後付けシャッターで防犯対策!シャッター後付けの費用やメリット・デメリットを解説

近年、空き巣や強盗などの犯罪が増加傾向にあり、住宅の防犯対策への関心が高まっています。特に戸建て住宅においては、窓周りの防犯対策が重要な課題となっています。効果的な防犯対策のひとつが後付けシャッターですが、設置を検討しているものの、費用やメリット・デメリットが気になるという方もいるでしょう。
本記事では、後付けシャッターの防犯効果、種類と費用、メリット・デメリットについて解説します。シャッターの後付けを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
後付けシャッターは防犯対策になる!


出典:警察庁 令和5年の刑法犯に関する統計資料
警察庁の「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、空き巣の侵入口としてもっとも多いのが「窓」で、侵入手段はガラス破りが最多となっています。
シャッターを後付けすることで、窓の防犯性能を大幅に向上させることが可能です。シャッターが閉まっている窓は、室内の様子が外部から見えないため、空き巣にとって狙いにくくなり、ガラス破りやこじ開けなども困難になります。シャッターを無理に開けたり破壊したりすると大きな音が発生する点も、空き巣にとって大きな抑制効果となります。
窓シャッターの多くは自動ロック機能がありますが、電動シャッターや補助ロック付きなど、さらに防犯性能の高い製品を選ぶことで、より確実な防犯対策を実現できます。
シャッターは後付けできる?
横にスライドして開閉する引き違い窓の場合、基本的にシャッターの後付け設置が可能です。引き違い窓は一般的な住宅でもっとも多く使用されている窓タイプで、多くのメーカーが後付け対応のシャッターを提供しています。
出窓や外開き窓については、構造上の制約により後付けが困難な場合があります。窓の形状や設置状況によって対応可能な製品が限定されるため、事前に専門業者による現地調査を行うことが重要です。
後付け設置の際は、既存の窓枠や外壁の状況、建物の構造などを総合的に判断して、適切な工法と製品を選択する必要があります。
シャッターと雨戸の違い
シャッターと雨戸は、開閉方向に大きな違いがあります。シャッターは上下に開閉するものが多く、雨戸は左右に開閉する構造となっています。
雨戸も後付け設置が可能ですが、防犯性はシャッターの方が優れています。シャッターは上部に収納されるため、開ける際に一定の力が必要になります。防犯性の高い電動シャッターであれば、外からの操作は困難です。
後付けシャッターのメリット
後付けシャッターには、防犯以外にも以下のようなメリットがあります。
- 防火対策
- 遮熱・遮光効果
- 防寒対策
- 防音効果
- 台風・強風対策
防火対策
シャッターは火災時の延焼防止に効果を発揮します。一般的な窓ガラスは熱に弱く割れやすい特性があるため、延焼の拡大要因となる可能性があります。
シャッターを設置することで、火災の熱から窓ガラスを保護し、延焼拡大を防ぐことができます。特に、防火性能の高いシャッターを選択することで、より確実な防火対策を実現できます。
遮熱・遮光効果、防寒対策
シャッターは優れた遮熱・遮光効果を持っており、夏季の強い日差しを効果的に遮断します。室内温度の上昇を抑制することで、エアコンの使用量を削減でき、電気代の節約につながります。
冬季には、シャッターが断熱材の役割を果たし、室内の熱を外部に逃がすことを防ぎます。暖房効率の向上により、暖房費の削減効果も期待できます。
また、街灯などの照明や外からの光を遮断できるため、快適な睡眠環境を確保できます。
防音効果
シャッターは外部からの騒音を軽減する防音効果があります。交通騒音や近隣の生活音を遮断することで、静かで快適な室内環境を維持できます。
特に、幹線道路沿いや商業地域に立地する住宅では、防音効果による生活の質の向上が期待できます。
台風・強風対策
台風や強風時には、飛来物が窓に衝突するリスクがあります。シャッターを設置することで、飛来物の衝突から窓ガラスを保護し、破損による被害を防げます。
台風の多い地域では、シャッターによる窓の保護が特に重要です。窓ガラスの破損による室内への雨水の浸入や、ガラス片によるケガのリスクを大幅に軽減できます。
後付けシャッターの種類と費用
後付けシャッターは、開閉方法、通風・採光機能、重量によって種類が異なります。また、設置費用はシャッターの種類や素材、サイズ、設置場所などによって変動します。それぞれの特徴と費用について解説します。
手動・電動(開閉方法)
種類 | 構造・特徴 | 費用目安 |
---|---|---|
手動シャッター | 手動で開閉するタイプ。構造がシンプルで故障が少ない。開閉に力が必要な場合がある。 | 8万円~15万円 |
電動シャッター | 電動モーターで開閉するタイプ。リモコンやスイッチで簡単に操作可能。停電時の対応が必要。 | 15万円~35万円 |
手動シャッターは電気を使用しないため、停電時でも使用可能です。電動シャッターは操作が簡単で、高齢者や力の弱い方でもリモコンやスイッチで楽に開閉できます。
なお、2階以上の窓に設置する場合は足場の設置が必要になる可能性があり、電動シャッターの場合は電気工事費が必要になります。
クローズ・スリット・ブラインドタイプ(通風・採光機能)
種類 | 構造・特徴 | 費用目安 |
---|---|---|
クローズタイプ | 窓ガラス全体を覆うタイプ。防犯性と遮光性がもっとも高い。通風・採光はできない。 | 8万円~20万円 |
スリットタイプ | 水平方向のスリットがあるタイプ。通風・採光が可能。 | 10万円~25万円 |
ブラインドタイプ | 羽根の角度を調整できるタイプ。通風・採光量の調節が可能。 | 12万円~30万円 |

