ALSOK TRIP vol.21(後編)

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富士山信仰と機織りの街古くて新しい「富士みち」をゆく 美しく、懐かしい、秋の大分

山梨県東南部、郡内地方に位置する富士吉田市は、八の字の裾野を引く富士山の全景が眺められるフォトジェニックな街。
かつて織物で栄えた城下町、都留市とあわせて旅すれば、江戸時代から人々を魅了してきた「富士みち」の歴史が見えてきます。
写真提供:富士吉田市

香川MAP

今から待ち遠しいリニアが街を結ぶ未来

次に訪ねたのが、「山梨県立リニア見学センター」です。この場所でリニアの走行試験が始まったのは1997(平成9)年のこと。2015年には有人走行試験で世界最高速度の時速603kmを記録するなど、東京(品川)-名古屋間の営業運転開始に向けて、準備が進められています。
どきどきリニア館にはリニアの実車両があり車内を見学できるほか、時速500kmを体感できるリニアシアター、リニアを動かしたり、浮かせたりする仕組みの展示などがあります。また走行試験が行われている日は、窓越しにリニアを見られるのでお見逃しなく。一瞬で走り去る驚異のスピードに、見学者から歓声が上がります。
江戸時代に人々が4日ほどかけて歩いた120kmの距離も、リニアならわずか15分足らずで到着します。すぐそこに迫ってきた近未来を実感しつつ、いつの時代も多くの人々が富士山の麓を行き交いながら暮らしていることに、小さな感動を覚えた旅でした。

山梨県立リニア見学センター(やまなしけんりつりにあけんがくせんたー)
2011(平成23)年まで走行試験で使われていたMLX01-2の車両が展示されている
リニア開通後の山梨県をイメージしたジオラマ展示

0554-45-8121

山梨県都留市小形山2381

9:00~17:00(最終入館16:30)

大人420円

月曜

※走行試験は行われない日があります。日程はホームページをご覧ください。

MLX01-2の車内も見学できる
どきどきリニア館。「見る」・「体験する」・「学ぶ」などリニアに関する展示が充実

まだまだある周辺スポット

ヤマナシハタオリトラベルMILL SHOP (やまなしはたおりとらべるみるしょっぷ)
富士吉田市と西桂町の12のブランドの商品が集まる

富士吉田織物協同組合が運営する、地元の繊維関連ファクトリーの商品を集めたセレクトショップ。洋傘、ネクタイ、ストール、座布団、ポーチなど、デイリーに使えるおしゃれな雑貨は自分用にも、おみやげにもおすすめ。

0555-23-1111

山梨県富士吉田市上吉田2-5-1 Q-STA1階

10:00~20:00

不定休

御師のいえ大鴈丸 fugaku×hitsuki(おしのいえおおがんまる ふがく×ひつき)
スイーツセット1000円は要予約。ヴィーガン対応も可

約450年の歴史をもつ御師住宅を利用したゲストハウス&カフェ。
18代目で木工職人の大鴈丸一志さんが改装したカフェでは、マヤナッツのドリンクや富士山の溶岩で焙煎したコーヒーなどこだわりのドリンクが充実。

080-1525-9515

山梨県富士吉田市上吉田7-12-16

ゲストハウスは1~3月は休業、カフェは要予約

都留市商家資料館(つるししょうかしりょうかん)
富士みち沿いに立つ、都留市指定の有形文化財

かつて絹問屋を営んでいた仁科家の店舗兼住居として、大正時代中期に建てられた建築物。帳場机のある玄関の間は反物の検品や出荷作業が行われた場。「甲斐絹」と書かれた大きな額に当時の織物産業の繁栄が感じられる。

0554-45-8008(都留市生涯学習課文化振興担当)

山梨県都留市上谷3-1-20

10:00~16:00

無料

月・水・金曜(祝日は開館、翌日休館)、その他不定休あり

御菓子司 すがや(おんかしつかさ すがや)
八端最中172円やかりんとう饅頭162円は予約がおすすめ

1892(明治25)年の創業時の製法を守る一子相伝の自家製餡は、口にふわっと広がる甘さと後味の良さが抜群だ。数々の受賞歴をもつ銘菓「八端最中」や、カリッとした食感の揚げ饅頭「かりんとう饅頭」が大人気。

0554-43-2673

山梨県都留市中央3-4-3

9:00~18:00

火曜

知られざる絶景スポット

乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」

秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50

400年の歴史を誇る「鶴の湯温泉」は、乳頭温泉郷の中で最も古い歴史を持つ湯治場。茅葺き屋根の長屋「本陣」が今も残り、冬は雪景色に溶け込むように幻想的な日本の原風景が広がります。泉質や効能が異なる4本の源泉と数ヶ所の湯船があり、いずれも乳白色の美肌の湯です。混浴露天風呂は、湯底から源泉が湧き出す稀少な温泉で、血行促進と保温効果がある、寒い冬にぴったりの温まる泉質です。名物「山の芋鍋」は山の芋100%の団子、豚肉や野菜やキノコなどの食材と自家製味噌で作られた甘めでコクのあるスープが絶品です。

写真:温泉カメラマン・杉本圭 
温泉家・北出 恭子

国内外の温泉を年間300湯以上めぐる温泉専門家。
多数の温泉資格や知見を活かし、メディア出演や講演、インフルエンサーとして、温泉の魅力を世界に発信。また、温泉資源を活用したまちづくりの監修や温泉事業者へのアドバイスを行う。大学講師や観光行政の委員も務めている。著書に『 九州絶品温泉、ドコ行こ?(ペガサス出版)』。

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