離れて暮らす親を見守るためのサービスの種類や利用する際のポイント

実家にいる親が高齢になってくると病気やケガが心配になりますよね。
近くに住んでいればすぐに駆けつけることができますが、遠く離れて暮らしていると万が一のときにすぐに気付くことができません。遠く離れた場所にいてもITを活用して親の様子を知ることができたら便利ですよね。
親を見守るサービスは、さまざまな種類があります。どれを選べば良いかわからないという方や、親が「私は大丈夫!」「必要ない!」となかなか聞いてくれず、説得に頭をかかえている方も少なくないでしょう。
そこで、今回は高齢の両親が見守りサービスに消極的な理由や、見守りサービスの種類やメリット、選び方などをご紹介します。
目次
一人暮らしをする高齢者の現状
令和6年版高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者人口は男女ともに増加傾向にあり、その中でも夫婦のみの世帯及び単独世帯の高齢者数が特に顕著な伸びを示しています。一人暮らしをする65歳以上の高齢者の割合は、2020年には男性15.0%、女性が22.1%でしたが、2050年の推計値は男性26.1%、女性29.3%と大きく増加が見込まれています。
一方で、高齢者1人を支える現役世代の数は減少し続けている状況です。総務省の調査結果では、一人暮らしの高齢者は配偶者や子どもと同居している高齢者と比較して、近所付き合いが希薄している傾向が明らかになっています。地域コミュニティとのつながりが弱くなることで、緊急時の支援体制や日常的な見守りが十分に機能しない状況が生まれています。
参考:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
参考:総務省「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査」
高齢の親が見守りサービスに消極的な理由
高齢の親を心配して見守りサービスの導入をすすめても、まだ考えていない、入れなくても心配ない、と断られるケースは多いです。
高齢者が見守りサービスの利用に消極的である一般的な理由が以下の4つです。
- 見守りサービスは監視されているように感じる
- 新しい機械やシステムを操作することに抵抗がある
- まだ見守りサービスが必要な年齢ではないと考えている
- 費用面を心配している
以降、上記について詳しく紹介します。
見守りサービスは監視されているように感じる
見守りサービスに対して、いつも見張られているようだ、監視されている、と感じる方は多くいます。
親子といえども、生活を常にみられることは窮屈に感じるでしょう。
見守りサービスの機能について、監視カメラのような機器を使ったシステムと勘違いされている方には、言い回しに注意を払って説明しましょう。
近年の見守りサービスには、プライバシーに配慮したものが多くあります。
例えば、「センサーを使った見守りサービス」、「家電を使用した見守りサービス」です。
センサーを使用した見守りサービスでは、トイレやキッチンといった生活する上で必ず通る場所に人感センサーを設置します。人感センサーは人の動きや熱を感知するセンサーのため、映像が記録されることはありません。
また、家電を使用したサービスは、普段使う家電の使用状況を分析して見守ります。
日常的に使用されていたポットが長時間使われていなければ、食事がとれていないなどの判断が可能です。
見守りサービスと聞くと、生活を見張られると感じているタイプの方の場合、見守りサービスに対する誤解を解き、システムの詳細をわかりやすく伝えることが説得のカギとなるでしょう。
新しい機械やシステムを操作することに抵抗がある
新しい機械やシステムに対して抵抗感を持つ方は多いです。歳を重ねると、新しい機械の使い方を覚えるのに時間がかかることもあり、使いこなせないこともあります。なにより、現在の自分のライフスタイルが変わるのに抵抗を感じます。
多くの見守りサービスは、機械を設置したり、携帯型端末を持ち歩いたりする必要があります。ライフスタイルを変えたくない方にとっては受け入れが難しいことでしょう。
このタイプの方の場合、普段と同じ生活をするだけで見守りができるサービスの提案がおすすめです。
見守りサービスは導入する際にさまざまな初期設定を行いますが、ほとんどの作業は業者が行います。
また、導入後は特別な操作を必要とせず、設置するだけで機能を発揮することから、親は何もする必要がありません。操作をするとしても、介護者からの連絡に対応するだけなので、ほとんど手がかからないといえるでしょう。
