柔軟に育児休業を取得できる?育児・介護休業法の改正点を解説

柔軟に育児休業を取得できる?育児・介護休業法の改正点を解説

子育て世代 2021.08.19(2023.12.5更新)
柔軟に育児休業を取得できる?育児・介護休業法の改正点を解説

出産を控えているご家庭では、育児休業の取得が可能です。しかし、これまでの制度では男性は取得しにくい、有期雇用者は取得しにくいなどの課題がありました。そのため、育児・介護休業法が見直され、いくつか改正されました。今回は、育児・介護休業法の改正点を解説します。

育児・介護休業法とは

育児・介護休業法は、育児や介護をする労働者が、仕事と育児・介護を両立しながら働き続けられるように支援する法律のことです。育児休暇、介護休暇などは、この法律により定められています。
法律で定められていることから、企業側で育児休暇等の整備が追いついていなくても、本人が希望すれば取得できる権利があります。

育児・介護休業法は2021年1月と6月に改正されました。内容は下記の通りです。

子の看護休暇・介護休暇について

子の看護休暇・介護休暇は、育児や介護を行う方が休暇を柔軟に取得できるように定められた制度です。この制度により、子どもの看護や介護のために休む場合、有給休暇とは別に取得することができます。
また、社員から看護休暇・介護休暇の取得の申出があった場合、企業は原則拒否することはできません。
2021年1月にこの看護休暇・介護休暇について行われた改正により変更となった利用条件や取得可能日数をご紹介します。

【子の介護休暇・介護休暇】

利用条件:小学校就学前の子どもがケガ・病気にかかり看護が必要な場合や、健康診断・予防接種を受けさせるとき、要介護状態にある対象家族の介護やその他の世話をするとき

取得可能日数:年度において5労働日(未就学の子どもが2人以上・要介護の家族が2人以上いる場合は10労働日を限度とする)

従来と変わった部分は?

今回の改正で変わったことは、「時間単位で看護休暇・介護休暇が取得できる」ということです。これまでは、1日もしくは半日の取得しかできず、また、1日の所定労働時間が4時間以下の場合は取得自体ができないという課題もありました。
今回の改正により、1時間単位での休暇取得が可能になり、休暇取得の対象はすべての労働者に変更されています。
例えば、労働日の勤務時間を8時間、5労働日を取得可能日数とした場合、最大40時間分を1時間単位で取得することができます。

新たに改正された「育児・介護休業法」の改正点

また、2021年6月9日に可決された「育児・介護休業法」の改正点が、2022年4月以降、段階的に施行されました。
ここでは、新たに改正された「育児・介護休業法」の中でも抑えておきたい5つの点をご紹介します。

1.出生時育児休業制度(産後パパ育休制度)

まず、大きな改正点ともいえるのが、男性の育児休業に関する法律です。
これまでも男性も育児休業の取得が可能でしたが、取得率はいまだ低く、育児への負担が女性だけに偏っている状況が課題とされてきました。そこで、男性でも育児休業を取得しやすくなるように環境整備を行うため、男性の育児休業の制度が見直されました。

例えば、男性が育児休業を取得しやすいように子どもの出生後8週間以内に4週までの育児休業が取得できる制度を新設し、柔軟な育児休業の枠組みが作られます。

他の男性向けの育児休業の新制度は、下記の図の通りです。新設された制度は、現行の育児休業制度とは別に取得することができます。

男性向けの育児休業の新制度

2.育児休業が取得しやすいように定められた事業主の義務

次に、誰もが育児休業を取得しやすいように事業主には下記の内容が義務付けられることとなりました。

1.育児休業の申出・取得がしやすいような雇用環境の整備を義務付け

新制度・現行制度どちらの育児休業も取得しやすい雇用環境を作ることが事業主に義務付けられました。
雇用環境の整備は、本人もしくは配偶者が出産を控える従業員に対して育児休業に関する研修の実施や、相談窓口の設置など複数の選択肢からいずれかを選択して措置することとなります。
また、環境整備にあたって、短期はもとより1カ月以上の長期休業の取得を希望する労働者が、希望する期間の休業を取得できるよう企業側は配慮しなければなりません。

