Wi-Fi不要の見守りカメラはある?高齢者・介護向けの見守りカメラの選び方

高齢化社会の進展とともに、離れて暮らす親や高齢の家族の安全を見守りたいというニーズが高まっています。一人暮らしや高齢夫婦だけでの生活に不安を感じ、見守りカメラの導入を検討しているものの、実家にWi-Fi環境がないという方は多いのではないでしょうか。
「Wi-Fi環境はないが、見守りカメラを設置したい」「見守りカメラや見守りサービスの導入には、Wi-Fiが必要?」といった悩みのある方に向けて、本記事では、Wi-Fi不要で利用できる高齢者・介護向けの見守りカメラの種類や選び方について詳しく解説します。
目次
Wi-Fi不要の見守りカメラはある?
結論として、Wi-Fi環境がなくても利用できる見守りカメラは存在します。
実家にWi-Fi環境がない場合であっても、インターネット回線の工事や複雑な設定が不要で、電源さえ確保できればすぐに起動できるタイプもあります。特に認知症の進行により早急な見守り体制の構築が必要な場合や、離れた場所に住む親との連絡がとれなくなった際の安否確認手段として、Wi-Fi不要の見守りカメラは有効な選択肢となります。
Wi-Fi不要の見守りカメラの種類
Wi-Fi接続を必要としない見守りカメラには、通信方法や録画方式によっていくつかの種類があります。
LTEカメラ(SIMカード型)
LTEカメラは、カメラ本体にSIMカードを挿入し、モバイル通信(主にLTE回線)を通じて映像を送信するタイプの見守りカメラです。Wi-Fi環境がなくても、SIMカードがあれば携帯電話の電波が届く場所で利用することができます。LTEカメラの最大の利点は、設置場所を選ばず、離れた場所からでもスマートフォンやパソコンからリアルタイムで映像を確認できる点です。ただし、LTEカメラは月々のデータ通信料が発生するため、ランニングコストを考慮する必要があります。
SDカード録画式カメラ
SDカード録画式カメラは、撮影した映像をSDカードに保存するタイプの見守りカメラです。インターネット接続は不要でシンプルな操作性のため、初心者でも扱いやすい見守りカメラであるといえます。録画された映像は、SDカードを直接取り出してパソコンで確認する方法が一般的です。遠方からスマートフォンで映像を確認するには別途LTEなどのモバイル接続が必要となる点に注意しましょう。
APモード搭載型カメラ
APモードは、Wi-Fiルーターがなくても、カメラ自体がアクセスポイントとして機能します。カメラが発信するWi-Fi信号にパソコンやスマートフォンを直接接続するため、インターネット接続は不要です。ただし、接続可能な範囲が限られているため、離れた場所からの見守りには向いていません。近距離での利用や、同居している場合の見守りなどには有効な選択肢となります。
PoEカメラ
PoE(Power over Ethernet)カメラは、LANケーブル1本で電源供給と映像通信の両方を行うタイプの見守りカメラです。Wi-Fi接続は不要ですが、遠方からの見守りには、別途LTE回線などのモバイル通信や光回線などの有線LAN環境が前提となります。そのため、安定した通信環境や高画質映像を確保できる一方で、ケーブルの配線工事が必要になる点や初期費用がかかる点には注意が必要です。
Wi-Fi不要の見守りカメラのメリット

Wi-Fi接続を必要としない見守りカメラには、高齢者の見守りという用途において特に有効なメリットがあります。
インターネット環境がなくても導入できる
高齢者だけが住む住宅では、インターネット環境が整備されていないケースが多くみられます。高齢者にとってインターネットは必要性を感じにくく、月々の通信費や工事の手間などを考慮すると、導入を見送られることがあります。LTEカメラのようなWi-Fi不要の見守りカメラであれば、現在のインターネット環境に左右されないため、すぐに利用を開始できることは大きなメリットです。
このほか、LTE回線等モバイル通信の導入の手軽さや、機器を管理できる人であればコストを抑えられる可能性があることなども利点として挙げられます。
Wi-Fi接続の見守りカメラのメリットは?
Wi-Fi不要のカメラにもメリットがある一方で、Wi-Fi接続タイプの見守りカメラにも独自の利点があります。両方の特徴を理解したうえで、最適な選択を行うことが重要です。
データ通信量を気にしなくてよい
緊急時に迅速な対応をとるには、常に通信が安定していて継続的に使えることが非常に重要です。Wi-Fi接続の見守りカメラは、固定のインターネット回線を用いるため、データ通信量の制限を気にすることなく利用できます。また、高画質での撮影や長時間の録画が可能であり、通信制限による映像の遅延や画質劣化が起きる心配もありません。
遠隔地からリアルタイムで見守ることができる
インターネット回線を通じて遠隔地からリアルタイムで映像を確認できることもメリットの1つです。離れた場所で暮らしている場合や、頻繁に訪問することが困難な状況でも、スマートフォンやパソコンからいつでも親の様子を確認でき、異常があった場合には即座に対応できます。ただし、LTE回線でも同様のことが言えます。
配線が不要で手軽に設置できる
Wi-Fi接続のカメラは無線通信を利用するため、LANケーブルなどの配線作業が不要で、電源の確保だけで設置が完了します。多くの製品では複雑な工事も必要なく、説明書に従って比較的簡単に導入できます。設置場所の自由度も高く、必要に応じて位置を変更することも容易です。こちらも、LTE回線でも同様のことが言えます。
双方向通話など多機能な製品が多い
Wi-Fi接続の見守りカメラは、映像確認機能だけでなく、双方向通話機能やAIによる人物検知、動体追跡機能など、LTEカメラと比較して多彩な機能を搭載した製品が数多く流通しています。特に双方向通話機能があれば、映像で異常を確認した際にすぐに声をかけることができ、高齢者の安心感向上にもつながります。また、動きを自動で検知して通知する機能は、常時見守りが困難な状況でも効率的な見守りを実現します。
インターネット環境が整っている場合は、ALSOKの高機能な見守りサービス「アルボeye」の利用も検討できます。自宅内に設置したセンサーカメラによって、離れた場所にいても高齢者の様子をスマートフォンで確認でき、緊急時にはALSOKの駆けつけを依頼できます。また、双方向通話機能で自宅にいる高齢者に直接声かけができるため、徘徊防止にも役立ちます。
高齢者・介護向けの見守りカメラの選び方

