特殊詐欺に使われる闇リストとは?被害に遭わないために出来ること

防犯 2023.12.27
特殊詐欺に使われる闇リストとは?被害に遭わないために出来ること

近年、特殊詐欺や強盗による犯罪が急増しており、令和4年から令和5年にかけては広域強盗事件としてもニュースで頻繁に取り上げられています。資産を奪われるだけでなく命の危険が脅かされるケースもあるため、ご自身やご家族が被害に遭わないよう対策が必要です。
特殊詐欺などの犯罪の裏には、ターゲットとなる人を絞り込むための闇リストが存在しています。今回は闇リストとはどんなものなのか、闇リストに載らないための方法などを解説します。

目次

闇リスト(闇名簿)とは

闇リストのイメージ

闇リストとは、特殊詐欺や強盗などの犯罪に利用される個人情報が記載されている名簿のことで、「闇名簿」とも呼ばれています。
闇リスト(闇名簿)には、名前や住所などの個人情報に加えて、家族構成や保有資産、クレジットカード情報、さらにはその人の性格などが記載されている場合もあります。

闇リストはどのように作成されるのか

闇リストは、インターネット上で使用されたクレジットカード情報などを不正に抜き取って作成している可能性があります。また、電話帳や自治会・同窓会の名簿、企業の顧客情報、病院のカルテなど、元となるデータはさまざまあるといわれています。
「名簿屋」と呼ばれる業者が不正に入手したデータを犯罪組織に渡しているともいわれていますが、その正確な経路は不明確です。

特殊詐欺グループに利用される闇リスト

特殊詐欺では、どのように闇リスト(闇名簿)が利用されるのでしょうか。犯罪の段階とともに解説します。

名簿業者などから闇リストを購入する(段階1)

まず、特殊詐欺グループは名簿業者などから闇リストを購入します。正規の名簿業者は、平成29年以降「オプトアウト規定」により個人情報保護委員会への届け出が必要になっています。そのため、闇リストをもつ名簿業者は正規の業者とは異なり、不正なルートで情報を集め、闇リストを作成しているといえます。
犯罪グループは名簿業者から闇リストを購入することで、ターゲットから個人情報を聞き出す必要がなく、より巧妙な手口の詐欺行為を可能にしているのです。

闇バイトのかけ子を利用しアポ電をかける(段階2)

闇バイトの求人で応募してきた人がかけ子となり、ターゲットにアポ電をかけて追加の情報を聞き出します。「アポ電」はアポイントメントのための電話という意味です。「〇時に行くね」などと架空のアポイントメントをとって在宅時間を確認したり、家族や警察、金融庁や自治体の職員などを装って同居家族の有無や資産状況を聞き出すなど、巧妙な手口で行われています。

特殊詐欺や強盗の犯行グループは、SNSなどを通じて「闇バイト」と呼ばれる高収入バイトの求人を装う形で、実行役となる人員を集めています。
求人方法は、SNSや掲示板上に掲載されている高収入のアルバイト情報だけでなく、SNSの書き込みをもとにダイレクトメッセージを送る、先輩や友人などからの紹介、SNSで知り合って紹介するなど手口があります。
ターゲットはお金に困っている若者が多く、「高額バイト」「即日入金」「書類を受け取るだけ」といった好条件に惹かれて応募することが大半です。あとから怪しさに気付いて断りたいと思っても、個人情報や家族の安否をもとに脅され、抜け出せなくなってしまうのです。

※政府は、「闇バイト」の対策を2023年3月より強化しました。
闇バイトの「実行を容易にするツールを根絶する」ための対策として、「個人情報保護法の的確な運用等による名簿流出の防止等の「闇名簿」対策の強化」も発表しています[注]

[注]SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン

追加の情報や下見などでリストの精度を上げる(段階3)

かけ子によるアポ電で得た情報や、実際に住まいを下見するなどして情報を集め、闇リストの精度を上げていきます。住まいの下見の際には、家のつくりや死角、周辺環境、人通りのある時間帯や、逃走経路などを確認しています。
このほか、企業や行政などの正式な調査と思わせて回答を得る自動応答サービスも利用されています。

アポ電強盗や特殊詐欺などの被害に繋がる(段階4)

アポ電や下見で得た情報によって闇リストの精度をあげてターゲットが絞り込まれ、被害者が留守あるいは一人の時間帯を狙って強盗に入る「アポ電強盗」や、犯人が電話やハガキ(封書)等で親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、ATMを操作させ、犯人の口座に送金させる「特殊詐欺」などの被害に繋がります。

アポ電強盗や特殊詐欺などの犯罪は、事前の情報収集を何度も行った上で犯行に及んでいます。さまざまな手段でより詳細な情報を得ることで、犯行の確実性を高めているといえるでしょう。

※特殊詐欺は平成15年頃から多くの認知件数が報告されており、令和4年度の特殊詐欺の認知件数は17,570件となっています。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大などから減少したと考えられていますが、その後は増加の一途を辿っています。
また、警察が啓発活動を行ったり、金融機関がATM(現金自動出入機)での1日あたりの引き出し限度額を制限するなど対策を講じてはいるものの、手口が多様化し減少には至っていません。

