勝手口ドア交換の費用相場は?交換にかかる期間や費用を抑えるポイントを解説

勝手口ドアは日常的に使用する頻度が高いため、リフォームの際に経年劣化による不具合や防犯性の向上を目的として交換を検討される方もいるでしょう。勝手口ドアを交換する際はどのくらいの費用がかかるのでしょうか。適切な業者選びや補助金の活用により、費用を抑えることができます。
本記事では、勝手口ドア交換の費用相場や交換期間、費用を抑えるポイントについて解説します。
目次
勝手口ドアの交換にかかる費用相場
勝手口ドア交換の費用は選択する工法により大きく異なります。主な工法としてカバー工法、カバー工法を用いずに新しいドアに交換する方法、勝手口を新設する方法があります。
工法 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
カバー工法 | 15~30万円 | 既存枠を残してドア本体のみ交換する工法。短期間で施工可能。 |
新しいドアに交換 | 30~50万円 | 枠からドア本体を完全に交換する工法。高い品質施工が可能。 |
勝手口を新設 | 30万円~ | 既存の壁に開口部を作製し、新しい枠とドア本体を設置する工法。状況によっては費用や日数がかかる。 |
カバー工法で交換する場合
カバー工法とは、既存のドア枠を残したまま新しいドアを取り付ける方法です。既存の枠に新しいドア枠を被せるように設置するため、大規模な解体工事が不要で、工期の短縮と費用削減を同時に実現できます。カバー工法の費用相場は15~30万円で、選択するドアの種類や機能により価格が変動します。ただし、カバー工法では開口部のサイズを大きく変更できないため、現在の開口部に適合するドアから選択する必要があります。また、既存枠の状態が悪い場合は、カバー工法が適用できない場合もあります。
新しいドアに交換する場合
既存のドア枠を撤去し、新しいドア枠とドア本体を設置する工法です。カバー工法を用いずにドアを新しく交換する場合、一般的に30~50万円の費用がかかります。また、ドアの交換時に、周辺の壁や床の補修工事が必要となる場合もあります。工事内容が多岐にわたるため、カバー工法と比較して費用が高くなりますが、開口部のサイズ変更や断熱性能の大幅な向上が期待できます。
勝手口を新設する場合
既存の壁に勝手口がない状態から開口部を作製し、新たに勝手口を設置する工事です。壁に新しく勝手口を新設する場合、最低でも30万円以上の費用がかかります。既存の勝手口交換と異なり、建物の構造に関わる工事となるため、建築基準法に適合させるための検討も必要です。建物の構造や立地条件など、状況によっては追加で必要な工事も発生するため、ドアを交換するだけのケースに加えて数十万円高くなる場合もあります。
勝手口ドアの交換にかかる期間
勝手口ドアの交換にかかる期間は工法により異なります。適切な工期を把握することで、日常生活への影響を最小限に抑えた計画を立てられます。
工法 | 交換期間 |
---|---|
カバー工法 | 1~2日 |
新しいドアに交換 | 1日 |
勝手口を新設 | 1週間程度 |
カバー工法の場合は既存の枠を活用するため、比較的短期間での施工が可能です。1日目に既存ドアの撤去と採寸、2日目に新しいドアの取り付けという流れが一般的です。
新しいドアに完全交換する場合、工事内容は多いものの、熟練した職人であれば1日で完了することが多くなっています。ただし、天候や現場の状況により工期が延長される場合もあります。
勝手口を新設する場合はもっとも時間がかかり、開口部の作製、構造補強、ドアの取り付け、周辺の補修工事まで含めて1週間程度を要します。建物の構造により、工期が前後する場合があります。
勝手口ドアを交換するメリット
勝手口ドアを交換することで、住まいの快適性と安全性を向上させることができます。特に長年使用した勝手口ドアを交換する場合は、複数のメリットを同時に得られるでしょう。
防犯性の向上
現在の勝手口ドアは防犯性能が大幅に向上しており、従来のドアと比較して高い安全性を実現しています。たとえば、ディンプルキーのような防犯性が高い鍵や、2ロックが標準装備となっているもの、ガラスが割られても貫通されにくい「安全合わせガラス」を使用しているものなどがあります。
古いドアの交換によって勝手口からの侵入を困難にし、住まい全体の防犯レベルを向上させることができます。
断熱性の向上
最新の勝手口ドアは、従来のドアと比較すると、断熱性能が大幅に改善されています。複層ガラスや断熱材が効果的に配置されているものや、ドア枠部分にも断熱材が充填され、隙間からの熱損失を防ぐ構造のドアなどがあります。これにより、熱の出入りを最小限に抑え、室内の温度環境を快適に保つことが可能です。冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるため、冷暖房費の削減効果も期待できます。
断熱性能の高いドアへのリフォームは補助金の対象となる場合があり、後述のとおり交換費用を削減できる可能性もあります。
採光性の向上
現在の勝手口ドアは採光性にも配慮した設計となっており、自然光を効果的に室内に取り込めます。ガラス面の大きさや種類など、プライバシーと採光のバランスを考慮して選択可能です。採光性の向上により、自然光だけでも部屋の中が明るくなり、日中の照明使用量を大幅に削減できます。また、自然光を活用することで住まいの快適性が向上し、心理的な健康効果も期待できるでしょう。
勝手口ドア交換の依頼先ごとの特徴
勝手口ドア交換を依頼する業者によって、サービス内容や費用、品質が異なります。依頼先の特徴を理解して、最適な業者を選択することが重要です。
ホームセンター