高齢者・介護向けの見守りに最適なカメラを選ぶためには、以下のポイントを重視して検討することが重要です。
- 動体検知機能付きのカメラを選ぶ
- ナイト機能があるカメラを選ぶ
- 撮影範囲が広いものを選ぶ
- 双方向でコミュニケーションがとれるカメラを選ぶ
- 見守りサービスの導入も検討する
ポイント①動体検知機能付きのカメラを選ぶ
24時間継続して映像を監視することは現実的ではないため、動きや異常を自動で検知する動体検知機能が搭載されたカメラを選ぶと安心です。普段とは異なる動きや長時間動きがない状態を検知すると、録画を開始したり、スマートフォンにアラート通知が送信されます。最近ではAIを活用した精度の高い製品も増えており、誤報を減らしながら確実な検知を行うことが可能です。
ポイント②ナイト機能があるカメラを選ぶ
高齢者の見守りでは、昼夜を問わず安全を確保する必要があります。特に急変や転倒のリスクがある場合や、夜間徘徊の症状がある場合、夜間でも鮮明な映像を撮影できるナイト機能は必須の機能です。ナイト機能があるカメラであれば、就寝中に異常が発生しても確実に記録することができ、緊急時の迅速な対応や徘徊防止対策に役立ちます。
ポイント③撮影範囲が広いものを選ぶ
カメラの撮影範囲が狭いと、設置位置によっては部屋の一部しか映らず、死角が生まれてしまう可能性があります。リビングや寝室など、高齢者が長時間過ごす場所に設置する場合、部屋全体をカバーできる画角が必要です。一般的に、部屋の隅にカメラを設置する場合は、水平方向に90度以上の画角があることが望ましいとされています。また、パン・チルト機能があるカメラを選択すれば、遠隔操作でカメラの向きを変更でき、必要に応じて撮影範囲を調整できます。
ポイント④双方向でコミュニケーションがとれるカメラを選ぶ
マイクとスピーカーが内蔵されている見守りカメラの場合、カメラを通じて遠隔にいる家族とコミュニケーションをとることが可能です。定期的な安否確認や薬の服用確認のほか、徘徊の防止、異常を発見した際にすぐに声をかけるなど、さまざまなシーンで活用できます。また、高齢者にとっても家族の声を直接聞くことで安心感が得られ、孤独感の軽減にもつながります。
ポイント⑤見守りサービスの導入も検討する
見守りカメラだけでは対応できない緊急事態に備えて、専門の見守りサービスの導入も検討することをおすすめします。見守りサービスを導入すると、緊急時の初期対応や医療機関との連携など、包括的なサポートを受けられるのが大きな利点です。特に離れて暮らしている場合、映像で異常を確認した場合すぐに駆けつけを依頼できるため、より安心感のある見守り体制を構築できます。
Wi-Fi不要で設置できるALSOKの「みまもりサポート」
ALSOKでは、Wi-Fi不要で自宅に設置可能な見守りサービスを提供しています。

ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」は、高齢者の一人暮らしを24時間365日サポートする見守りサービスです。急な体調不良や発作時には、ボタンを押すだけでALSOKが駆けつけて対応します。また、看護師資格を持つスタッフに24時間いつでも健康相談ができるため、日々の不安や疑問を解消することができます。
オプションを利用すれば、毎日のみまもり情報を取得でき、離れて暮らす家族が安否確認をすることも可能です。Wi-Fi不要で、固定電話回線と電源があれば利用可能なため、高齢者の一人暮らしを支えるサービスとして活用できます。
まとめ
高齢者・介護向けの見守りにおいて、Wi-Fi環境がない住宅でも導入可能な見守りカメラは多数存在し、用途に応じて最適な選択肢があります。また、カメラによる見守りだけでは限界がある場合は、専門的な見守りサービスとの併用も検討することがおすすめです。高齢者の安全と家族の安心を両立させるため、利用環境や、機能、予算に応じて最適な見守りシステムを選択しましょう。