ゴミの不法投棄対策には防犯カメラを!不法投棄されやすい場所や対処法

空き家管理 2025.11.19更新(2020.12.31公開)
ゴミの不法投棄対策には防犯カメラを!不法投棄されやすい場所や対処法

不法投棄は、空き地や駐車場、個人宅の敷地内などさまざまな場所で日々発生しています。もし自宅の敷地内に不法投棄された場合、犯人が見つからなければ自分で廃棄物を処理しなければなりません。このような不法投棄の被害を防ぐためには、防犯カメラの設置が有効です。防犯カメラは不法投棄の現場を記録するだけでなく、犯罪の抑止力としても効果を発揮します。

本コラムでは、ゴミの不法投棄対策や不法投棄されやすい場所の特徴、おすすめの防犯カメラについて解説します。

目次

不法投棄とは?

不法投棄とは

不法投棄とは、法律で定められた処分場以外の場所に、廃棄物を投棄する行為のことです。
アパートや道路沿いのゴミ収集場に、ゴミ処理券が貼られていない粗大ゴミが放置されているのを見かけたことはないでしょうか。また、家庭ゴミや粗大ゴミを自分の私有地に投棄された経験がある、という方もいることでしょう。これらはすべて不法投棄にあたります。
最近問題になっている不法投棄のなかには、引っ越しの際に近所のゴミ収集場や建物の隙間、駐車場、空き地などに不用品を投棄して立ち去ってしまうといったケースもあります。

不法投棄をした場合の罰則

個人が不法投棄をした場合、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)違反として、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の罰則が科せられます。
(廃棄物処理法第25条第1項第14号)[注1]
不法投棄をした本人は、「ここに置いておけば誰かが処分してくれるだろう」「業者を呼ぶ時間がないからここに捨ててしまおう」と軽い気持ちでゴミを捨てただけかもしれません。しかし、不法投棄に対する処罰は想像以上に重いものです。たとえ故意ではない、または未遂であっても処罰される場合があります。

[注1]電子政府の総合窓口 e-Gov:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

不法投棄の発生状況

環境省の調査によると、10t以上の大量の廃棄物や、爆発性、毒性を有する廃棄物など、特に悪質な不法投棄の件数・投棄量はピーク時の平成10年代前半に比べて大幅に減少しています。しかし、令和5年度で年間100件、総量4.2万トン(5,000トン以上の大規模事案2件、計2.6万トンを含む)もの不法投棄が新規に発覚しており、いまだに後を絶たない状況です。

年度 不法投棄件数 不法投棄量(万トン)
平成10年度 1,197 42.4
平成15年度 894 74.5
平成20年度 308 20.3
平成25年度 159 2.9
平成30年度 155 15.7
令和元年度 151 7.6
令和2年度 139 5.1
令和3年度 107 2.2
令和4年度 134 4.9
令和5年度 100 4.2

出典:環境省「不法投棄件数および投棄量(新規判明事案)

不法投棄されやすい場所の特徴

下記のような場所は不法投棄の被害を受けやすいため注意が必要です。

管理が行き届いていない

敷地や建物の管理が十分でない場所は、「誰も見ていない」「注意されない」と思われやすく、不法投棄の標的になりやすい傾向があります。例えば、住宅周辺のものが整理されていなかったり、庭の雑草が生い茂ったまま放置されていたりする場所は、「管理が行き届いていない家」という印象を与えてしまいます。さらに、不法投棄されたゴミを処分せずに放置している場合も、「不法投棄しても問題ない土地」だと思われ、連鎖的に投棄されてしまうリスクがあります。
また、人が不在の時間が長い資材置き場なども不法投棄が発生しやすい場所です。全国の自治体では、資材置き場として貸し出した土地に産業廃棄物やゴミを不法投棄される事例が発生しています。

人目が少ない

不法投棄は違法行為であり、見つかった場合は重い罰則を科される可能性があります。そのため、人目が少ない場所で行われるのが一般的です。奥まった場所や囲いがない場所、空き家などは被害に遭いやすい傾向があります。また、山間部などの人通りが少ない場所でも不法投棄が多く発生しています。

ゴミを運び込みやすい

不法投棄をする場合、多くがトラックや自家用車などでゴミを運び込みます。そのため、道路に面した場所や柵・囲いがない土地などは、車両の出入りや横付けがしやすいことから不法投棄がされやすい傾向にあります。見通しが良く人目につきやすい場所でも、深夜に忍び込まれて不法投棄をされる可能性があるため注意しましょう。

もし自宅が上記のような特徴に当てはまる場合は、人目につかずに侵入されやすいことから、不法投棄だけでなく空き巣などの犯罪被害に遭うおそれもあります。自宅の安全を守るには、ホームセキュリティの導入をおすすめします。

不法投棄を発見・目撃した時の対処法

不法投棄を見つけた場合、慌てて行動するとトラブルに発展するおそれがあります。
ここでは、不法投棄を発見・目撃した際にやってはいけない行動と、正しい対処法を整理して解説します。