大手ホームセンターでは、勝手口ドア交換サービスを提供しています。ホームセンターが近隣にある場合は立ち寄って依頼できるため、比較的利用しやすい選択肢です。
ホームセンターに依頼する場合の長所は、実際に店舗で商品の展示を見てから選択できる点です。短所は施工業者が外部委託となることが多く、品質にばらつきが生じるケースがあることです。また、取り扱いメーカーや商品が限定される場合もあり、選択肢が制限されることがあります。
リフォーム業者
リフォーム業者の長所は、勝手口ドア交換だけでなく、周辺の補修工事や外装工事まで総合的に対応できる点です。ただし、リフォーム業者によってはドア交換の経験が少ない場合もある点が短所といえます。リフォーム業者によって取り扱うメーカーや専門分野が異なるため、事前に必ず確認しましょう。専門のリフォーム業者であれば、勝手口ドア交換に関する豊富な知識と経験を持っており、専門的なアドバイスを受けられます。費用面においても業者により差があるため、複数社からの見積り取得が重要です。
ハウスメーカー
大手ハウスメーカーは、高い施工技術と品質管理体制があり、安心して依頼できる点が長所です。独自の品質基準を設けており、施工後のアフターサービスも充実しています。保証期間も長く設定されている場合が多く、長期的な安心を得られます。
また、建物全体との調和を考慮した提案を受けることができ、デザイン性の高い仕上がりが期待できます。
短所は費用が他の選択肢と比較して高めになることです。しかし、品質と安心感を重視する方には適した選択肢といえるでしょう。
勝手口ドア交換の費用を抑えるポイント
勝手口ドア交換の費用を抑えるための方法はいくつか存在します。適切な方法を選択することで、品質を保ちながら費用を削減できます。
自分で交換(DIY)

DIYに慣れた人であれば自分で勝手口ドアを交換することも可能です。DIYによる勝手口ドア交換は、基本的にドア本体と、交換に必要な工具の購入費用だけで済むため、施工費を大幅に削減できます。ただし、適切な施工技術がない場合、見た目が整わなかったり、防犯性や断熱性が確保されないおそれがあります。また、失敗した場合の修復費用が発生するリスクもあるため、技術力を十分に検討した上で判断することが重要です。
なお、DIYで勝手口ドアを交換した場合は、後述する補助金の対象外となります。
DIYについては防犯対策も踏まえて以下のコラムで解説しているため、難易度やDIYでできる防犯対策について知りたい方はあわせてご確認ください。
補助金を活用
各自治体では、住宅リフォームに対する補助金制度を設けている場合があります。自治体ごとに該当する補助金があるかを確認すると良いでしょう。補助金の申請には事前申請が必要で、工事完了後に申請しても対象外となる場合があります。工事開始前に自治体に確認し、必要な手続きを完了させることが重要です。
住宅省エネキャンペーンである「先進的窓リノベ」では、窓の改修と同一契約内に限り、ドアの交換も補助対象となります。断熱性能の高い窓・ドアへのリフォーム工事で、最大200万円の補助を受けられます。防犯効果の高い窓ガラスに交換することで、防犯力の向上も可能です。
参考:環境省 先進的窓リノベ2025事業
勝手口ドア交換の業者選びのポイント
勝手口ドア交換を成功させるためには、適切な業者選びが重要です。複数の観点から業者を評価し、最適な選択を行うことが大切です。
実績が豊富か確認する
業者選びの重要なポイントとして、過去の施工実績を確認することが挙げられます。特に、同条件での施工経験の有無は非常に重要です。また、長期間の営業実績がある業者は、継続的に顧客から選ばれている証拠ともいえます。創業年数や年間施工件数も参考指標として、ホームページ等で確認してみましょう。
評判や口コミを確認する
インターネット上の評判や口コミは、実際に利用した人の声を知ることができる貴重な情報源です。口コミサイト、SNS、Googleマップのレビューなどを活用し、顧客の感想や意見から施工品質、対応の丁寧さ、アフターサービスに関する評価を確認しましょう。ただし、口コミ情報には主観的な内容も含まれるため、複数の情報を総合的に判断することが大切です。
複数業者に見積りを取る
適正な価格での施工を実現するためには、複数の業者から見積りを取得することが重要です。複数の業者から見積りを取ることで、相場が把握できて適切な価格かどうかを判断できます。見積り比較の際は、単純な価格比較だけでなく、工事内容、使用材料、保証内容、工期なども含めて総合的に評価しましょう。
ご自宅の防犯対策にALSOKのホームセキュリティ
勝手口のドアは、玄関ドアよりも防犯対策がおろそかになりがちです。こまめな施錠はもちろん、補助錠の設置、ガラス面への防犯フィルムの貼付け、防犯カメラやセンサーライトの設置など、追加の防犯対策を検討することをおすすめします。
さらに、ホームセキュリティを導入することでご自宅全体の防犯性が向上します。

ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望にあわせてお選びいただけます。セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
オンラインセキュリティは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に自動でALSOKが駆けつけます。勝手口を含む住まい全体を24時間監視し、異常を検知した際には即座に対応する体制を整えることができます。加えて、スマートフォンを持っているだけで、外出時は警備の設定、帰宅時は簡単に警備解除ができる便利な機能があります。
また、ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、外出中はもちろん、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
まとめ
勝手口ドアの交換により、防犯性、断熱性、採光性の向上が期待できます。交換にかかる費用や期間は工法により異なるため、複数の業者をしっかりと比較検討して判断しましょう。適切な計画と業者選びにより、満足度の高いリフォームを実現し、長期間にわたって安全で快適な住環境を確保できます。