AEDの使い方・重要性について解説

防災 2020.09.14

不整脈や心停止はいつ起きるかわかりません。平成30年(2018年)に発生した心原性心肺機能停止傷病者のうち、一般の方によって目撃されたもの方は25,756人でした。[注1]その場に居合わせた人が、胸骨圧迫や人工呼吸といった応急処置を迅速に実施できるか、AEDによる電気的除細動を適切に行えるかが、傷病者の生死を左右します。本記事では、AEDによる応急措置の重要性や、AEDを使用した心肺蘇生の手順についてわかりやすく解説します。

AEDとは?一般の方も使える自動体外式除細動器

一般市民がAEDを使用した数
一般市民がAEDを使用した数

AED(自動体外式除細動器)とは、学校・ターミナル駅・空港などの公共施設を始めとして、様々な場所に設置されている救急救命製品の1つです。心臓の筋肉がけいれんを起こすことを「心室細動」や「心室頻拍」と呼びます。心室細動や心室頻拍の状態が続くと、心臓のポンプ機能が失われ、全身に血液を送ることができなくなります。心停止から5分経過すると、約半分の人が亡くなってしまうといわれています。こうした心臓突然死の対策として、国や地方自治体が管理する救急救命サービスだけでなく、その場に居合わせた一般の方(バイスタンダー)による迅速な心肺蘇生が不可欠です。

心室細動や心室頻拍の治療手段として有効なのが、心臓に機械的な電気ショックを与えて、正常なリズムを取り戻す「除細動器」の使用です。AEDは持ち運びでき、誰でも簡単に使える除細動器として、2004年7月より一般の方の利用が許可された製品です。胸骨圧迫や人工呼吸と併せて、AEDを正しく使用すれば、数多くの命を救うことができます。総務省消防庁の「令和元年版 消防白書」によると、AEDを含む応急手当を行った人の数は年々増えており、平成30年(2018年)には心肺機能停止傷病者のうち、過半数の50.7%に処置が行われました。AEDによる除細動だけでも、実施件数は1年間で1,254人に達しており、AEDによる心肺蘇生の普及啓発が進みつつあります。[注1]

AEDを使用した心肺蘇生が重要な3つの理由

なぜ、AEDを使用して心肺蘇生を行う必要があるのでしょうか。3つのデータを紐解き、AEDによる除細動の重要性を解説します。

心臓突然死の件数は1年間で約7.9万人

日本AED財団によると、心臓突然死の発生件数は1年間で約7.9万人です。つまり、1日あたり約200人、約7分につき1人が心臓突然死により命を失っています。[注2]また、日本循環器学会教育研修委員会によると、心臓突然死の直接的原因の8割は心室細動であり、AEDの使用を始めとした迅速な救命救急が欠かせません。[注3]生活リズムが不規則になりがちで、ストレスを抱える人が増えている現代社会では、こうした心臓突然死のリスクがますます高まっています。

1分ごとに救命率が7~10%下がる

心室細動や心室頻拍が発生した場合、一刻も早く電気的除細動が必要です。とくに心室細動を起こした方を救命できる確率は、1分経過ごとに7%から10%低下するといわれており、心停止から5分経過した時点でほぼ半数の人が亡くなってしまいます。[注4]しかし、救急自動車が到着するまでの平均時間は、この5分間のデッドラインを超えています。総務省消防局の公開情報では、平成30年度(2018年)の現場到着所要時間の全国平均は約8.7分で、病院収容所要時間は約39.5分でした。1人でも多くの命を救うためには、行政サービスだけでなく、その現場に居合わせた人(バイスタンダー)の迅速な応急処置が必要です。

AEDを使用した人の1ヶ月後生存率は55.9%

最後に、現場でAEDによる電気的除細動を受け、無事生還した方の割合を見てみましょう。総務省消防局によると、2018年にAEDによる処置を受けた方の人数は1,254人で、そのうち過半数にあたる55.9%が命を取り留め、1ヵ月後生存者の人数は701人となっています。また、1ヵ月後社会復帰者の人数も605人であり、AEDによる手当を受けた方の48.2%が無事社会復帰を果たしています。[注1]このように統計データを見ても、救急救命にとってAEDがいかに有効であるかがわかります。AEDを正しく使うことで、無事に命を取り留めるだけでなく、早期に社会復帰できる確率が高まります。

