放火犯の特徴と放火防止対策

防犯 2022.08.22(2023.09.01更新)
放火犯の特徴と放火防止対策

放火は2016年までわが国の火災の発生原因で1位となっておりました。2017年以降2位以下となりましたが、2021年を見ても放火だけで全国に2,300件以上発生しており、放火の被害に遭う可能性が無くなったとは言い切れません。
この記事では、放火犯が火災を起こす動機や被害状況、放火の被害に遭わないためにご家庭で気を付けるポイントについてご紹介します。

目次

放火の動機と被害状況

放火犯は、どのような動機で火災を起こすのでしょうか。ここでは放火犯のおもな動機、放火による被害状況について紹介します。

放火犯はなぜ放火するのか

放火とは故意に建物などに火をつけて損害を与える行為を指し、放火罪という罪に問われます。放火罪でもっとも罪状の重い現住建造物等放火罪では、死刑・無期または5年以上の懲役という非常に重い刑罰が科されます。
そのような重罪にあたる放火をなぜ犯人ははたらいてしまうのでしょうか。

1.怨恨・復讐のため

放火の対象に強い恨みを持つ犯人の場合、重罪に問われることを承知で放火に至ってしまうケースがあります。2019年に京都市内のアニメーションスタジオで発生した放火殺人事件もこの動機と見られており、この種の放火火災は大規模化し被害も甚大になることがあります。

2.承認欲求

SNSや動画投稿サイトなどが普及し、あらゆる人物が不特定多数の人から注目を浴びるチャンスが広がりました。そのため、「一躍注目されたい」という動機でそれらを積極活用する人も増えています。有益・有用な手段で利用する人が大多数ですが、中には他人に害を与えうる行為で注目されようとする人も現れています。人に認められたいという欲求自体は健全ですが、放火という形でそれを満たすことは犯罪です。

3.放火癖がある

炎が燃え上がる様子を見て興奮を覚えたり、慌てる人たちを見て楽しんだりするような特殊な性質の人物が放火するケースです。このような特性は「放火癖」と呼ばれ、彼らは複数の建物に火をつけて回る連続放火に至る可能性も高いと言われています。

4.利害による動機

「学校や会社が火事になれば行かなくて済む」「家にいることが辛い」など、自分の間接的な望みを満たすために放火に至るケースです。児童・生徒による放火の対象は学校がもっとも多く、「いじめが辛く学校がなくなってほしい」という動機による放火事件も発生しています。

5.保険金目的

「自宅に多額の保険が掛けられている」などの背景から、保険金の詐取を目的に他の原因を装って放火するケースです。

放火による被害状況

総務省・消防庁のデータによる、「放火及び放火の疑いによる火災件数の推移(令和3年)」についてグラフにまとめました。

放火及び放火の疑いによる火災件数の推移

出典:総務省消防庁「令和4年版消防白書」

放火・放火の疑いともに、年々件数は減る傾向にあります。しかし、このデータで最も新しい2021年を見ても、放火だけで2,300件以上。これに放火の疑いを加えると3,800件以上が放火によるとみられる火災が発生しています。近年件数が減りつつあることに安心してしまわず、被害に遭わないためにしっかり対策をしましょう。

放火犯の特徴と被害物件の傾向

放火犯は放火する際にどのような行動をとり、どんな物件を狙うことが多いのでしょうか。ここでは放火犯がとる行動パターンの特徴や、放火の被害に遭う可能性がある物件の状況などについてご紹介します。

放火犯の特徴や行動パターン

放火犯が建物に火をつける際に用いる道具は、ライターやマッチが多いとされています。犯行の時間帯は夕刻から深夜といった夜間が中心で、被害に遭う可能性がある建物は一般住宅や共同住宅(アパートなど)が多い傾向です。
また放火によって建物が出火する場所は外構部分や物置、ゴミ置き場など人気のない場所が中心です。

