の関与が疑われるケースで、組織的な犯行の可能性があります。

これらの事例からわかるように、都市部の比較的セキュリティレベルが高いと思われるマンションでも強盗や侵入被害が発生しています。マンション居住者は自己防衛の意識を持ち、適切な対策を講じることが重要です。

狙われやすいマンションの特徴

狙われやすいマンションの特徴

マンションは一般的にセキュリティ設備が整っているイメージがありますが、実際にはマンションによって防犯レベルには差があります。強盗に狙われやすいマンションには、以下のような特徴があります。

  • オートロックが不十分
  • 防犯カメラが適切な場所に設置されていない
  • 警備員の配置がない
  • 人通りが少ない場所にある
  • マンション周辺に高い木やフェンスがある
  • セキュリティシステムが老朽化している

オートロック

多くのマンションはオートロック設備が導入されていますが、エントランスのみのシングルオートロックよりも、エレベーターホールなどにも設置されたダブルオートロックの方がより安全性が高いといえます。なお、オートロックがあっても、住民の不注意による「共連れ」で侵入されるケースもあり、システムの存在だけで安心することはできません。

防犯カメラの設置状況

防犯カメラが適切な場所に十分な台数設置されているかどうかも重要な要素です。エントランスだけでなく、各階のエレベーターホール、非常階段、駐車場などの死角となりやすい場所にもカメラが設置されているかが犯罪抑止に影響します。

警備員の配置

警備員が常駐しているマンションは比較的安全性が高いといえます。特に24時間体制で警備員が配置されているマンションは、不審者の侵入を未然に防ぐ効果があります。一方、警備員がいないマンションや、日中のみの配置では防犯体制が弱いおそれがあります。

立地環境の問題

人通りが少ない場所にあるマンションは、犯行が目撃されにくいため狙われやすくなります。また、マンション周辺に高い木やフェンスがあると、視認性が低下し、犯罪者が隠れやすい環境となってしまいます。

セキュリティシステムの老朽化

賃貸マンションでは導入コストの問題から、最新のセキュリティシステムが導入されていないケースがあります。また、築年数の長い分譲マンションでは、そもそも設備がない、故障や不具合が起きていても修理されず機能していない場合があります。

セキュリティが充実しているタワーマンションや新築マンションであっても、犯罪者がセキュリティシステムを潜り抜けて被害をもたらす可能性は否定できません。居住者一人ひとりが防犯意識を持つことが重要です。

マンション強盗の犯行手口

警察庁によると、共同住宅3階建以下の侵入手口は無締り・ガラス破り、4階建以上では、無締り・合い鍵が多くなっています。

侵入手口 1位 2位 3位
共同住宅3階建以下 無締り ガラス破り 合い鍵
4階建以上 無締り 合い鍵 ガラス破り
侵入口 1位 2位 3位
共同住宅3階建以下 表出入り口 非常口
4階建以上 表出入り口 非常口

出典:警察庁 住まいる防犯110番

さらに、マンションを狙った強盗特有の侵入手口を解説します。

共連れ

「共連れ」とは、オートロックのマンションで、住人がロックを解除して入る際に一緒についていくことで建物内に侵入する手口です。宅配業者や郵便配達員を装うケースもあれば、何も言わずに自然な様子で後ろからついてくるケースもあります。

下がり蜘蛛

「下がり蜘蛛」は、マンションの屋上からロープを使って降下し、ベランダや窓から侵入する手口です。高層階だから安全というわけではなく、むしろ高層階は人目につきにくいため、時間をかけて侵入されるリスクがあります。ベランダに物干し竿や植木鉢など、足場になりそうな物があると、侵入しやすい環境を提供してしまうことになります。

植木や雨樋の利用・近隣の建物から侵入

マンション低層階では、植木や雨樋を足場にして2階や3階のベランダに侵入するケースがあります。また、隣接する建物からマンションのベランダへと飛び移る手口も報告されています。このような侵入を防ぐためには、ベランダに侵入の足場となるような物を置かないことと、窓やベランダの戸締まりを徹底することが重要です。

