労働環境・人材開発

働きやすい職場づくりとダイバーシティ推進への取り組み

働きやすい職場づくり

女性活躍推進-目標と課題

 社員が個々の能力を十分に発揮し活躍できる職場環境を目指し、ALSOKでは、キャリアアップと多様な働き方を実現できる環境整 備の両面で、女性の活躍推進に取り組んでいます。社員が仕事と家庭を両立し安心して活躍できるよう、妊娠中や産前産後の制度に加え、法定水準を上回る育児・介護休職や短時間勤務制度などさまざまな社内制度を整備しています。このような取り組みが評価され、2010年、2015年に厚生労働省の「子育てサポート企業」に認定されました。2016年4月からは、配偶者出産時の特別休暇を最大5日間に拡大し、男性の育児参加も促進しています。さらには出産や育児・介護を理由に退職した社員の再雇用制度など、ライフステージに合わせた支援を行っています。

 2021年4月からの3年間で、女性管理職比率を2020年度比で5%増加させる目標を設定しました。この実現に向け、女性社員向け に女性管理職との対話会を開催し、ロールモデルの経験に接する機会を設けるなど、さまざまな取り組みを行っていきます。

 また、 ALSOKでは採用時にすべての職種で男女均等な取り扱いを行っていますが、防犯上の配慮から運用部門への女性の配置を避け、後方支援業務に従事させる傾向がありました。現在ではこうした無意識の思い込みから脱却し、従来男性中心であった職域にも、希望す る女性社員を配置しています。 ジェンダーに関わらず、社員のワークライフバランス推進に向けた 制度を整備するとともに、出産・育児・介護などと仕事の両立ができるよう、 在宅勤務などを活用した多様な働き方に関する検討を進め、2021年4月 からの3年間で社員の平均勤続年数 を2020年度比で5%増加させる目標 に取り組んでいます。

「くるみん」マーク
子育てサポート企業の認定マーク「くるみん」
女性活躍推進法に基づく認定「えるぼし
女性活躍推進法に基づく認定「えるぼし」
従業員数(連結)
38,192
女性従業員比率(連結)
14.5%

(男性 32,673人、女性 5,519人)

多様な人材が最大限に能力を発揮できるよう、研修制度の充実やキャリア支援、ダイバーシティの推進などに取り組み、働きやすい職場づくりに邁進

男女別平均勤続年数(単体)
男性
18.1
女性
15.5

社員が、安心して長く活躍できるようさまざまな社内制度を整備し、ワークライフバランスを推進

女性管理職比率(単体)
4.0%

女性管理職比率向上を目指し、女性社員数の増加推進と各種施策によりキャリアアップをサポート

育児休職からの復職率(単体)
95.0%

TOPICS

子どもと過ごしたかけがえのない時間

 第1子を出産するにあたり、子どもの成長を見届けながら、自分自身の身体もしっかり休めようと、産前産後休暇の3ヶ月に加え、約7ヶ月の育児休職を取得しました。取得に際し、業務の引継ぎに苦労するなど、仕事面での心配は多々ありましたが、上司や同僚の全面的なサポートにより、安心して取得に踏みきれました。出産後は、慣れない育児と家事に戸惑い、正直、仕事をしていたほうがどんなに楽かと思ったこともありましたが、生まれて間もないわが子が私に笑いかけ、小さな手で指をつかむようになると、少しずつ成長していく姿がとても愛おしく、一緒に過ごせるかけがえのない時間に感謝するようになりました。また、子どもの成長と共に母として成長できたことが、復職後の私の自信にも繋がっていると感じています。赤ちゃんの世話は、想像をはるかに超える大変さでしたが、私が子どものそばにいられたので、育児に協力的な夫も「安心して仕事ができる」と感謝してくれました。

