マンションの資産価値とは
皆さんは、自宅の資産価値を考えたことがあるでしょうか。買う時には高かったけれど、売ろうと思ったら価格が下がっていた、あるいは逆に買った時より現在の方が高くなった、ということもあるでしょう。先々に売却を考えなければ、資産価値をあまり意識する必要もないかもしれません。とはいえ、周辺の土地の値段が下がると売れなくなるという心配が頭をよぎることがないともいえません。では、資産価値とは何でしょうか。ここでは、投資にも活用されるマンションを例にして考えてみることにしましょう。
条件が良ければ資産価値も高い
マンションを購入する際に頭に浮かぶのは、立地や周囲のロケーション、リビングやキッチンの設備、間取りの配置や広さ、浴室やトイレの設備、陽当たりなどでしょう。枚挙にいとまがありませんが、良い条件があればあるほど資産価値が高く売却を考える際には優位になるイメージがあります。
ただし、条件が整ったマンションは購入時必然的に高額となっていることが多いものです。では、手に届く範囲で資産価値が高いマンション探しをするには、どんなポイントに注目すればよいのでしょうか。
マンション選びの条件とは
国土交通省の平成30年度マンション総合調査によると、マンション購入者が購入の際に考慮した項目のトップは「駅からの距離など交通利便性」で72.6%、2位は「間取り」で63.7%、3位が「日常の買い物環境」で52.8%となっています。ここまでが過半数の人が考慮した項目となっていて、「周辺の公共公益施設の立地状況」を気にする人が約4割、「眺望」や「周辺の自然環境」を気にする人が約3割となっています。
ある意味これらの指標で高いポイントを取れる物件が資産価値のある物件と言うことができそうです。
出典:国土交通省平成30年度マンション総合調査
次のグラフは「マンション購入時に考慮したこと」をマンションの取得年次別で表したもので、最近の好まれる物件のトレンドをみることができます。
ほとんどの項目で割合が上昇していることから最近のマンション購入者が、以前のマンション購入者よりもより幅広い項目について考慮したうえで購入していることが分かります。つまり資産価値を支える条件がより多様化してきていることを示しているといえます。
はっきりと右肩下がりとなっているのはわずか2項目のみで「周辺の公共公益施設の立地状況」と「周辺の自然環境」でした。
このうちの「周辺の公共公益施設の立地状況」については、「駅からの距離など交通利便性」が大きく上昇していることを考えれば、駅が近ければ、自動的に病院や福祉、教育施設なども近くにあると考えられているのでしょうから、資産価値を支える要素として相対的に下がってきているのは「周辺の自然環境」だけと考えることができそうです。
出典:国土交通省平成30年度マンション総合調査
賃貸物件から読み取れる地域の資産価値
もうひとつ資産価値を読み取る簡単な方法があります。それはその地域の賃貸物件の賃料です。人気の高い地域では、当然のことながら賃貸物件の賃料も高く設定されています。大都市に近い地域や、アクセスに便利ないわゆる駅チカの物件もそうです。賃料の相場が高いということは、すなわち「住みたい倍率」が高い地域といえるのです。住みたい人が多ければ、需要と供給の関係から資産価値が高まり価格相場は上昇します。価格相場が上昇することで、購入から時間を経ても資産価値の目減りが少なく安定した価値を維持することができます。
ブランドにリスクがひそんでいることも
先にあげた項目以外にも資産価値に影響をあたえる要素があることも確かです。
それは住宅周辺の土地が災害に強いかどうか、ということです。立地条件にも重なりますが、駅から近いからといって資産価値が維持できるとイメージしてしまうのは早とちりかもしれません。たとえば都心で人気の地域は高台にある場所に集中しています。
最近は都心でも利便性の高い場所の大規模な再開発が盛んに行われていて、非常に人気を集めていますが、そのような場所を選ぶ際にも「災害に強いか」という観点で一度冷静に評価をしてみることをおすすめします。
台風による大雨によって、ブランド価値が高いと思われていた街が大きな被害にあったことも記憶に新しいと思います。世間的に知られた高級住宅地にも、思わぬ落とし穴がひそんでいる可能性があることを認識しておきましょう。
安全安心も資産価値になる
日常の生活を楽しく送るためには、住居の快適性や利便性が重要なことはいうまでもありません。その中には、安全という条件もあります。最近の新築マンションにはセキュリティ対策が充実した物件も増えており、これも資産価値維持のためのひとつの材料となりえます。
予算とその他の条件のバランスを考えた時、どうしてもセキュリティだけが満たせない場合は、個人でホームセキュリティを後付けして資産価値を向上させるという方法もあります。
ALSOKでは、防犯から子どもや高齢者のみまもりまで、幅広いサービスを提供しています。資産価値のひとつとして、ぜひ導入を考えてみてはいかがでしょうか。