留守宅管理とは?海外赴任等で長期不在にする家の管理方法と防犯対策

空き家管理 2025.11.28更新(2020.12.18公開)
留守宅管理とは?海外赴任等で長期不在にする家の管理方法と防犯対策

自宅を安心して快適に暮らせる状態に保つには、日々の手入れが欠かせません。
しかし、海外赴任等で家を長期間留守にする場合、家の管理が行き届かなくなるため、防犯対策や建物の劣化防止が重要です。海外赴任や長期出張、転勤などで長期間家を空ける場合は、「留守宅管理」の依頼を検討しましょう。
留守宅管理を実施し、定期的に郵便物の整理や通気、清掃などを行うことで、家の劣化を防ぎながら外部から見ても人が管理している印象を与えられます。
今回は、留守宅管理の方法や必要性、長期不在にする家の防犯対策についてご紹介します。

目次

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留守宅管理とは?

留守宅管理とは、長期間不在にする住宅を定期的に巡回・点検し、適切な状態を保つ取り組みのことです。海外赴任や国内の長期出張・転勤、入院、旅行などの理由で家を長期間空ける際に、見回りや庭の清掃、通水・換気、郵便物の管理などを行ってもらうことを指します。
留守宅管理は、ご近所や家族などの身近な人にお願いする方法のほか、専門の留守宅管理サービス会社に依頼する方法もあります。
留守宅を管理することで、防犯対策や水回りのトラブル防止につながるため、長期不在時には管理の依頼を検討しましょう。

留守宅管理の必要性

留守宅管理はなぜ必要なのか

なぜ留守宅管理が必要なのでしょうか。なかには「留守にするのだから何も管理しない方がお得なのでは?」と思う人もいるでしょう。
留守宅管理をする目的は「帰宅後に安心して快適に暮らせる環境を保つこと」だといえます。
ここでは、留守宅管理をしなかった場合に起こり得る住環境の悪化について、詳しく見ていきましょう。

建物の劣化が早まる

「長期間家を留守にしても建物は古くならない」と考える方もいるかもしれませんが、実際には定期的な管理が必要です。人が住んでいない家は埃や湿気が溜まりやすく、カビが発生するリスクも高まります。カビの発生は空気を汚染し、木製の柱やフローリング、畳、水場などに影響を及ぼし、建物全体の劣化を加速させる可能性があります。特に、内壁の劣化が進行すると、外壁にも影響が出ることがあります。
こうした劣化を防ぐためには、留守宅管理による定期的な清掃や換気を行うことが効果的です。

また、長期間不在のまま家を放置しすぎ、倒壊等の危険や衛生上の悪影響などが出てくると、特定空き家に該当するリスクも生じます。特定空き家に指定されると、固定資産税の減額がなくなり、場合によっては解体命令が出され解体費がかかってしまうこともあります。

虫や動物の住処になってしまう

住宅環境を破壊する要因は、カビや埃だけではありません。虫や動物が原因となるケースもあります。特に多いのが秋の時期に巣を作り出すスズメバチ、柱を食べてしまうシロアリ、どこにでも住み着くネズミやイタチ、タヌキなどです。
留守宅管理を行っていれば、このような問題を予防し、実際に問題が起きても早く対処できますが、長期間人の手が加わらずに放置された場合、虫や動物達の住処になる可能性があります。非常に不衛生な環境になり、周辺住民の生活に支障を及ぼすほか、自宅の資産価値も下がることが考えられます。

家具や設備が劣化する

長期間不在にしていて、家を締め切ったままにしていると、室内に湿気がこもってしまいます。湿気がこもることで家具が腐食したり、使用頻度が減ることで給水管にカビが付着したりする可能性があります。トイレなどの排水設備では、排水トラップの水がなくなり、臭いや虫の発生にもつながってしまうため、定期的に換気を行い室内に湿気がこもらないようにすることが大切です。

