訪問介護のヘルパーができること・できないこと一覧

訪問介護のヘルパーができること・できないこと一覧

高齢者・介護 2021.12.27
訪問介護のヘルパーができること・できないこと一覧

近年、テレビやネットニュース、新聞記事などで、介護についての話題を見かける機会が多くなりました。高齢化の進行に伴い、介護のニーズはますます高まっています。中でもヘルパー(訪問介護員)は、利用する方がより人間らしく安心して生活することができるよう、さまざまな面から手助けしてくれる、とても大切な存在です。また、利用者自身だけではなく、利用者の家族などにとってもその存在は大きなものとなっています。
この記事では、訪問介護のヘルパーができること・できないことについて一覧にしてご紹介します。

そもそもヘルパーとは?

そもそもヘルパーとはどのような方のことを指すのでしょうか。
ヘルパーの正式名称は「訪問介護員」といい、国が定めた「介護職員初任者研修課程」を修了した人が、介護保険法にもとづく訪問介護を提供する専門職です。
以前は、「ホームヘルパー2級(訪問介護員養成研修2級)」という資格でしたが、2013年4月1日の介護保険法施行規則改正に伴い廃止され、新たに同資格に相当する「介護職員初任者研修課程」が導入されました。

訪問介護員は在宅で生活している方々のお宅に訪問し、介護や生活援助等の訪問介護サービスを提供しています。訪問介護サービスの主な内容は、身体介護(食事、入浴、排せつなどの介助)や生活援助(食事の調理、買い物、掃除など)です。
介護保険を利用して介護サービスもしくは介護予防サービスの訪問介護を受けることができるのは、介護の必要度合いを段階的に判定する要支援/要介護認定を受けた方、もしくは地域包括支援センターなどで心身の機能で衰えているところがないかを厚生労働省の基本チェックリストに基づいて確認し、支援が必要と判断された方です。

要支援/要介護認定についてはこちらの記事をご覧ください。

基本チェックリストの詳細についてはこちらをご確認ください。

ヘルパーはできることが制約されている

ヘルパーはできることが制約されている

ヘルパーにはできないこと(やってはいけないこと)が介護保険制度によって決められています。また、ヘルパーが生活援助を行えるのは、利用者が一人暮らしの場合、利用者の家族等が障がいや疾病を持っている場合、家族等に障がいや疾病がなくてもその他やむをえない事情によって家事が困難な場合です。上記に当てはまらない場合は生活援助を行うことはできません。

本人以外の援助となる行為

利用者が使用する居室以外の掃除や来客の対応、利用者以外の家族分の買い物や調理、洗濯など、利用者以外を援助する行為は行うことはできません。

最低限の日常生活に必要のないこと

酒やタバコなど嗜好品の買い出しや来客用の買い物、お歳暮の購入など、日常生活を送るのに特に支障がないと判断される行為は行うことができません。

時間がかかりすぎること

特別行事の料理(おせち料理など)や引っ越し準備や大きな荷物の移動、庭木の手入れや大がかりな掃除など、日常的な家事の範疇を超える行為は行うことができません。

このように、ヘルパーは利用者本人を対象とした「日常生活を送るために必要な援助」しか対応することはできません。

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ヘルパーができること・できないこと一覧

ヘルパーができること・できないこと一覧

ここからはヘルパーができる範囲とできない範囲を一覧にしてご説明します。

身体介護

身体介護は、利用者が食事や入浴などの日常生活動作が一人でできず、介助を必要とする場合にヘルパーが行う直接的介助です。世帯や家族の状況に関わらず、ケアマネジャーの作成する(※)ケアプラン(居宅サービス計画)に記載されたサービスを利用することができます。

※ケアプラン:利用者がどのような介護サービスを受ければ、その人らしく自立した生活が送ることができるのか考え、提供する介護サービスを組み合わせた計画書のこと。ケアマネジャーが利用者と面接して、問題点や課題などを把握し、家族や介護サービス事業者を含めた話し合いを行って作成していきます。

身体介護
介護の内容 できること できないこと
排せつ ・トイレへの移動介助、見守り・誘導
・排せつ介助
(失禁のお世話、採尿器や差し込み便器の介助)
・オムツ交換
食事 ・食事介助・見守り
・配膳・後片付け
・特段の専門的配慮をもって行う調理
(流動食など、医師の指示をもとに行う)
入浴 ・入浴介助(全身清拭・部分浴・全身浴)
身体整容 ・洗顔、整髪、口腔ケア、爪切り、
ひげ剃り、着替え介助など
・散髪
体位変換
移動・移乗
・体位変換
・移動・移乗介助
通院・外出 ・乗車、降車のための移動、移乗の介助
・車椅子での移動や歩行の介助、付き添い
・受診待ち時間中の付き添い
・利用者やヘルパーの
自家用車を運転しての送迎
起床・就寝 ・起床・就寝のための
s着替えや排せつ、整容の介助
服薬 ・服薬介助、飲み忘れの確認

利用者の趣味趣向にかかわる外出(カラオケ、パチンコ、観劇、老人会への参加、お墓参りなど)の同行はできません。

生活援助

生活援助は、利用者が一人暮らしの場合で、身体状況などにより自力では家事が困難な場合や、同居する家族等が障害や疾病等、または同様のやむをえない事情により家事が行えない場合にケアマネジャーの作成する(※)ケアプラン(居宅サービス計画)に記載されたサービスを利用することができます。

