泥棒対策 泥棒が狙う家の特徴とは?
近所に泥棒被害にあった、出張や転勤などで長期に自宅を空けなければならないといった場合には、自宅が泥棒に入られたりしないか、とても不安になるものです。そもそも泥棒はどのような家を標的とするのでしょうか。それがわかれば効果的な対策もたてられるというもの。ここでは泥棒が標的にしやすい家の特徴と対策についてみていくことにしましょう。
泥棒が標的にする家の特徴
泥棒は犯行前に下見を行うケースが多いといわれています。下見の際にみるのは周辺の環境と標的候補となる家そのもの。そのチェックポイントとしては概ね大きく4つ「留守かどうか」「手間をかけずに侵入できそうか」「周囲に気付かれずに侵入できそうか」「逃げやすいかどうか」だそうです。
では泥棒がどのような視点でそれらをチェックしているかをみてみることにしましょう。
泥棒が「その家が留守かどうか」を判断する視点
都市計画防犯研究センターが、泥棒が留守宅を確認するための手段を調査した結果をまとめたところ、その結果は次のようなものでした。
出典:(財)都市防犯研究センター「侵入盗の実態に関する調査報告書」(1994年)
一番多かったのが「インターホンで呼ぶ」という直接的な方法で、次が「住人の動きを観察する」というもの。そのほか「電話をかける」や「カーテンの締まり具合」「郵便物の溜まり具合」などもあり、泥棒は実にさまざまな視点で留守宅を見分けていることがわかります。
泥棒が留守宅を見分けるポイントとそれぞれに対する対応策をご紹介します。
ポイント1:インターホンを押しても誰も出ない
侵入窃盗犯が留守を確認する方法としてもっとも多いのが、インターホンを押して呼んでみるという方法です。これに対して在宅を装うことは難しいので、いかにしてインターホンを押させないようにするかを考えることが大切です。犯人は証拠を残すことを嫌うので、録画機能付きのインターホンを設置するというのも一手です。ボタン付近に「録画中」などと書いておけばより効果があります。ほかに簡単に確認できそうな家がたくさんあるのに、あえてここで危険を犯す理由はないということで、泥棒の標的候補から外れる可能性は高いでしょう。
ポイント2:大きな荷物を持って出かけた
調査結果をみればわかるとおり、住人の動きを見張ることで留守を見抜くという窃盗犯も多いようです。キャリーバッグなど大きな荷物を持って出かけていくところを見られてしまうと、これから長期間留守にするとわかってしまって標的候補にされてしまう可能性が大きくなります。可能であれば大きな荷物は宅配便などで予め目的地に送っておいて、自宅からは持って出ないことをおすすめします。また、どうしても持って出ざるを得ないような場合には、出かける際に家に誰もいなくても「行ってきます」と声をかけるような配慮をすると留守番がいると思わせることができ、被害の可能性を下げることができます。
また、ガレージに車があるかどうかで留守を見分ける窃盗犯もいます。シャッターがあるガレージなら、日頃から閉めておくようにしましょう。
ポイント3:電話に誰も出ない
泥棒が標的候補の家の電話番号を知っている場合、電話をかけることで留守かどうかを判断することがあります。最近では携帯電話に自動転送できる電話も増えているので、可能であれば携帯電話に転送しておくと安心です
留守番電話は便利ですが、その名の通りある意味で留守であることを表明していることになってしまいますので、できるなら使用を避けたいものではあります。どうしても使用が避けられない場合でも、アナウンスで「○日まで留守にしています」というような内容を伝えるのはやめておきましょう。たとえば、普段から「迷惑電話対策のため、最初にお名前とご用件を伺っています」「不審な電話は警察に通報します」というアナウンスにしておけば、留守だということを悟られずに済むうえに、「声」という証拠を残したくないと考える相手からの迷惑電話や詐欺電話を撃退する効果も見込めるのでおすすめです。
ポイント4:昼間でも雨戸やカーテンが閉まっている
昼間から雨戸や厚手のカーテンで閉め切られている家も、泥棒は留守の可能性が高いと目をつけます。長期間留守にする場合は、防犯上の観点からは雨戸やシャッターなどは閉めておいた方がいいといえますが、その場合は泥棒に目をつけられやすいという認識を持ったうえで、補助錠や防犯フィルムなど、とくに外部から目につきにくい箇所の窓やドアの防犯対策をしっかり行い、他の対策も併用して、できるだけ留守と思われない状態をキープできるよう配慮しておきましょう。