やってはいけないこと

不法投棄の現場を見かけても、次の2点は絶対に避けましょう。

  • 自分で注意・声掛けをする(トラブルにつながるため)
  • 廃棄物を触る・移動させる(証拠保全のため)

不法投棄の現場を目撃した場合は、廃棄物の大小に関わらず、速やかに最寄りの警察署生活安全課に連絡してください。トラブルに発展する可能性があるため、現場で注意するのは控えましょう。可能であれば、不法投棄をした人の特徴や風貌、車種やナンバーを控え、警察に伝えてください。
投棄された廃棄物は、証拠品としてそのままにしておきます。危険物の可能性もあるため、むやみに触ったり、移動させたりはしないでください。不法投棄された廃棄物を発見した場合も同様です。

私有地に不法投棄された場合の対応手順

自宅の庭や駐車場など、私有地に不法投棄された場合の対応手順は以下の通りです。

  1. 不法投棄を発見したら現場をそのままに保つ
  2. 警察へ通報
  3. 自治体への連絡
  4. 証拠を記録(写真・動画)

私有地に不法投棄されてしまった場合も、廃棄物は投棄された状態のままにしておき、速やかに警察に通報してください。もし不法投棄している場面に遭遇しても、トラブルを避けるため注意や声を掛けるのは控えましょう。
警察への通報が済んだら、自治体への連絡も忘れずに行ってください。廃棄物処理法第5条第2項には、土地の所有者または占有者が所有地への不法投棄を発見した場合、速やかに自治体へ通報するように努めなければならないと定められています。[注2]
この規定はあくまで「努力義務」であり、通報しないからといって罰則を受けるわけではありません。しかし、2010年の廃棄物処理法改正により、立入検査と報告徴収の対象として、不法投棄された土地の所有者も含まれるようになりました。[注3]
不法投棄を発見したにも関わらず通報をしなければ、「不法投棄を黙認した、または関与しているおそれがある」として、行政の事情聴取対象になる可能性があります。

[注2]電子政府の総合窓口 e-Gov:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
[注3]環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 産業廃棄物課:廃棄物処理法の改正について

犯人が見つからない場合の処理責任

不法投棄をした人を特定できれば、警察に告発することが可能です。主張が認められると、不法投棄をした人に対して廃棄物の処理や廃棄場所の清掃を行うよう、警察から指導がなされます。
不法投棄をした人が特定できなかった場合、投棄場所が国、または地方公共団体の管理する公共用地であれば、管理している市や区などが撤去作業を行います。
しかし、私有地に不法投棄された場合は、基本的に自治体が関与することはありません。管理責任はあくまで土地の所有者にあるため、その土地の所有者や管理者が廃棄物を処理する必要があります。
なお、環境センターで処理ができず、処理費用がかかる廃棄物に関しては、地区長と市の環境政策課で協議のもと処理が行われます。

ゴミの不法投棄を防ぐ3つの対策

不法投棄対策

私有地に不法投棄された場合、不法投棄した人が見つからなければ土地の所有者や管理者が自費で処理をしなければなりません。廃棄物の量や種類によっては、まとまった処理費用がかかることもあるため、日頃から不法投棄対策を講じておく必要があります。
不法投棄対策としては次の3つが効果的です。

  • 敷地の周囲にバリケードや柵、ロープを張って物理的に侵入できないようにする
  • 私有地の定期的な見回りや手入れ(草刈り・清掃)を行う
  • 防犯カメラやセンサーライトを設置する

特に防犯カメラの設置は、不法投棄だけでなく空き巣や居空きなど、さまざまな犯罪の抑止に効果的な対策です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.物理的な侵入防止

不法投棄を防ぐ第一歩として、物理的に侵入しにくい環境を作ることが大切です。敷地の周囲にバリケードや柵、ロープを設置することで、車両の乗り入れや人の侵入を防ぐことができます。完全に囲うことが難しい場合でも、チェーンポールやコーンバーなどの簡易的な設備の設置でも一定の効果が期待できます。

2.定期的な見回りと管理

不法投棄されやすい場所に共通するのは、「管理が行き届いていない」という印象を与えてしまう点です。そのため、私有地は月に数回の定期的な見回りと清掃、草刈り、すでに投棄されているゴミは速やかに撤去することが重要です。遠方の土地で定期的な管理が難しい場合は管理サービスの利用も検討しましょう。

3.防犯カメラ・センサーライトの設置

防犯カメラとセンサーライトの設置は、防犯対策だけでなく不法投棄対策としても有効です。不法投棄をする人の多くは、自分が「悪いことをしている」という自覚があります。そのため、防犯カメラやセンサーライトが設置されているだけで「監視されている」「明かりで気づかれそう」といった心理が働き、その場所を避ける傾向があります。
また、防犯カメラを設置したら、「防犯カメラ作動中」のステッカーを目に留まる場所に貼るようにしましょう。防犯カメラの存在を明示することで、万が一被害に遭ったときの証拠の確保だけでなく、心理的な抑止力も期待できます。