放火の被害を受けやすい物件の状況

一般の住宅やアパートなどが放火の被害に遭いやすいとされていますが、放火犯はそれらの建物に対し手当たり次第に火をつけているとは限りません。下見をして「放火しやすい物件」に目星を付けてから放火する、計画的な犯人もいます。
放火の被害に遭う可能性のある物件の特徴として、以下のような状況となっているケースが挙げられます。

1.ゴミや燃えやすいものが放置されている

庭にゴミや不用品が置きっぱなし、軒下に段ボールが積み重ねられている、廃タイヤが放置されているなど、火をつけやすいものが家の周囲に沢山ある状況です。放火犯はマッチやライターで放火をはたらくことが多く、容易に着火できるものが多ければより被害に遭う可能性が高くなると言えるでしょう。

2.人目につきにくい場所への侵入が容易である

敷地外から侵入しやすく、人目につきにくい箇所があると、放火の被害に遭うこともあります。燃えやすいものでなくとも敷地内には大きな物品を置かず、物陰にあたる場所を作らないようにしましょう。

3.一見して燃えやすそうな造りの住宅である

一見して木造住宅と分かる造りであったり、築年次が古く外観で脆そうに感じられたりする「燃えやすそうな住宅」は、放火の被害に遭う可能性が高くなると言えます。

放火防止対策

放火防止対策

放火の被害に遭うかもしれない家だからと言って、必ず放火被害に遭うとは限りません。放火被害のリスクが分かっていれば、適した対策を講じることも可能です。

放火されにくい環境作り

まずはご自宅の現状を見直し、「放火の被害に遭う可能性のある要素」を取り除いて環境整備を行いましょう。以下のような対策を講じるだけでも、放火に遭うリスクを抑えられる可能性があります。

  • 燃えやすい物品を建物外部や敷地内に置かない
  • 敷地内への出入口(門など)は施錠する
  • 物陰になる場所はセンサーライトなどで人目に触れやすくする

放火を未然に防ぐ防犯システム機器の設置

防犯機器は空き巣や不法侵入への対策で活用するものと考えがちですが、不審な人物の立ち入りを防止するという観点では放火対策にもなります。次のような防犯機器を取り入れ、放火のリスクを低減しましょう。

  • 不審者侵入を感知して辺りを照らすセンサーライトの設置
  • 防犯カメラの設置

火災による逃げ遅れ防止策

火災による逃げ遅れ防止策

放火火災は住宅の外周で出火するケースが多く、出火状況によっては火災発生の確認が遅れることもあります。万一放火被害に遭っても逃げ遅れを防ぎ、人命を最優先に守るための対策を行っておきましょう。

具体的には、次のような対策が考えられます。

  • 住宅用火災警報器の設置
  • さまざまな出火場所を考慮し避難経路を設定しておく
  • 避難経路にあたる通路には障害物となるものを置かない
  • 防火戸がある場合、開閉の障害となるものを置かない
  • 食器棚や本棚などが倒れて避難経路を遮断しないよう、転倒防止対策をする

住宅用火災警報器は、消防法に基づいて2006年(平成18年)から全国の住宅に設置が義務付けられています。逃げ遅れの防止のため寝室にあたる居室と階段部分(1階は除く)に設置の必要があると定められています。
住宅用火災警報器は、設置して10年が本体交換の目安です。住宅用火災警報器は古くなると内蔵電子部品の寿命のために火災を感知しなくなるおそれがあるため、設置から10年経過したら速やかに本体を交換しましょう。

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ご自宅を放火から守るためには、不審者の侵入対策をしっかり行うことが重要です。ALSOKでは、センサーライトや防犯カメラなどさまざまな侵入対策をご提供しています。またホームセキュリティは万一火災が起こった際もガードマンがすぐ駆けつけます。

まとめ

放火火災は回避が困難な天災ではなく人為的に引き起こされる人災です。つまり放火犯に放火されないための対策を行うことで、未然に防げるとも言えます。
「放火させない」「防火対策で放火に遭っても被害を抑える」「逃げ遅れず人命を守る」の3つの対策をしっかり行いましょう。

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