ポイント5:郵便受けに新聞や郵便物が放置されている
郵便受けに配達物が溜まっていると、留守であるということが知られてしまいます。数日間留守にすることがわかっている場合には、事前に新聞・郵便物の配達を止めるように手配しておくとよいでしょう。転勤や長期出張・旅行など、月単位で家を空けるときには近所の方に郵便受けの管理をお願いしておきましょう。近所の人には頼みづらい場合には「空き家管理サービス」を利用しましょう。ALSOKでは郵便物の管理だけでなく、家の外に異常がないかのみまわりを定期的に行ってくれます。
ポイント6:夜、室内に明かりがついていない
夜、室内に明かりがついていない家は留守とみなされて泥棒の標的候補になります。共働きなどで帰りが日没後になるような家庭も同様です。
タイマーでON/OFF設定ができる照明器具などを用意して、日没のタイミングでリビングだけでも電源が入るように設定しておきましょう。
ホームセンターなどで1,000円程度で販売されているコンセント設置型の電源タイマーを使ってスタンド灯などを点灯させるだけでも有効です。あわせてテレビやラジオなど音の出るものをつけられるとさらに防犯効果を高めることができます。
ポイント7:洗濯物が干しっぱなし
洗濯物が干しっぱなしで取り込まれていない家は、留守にしていると表明しているようなものです。こちらも照明と同じで共働き世帯などで取り込むのが遅くなるような場合も同様に危険です。ただし、こちらは照明をタイマーなどで点けることができれば、ある程度リスクを回避することができます。部屋の照明をタイマーなどで付けられない場合は、洗濯物はできるだけ部屋干しするようにしましょう。
ポイント8:不在とわかるSNS投稿をする
海外で行われた元・泥棒へのアンケート調査では、約8割が「ターゲットを特定する際にSNSを使う」と回答しました。
たとえば、「○日まで家族旅行中」などと投稿すると、泥棒は過去の投稿などさまざまな手がかりを使って投稿者の住所を特定し、犯行におよぶというわけです。外出時は、不在にしていることが分かるような投稿は避け、仲間に知らせたい報告はできるだけ帰宅後に投稿するようにしましょう
ポイント9:季節外れの飾り物が飾ってある
年末年始、クリスマス、端午の節句などは、家に飾りつけをする機会が多いです。しかし、クリスマス飾りが年の瀬まで飾られていたり、梅雨時期まで鯉のぼりが泳いでいたり、極端に早いタイミングで正月飾りを出しているような家は、不在と勘ぐられてしまう可能性があります。飾りつけの管理は適切に行うように心がけましょう。
泥棒が「手間をかけずに侵入できる家かどうか」を判断する視点
たとえ留守であっても、侵入するのに時間がかかりそうな家は泥棒の標的とはなりにくいものです。先の都市防犯研究センターの調査では、侵入犯の2/3が「侵入に5分以上時間がかかるなら侵入を諦める」という結果がでています。逆にいえば「侵入に5分以上かかるような対策」を講じれば被害に遭う確率を大幅に下げることができるということができます。
以下に泥棒が手間をかけずに侵入できる家を見分ける視点とその対応策をご紹介します。
出典:(財)都市防犯研究センター「侵入盗の実態に関する調査報告書」(1994年)
ポイント1:窓や玄関のカギがかかっていない
侵入犯の家への侵入方法でもっとも多く、約半数を占めているのは意外にも「無締り」の出入口や窓からの侵入です。
泥棒は見えないところから住人の様子を伺っています。ゴミ捨てや近所への買い物など、数分の外出なら大丈夫と思う気持ちが狙われているのです。たとえ数分の外出でも窓や出入口にはきちんと施錠する習慣を身につけておきましょう。とくに夏場の窓、オートロック付マンション・アパートの玄関などは常に狙われていると考えておいた方がいいでしょう。
ポイント2:防犯対策のとられていない窓がある
「無締まり」の次に多いのが「ガラス破り」の手口です。泥棒は普通の窓ガラスであれば、工具などを使いほんの数秒でガラスを破って開錠、侵入することができます。表から人目につきにくい侵入経路となりうる窓には防犯フィルムに加えて補助錠などを設置し、「侵入に手間がかかる」と思わせるようにしましょう。
補助錠は外から見て設置されていることが一目瞭然であるタイプのほうが高い抑止力を期待できます。