 ただ、産後、体調も快復していない頃から子どもを抱えて保育園探しをしたときは、心身ともにとてもつらく、職場復帰を希望する女性が抱えるストレスは想像以上であると痛感しました。今は、育児休暇や時短勤務制度への社内理解もかなり進み、上司や同僚も「今の時期はお子さん最優先で」と業務のフォローをしてくれ、とてもありがたく感じています。しかし、子どもの急な発熱などで休まざるを得ないことも多く、改めて育児と仕事の両立が難しいことを実感しています。

 育児休職を取得したことで、とても有意義な時間を家族で共有できたと思います。生まれたわが子にとっても、母親・父親にとっても、またとない大切な時間でした。もし、次があるのであれば、その際も可能な限り取得し、子どもとの時間を大切に過ごしたいと思います。

営業総括部 営業推進企画室
小林 黄菜
孝彰(たかあき)さん
蒼(あおい)くん

働き方改善に向けた制度の整備

ALSOKでは、働き手がそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境を構築するべく、働きやすい職場づくりに向けた制度の充実に取り組んでいます。

制度 内容
プラチナホリデー 全社員が9連休以上の長期休暇を取得することを奨励(2018年~)
パールホリデー 四半期ごとに休暇の取得予定を事前聴取することにより、年休を取得しやすい環境を醸成(2021年~)
ES懇談会 社員からの問題提起や意見を会社が汲み上げることを目的に、社員(管理職を除く)と人事担当役員などによる懇談会を、毎年、すべての事業所を対象に開催(2008年~)
社員アンケート 社員の職場に対する認識、モラル、価値観などを把握し、これに基づいた施策を推進することを目的に、2020年からは全社員を対象として実施(1999年~)
ALSOKサポートライン 社員の心の健康の維持や安全な職場環境整備への取り組みとして、相談窓口を設置。社員の家族も利用可能(2007年~)
妊産婦定期健診休暇 申請により妊娠週数に応じ、特別有給休暇を取得
配偶者出産休暇 配偶者が出産した社員は2日間の特別休暇(有給)および3日間の特別休暇(無給)を取得することができる。
育児休職
3歳に満たない子と同居し養育する場合、一定期間休職することができる(法定では1歳未満)
育児のための短時間勤務制度 子が中学校1年生になるまで利用可能(法定では3歳未満)
介護休職
要介護状態にある家族を介護する社員は、対象家族一人につき365日の範囲で休職することができる(法定では93日の範囲)私傷病による休職復職制度
私傷病による休職復職制度 私傷病により長期間の欠勤をした場合のために、休職、復職、試験出社、復職するためのプログラム制度
ALSOKサポートライン 「心の健康づくり計画」を策定し、相談窓口を設置しています。
さまざまな相談手段を用意し、社員の家族からも相談できる仕組み
公募制度 海外勤務、企画職、開発職、新規事業等要員、上位役職への試験登用制度
再雇用・グループ会社再雇用制度 定年再雇用、早期退職時のグループ会社への移籍制度
災害ボランティア活動支援制度 災害が発生した際、社員がボランティア活動に参加することを認める制度

 ALSOKは、警備サービスを事業の中核としていることから、事業を継続するためには働きやすい職場環境を整え、優秀な人材を確保することが重要な課題と認識しています。このような取り組みにより、2020年3月期の正社員の自己都合による離職率は3.8%となっています。

  • 離職率対象:雇用形態は出向者を含む正社員
  • 算定方法:年間退職者数÷期首人員数=離職率
  • 有給休暇取得率
    62.8(単体)
  • ES懇談会
    22(単体、22年3月期)
  • ALSOKサポートライン
    利用会社数 41
    利用実績 295
    ( 本体およびグループ会社)