特殊詐欺認知件数の推移

出典:警察庁 令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)

令和4~5年にかけては組織的な広域強盗事件が多発しており、被害者への暴力もいとわない凶悪な強盗犯罪が増えているため、命を守るためにも十分な警戒が必要です。

闇リストに載らないために

特殊詐欺や凶悪な強盗事件など計画性のある犯行の裏には、必ずといって良いほど闇リストの存在があります。闇リストに載らないことが、被害者となる可能性を減らすと言っても良いでしょう。それでは、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

知らない相手からの電話に不用意に情報を与えない

特殊詐欺グループは、アポ電によって闇リストの精度を上げてから犯行に及ぶ傾向があります。知らない相手から電話がきても、不用意に情報を与えないようにしましょう。
不審に思われないよう、家族や警察、役所の職員など安心できる相手を装って電話をかけてくる場合があります。また、アンケートのふりをして情報を聞き出すパターンもあります。
相手の素性を確認できていないときは、個人情報を話さないよう徹底しましょう。もし電話対応で不安に思った場合は、相手の名前や連絡先、企業名などを聞いて、いったん電話を切ります。そのあとに、正規の代表番号を自分で調べて在籍確認をすると良いでしょう。

個人情報の取扱いに気を付ける

闇リストの出所はさまざまで特定しづらいと言われているため、日頃から個人情報の取り扱いに気を付ける必要があります。
安易に自分の個人情報を口にしないだけでなく、家庭ゴミの中に個人情報をそのまま捨てていないかも確認しましょう。名前や住所などの基本的な個人情報だけでなく、買い物のレシートや病院の領収書などからも生活パターンなどが読み取れてしまうため、注意が必要です。

下見の段階で「狙いやすい家」と判断されないように防犯対策を徹底する

特殊詐欺や強盗の犯行グループは、実際に下見をして家の間取りや周囲の人通り、逃走経路の有無を確認し、狙いやすい家かどうかを判断します。
突然の訪問者は家に入れず、電話でアポイントを取ってきた場合も、先ほど述べたように自分から在籍確認の電話を入れるなど徹底するようにしましょう。

下見の段階でターゲットとされないためには、犯人にもわかりやすい防犯対策が効果的です。防犯カメラや警備会社のステッカーがあることによって狙われにくくなる傾向があります。

強盗被害に遭わないために

強盗被害に遭わないために

近年は家人が在宅中でも集団で強盗に押し入り、粗暴な犯行もいとわない事件が相次いでいます。強盗被害に遭わないために日頃から気を付けることを具体的にご紹介します。

家の防犯対策を行い、「狙われにくい家」にする

直接家の中に押し入って金品を奪う強盗犯は、オレオレ詐欺などの特殊詐欺よりも警察に捕まるリスクが高いといえます。そのため、狙いにくい家は下見の段階で避けるといわれています。
犯人に狙われないよう、家の防犯対策をしっかりと行い、「狙われにくい家」にする必要があります。

狙われにくい家とは?

狙われにくい家とは、言い換えると「防犯意識が高い家」といえるでしょう。都市防犯研究センターの調査では、侵入するのに5分以上かかると約7割の泥棒があきらめるという結果がでています。そのため、強盗犯に「侵入に手間がかかりそう」と思わせることが対策につながります。

狙われにくい家にするための防犯対策

狙われにくい家にするためにはいくつかの防犯対策があります。

  • 玄関に補助錠を付ける
  • 窓に防犯フィルム・補助錠をつける
  • 侵入口となる窓や玄関周りに死角をつくらない
  • 防犯カメラを設置する
  • ホームセキュリティを導入する

上記のような防犯対策を徹底することで、侵入に時間がかかる、もしくは侵入・逃走が難しいと判断され、強盗犯から狙われにくい家にすることができます。

防犯対策はALSOKのホームセキュリティ

強盗被害を防ぐには、玄関・窓への防犯対策を行い、侵入しにくくさせることが大切です。しかし、自分でできる防犯対策だけでは安心できないという方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、ALSOKのホームセキュリティの導入です。ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望に合わせてお選びいただけます。
オンラインセキュリティは、ピッキングやガラス破りなどによる窓・ドアからの侵入を防犯センサーが感知し、ALSOKのガードマンが現場へ駆けつけ対処します。
セルフセキュリティは、月額料金990円(税込)からとなっており、お手軽にホームセキュリティを始めたい方におすすめです。異常発生をアプリで通知し、お客様の依頼に応じてガードマンが駆けつけます。
ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。

また、特殊詐欺やアポ電強盗のターゲットにされやすいのが、ご高齢の方です。遠方に住んでいる親が心配という方も多いのではないでしょうか。

もし闇リストに載ってしまったとしても、家の防犯対策をしっかりと行うことで狙いにくい家と判断され、被害を防ぐことができます。強盗被害に遭わないためにも、ぜひこの機会にご自宅とご家族を守る防犯対策を検討してみてください。

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