ご近所トラブルにつながる可能性がある

留守宅管理がされていないと、庭の草木の手入れ不足や建物の劣化によって、見通しが悪くなり、景観を損ねる場合があります。また、ゴミの不法投棄などの被害にも遭いやすく、悪臭等が発生してしまうこともあるでしょう。見通しの悪化や悪臭等が原因で、ご近所トラブルにつながる可能性もあるため、留守宅管理が必要です。

不審者の侵入など犯罪に遭うリスクがある

長期間放置された家は手入れが行き届いていないことが外観からも分かります。空き巣に目をつけられやすくなってしまうため、注意しなければなりません。
不法侵入者は、手入れの様子などから人のいない家を目ざとく見つけ、さまざまな手段を用いて侵入しようとします。場合によっては、犯罪に利用される可能性もあります。仮に盗難被害などがなくても、帰宅後に誰かが侵入した形跡があるのは気持ちの良いものではありません。また、空き巣だけでなく、ストーカーが留守中に侵入するケースもあります。
ゴミが不法投棄されている場合は放火犯に狙われることもあり、放火によって自宅が全焼してしまうおそれがあります。さらに、周辺の建物などにも被害をもたらす可能性があります。

このように、留守宅管理が不十分な場合にはさまざまな面で住宅に影響を及ぼします。防犯面を考えても、人の目や手入れが入ることが非常に大切なのです。
帰宅後の安全性や快適さを求めるのであれば、留守宅管理を徹底しましょう。

空き家や留守宅の管理ならALSOKの「るすたくサービス」がおすすめです。

留守宅管理の方法

留守宅管理のパターン2つ

留守宅管理は、大きく分けて2パターンあります。

  • 家族・親戚、友人、ご近所さんに依頼する
  • 専門の管理会社に留守宅管理サービスを依頼する

それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、どの方法にするか選びましょう。

メリット デメリット
家族・親戚に依頼 金銭的な負担が少ない 安心感がある 家族・親戚が遠方に住んでいる・高齢だと頼みにくい
友人に依頼 気の置けない仲であれば依頼しやすい 安心感がある プライベートを知られてしまう トラブルが起きたときに即時対応が難しい
ご近所さんに依頼 犯罪抑制効果に期待できる トラブルが起きたときに即時対応が難しい
専門の管理会社に依頼 専門のスタッフが清掃・管理してくれる 家の安全を守ってくれる 金銭面の負担がある

家族や親戚に依頼するメリット・デメリット

家族や親戚に管理してもらう最大のメリットは、金銭的な負担がかからないことです。
管理会社はもちろん、友人や近所の人に管理をお願いするとなると、金銭的な面や気を遣う面など多々出てきてしまいますが、家族や親戚であればそのような心配もありません。また、家のことをある程度分かっている人が管理してくれるため、安心感もあります。
デメリットとしては、家族が遠い場所に住んでいる、または家族や親戚が高齢であるなど、ご家庭の状況によっては依頼が現実的ではない場合があります。

友人に依頼するメリット・デメリット

信頼できる友人に管理してもらうのも1つの手段です。気の置けない仲であるほど、管理を依頼しやすく引き受けてくれる可能性も高いでしょう。
しかし、仲の良い友人であっても、他人にプライベート空間を知られてしまう点は覚悟が必要です。
また、管理の最中にトラブルが発生した場合、対応が難しい点もデメリットです。状況によっては管理が継続できなくなるケースもあるでしょう。

ご近所さんに依頼するメリット・デメリット

ご近所の方で親しい人がいれば、快く引き受けてくれる可能性があります。近くに住んでいるため不審者の侵入などに気づきやすく、犯罪を未然に防げる可能性が高い点がメリットです。
ただ、家族や親戚、友人と同様に留守宅管理に関しては素人です。万が一トラブルが発生したときに対応は難しいのがデメリットといえます。

