災害対策基本法の改正点を解説。避難勧告は「避難指示」に一本化!

災害対策基本法の改正点を解説。避難勧告は「避難指示」に一本化!

防災 2021.07.16
災害対策基本法の改正点を解説。避難勧告は「避難指示」に一本化!

2021年5月20日に「災害対策基本法」が改正されました。万一の災害に直面した際に、密接にかかわってくる避難に関する条項をはじめとする、重要な改正点があります。この記事では、災害対策基本法の改正点や、災害時に取るべき基本的な行動などをご紹介します。

旧災害対策基本法の課題

近年の大規模災害において、避難情報が分かりにくく避難が遅れ、被災した事例が多数発生しました。そのため、旧災害対策基本法に対して円滑かつ迅速な避難の確保や災害対策における課題が浮き彫りになっていました。
また、各市町村で避難行動要支援者(高齢者や体の不自由な方)の名簿作成はすすんでいましたが、災害時には多くの高齢者の方が被害を受けており、より実効性のある避難確保が急務とされました。

災害対策基本法の改正点

上記の課題をうけ、改正された災害対策基本法の重要な改正点を簡単にご紹介します。
私たちの生活にもっとも身近な改正点は、これまで発報・発令されてきた避難情報の一部が見直されたことです。
この改正によって、「避難勧告」と「避難指示」が一本化されています。
また、避難において支援を必要とする方の情報をまとめた計画である「個別避難計画(仮称)」も、今回の改正によって自治体の努力義務となり、事実上義務化されました。
そして、災害発生の恐れがある段階から、大規模な広域避難に備えて国による災害対策本部の設置が可能となりました。また、災害地域に居住する方の広域避難に関する受け入れに関する規定も、新たに設けられています。

近年の地震や台風・大雨による大規模災害を踏まえ、より実効的な対策を採るために法律が整備されたと考えて良いでしょう。

避難勧告がなくなり、避難指示に一本化

前の項目でご紹介している「避難勧告・避難指示の一本化」について、ここではより詳しくご紹介します。

従来の避難情報における課題

従来の災害対策基本法では、避難勧告を出した時点で本来避難すべき方たちが避難を完了できず、最終的に逃げ遅れによる被災者を多く出したとみられる事態も発生しています。国が行った住民アンケートの結果によると、避難勧告の時点ではまだ避難しなくて良いと考える方も少なくありませんでした。避難勧告と避難指示、それぞれの意味合いを正しく理解しきれていないという状況が浮き彫りとなりました。避難すべき方たち全員が、避難を完了させるために避難情報を見直す必要があると判断されたのです。

具体的にいつ避難すべきなのか

従来の法律では、避難勧告のタイミングで人々が避難を開始し、避難指示の時点ではほとんどの方の避難が完了していることが望ましいとされていました。
これに対し改正法では、避難勧告を廃止し、従来の避難勧告のタイミングで(従来の避難指示のタイミングより一歩早い段階で)避難指示を発令することとしています。
これからは、避難指示が出たタイミングでただちに避難を開始できるよう、準備を行っておく必要があります。

警戒レベル4までに必ず避難が必要

以下は内閣府と消防庁による、改正災害対策基本法の「警戒レベル」を分かりやすく図解したポスターのグラフィックです。

令和3年5月20日から避難指示で必ず避難 避難勧告は廃止です

これまでの警戒レベル

上図で注目したい点は、警戒レベル3、4、5の箇所です。法改正以前の警戒レベル3は災害の恐れがある状況とされ、避難情報についても「避難準備」「高齢者等避難開始」となっています。この段階から、高齢者や体の不自由な方などが避難を始めることを想定していました。
災害の恐れが高い警戒レベル4の段階では、「避難勧告」→「避難指示」と、2段階で避難に関する情報が出されていました。また警戒レベル5は「災害発生情報」となっており、情報を出した地域で既に何らかの災害が発生している状況を知らせるものでした。

改正後の警戒レベル

改正後の警戒レベルにおいても、警戒レベル3は災害の恐れがある状況とされています。しかし「高齢者等避難開始」が「高齢者等避難」に変わっており、警戒レベル3の段階で高齢者や体の不自由な方は避難を完了させることが想定されています。同時に、高齢者以外の方も警戒レベル3の段階で避難準備や自主避難を行うことが推奨されています。

警戒レベル4は「避難指示」のみとなり、災害発生の恐れが高くなった時点で発令されます。この時点ですべての方が避難しなければなりません。警戒レベル5は災害が発生もしくは切迫しており、既に安全に避難ができない、ただちに命を守るべき行動を取るしかない、「命が危険な状況」になった時に発令されるものです。これは警戒レベル4の時に避難することの重要性を強調しています。

防災意識を持って行動しよう

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これからの避難情報は、避難指示の有無にかかわらずご自身が危険を感じた際には、指示の発令を待たず自主避難を行うことも推奨されています。
日ごろから、ハザードマップなどで最寄りの避難場所やそこへ向かうための避難ルートを確認しておき、万一の際に迷わず速やかな避難にあたれる準備を整えておきましょう。

また、家には防災グッズを準備しておくとともに、急な避難でもすぐ持ち出して避難場所へ向かえるよう、家族全員が防災グッズの場所を把握しておくことも大切です。

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まとめ

災害対策基本法の改正によって、私たちの災害時の避難に関する行動にも、より高い意識を持って臨めるようになったといえます。災害発生が予測される状況になってから避難の準備をするのではなく、避難に関する準備は平時の段階でほぼ完了していることがベストです。災害が危ぶまれる状況となったらただちに避難できるよう、ご自身の避難経路や持ち出し品などを把握し、いつでもいざというときすぐ行動にあたれるようにしておきましょう。

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