ポイント3:足場となるものが放置されている
集合住宅では上階の住居ほどベランダが無防備になりがちですが、一戸建てにおいても上階の窓の方が、より防犯対策が手薄になる傾向があります。ベランダは、登れば路上からは死角になることが多いので、周囲に気付かれずにガラス破りの作業を行うことができます。上階の窓を狙いたい泥棒にとって、足場がある状態はまさに「渡りに船」なのです。上階に登るための足場となり得る物は庭に置かないようにし、どうしても移動できないもの(エアコン室外機や近隣の電柱など)がある場合は、忍び返しを設置するなどの対策をとりましょう。
泥棒が「周囲に気付かれず侵入できる家かどうか」を判断する視点
無施錠の玄関から堂々と入る場合を除いて、泥棒に入るにはどうしても周囲から見れば不自然な行動を取らざるを得ません。それを付近の住民などに見られれば通報されるリスクが高まるため、泥棒はできるだけ人目につきにくい場所から侵入を試みます。
そうした観点からみれば、人の往来が途切れない場所や、近隣のマンションのベランダや窓からよく見える場所など、周囲から見えやすいところにある家は比較的安心といえるでしょう。泥棒が周囲に気付かれず侵入できると思う視点とその対策についてご紹介します。
ポイント1:侵入口が死角になっている
泥棒の多くは窓を破って侵入することを企てるので、周囲の目を気にせずに作業ができる窓があればそこは格好の侵入口となります。侵入経路になりそうな場所は、可能な限り見通しをよくしておくことが大切です。庭の植栽などが視界を遮っているようなら、枝を切るなどして見通しをよくしておくとよいでしょう。
また、どうしても死角になってしまうような場所がある場合には、「防犯カメラ」を設置しておきましょう。最近では家庭向けのリーズナブルな機種でも、多様なセンサーを内蔵していて、侵入者があれば検知して光や音で警告を発したり、ネットワークを使って遠隔地から操作したりできる機能を持ったカメラも増えています。
ポイント2:犯行時の音がかき消される
ガラスやドアを破壊する際にはそれなりの音が発生するので、その音をかき消してくれる電車や大型車両が近くを通過するような立地の家は比較的泥棒の標的になりやすいといわれています。こういった場所にお住まいの方は、犯行に及んだ際に大きな音が鳴り周囲に異常を知らせることができる対策が有効です。
踏むと大きな音の出る防犯砂利を庭や通路に撒いたり、窓ガラスに衝撃が加わるとブザーが鳴動する装置を設置したりすることなどが挙げられます。夜間の防犯対策には、音や動く物体を感知して点灯するセンサーライトも有効です。
泥棒が「逃げやすいかどうか」を判断する視点
泥棒にとっては犯行後スムーズに逃げられるかどうかは重要な問題です。それには駅などすぐ移動できる交通機関がすぐに利用できるなどの地理的な要件が整っているということがまず前提となりますが、それ以外にも意外な要件があるようです。
ポイント1:指定日以外に集積所にゴミが出ている
泥棒は下見の際に地域のゴミ集積所に指定日以外にゴミが出ているかどうかをチェックするといいます。指定日以外にゴミが出ているような地域は地域住民の連帯感が薄く、万一犯行時に見つかっても逃げやすいのだそうです。
逆に地域の連帯感が強く、近所付き合いが円滑に行われているような地域は泥棒が嫌うので防犯の観点からはより安心できる地域だということができます。前出の調査でも犯行を諦めた理由の上位に「近所の人に声を掛けられたり、ジロジロみられたりした」ということがあげられています。
泥棒に狙われないためにも、ゴミの日はひとりひとりがしっかり守るようにしましょう。
泥棒が下見を行っている段階から「不審だ」と感じることのできる環境を地域の住民同士で養っておくことは防犯上とても重要です。
出典:(財)都市防犯研究センター「侵入盗の実態に関する調査報告書」(1994年)
泥棒が何を根拠に標的を決めているか、標的とならないためには何をすればいいかを感じとっていただくことはできましたでしょうか。
要は泥棒にこの家は手間がかかりそうだなとか、リスクが高そうだなと思わせることが大事なのです。
そういう意味では、ホームセキュリティの導入は「犯行を未然に防ぐ効果」と「万一犯行を試みられてもやりとげさせない効果」の2つの面からご自宅を守ります。
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