専門の管理会社に依頼するメリット・デメリット

専門の管理会社に留守宅管理サービスを依頼することで得られるメリットはいくつかあります。
1つは「帰宅後の部屋の快適さ」です。
家族や知人であっても留守宅の手入れは可能ですが、専門の管理会社であれば、建物の価値を維持するのに適した換気や清掃を行ってくれます。管理が不十分で建物の修繕が必要になるリスクを避けることができ、帰宅後も快適な生活環境を維持できるでしょう。

2つ目は「安全性の高さ」です。管理会社によっては空き巣などの侵入盗に対応するサービスもあり、長期間留守にする場合も安心できます。また、家の中で火災などのトラブルが発生した場合でも、早く的確に対応してくれるでしょう。

デメリットとしては、ほかの方法よりも金銭的な面で負担がかかってしまうことです。契約内容や管理会社の形態にもよりますが、多くの場合は月に1~3万円ほどで依頼することになるため、費用の観点でも依頼する会社の選定は重要です。

家を長期間不在にする場合の防犯対策

家を長期間不在にする場合は、防犯対策をしっかりと行い、不審者を侵入させないことが重要です。

出入口や窓の施錠を行う

警察庁の調べによると、一戸建て住宅に対する侵入窃盗の侵入手口としてもっとも多いのは「無締り」となっており、次に「ガラス破り」「ドア破り」の順に多くなっています。長期不在に限りませんが、日頃から玄関などの出入口や窓の鍵を確実に施錠する習慣をつけることが大切です。
また、施錠をしていても侵入されてしまう場合もあるので、二重ロックや補助錠を設置したり、ホームセキュリティを導入したりといった対策も検討しましょう。

出典:警察庁 住まいる防犯110番

郵便局に不在届を出す

長期間不在にする際に郵便配達を止めていないと郵便受けに郵便物が溜まり、不在であることが周囲に伝わってしまいます。そのため、長期間不在にする際は、郵便局に不在届を提出すると良いでしょう。
不在届は郵便局でもらえるほか、郵便局のホームページからダウンロードすることも可能です。不在届を提出することで、最長30日間郵便物の配達を止めることができ、不在時に届いた郵便物は期間の終了後にまとめて配達されます。
新聞をとっている場合は、新聞も配達を停止するように手続きすると良いでしょう。

留守番電話のメッセージを不在が悟られないものに変更する

自宅に固定電話がある場合、長期不在時に留守番電話を設定することも多いと思います。留守番電話のメッセージを設定する際は、不在を悟られないものにしましょう。不在であることは明確にせず「ただいま手が離せません」「ただいま電話に出ることができません」などの内容に設定することで防犯対策にもなります。
留守番電話や転送サービスを使用しない場合は、電話回線の一時中断や利用休止、解約などの方法も選べるため、自身に合った方法を選択すると良いでしょう。

センサーライトや防犯カメラを設置する

自宅の不在が分からないように、電気をつけておくことは防犯対策になります。しかし、昼間の点灯は不自然であるため、夜間に自動で点灯するライトやセンサーライトを設置するのが良いでしょう。屋外にセンサーライトや防犯カメラを設置することで、不審者が侵入しづらい環境を作ることができます。長期間の不在時だけでなく、在宅時の防犯対策にもなるため安心です。センサーライトや防犯カメラを設置する際は、センサーの反応距離や周囲の状況がしっかり映る場所を選んで設置しましょう。

家の外構を片づけておく

家の周囲に、足場になりそうなものや隠れられそうな場所などがある場合は片づけておくことが重要です。足場になるものがあると侵入されるリスクが高くなってしまうため、長期不在時や在宅時でも家の外構を片づけると良いでしょう。
また家の外構を片づけておくことで、周囲からの見通しが良くなり、不審者が侵入しにくい環境を作ることが可能です。庭木など死角になるものは剪定しなるべく死角を作らないことが大切です。