なお、防犯カメラの設置には一定の費用がかかることから、ダミーカメラの設置を考える方もいるかもしれません。ダミーカメラには一定の抑止効果は期待できるものの、万が一の際の証拠を押さえることができないため、おすすめしません。ダミーカメラを使用する場合は、必ず本物の防犯カメラと併用するようにしましょう。

不法投棄対策に最適な防犯カメラの選び方

防犯カメラを設置すれば、不法投棄の抑止に大きな効果が期待できます。しかし、自宅や監視したい土地の状況をしっかり整理してから選ぶことが大前提です。環境に合わないカメラを設置しても、十分な効果を発揮できません。ここでは、不法投棄対策に適した防犯カメラを選ぶ際の3つのポイントをご紹介します。

夜間撮影対応(赤外線機能)

不法投棄は、目撃されるのを避けるために人目の少ない夜間に行われることが多いです。そのため、暗い場所でも不法投棄の瞬間をはっきりと撮影できるよう、赤外線付きの防犯カメラをおすすめします。夜間撮影に対応した機種であれば、真っ暗な環境でも人物の動きや車のナンバープレートなどを記録でき、被害に遭った際の犯人の特定などに役立ちます。

屋外対応・防水性能

不法投棄が多い場所は、空き地や駐車場などの屋外が中心です。屋外に設置する場合、雨風やほこりなどの影響を受ける可能性があるため、防犯カメラは防水・防塵性能を備えた種類を選びましょう。目安として「IP65」以上の規格があれば、屋外でも問題なく使用できます。
また、夏の猛暑や冬の寒さなど、季節ごとの気温変化にも耐えられる耐熱・耐寒性能も確認しておくと安心です。安定して動作するカメラを選ぶことで、長期間の監視が可能になります。

※IP65とは、ほこりや粉じんが内部に入らない性能(防塵等級6)で、あらゆる方向からの噴水流に耐えられる(防水等級5)レベルを示します。

動体検知・通知機能

防犯カメラの映像を24時間常に監視し続けるのは、現実的ではありません。そこで便利なのが、動体検知機能です。
動体検知機能は、カメラの撮影範囲内で人や車などの動きを検知すると、自動で録画を開始し通知が届く仕組みになっています。これにより、不法投棄の兆候をリアルタイムで把握でき、必要に応じて警察や自治体へ迅速に対応を依頼することができます。

ALSOKの防犯カメラで不法投棄対策を万全に

防犯カメラは種類が多いため、「どのカメラを選んだら良いのか分からない」と悩む場合もあるでしょう。そんなときは、ALSOKにご相談ください。ALSOKでは、数多くの家庭用防犯カメラをご用意しています。
カメラの設置目的や住宅の状況など、相談に応じて最適なプランを提案いたします。
不法投棄対策のために、防犯カメラの設置を考えている場合は、ぜひご相談ください。

また、不法投棄場所になりやすい空き家には、防犯カメラ設置のほか、「HOME ALSOK るすたくサービス」の導入もおすすめです。

HOME ALSOK るすたくサービス

ALSOKのるすたくサービスでは、空き家となってしまったご実家や長期不在の自宅、普段人がいない別荘などに対し、月に1回、住宅の確認と見回りを行います。郵便物の回収・整頓も行いますので、管理だけでなく防犯面でも安心です。

併せて防犯対策を行いたい場合は、るすたくサービスとホームセキュリティがセットになった「るすたくセキュリティパック」をご利用いただけます。万が一、不審者の侵入があった際には、ALSOKが自動で駆けつけ適切に対処します。

空き家の不法投棄対策に、ぜひHOME ALSOKるすたくサービスをご活用ください。

まとめ

不法投棄は、法律で定められた処分場以外の場所に廃棄物を投棄する行為であり、重い罰則が科される犯罪です。大規模な不法投棄の件数は減少しているものの、管理が行き届いていない場所や人目につきにくい場所では、不法投棄がいまだに後を絶ちません。
もし自分の私有地に不法投棄された場合、犯人が見つからないと、投棄された側に廃棄物を処理する責任があります。他人が不法投棄した廃棄物を、貴重な時間とお金を使って撤去するのは心理的にも負担になります。
そこでおすすめなのが、防犯カメラの設置です。防犯カメラは、設置しているだけでも犯罪の抑止につながり、万が一不法投棄されたとしても証拠を記録できます。
私有地の駐車場や空き家などには防犯カメラを設置し、不法投棄対策を行いましょう。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

この記事に関連する商品

HOME ALSOK Connect
お買い上げプラン
月額費用4,070円(税込)
  • スマホで簡単に警備操作
  • 24時間365日の徹底警備。緊急時にはガードマンが現場に急行
  • お手頃価格で家計も警備も安心
HOME ALSOK アルボeye
カメラ稼働式
月額費用2,750円(税込)
  • 自宅内に設置したカメラの映像をスマホでいつでも確認!
  • もしもの際はメールで異常を通知+ガードマンが駆けつけ
  • ご高齢者様の見守りなどの利用にも