AEDの正しい使用タイミングを6つのステップで確認

AEDの正しい使用タイミング
AEDの正しい使用タイミング

適切に心肺蘇生を行うには、正しいタイミングでAEDを使用することが大切です。いざという時のため、救急救命の手順やAEDの使い方を解説します。

1まずは周囲の安全確認を

まずは周囲を見渡し、自分や傷病者が危険な場所にいないか、車が近づいてきていないか等を確認します。安全確認を怠ると、傷病者だけでなく、自分も二次的被害に巻き込まれるリスクがあります。心肺蘇生の最初のステップは「安全確認」です。

2肩を軽くたたいて耳元で意識の有無を確認する

周囲の安全が確認できたら、傷病者の肩を軽くたたきながら、耳元で「大丈夫ですか」等と声掛けを行って、意識があるかどうか確認しましょう。傷病者の反応がなければ、再度声量を上げて声掛けをします。いきなり肩を強くたたいたり、体を大きく揺さぶったりするのはNGです。

3助け・応援を呼ぶ

傷病者の意識がなければ、すぐに大声で助け・応援を呼びましょう。心肺蘇生には周囲の協力が欠かせません。自分で心肺蘇生を行う場合は、119番への通報と、AED搬送の2点を別の方にお願いします。このとき「誰かお願いします。」だと、自分以外の誰かに依頼しているのでは?という考えがめぐり、行動が遅れてしまう可能性があります。協力を仰ぐ際には、周囲にいる特定の人を指差し「あなたは、119番に通報してください。」と具体的に伝えることにより、迅速に対応できるようになります。

4呼吸があるかどうか確認する

次に、傷病者の胸・腹部等の動きを目視でチェックし、通常通り呼吸しているかどうか確認します。呼吸確認の目安は10秒以内です。なお、傷病者が呼吸していない場合だけでなく、呼吸確認の判断が難しい場合も、心停止とみなして迅速に救命措置をとる必要があります。

5胸骨圧迫と人工呼吸を実施する

傷病者の気道を確保したうえで、救急蘇生法を実施します。まずは胸骨圧迫(30回)から始め、次に人工呼吸(2回)を行います。AEDが到着するまでの間、胸骨圧迫と人工呼吸をワンセットで、繰り返し実施しましょう。救急救命はその場にいる人々(バイスタンダー)の協力が大切です。訓練経験の長さに関わらず、救急蘇生法を知っている方が率先して心肺蘇生を行いましょう。

6AEDによる電気的除細動を行う

AEDが到着したら、まず電源を入れてください。自動で音声ガイダンスが始まります。AEDの音声ガイダンスに従い、2種類の電極パッドを傷病者の体に貼りましょう。電極パッド表面のイラストにも、パッドを貼る場所が表記されています。電気的除細動が必要とのガイダンスが流れたら、ショックボタンを押し、電気ショックを開始します。電気ショックを行う際は、安全確保のため、周囲の人にその場を離れてもらいましょう。救急隊員に引き継ぐまで、そのまま胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの使用をつづけます。

AEDは、電気ショックの必要性を自動で診断して作動しますので、必要ない場合には作動しません。もし、電気ショックを与えて容態が悪化したらどうしよう・・・と考える必要は全くありません。また、AEDを使用して助からなかったことに対して法的責任を問われことを恐れ、AEDを使用しないケースがあります。ですが、法的責任では、心肺機能停止傷病者の意識回復を目的として使用された場合は「緊急避難(刑法第37条)」に該当します。また、民事責任では、「緊急事務管理(民法第698条)」に該当するため、重大な過失がなければ責任を負うことはありません。

AEDを正しく使うことで心臓突然死の防止につながる

従業員やお客様の大切な命を守るため、防犯・セキュリティ面への投資だけでなく、AEDの導入に力を入れる店舗や事業所が増えています。心室細動や心室頻拍が発生すると、5分経過時点で半数の人が亡くなってしまいます。行政の救急サービスだけに頼るのではなく、その場にいる人(バイスタンダー)が率先して救急救命活動を行う必要があります。心肺蘇生の手順に従い、正しいタイミングでAEDを使用しましょう。

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