社員の生活を支援する福利厚生

 ALSOKでは、社員と家族の豊かで安定した生活と、安心して仕事に打ち込める環境を提供するために、多岐にわたる福利厚生制度を設けています。

 たとえば、社員が仕事から離れ、心身ともにリフレッシュするための保養・レジャー施設、健康管理のために利用できるスポーツクラブや医療検査機関など、様々な施設を優待料金で利用可能とするプログラムを提供しています。また、住宅の購入・建築費用、子供の入学費用など、社員の日々の生活を支援する貸付・融資制度、さらには、団体保険や社内控除預金、社員持株会、ALSOK LTD(団体長期障害所得補償保険)など、社員の計画的な資産形成と安心な生活を支援する制度を用意して、社員の健全で計画的なライフプランを応援しています。

 また、国内だけでなく、海外においても、最低賃金はもとより、職種、役職ごとの平均賃金を上回る給与支給を行うことで、社員が安定した生活を送れるよう支援しています。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

障がい者雇用の推進

 警備業法は警備員資格に制限を設けています。そのため、本業で障がいを持った方々を雇用することに難しさがあります。そこで、ALSOKグループでは障がい者の自立と社会参加を支援するため、2010年に特例子会社ALSOKビジネスサポート(株)を設立し、障がい者雇用を促進しています。ALSOKビジネスサポートでは、障害の有無にかかわらず、社員一人ひとりが活き活きと誇りを持って働くことができる職場づくりに努めており、社員はALSOKグループで使用する名刺や商品パンフレットなどの印刷物制 作、契約書や装備品の保管、資料発送やALSOKが受託した業務に使用する備品 や端末のメンテナンスなど、幅広い分野で活躍しています。

ALSOKビジネスサポートによる印刷物制作の様子
ALSOKビジネスサポートによる印刷物制作の様子

シニア人材の活用

 ALSOKは高齢化が進む社会への取り組みとして、定年退職した社員を再雇用しており、退職したシニア世代が豊富な経験を活かして働くことができる場を提供しています。防災備蓄品(マジックライス等)の販売、リペアセンター業務からノベルティの制作等、さまざまな業務を担いシニアパワーをフル活用してALSOKを下支えしています。

 ALSOK本社内におけるコンビニ運営では、弁当や飲み物だけではなく、社員からの要望を取り入れながら文房具や生活消耗品なども取り揃え、多様なニーズに応えています。また、コンビニの横にはカフェ風にテーブルとイスが並べられ社員の憩いの場ともなっています。

 その他、岡山支社のお客様である中山昇陽堂様の進める、きびだんごで岡山に貢献する「きびだんごプロジェクト Go to ONIGASHIMA」に賛同して「ALSOK塩チョコきびだんご」の販売を開始し、中山昇陽堂様をとおして売り上げの3%を社会貢献活動に取り組む団体へ寄付しています。

ALSOK塩チョコきびだんご
ALSOK塩チョコきびだんご

多様性の尊重を基礎とした外国人人材の活用・育成

多様性の尊重

 東南アジア6カ国に展開する現地法人においては、日常的な宗教の慣行(イス ラム教徒の礼拝など)を尊重し、社内に礼拝スペースを確保するとともに、勤務シ フトを調整して礼拝の時間を確保するなどの取り組みを行っています。

会社発展を祈願するALSOKインディア駐在員とスタッフ
会社発展を祈願するALSOKインディア駐在員とスタッフ

海外現地法人における現地社員への教育

 現地採用社員のさらなる活躍のため、育成制 度の整備に取り組んでいます。その一環として、当社の経営理念や歴史などをま とめた世界共通の資料を作成し、入社後に行う「初任研修」などで活用しています。 これらの資料は、「ありがとうの心」、「武士の精神」といったALSOKの基本精神 を異文化圏で浸透させるために、各国の言語に翻訳することに加え、当地の文化 に合わせた表現に変えるなどの最適化を行いました。この活動を通じ、現地採用 社員のALSOKグループへの帰属意識向上および「マニュアルをなぜ遵守するの か」という基本的な考え方への理解を深めています。

ALSOKタイの社員教育の様子
ALSOKタイの社員教育の様子