2.妊娠・出産の報告をした社員に対して制度周知・育児休業の取得意向の確認を義務付け

社員または社員の配偶者が妊娠または出産を企業に報告した際、企業側は新制度・現行の育児休業制度について伝えるとともに、制度の取得意向を確認することが義務付けられました。
これは男女問わず、報告を受けたら必ず企業側が育休制度について説明し、社員が育児休業を取得するかどうかを確認しなければいけないということです。
制度の説明・取得意向の確認を義務付けることで、妊娠した女性はもちろん、男性側も育休が取得しやすいようになります。

また、制度の周知の方法については、面談での制度説明、書面による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択するものとされる予定です。
なお、取得意向の確認時に育児休業の取得を控えさせるような形で周知・意向の確認は認めないこととされます。

施行日:令和4年4月1日

3.育児休業の分割取得

これまで育児休業は、1回だけしか取得することができず、分割して取得することができませんでした。今回の改正で、男性も女性も分割して2回まで取得ができるようになりました。なお、「1.出生時育児休業(男性版産休)」でご紹介した出生時育児休業とは別に取得ができるため、男性は実質4回分割して取得することが可能です。

また、保育所に入所できないなどの理由により育休取得を子どもが1歳以降に延長する場合、育休開始日がこれまでは各期間(1歳~1歳半、1歳半~2歳)の初日(子の誕生日)に限定されていました。しかし、今回の改正で1歳以降に延長する場合は、各期間の途中から育休を取得することができるようになり、育休開始日を柔軟に決めることが可能です。

施行日:令和4年10月1日

4.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件が緩和

有期雇用の社員が育休取得するには、「事業主に継続して雇用された期間が1年以上であること」「子どもが1歳6カ月になるまでの間に契約満了することが明らかでないこと」が要件でした。

改正後は、「事業主に継続して雇用された期間が1年以上であること」という要件を廃止し、「子どもが1歳6カ月になるまでの間に契約満了することが明らかでないこと」だけが取得の要件となりました。ただし、労使協定を締結している場合は無期雇用者と同様に、事業主に継続して雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能としています。

施行日:令和4年4月1日

5.育児休業取得状況の公表が義務付け

これまでは、育児休業取得状況の公表をしなくても問題はありませんでした。
しかし、今回の改正で常時雇用する労働者が1000人を超える企業に対して、育児休業の取得状況について公表することが義務付けられました。

施行日:令和5年4月1日

子育ては夫婦で行う時代

子育ては夫婦で行う時代

夫婦で育児をしたいけれど、以前の制度では、男性の育休があまり普及しておらず、分割取得もできないため、特に夫婦交互に育休を取得して育児をするということが困難でした。
2021年の改正により、子どもが1歳になるまでに男性は最大4回、女性は2回に分けて育休の取得が可能です。夫婦それぞれが分割して育休を取れるということは、夫婦で分担しながら育児をすることができるということになりました。

近年女性の社会進出に比例して、男性の育児参加が積極的になっている傾向ですが、育休制度が整うことで、男性の育児への理解や参加がさらに増すことが期待できるでしょう。
育児は夫婦で行うものと共通の認識を持ち、協力して仕事と家庭の両立を実現していくことが必要です。

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まとめ

今回は、育児・介護休業法の改正点についてご紹介しました。2021年1月に施行されたのが、子の看護休暇・介護休暇の改正点です。子どもの看護や予防接種などで休む場合、時間単位で休暇を取得することができるようになりました。また、2022年4月から順次施行された改正点は、男性の育児休業の改正・育児休業の分割取得が可能であることが大きな注目点です。この改正により、今後、夫婦が交代して育児休業を取得する時代がくると考えられるでしょう。

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