クローズタイプ

スリットタイプ

ブラインドタイプ
シャッターは通風・採光機能によって3タイプに分かれます。防犯性・遮光性を最優先する場合はクローズタイプ、風通しや自然光を程よく取り入れたい場合はスリットタイプがおすすめです。ブラインドタイプは、羽根の角度によって通風・採光を調整できます。カーテンを付ける必要がなく便利ですが、電動タイプのみのため費用がやや高い傾向があります。
軽量・重量シャッター(重さ)
住宅で使用されるシャッターは、主に軽量シャッターが採用されています。軽量シャッターは、アルミニウム合金などの軽い素材で製造されており、開閉が容易で建物への負荷も軽減されます。
重量シャッターはスチール製などの重い素材で、防犯性や防火性に優れているため商業施設や工場などで使用されています。住宅用途では、軽量シャッターが一般的です。
軽量シャッターは重量シャッターに比べて防犯性や防火性で劣る場合があります。防犯性を強化する場合は防犯用ロックや補強材を使用し、防火性を重視する場合は防火認定を受けたシャッターを選ぶことが重要です。
後付けシャッターのデメリット、注意点
後付けシャッターには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これらのデメリットは、後付け特有のものではなく、新築時に設置した場合にも共通することです。
取付費用がかかる
シャッターの設置には、手動・電動いずれの場合でも相応の費用が必要です。
複数の窓に設置する場合は、さらに費用がかかります。予算に応じて、重要度の高い窓から順次設置すると良いでしょう。
開閉音が気になることがある
シャッターの開閉時には音が発生します。特に手動シャッターの場合、開閉時に比較的大きな音が発生しやすく、早朝や深夜の操作では近隣への配慮が必要です。
電動シャッターは手動に比べて静音性に優れていますが、完全に無音ではありません。住宅密集地では、音に配慮した製品の選択が重要です。
防犯効果が薄れる場合がある
シャッターを常時閉めっぱなしにしていると、長期間留守が続いていると判断され、かえって空き巣に狙われるリスクが高まるおそれがあります。
また、シャッターを設置していない窓が狙われる可能性もあるため、他の防犯対策と併用することが重要です。
デザイン性が崩れることがある
シャッターの設置により、窓周りや建物外観のデザイン・美観が変化し、装飾やデザインが限定される場合があります。建物の外観デザインとの調和を考慮し、適切な色彩や形状のシャッターを選択することが重要です。
後付けシャッター以外の防犯対策
シャッター以外にも、他の防犯対策も併用することで、より効果的な防犯体制を構築できます。
窓に防犯フィルムを貼る
シャッターを設置しない窓には、防犯フィルムの貼付が効果的です。防犯フィルムは、ガラスの破壊を困難にして時間をかけさせ、侵入を諦めさせる効果が期待できます。
防犯フィルムは比較的安価で設置でき、透明度の高い製品を選択すれば、採光や景観を損なうことなく防犯効果を得られます。
玄関、窓に補助錠を設置する
玄関や窓に補助錠を設置することで、開錠に時間をかけさせ、侵入を困難にします。空き巣や強盗などの侵入者は侵入や逃走が困難な住宅を避ける傾向があるため、シャッターと補助錠を併用することで侵入を諦めさせる効果が期待できます。
補助錠は設置が比較的簡単で、費用も安価です。既存の錠前と組み合わせることで、防犯効果を大幅に向上できます。
防犯カメラやセンサーライトを設置する
防犯カメラやセンサーライトの設置は、夜間の侵入を防ぐ効果や侵入者の心理的抑止効果があります。
また、防犯カメラは侵入者の行動を記録するため、万が一侵入された場合の証拠保全にも役立ちます。
ご自宅の安全を守るALSOKのホームセキュリティ

より強固な防犯対策をお考えの場合は、ホームセキュリティの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望にあわせてお選びいただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。オンラインセキュリティでは、窓や玄関からの侵入、火災などの異常を検知し、自動でALSOKが駆けつけます。
スマートフォンを持っているだけで、外出時は警備の設定、帰宅時は簡単に警備解除ができる便利な機能も活用いただけます。
また、ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
防犯カメラ

ALSOKでは、屋外対応の防犯カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」もご用意しています。シャッターの近くに防犯カメラを設置することで、不審者の侵入抑止効果がさらに高まります。カメラの存在自体が「監視されている」という意識を与え、犯行を諦めさせる効果があります。また、万が一の侵入があった場合でも、証拠映像を残すことができます。
ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」は、配線工事が不要なワイヤレスタイプで、簡単に設置できます。防塵・防滴機能を備えているため、状況に応じて屋外での使用も可能です。アプリを通じてスマートフォンからリアルタイムの映像を確認できるほか、センサーが動きを検知するとお手持ちのスマートフォンにプッシュ通知が届きます。もしもの時にはALSOKが駆けつける(有償オプション)ことも可能です。
まとめ
後付けシャッターは、住宅の防犯対策において効果的な設備です。防犯効果に加えて、遮熱・遮光、防音、台風対策など多様なメリットがあります。
設置費用や開閉音などのデメリットもありますが、適切な製品選択と設置により、これらの課題を最小限に抑えられます。
住宅の防犯対策を検討される際は、シャッターによる対策と他の防犯対策を組み合わせることで効果が高まります。シャッターを設置しない窓の対策や、防犯カメラ、ホームセキュリティの導入などもあわせて検討することをおすすめします。