リアルタイムの情報をSNSに載せない

短期間の留守でも同様ですが、自身のリアルタイムの情報はSNSに載せないようにしましょう。外出先や滞在先など自身の居場所が分かってしまうような投稿は、自宅を留守にしていることを他の人に知らせてしまいます。SNSは誰が見ているか分からないため、リアルタイム投稿は避け、投稿をしたい場合は公開範囲を限定し、家族や友人など限られた人しか見られないよう対策をとることが大切です。

留守宅管理サービスの選び方

留守宅管理サービスを選ぶ際、信頼性や対応範囲、緊急時のサポート体制など、サービス内容を比較して決めることが大切です。ここでは、サービスを選ぶ際に確認しておきたい主なポイントをご紹介します。

実績や信頼性

大切な自宅を預けるため、「管理実績は豊富か」「信頼性はあるか」をしっかりと確認しましょう。過去の管理件数や運営年数をチェックし、信頼できる業者かどうかを判断することをおすすめします。
また、口コミサイトやレビューで実際の利用者の評価を確認するのも効果的です。さらに、問い合わせ時の担当者の対応や説明の丁寧さも信頼性を見極める上での重要なポイントです。

緊急時の対応可否

緊急時のトラブルに迅速に対応してもらえるかどうかも、サービス選びの重要な判断基準です。水漏れや火災、侵入者の発見など、予期せぬ事態が発生した際に、24時間365日連絡が取れる体制が整っているかを確認しましょう。緊急対応の内容や範囲、追加料金の有無なども事前に把握しておくと安心です。

対応可能エリアの範囲

留守宅管理サービスは、対応可能エリアが決められていることがあります。特に、地域密着型の業者の場合、対応範囲が限られているケースが多いです。郊外や離島、山間部などでは対応可能な業者が少ない場合もあります。
対応エリア内であっても、事務所からの距離によって出張費や交通費が加算される場合があるため、料金体系とあわせて対応可能エリアを確認しておきましょう。

料金体系の明確性

留守宅管理サービスの料金体系は業者によって大きく異なります。契約前に基本料金に含まれる作業内容(巡回回数、換気・通水の有無、清掃範囲、報告書作成など)を詳しく確認しておきましょう。どこからがオプション料金になるのかを明確にし、サービス内容と料金のバランスを比較して契約すると安心です。

海外赴任など長期不在中の家の管理はALSOKの「るすたくサービス」

るすたくサービスロゴ

「るすたくサービス」は、ホームセキュリティを提供しているALSOKの空き家管理サービスです。1カ月に1回巡回し、玄関扉や勝手口、車庫など屋外の指定箇所(10箇所まで)に異常がないかチェックします。また、郵便受けの投函物を確認の上、お客様との契約に基づき、郵便物の廃棄または指定された住所へ送付するサービスも行っています。
海外赴任などで長い期間家を空ける際や、実家が空き家になってしまった際におすすめの留守宅管理サービスです。
また、オプションで、不審者の侵入があった場合にALSOKが駆けつけるホームセキュリティとの組み合わせや、家の換気や通水を依頼することも可能です。

留守宅管理をプロに依頼したい場合は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

資料請求・お問い合わせ

お電話番号(通話料無料)0120-39-2413

年中無休24時間365日受付

長期間家を空けるのであれば「留守宅管理」は必要不可欠!

海外赴任や長期出張などで長期間自宅を留守にする場合は、家族や友人、管理サービス会社などに自宅の管理を依頼することが重要です。
自宅が長期間にわたり適切な管理を受けない状態で放置されると、防犯上のリスクが高まるほか、住環境の悪化を招く可能性があります。こうした状態が続くことで住宅の資産価値が低下し、最悪の場合は居住が困難な空き家となるおそれもあります。
「留守宅管理サービス」は、長期不在の家や空き家の現在だけでなく未来を見据えたサービスです。長い期間家を空ける場合は利用を検討しましょう。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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