北海道・三陸沖後発地震注意情報とは?注意する期間や対象地域・必要な対応を解説
本記事では、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された際に注意するべき期間や対象地域、必要な対応などを解説します。
大きな地震のニュースを見て、「また地震が来るかもしれない」と不安を感じた方も多いのではないでしょうか。特に北海道や三陸沿岸などの太平洋側にお住まいの方や家族・友人がそのエリアに暮らしている方は、「後発地震注意情報」が発表されたとき、何をすればよいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
【この記事で分かること】
- 後発地震注意情報の概要と余震との違い
- 大規模地震が発生する確率
- 後発地震注意情報発表後に注意が必要な期間
- 後発地震注意情報が発表されたときにとるべき具体的な行動
目次
北海道・三陸沖後発地震注意情報とは
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは、日本海溝・千島海溝沿いでMw(モーメントマグニチュード)7.0以上の地震が発生した際に、大規模な地震が新たに発生する可能性が相対的に高まっているとして、後発地震への備えを呼びかける情報です。
Mw(モーメントマグニチュード)とは、地震による岩盤のずれの規模をもとに計算した、地震の規模をあらわす値です。通常のマグニチュード(M)は地震計で観測される揺れの最大振幅から計算しており、地震発生直後の速報値などに用いられますが、地震の規模が大きい場合は正確に計算ができません。巨大地震の正しい規模を測る際には、Mw(モーメントマグニチュード)が用いられます。
気象庁は、千島海溝・日本海溝沿いの想定震源域と、想定震源域に影響を与える外側のエリアでMw7.0以上の地震(先発地震)が発生すると、その地震の影響によって新たな大規模地震(後発地震)が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まると判断した場合に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表します。
津波警報や震度情報とは別に発表される情報であり、北海道の根室沖から東北地方の三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域と、その周辺に関する情報です。全国を対象とした一般的な地震情報とは異なります。
なお、一般的に余震は最初の地震(本震)より規模の小さい地震を指しますが、後発地震は「発生した地震と同規模か、それ以上の規模の地震」を含みます。2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)のように、先発地震よりもはるかに大きな地震が後から発生した事例もあります。
後発地震注意情報の対象地域
防災対応をとるべき地域として指定されているのは、現状は北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県の1道6県・182市町村です。太平洋側を中心としつつ、一部内陸部も含みます。
対象市町村の一覧は気象庁および内閣府の公式サイトで確認できます。
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/hokkaido/index4.html
後発地震注意情報は地震予知・避難指示ではない
後発地震注意情報は、地震の発生を予知・予測する情報ではありません。ただちに避難することを求める「避難指示」ではなく、事前の避難を呼びかけるものでもありません。「大規模地震が発生する可能性が平常時より相対的に高まっている」ことを知らせ、事前の備えを促すものです。
特定の期間中に大規模地震が必ず発生するということを知らせるものではなく、情報発表後に後発地震が発生しない場合が多いことも留意が必要です。
参考:気象庁 札幌管区気象台 北海道・三陸沖後発地震注意情報
気象庁 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について
北海道・三陸沖後発地震注意情報運用開始までの経緯
千島海溝・日本海溝沿いでは、先発地震の後に巨大地震が繰り返し発生してきた歴史があります。
| 発生年 | 地震名 | 先発地震Mw | 後発地震Mw | 経緯 |
|---|---|---|---|---|
| 1963年 | 択捉島南東沖地震 | Mw7.0 | Mw8.5 | 先発地震から18時間後に後発地震発生 |
| 2011年 | 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) | Mw7.3 | Mw9.0 | 先発地震から2日後に後発地震発生 |
このような歴史的事例を踏まえ、2022年(令和4年)12月16日から「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が開始されました。
これまでの発表状況
後発地震注意情報の運用開始以降、2026年6月時点で2度発表されています。
- 1度目:2025年12月9日(2025年12月8日23時15分に青森県東方沖でMw7.4の地震発生)
- 2度目:2026年4月20日(同日16時52分に三陸沖でMw7.4の地震発生、M7.7、最大震度5強)
後発地震注意情報発表後に大規模地震が発生する確率は?
参考:気象庁 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について
内閣府 北海道・三陸沖後発地震注意情報の発表について
世界で発生した過去の事例を踏まえると、Mw7.0以上の地震発生後7日以内にMw8クラス以上(Mw7.8以上)の後発地震が発生する確率は、約1%です。平常時の約10倍の頻度ではありますが、後発地震が発生しない場合の方が圧倒的に多いです。
一方、Mw8.0以上の大きな先発地震が発生した場合、Mw8クラス以上の後発地震が発生する確率は約10%と高くなります。
また、後発地震の発生可能性は次の条件によって低くなります。
- 先発地震から時間が経過するほど低くなる
- 先発地震の震源から遠いほど低くなる
- 後発地震の規模が大きいほど低くなる(最大クラスの後発地震が発生する可能性はさらに低い)
確率は低いものの、2011年の東日本大震災のように実際に発生した事例があります。被害が甚大になりうるため、低確率であっても備えを呼びかけているのです。
北海道・三陸沖後発地震注意情報の注意期間はいつまで?
原則として、先発地震の発生から1週間程度が「特別な注意の呼びかけ期間」です。
2026年4月20日19時30分に発表された後発地震注意情報については、同月27日17時をもって特別な注意の呼びかけ期間が終了しました。
参考:気象庁 北海道・三陸沖後発地震注意情報に伴う特別な注意の呼び掛けの期間の終了について
後発地震の発生可能性は時間の経過とともに低下しますが、呼びかけ期間の終了後は「後発地震が発生する確率がゼロになる」わけではありません。また、大規模地震は先発地震が起こらず突発的に発生することもあります。呼びかけ期間が終了した後も、日頃からの備えを継続することが重要です。
後発地震注意情報が発表されたらどうすれば良い?