このように、「新しい機械やシステムは複雑」という考え方をなくすことが、導入に合意してもらうために重要な要素だといえます。
まだ見守りサービスが必要な年齢ではないと考えている
自分にはまだ必要ではない、と感じる高齢者の方もいます。また、特にこれといった不安や持病がない場合は必要ないと考えがちです。そのため、遠くに住む高齢の親を心配する子世代と親世代の間に溝ができてしまいます。
こういったタイプの方は、まず条件を付けて将来の導入を約束してみましょう。
例えば、「〇歳になったら考えてみない?」「今の生活に不安が出たら導入しよう」などと条件を付けて将来の導入を決める方法です。
親の意見を尊重し、こちらが譲歩した上で提案すると受け入れてもらえるかもしれないため、できるだけ具体的な条件を提示しましょう。
一方で、見守りサービスではなく、別サービスを導入する方法もあります。これは高齢者向けのサービスに嫌悪感を持つ方にもおすすめの方法です。高齢者向けの見守りサービスではなく、住宅防犯のためのホームセキュリティを提案しましょう。
これにより「高齢だから心配」ではなく、「遠くに住んでいるから、何かあったら心配」と説明ができます。
提案の切り口を変えるだけで双方納得できる可能性が高まります。ホームセキュリティによっては、オプションでさまざまな機能を付け足すこともできるため、親の状況に合わせてカスタマイズすることができるでしょう。
費用面を心配している
見守りサービスは24時間対応などさまざまサービスがあるため、高額な料金がかかると考えている方もいるでしょう。子どもが支払うにしても、お金がかかるサービスであると親本人が気を遣う可能性もあります。
そういった場合は長期的に利用するのを前提として、経済的に無理のない範囲で利用できるサービスを見つけてあげると良いでしょう。
見守りサービスにお金がかかると考えている方は、低額で導入できるサービスを検討しましょう。サービスのなかには初期費用がかからないものや、機器をすべてレンタルできるものなどがあります。
そのため、「○○だから安く済んだ」といったように、低コストで導入できる旨を伝えて安心してもらいましょう。注意点として、警備員に駆けつけを依頼する際には別途費用が発生することが挙げられます。
離れて暮らす親を手助けする方法
高齢化社会が進む中、親元を離れて暮らす子ども世代にとって、遠く離れた親の健康や生活状況は大きな心配事です。高齢の親に安心して生活してもらうためにも、適切な支援の方法を知っておきましょう。
定期的にコミュニケーションを取る
親とのコミュニケーションは、健康状態や生活の変化を把握する最も基本的かつ重要な手段です。頻繁に連絡を取ることで、親自身が言い出しにくい困りごとや体調の変化にも早期に気づくことができ、お互いに安心感を得られます。直接会うことが困難な場合は、LINEやZoomなどを利用したテレビ通話や電話などで積極的なコミュニケーションを行いましょう。
地域包括支援センターを活用する
地域包括支援センターは、市区町村が設置主体となり、高齢者の生活を支援する公的機関です。保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員等が配置されており、高齢者の健康管理、介護予防、生活相談といった包括的なサービスを提供しています。相談は基本的に費用がかからないため、親の居住地域のセンターに相談することで、その地域の特性に合わせた適切な支援を受けられます。
見守りサービスを導入する
親が離れて暮らしていても、さまざまなサポートを受けられる見守りサービスを活用することも有効な手段です。毎日の安否確認、電話による健康相談、緊急時の連絡のほか、万一の際の駆けつけ対応ができるサービスもあります。これにより、異常を早期に発見し、迅速な対応が可能です。費用はサービス内容により異なりますが、家族の安心と親の自立した生活の維持を考慮して、価値に見合ったサービスを選択すると良いでしょう。
離れて暮らす親を見守るサービスの種類
高齢の親の様子を知らせてくれる見守りサービスは、そばで見守ることができない人にとってとても便利なサービスです。見守りサービスに抵抗感がある親に導入をすすめる場合、ご自身に合ったサービスを提案することが重要です。
ここでは、離れた場所に住む高齢の親のタイプ別に、おすすめの見守りサービスの種類をご紹介します。
医療サポートや緊急通報サービスがある見守りサービス