生活援助
介護の内容 できること できないこと
掃除 ・主として利用者が使用する居室、
トイレ、風呂、洗面所、テーブルの上の掃除
・ゴミ出し
・利用者が使用していない部屋の掃除
・草むしり、花壇の水やりや手入れ
・窓・ベランダ掃除
・ペットの世話
・換気扇の掃除
・引っ越し準備
洗濯 ・洗濯(洗濯機・手洗い)~収納
・アイロンがけ
・利用者以外のための洗濯~収納
・利用者以外のためのアイロンがけ
ベッドメイク ・布団干し
・シーツ交換
・利用者以外のための布団干し
・利用者以外のためのシーツ交換
衣服の整理・被服の補修 ・衣類の整理
・ボタン付けやほつれの補修など
・仕立て直し、裾上げなどのおおがかりな裁縫
調理 ・一般的な調理
・食事の準備、後片付け
・利用者以外のための調理
・おせち料理や誕生日などの特別な調理
買い物 ・近隣店舗での日用品、食材(生活必需品)の
購入・代金支払い
・生活家電の購入
・薬の受け取り
・遠くのデパートで購入
・タバコやお酒など嗜好品の購入
・お歳暮などの購入
・来客用の買い物
外出支援 ・通院同行
・公共サービスの申請や役所への
届け出、選挙・納税同行
・生活資金を引き出すための金融機関同行
・散歩※ケアプランに位置づけられる場合を除く
・美容院などへの同行
・墓参り、法事等への同行
・金融機関での引き卸代行・お金の管理
その他 ・免許更新の付き添い
・住民票の代行取得
・単なる見守り(留守番)、話し相手
・自営業の場合の仕事の手伝い
・自動車の給油、洗車、清掃
・家具、電気器具等の移動、修繕、模様替え
・室内外家屋の修理、ペンキ塗り

上記の表のように、基本的に利用者本人が主に利用する居室の清掃、利用者本人の衣類洗濯、利用者本人のための調理などの日常生活に対する援助はできますが、利用者以外の方のための家事はヘルパーの仕事の範囲外となります。郵便局、ポストへの郵便物の持ち込み・投函は市区町村によってできる・できないの判断が分かれているため、確認が必要です。
また預貯金の引き出しなど、金銭や貴重品の取り扱いをヘルパーに頼むことはトラブル防止のため、基本的にはできません。

金銭管理のサービスのご利用を考える場合は「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」がありますので相談してみると良いでしょう。

参考:厚生労働省 日常生活自立支援事業

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/chiiki-fukusi-yougo/index.html

法務省 成年後見制度について

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html

医療行為となるケア

医師、歯科医師、看護師などの医療従事者以外の者の医療行為は禁止されているため、ヘルパーは医療行為をすることができません。医療行為ではないとされる医療関連行為について、ヘルパーができることを表にまとめました。

医療行為ではないとされるケア
介護の内容 できること できないこと
爪切り ・爪切り
・爪やすり
・爪に異常がある、
爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がある場合
・糖尿病により専門的な管理が必要な場合
耳掃除 ・耳垢の除去 ・耳垢が耳をふさいでいる場合
口腔ケア ・歯ブラシや綿棒を使った口腔ケア ・重度の歯周病がある場合
・一包化された内服薬の内服介助
・湿布の貼り付け
・点眼薬の点眼
・肛門への座薬挿入
・鼻腔粘膜への薬剤噴霧
・服薬管理
処置 ・軽微な切り傷、擦り傷、
やけどなどによる汚れたガーゼの交換
・ストーマのパウチに溜まった排せつ物の処理
・自己導尿の補助のためのカテーテル準備、姿勢保持
・市販のグリセリン浣腸での浣腸
・血糖値測定の声かけ、数値の確認、測定器の準備
・インスリン注射の際の声掛け、見守り
・褥瘡(じょくそう)の処置など、
専門的な判断が必要な傷の処置
・肌に接着したパウチの取り替え
・自己導尿
・摘便
・血糖値測定、インスリン注射
測定 ・水銀体温計、電子体温計での体温測定
・自動血圧測定器での血圧測定
・パルスオキシメーターの装着
・水銀血圧計での血圧測定

医療行為に関連することでヘルパーが対応できるのは、専門的な判断を必要としない場合のみです。なお、たんの吸引や経管栄養は医療行為ですが、介護福祉士および一定の研修を受けた介護職員は、定められた条件下において実施できる場合があります。

市区町村によるルールの違い

ヘルパーができる介護支援の範囲は市区町村ごとに独自のルールが定められています。
例えば、地域によっては同居家族がいる場合の生活援助が利用できないこともあります。
基本的に介護サービスの内容は、ケアプラン(居宅サービス計画)に沿って決定されます。ケアプランは利用者本人の状態やご家庭の状況に合わせてケアマネジャーがご本人・ご家族と話し合って決めるため、打ち合わせ等で市区町村ごとの独自のルールについてしっかり確認しておくと良いでしょう。

介護サービスを上手に活用して利用者本人とそのご家族の生活を豊かに

ヘルパーにはできることが決められていますが、訪問介護の利用者本人が自立し満ち足りた生活を送れるサポートと、家族の身体的・精神的負担を減らし、そのご家族らしい暮らしができるようサポートする心強い存在です。ALSOKでは日常生活を支えるさまざまな介護サービスを提供しており、訪問介護サービスも経験豊富なホームヘルパーが対応を行っています。介護保険で受けられないサービスであっても、内容によっては有償支援としてご希望にお応えすることも可能です。
介護サービスのご利用の際には、ALSOK介護サービスの活用をご検討いただければ幸いです。

まとめ

ヘルパーとは単に利用者の手伝いを行う人ではなく、利用者本人がより自立した生活を送るための介護サービスを提供する大切な存在といえます。介護のニーズの高まりにより、さまざまな介護サービスが提供される時代です。どのような介護サービスが提供されているのか知ることで、より自分らしい生活を送る一歩となるでしょう。

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