後発地震注意情報が発表された場合、社会経済活動を継続しながら、以下の備えを実施または再確認しましょう。
- 津波から速やかに避難できる準備をしておく
- リスクの高い場所に入る場合は安全確保の備えをする
- 緊急情報を取得できるようにし、日頃からの備えを再確認する
津波から避難できる準備をしておく
すぐに避難できる状態で寝る
夜間は、いつでも屋外に出られる服装で就寝することで、緊急時の迅速な避難につながります。子どもや高齢者がいる場合は、同じ部屋か近い部屋で寝るようにし、避難しやすい安全な部屋を選ぶようにしましょう。
非常持ち出し品を準備しておく
非常持ち出し品は取り出しやすい場所に置き、いざというときにすぐ持ち出せるようにしておきましょう。持ち運べる量に絞り、以下のものを揃えておきましょう。
- 貴重品・身元確認できるもの(現金、身分証明書、マイナンバーカードなど)
- 飲料水500mL×2~3本、食料1日分
- 衛生用品、救急用品
- 懐中電灯、防寒具などの生活用品
リスクの高い場所に入る場合は安全確保の備えをする
揺れによる倒壊に備える
先発地震で崩れた建物や、崩れやすいブロック塀などには近づかないようにしましょう。
土砂災害などに注意する
土砂崩れの危険がある場所には立ち入らないようにします。崖に近い部屋では就寝しないなど、寝る場所にも注意が必要です。
後発地震に備えて日頃の備えを再確認する
緊急情報を取得できるようにしておく
スマートフォンの緊急速報メールや防災アプリを活用し、津波警報・気象庁の地震情報などをリアルタイムで受け取れる環境を整えましょう。
日頃からの備えを再確認する
- 飲料水や食料の備蓄量・賞味期限を確認する
- 避難経路・避難場所を家族で再確認する
- 家具の固定状況や避難通路の確保を見直す
といった備えを日頃から続けることが重要です。
大津波警報・津波警報・避難指示など「命に関わる情報」を最優先する
津波警報・避難指示が出された場合は、後発地震注意情報よりもそちらを最優先に行動してください。
| 情報の種類 | 内容・対応 |
|---|---|
| 大津波警報 | 予想される最大波が高いところで3mを超える場合に発表。 沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難が必要。 |
| 津波警報 | 予想される最大波が高いところで1mを超え3m以下の場合に発表。沿岸部や川沿いにいる人はただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難が必要。 |
| 避難指示(警戒レベル4) | 市区町村が発令する避難情報。対象地域の住民は全員避難が必要。 |
対象地域・最新情報は公式サイトで確認し、SNSでの拡散は慎重に
不確かな情報や古い情報がSNSで拡散されると、大きな混乱を招くおそれがあります。対象地域や最新情報は気象庁・内閣府・各自治体の公式サイトで確認するようにしましょう。SNSへの投稿は、内容の正確性を確認してから行うよう心がけてください。
防災・防犯に役立つALSOKのサービス
日頃の備えをより確実なものにするため、ALSOKのサービスも活用できます。
ALSOKでは、地震・水害・停電などに備えた災害備蓄品・災害対策用品を取り揃えています。
万が一地震が発生した場合、不審者の侵入や火災など二次的なリスクが高まることがあります。緊急度の高いトラブルを早期に感知し、被害を最小限に抑えるためには、ホームセキュリティの導入が有効です。ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」は、不審者の侵入や火災などの緊急時にはALSOKが駆けつけます。スマートフォンで警備操作が可能で、センサーが異常を感知した際はスマートフォンにも通知されるため、家を空けている間の安心につながります。
まとめ
後発地震注意情報とは、千島海溝・日本海溝沿いでMw7.0以上の地震が発生した際に、大規模な後発地震が発生する可能性が平常時より相対的に高まったことを知らせるための情報です。発表されてから1週間程度を目安に、注意して生活することが重要です。万が一の際には自分や家族の命を最優先に行動できるよう、日頃から持ち出し品の整理や避難経路の確認などを行い、災害に備えましょう。
後発地震注意情報に関してよくある質問
Q:後発地震注意情報の発表基準は?
A:「千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震の想定震源域および想定震源域に影響を与える外側のエリアで、Mw7.0以上の地震が発生した場合」に発表されます。想定震源域の外側で発生した場合は、震源の規模に基づいて想定震源域への影響を評価し、影響があると判断された場合に限り発表されます。
Q:後発地震注意情報の解除にあたる情報は発表されますか?
A:「解除」という名称の情報は発表されませんが、発表から1週間程度を目安に「特別な注意の呼び掛けの期間の終了」が公表されます。大規模地震発生の可能性は時間とともに低下していきますが、ゼロになるわけではないため、期間終了後も日頃からの備えを継続することが推奨されます。
Q:北海道・三陸沖後発地震注意情報と南海トラフ地震臨時情報の違いは何ですか?
A:両者は、それぞれ異なる地域・プレートを対象にした情報です。主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 北海道・三陸沖後発地震注意情報 | 南海トラフ地震臨時情報 |
|---|---|---|
| 対象エリア | 千島海溝・日本海溝沿い(北海道 ~千葉の太平洋側)のうち、防災対応をとるべき地域 | 南海トラフ沿い(東海~九州の太平洋側) |
| 発表基準 | Mw7.0以上の先発地震が発生した場合 | 南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、調査開始・継続、または調査結果を発表する場合 |
| 住民への呼びかけ | 備えの再確認・すぐに避難できる準備 | 状況に応じて事前避難の呼びかけも含む |
| 注意期間の目安 | 発表から1週間程度 | 状況による |





