業者を装って押し入る

ガス点検や水道工事などの業者を装って訪問し、ドアを開けさせて押し入るケースもあります。特に高齢者を狙ったケースが多く、一人暮らしの住居が標的になりやすい傾向があります。事前に訪問予定のない業者が来た場合は、むやみにドアを開けず、インターホン越しに用件を確認し、必要であれば管理会社や該当する公共サービス会社に確認をとることが重要です。

参考:警視庁 事業者等を装った訪問者に注意

マンションでの強盗被害を防ぐための対策

マンションでの強盗被害を防ぐためには、以下のような対策が効果的です。

玄関ドアや窓は施錠を徹底する

マンションでの強盗・窃盗被害の多くは、無施錠状態から侵入されるケースです。オートロックマンションだからといって油断せず、短時間の外出でも必ず玄関ドアの施錠を行いましょう。また、窓やベランダの掃き出し窓も同様に、外出時はもちろん、在宅時でも施錠する習慣をつけることが重要です。特に夏場は換気のために窓を開けがちですが、網戸だけでは侵入防止にはなりません。

玄関には補助錠を設置する

玄関ドアには補助錠を追加することで防犯効果が高まります。さらにドアスコープカバーや、サムターン回し対策用のカバーなども設置すると良いでしょう。賃貸マンションの場合は、補助錠の設置前に管理会社や大家さんへの確認が必要な場合がありますので、事前に相談することをおすすめします。

窓には防犯フィルムを貼り付ける

ガラス破りによる侵入を防ぐため、窓ガラスに防犯フィルムを貼り付けることも効果的です。防犯フィルムはガラスが割れても破片が飛び散りにくく、また簡単には破れない素材でできているため、侵入までに時間がかかり、犯行を諦めさせる効果があります。

オートロックのドアは一人で通過する

オートロックのドアを通る際は、知らない人を一緒に入れないよう注意しましょう。宅配業者や郵便配達員であっても、本人確認をせずに入れることは避け、正規の手続き(インターホンでの呼び出しなど)を促すことが大切です。

エレベーターは一人で乗る

エレベーターは一人で乗る

エレベーターはできる限り一人で乗りましょう。知らない人物と相乗りになる場合は、次のエレベーターを待つか、すでに乗っている場合は自宅以外の階で降りるなどの対応をとりましょう。また、エレベーター内でスマートフォンを操作するなど、周囲への注意力が散漫になる行動は控えることが賢明です。

宅配ボックスを利用する

宅配業者を装った強盗被害を防ぐためにも、直接対面での荷物の受け取りは極力避け、宅配ボックスを活用しましょう。マンションに宅配ボックスがない場合は、置き配サービスを利用するか、コンビニ受け取りなどの方法で、極力外部の人との接触を減らす工夫が効果的です。

部屋の中に入ったらすぐに施錠する

帰宅後は速やかにドアを施錠する習慣をつけましょう。荷物で手がふさがっている場合や、スマートフォンを操作しながらなど、入室直後の隙を狙って犯人が押し入るケースがあります。部屋に入ったらまず施錠を行い、その後に靴を脱いだり荷物を置いたりするようにしましょう。

万が一に備え、玄関に防犯ブザー(ベル)を置いておく

強盗や不審者に遭遇した際にすぐに使える防犯ブザー(ベル)を玄関付近に設置しておくことも有効です。大きな音で周囲に異常を知らせることで、犯人を驚かせて逃走させる効果が期待できます。普段から使いやすい場所に置いておくと、緊急時にもすぐに対応できます。