体調面に不安をもつ方におすすめなのは、現地に駆けつけられない家族に代わって、医療サポートや緊急通報を行ってもらえる見守りサービスです。不測の事態が発生した場合、緊急通報ボタンを押すだけで警備員が駆けつけ、すぐに対応してもらうことができます。なお、緊急通報ボタンは、壁に備え付けるタイプや据え置きタイプ、首から下げて使用できるペンダントタイプなどがあります。
安否確認サービスや家電を使った見守りサービス
監視されているようで抵抗感がある方には、センサーを使った安否確認サービスや、家電を使った見守りサービスがおすすめです。トイレやキッチンといった生活動線上に人感センサーを設置してセンサーの感知をもって安否を確認するため、監視されていると感じるストレスを少なくできます。
また、サービスを導入することで、熱中症予防や歩数の確認など、安否や健康に関する情報を知ることができます。
ホームセキュリティサービス
なかには、自分にはまだ見守りサービスは必要ないと考える方もいるでしょう。
高齢な親だけの住まいでは突発的なケガや病気だけではなく、空き巣や強盗などの被害に遭うおそれもあります。見守りサービスに抵抗がある場合でも、自宅の警備を強化するという目的であれば納得してもらえる可能性がありますので、防犯対策として、ホームセキュリティサービスの導入をおすすめします。
親は親なりに将来を考えていたり、子どもに迷惑がかかることを嫌がったりさまざまな考えを持っています。親がどういった点で懸念があるのかを理解すると、説得する方法や譲歩のポイントも見えてきます。
心配という気持ちもわかりますが、押し付けにならないよう注意しましょう。
親の希望する生活に見合ったサービスを提案すれば、双方納得する結果が見つかることもあります。
見守りサービスを利用する際におさえたいポイント
下記にて、見守りサービスを利用する際におさえたいポイントをご紹介します。
- 親の意思・意向を尊重する
- 状況や目的、タイプに合わせて選ぶ
- 緊急時、24時間365日対応可能か確認する
- 操作は簡単か確認する
- 困ったときは専門家に相談する
親の意思・意向を尊重する
見守りサービス導入における最も重要な前提は、サービスを受ける親本人の理解と同意を得ることです。どれほど優れたサービスであっても、親の了承なしには導入することができません。そのため、親に対して「一人暮らしが心配なので、安心のために見守りサービスを導入したい」など、具体的な理由と説得を行いましょう。また、親が抱く不安や疑問に対しても真摯に耳を傾け、一方的に決めるのではなく、親の意思・意向を尊重しながら一緒にサービス内容を検討する姿勢が重要です。
状況や目的、タイプに合わせて選ぶ
見守りサービスは、数多くの企業が多様なサービスを提供しており、それぞれに特徴や強みが異なります。そのため、サービス導入を検討する際は、複数のサービス内容を詳細に比較検討することをおすすめします。現在の親の健康状態、生活環境、日常の行動パターンを正確に把握したうえで、目的やタイプに合った見守りサービスを選びましょう。
緊急時、24時間365日対応可能か確認する
見守りサービスを選ぶ際の重要な判断基準の一つが、緊急時の対応体制です。高齢者の体調急変や事故は、いつ発生するか予測できません。そのため、24時間365日対応可能なサービスか、緊急時には現地に駆けつけてもらえるか、医療機関との連携体制はどうなっているのか、家族への連絡のタイミングなど、具体的な対応フローを事前に確認しておきましょう。詳細な対応内容を明確にしておくことで、いざという時の混乱を避けることができます。
操作は簡単か確認する
見守りサービスの多くは、親自身が機器やシステムを操作する必要があります。しかし、操作が複雑だと、サービスを十分に活用することができません。ボタン一つで通報できるシンプルなタイプや、異常を自動的に検知するセンサータイプなど、さまざまなサービスが存在するため、操作が簡単で分かりやすいサービスを選ぶことがポイントです。
困ったときは専門家に相談する
見守りサービスの導入・利用に際して困った場合は、専門家への相談を積極的に活用しましょう。地域包括支援センター、ケアマネジャー、社会福祉士などの専門職は、豊富な経験と知識を持っており、個々の状況に応じた適切なアドバイスを提供してくれます。定期的に専門家と相談し、サービスの効果を評価したり必要に応じて内容を見直したりすることで、より良いサービス利用が実現できるでしょう。
家族の安全安心な暮らしを支えるALSOKのみまもりサポート

ここからはALSOKの見守りサービス「みまもりサポート」についてご紹介します。
導入方法についても詳しくご紹介しますのでご参考にしてください。
ALSOKのみまもりサポートは、高齢者の生活を遠隔で見守るだけでなく具合が悪くなったりケガをしたりした場合、迅速に対応するサービスです。
緊急通報装置であるHOME ALSOK みまもりサポートを設置することによって、いつでもALSOKの駆けつけを要請できます。また、何となく体調が優れないといったときには健康についての相談をすることも可能です。
ALSOKのみまもりサポートには次のような安心できるメリットがあります。
ボタンでらくらく操作

みまもりサービスに使うコントローラーは、大きな文字・聞き取りやすい音声・警報音など、高齢者の方でも操作しやすいユニバーサルデザインになっていて、ボタンを押すだけで簡単に操作することができます。
据え置き設置ができるので、テーブルの上やテレビのそばなど、身近な場所に置いて使うことが可能です。
機械操作が苦手な方でもわかりやすい仕様でボタンごとに何のボタンがわかるようになっています。
24時間365日体制の万全なケア

ボタンを押すだけで、全国の待機所からもっとも早く到着できるALSOKが、24時間365日、迅速に駆けつけます。
24時間誰かが常に見ているというわけではなく、体調が悪くなったときや、自宅でケガをしたときなど、必要なときに必要なサポートを受けることができます。
安心対応のヘルスケアセンター

相談ボタンを押すだけで、24時間ALSOKヘルスケアセンターとつながります。
ヘルスケアセンターには看護師が常駐していますので、少しでも気になることがあれば、いつでも相談することができます。
ヘルスケアセンターでは、健康・介護に関する相談、医療機関・介護施設の情報に関する相談、介護福祉関連施設への取り次ぎ、介護事業者の紹介、疾病予防・健康管理に関する施設紹介などをしています。
設置もラクラク

みまもりサポートの導入には、インターネット回線等は必要ありません。固定電話回線と電源があれば利用ができます。
また、固定電話回線がない場合は、オプションで通信回線もご用意しています。
緊急情報登録で、もしものときにも安心

あらかじめ持病やかかりつけの病院などの情報を登録していただくと、救急車による搬送が必要になった場合に、駆けつけた救急隊員への引き継ぎに役立てます。
熱中症・認知症、安否確認もあり安心

コントローラーの湿度センサーによる自宅での熱中症見守りや外出・帰宅を家族にメール通知するといった見守り機能もあります。
また自宅内にセンサーを設置し、決められた時間に反応するか、日常生活を通しての見守りもサポートします。
熱中症注意喚起と緊急速報メールの受信・読み上げといったサービスも基本料金で利用できるため、費用もリーズナブルで安心です。
ALSOKみまもりサポートのオプションサービス
緊急通報以外にも、トイレなどの生活の動線上にセンサーを設置したり身につけたりすることで高齢者の方の生活を見守るサービスもあります。
ALSOKのみまもりサポートのオプションサービスには次のようなメニューがあります。
ペンダント型緊急ボタン

首から下げるペンダントタイプの緊急ボタンで、コントローラーの場所まで歩けないような緊急時にも通報することができます。使用範囲は家の中に限ります。
火災感知器

キッチンや寝室の天井にセンサーを設置して火災や煙を感知すると、すぐにALSOKが駆けつけます。
ガス漏れ感知器

キッチン等にセンサーを設置して、ガス漏れを感知するとALSOKが駆けつけます。
ライフリズム監視サービス

トイレのドアなどにセンサーを設置して、一定時間反応が無ければ異常と判断してALSOKが駆けつけます。
みまもり情報配信サービス

離れて暮らすご両親宅の天井や壁に人の動きを感知するセンサーを設置してご利用者を見守り、ご家族に生活リズムの正常・異常をメールでお知らせするサービスです。
ALSOKみまもりサポートの料金プラン

みまもりサポートを導入したいが、ご両親にどう説明したらわかってもらえるか、説得できるかご心配の方は多くいらっしゃるでしょう。
そのような場合でも、ALSOKのスタッフが一緒に訪問して説明いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
また、導入費用についても、ALSOKのみまもりサポートならニーズに合わせて選べる3つの料金プランがあります。
プランの概要は次の通りです。
費用の詳細は以下のページをご参照ください。

お買い上げプラン
導入時に機器を購入することで毎月の費用を抑えることができます。(初期費用として機器費と設置費がかかります)長期利用をご希望される場合におすすめのプランです。
機器は10年間無料保証がついていますので、安心して利用できます。
レンタルプラン
導入時に初期費用として設置費のみを支払い、見守り機器をレンタルで利用するプランです。
5年以内の利用を検討している場合におすすめです。
ゼロスタートプラン
初期費用0円ですぐにみまもりサポートを導入できるプランです。短期間の利用や初期費用をなるべくかけたくないという場合におすすめです。
離れて生活するご両親に見守りサービスを提案しても、難色を示す場合があります。また、費用負担の感じ方はそれぞれのご家庭の状況によって大きく異なるとはいえ、現実として「親が高齢であり、何かあったときにすぐに駆けつけることができない、近くに頼れる身寄りがない」という場合には、「駆けつけサービス」が付いている見守りサービスを選んだ方が安心といえるでしょう。
ALSOKのみまもりサポートはこうした皆様のニーズに寄り添うサービスとなっています。利用されるご本人、ご家族で導入を検討する際には、まず資料請求をしてみてはいかがでしょうか。この機会にぜひ家族が安心できる安全な環境づくりをご検討ください。