あらかじめ逃げるルートを用意し、普段から確認しておく

万が一の侵入者に遭遇した場合に備えて、逃げ道を事前に確認しておくことが重要です。マンションの非常階段の位置や、隣室への避難経路などを把握しておきましょう。また、家族で緊急時の対応について話し合い、情報を共有しておくことも大切です。

逃げられなかった時に備え、施錠して一時避難できる場所を確認しておく

高層マンションの場合や物理的に玄関以外から逃げることが不可能な場合は特に、逃げ込める場所を作っておくことが大切です。内側から鍵のかかる場所(バスルームやトイレ、鍵付きの寝室など)が避難場所として適しています。逃げられない状況に備え、部屋の中で一時的に身を隠し、施錠できる場所を確認しておきましょう。

在宅時に不審者に侵入された場合の対応

万が一、在宅中に不審者が侵入してきた場合、冷静な対応が命を守るカギとなります。

命を守る行動をとる

強盗に遭遇した場合、最優先すべきは自分と家族の命を守ることです。犯人に抵抗すると危険なため、まずは逃げることを優先しましょう。

危険な状況を避けるために、以下の点に注意してください。

  • むやみに様子を確認しない
  • 逃げても追いかけない
  • 早く外に出る、もしくは鍵のかかる部屋に避難する
  • 鉢合わせた場合は怒鳴らない
  • 刺激をしない

状況に応じて、安全に逃げ出せるなら逃げる、逃げられないなら安全な場所に隠れるなど、臨機応変な判断が重要です。

安全なところから110番通報する

犯人が去った後、または安全な場所に避難できた場合は、すぐに110番通報しましょう。通報の際は、住所(マンション名・部屋番号)、状況、犯人の特徴などをできるだけ詳しく伝えることが大切です。

マンションの強盗対策にALSOKのホームセキュリティ

マンションの強盗対策にALSOKのホームセキュリティ

より高度な防犯対策として、ホームセキュリティの導入をおすすめします。

ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に、自動でALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能も活用いただけます。

在宅警備モードの活用

「在宅警備モード」は侵入された際に警報メッセージが流れるため、犯人への威嚇となり、犯行を諦める効果が期待できます。就寝中や在宅時の防犯対策として有効です。また、住人の方が異変に気付くことで安全確保に努めることができ、ALSOKや警察の到着まで犯人に襲われるリスクを回避できる利点があります。

非常押ボタン

ALSOKのホームセキュリティではオプションで遠隔の非常押ボタンを追加できます。緊急時に携帯電話が手元にない場合でも、非常押ボタンを押すことでALSOKが駆けつけます。言葉を発せない状況でも、ボタン一つで助けを呼べる安心感があります。

ALSOKステッカー

ALSOKのホームセキュリティにご加入いただいた際、ALSOKとのご契約の証としてALSOKステッカーをご自宅に貼り付けさせていただきます。ステッカーを玄関ドアや窓に貼ることで、犯罪抑止効果が期待できます。

まとめ

マンションは一戸建てに比べて防犯設備が整っていることが多いものの、決して強盗被害に遭わない保証はありません。むしろ、セキュリティへの過信が隙を生み、被害につながるケースもあります。

強盗被害を防ぐためには、日常的な施錠の徹底や不審者への警戒、エントランスでの共連れ防止など、住民一人ひとりの防犯意識が重要です。また、補助錠や防犯フィルムなどの物理的な対策や、ホームセキュリティサービスの導入も検討することをおすすめします。

この記事に関連する商品

HOME ALSOK Connect
お買い上げプラン
月額費用4,070円(税込)
  • スマホで簡単に警備操作
  • 24時間365日の徹底警備。緊急時にはガードマンが現場に急行
  • お手頃価格で家計も警備も安心
HOME ALSOK アルボeye
カメラ稼働式
月額費用2,750円(税込)
  • 自宅内に設置したカメラの映像をスマホでいつでも確認!
  • もしもの際はメールで異常を通知+ガードマンが駆けつけ
  • ご高齢者様の見守りなどの利用にも