鍵のピッキングを防止する対策を解説!防犯性を高め不法侵入を防ごう

住宅に不法に侵入し窃盗を行う侵入窃盗は全国で発生しており、その手口の一つにピッキングがあります。鍵を壊さずに開錠するピッキングは、知識や道具があれば誰でも実行できてしまうため、防犯対策が必要です。本記事では、ピッキングとは何か、ピッキングされやすい鍵とされにくい鍵の違い、ピッキングを防止する対策について詳しく解説します。
目次
鍵のピッキングとは?
ピッキングとは、特殊な工具を鍵穴に差し込み、内部の仕組みを操作することで開錠することです。本来は鍵の専門業者が正当な理由で行う技術ですが、犯罪目的で行われることもあり、住宅への不法侵入を可能にしてしまいます。
一般的な鍵は、シリンダー内部のピンが特定の高さにそろった時に回転する仕組みになっています。正規の鍵を差し込むとピンが正確な高さに配列され、シリンダーが回転して解錠します。ピッキングでは、専用の工具でこれらのピンを一つずつ正しい高さまで持ち上げ、正規の鍵がなくても開錠できてしまうのです。
熟練した侵入者であればピッキングにかかる時間は数分程度といわれており、わずかな時間で侵入されてしまうため、適切な対策が不可欠です。
ピッキングされやすい鍵
一般的に、以下のタイプの鍵はピッキングされやすいといわれています。
ピンシリンダーキー

一般的な鍵のタイプで、鍵は片側だけにギザギザの山があり、錠内部に複数のピンが配置されています。構造がシンプルなため、比較的容易にピッキングされる可能性があります。古い住宅や安価な鍵に多く見られるタイプです。
ディスクシリンダーキー

鍵は両側に非対称のギザギザがあり、鍵穴が「く」の字になっていて、錠内部に円盤状のディスクが並んでいるタイプです。ピンシリンダーよりは複雑で耐久性がありますが、ピッキングに弱いという弱点があります。ピンシリンダー同様に古い住宅や安価な鍵に多く見られるタイプです。
ピッキングされにくい鍵
一般的に、以下のタイプの鍵はピッキング対策に優れているといわれています。
ウェーブキー

複雑な波型の溝を持つ鍵で、通常のピッキングツールでは対応が難しい構造になっているため、開錠に時間がかかります。
ディンプルキー

鍵の表面にさまざまな大きさの凹みがあるタイプです。鍵のパターンが複雑なため通常のピッキング手法では開錠が困難で、高い防犯性を誇ります。ピッキング被害が増加した2000年以降、被害対策のため普及し始めた形状です。
キーレス錠

暗証番号や指紋認証、ICカードなどで解錠するタイプの錠です。物理的な鍵穴がない、または最小限になっているため、ピッキングのリスクを低減することができます。
なお、「特殊開錠用具の所持の禁止に関する法律」に基づき、平成16年4月1日から住宅の玄関や建物の出入口に使われる錠のうち、防犯性能の向上を図ることが特に必要なもの(指定建物錠)には防犯性能の表示が義務付けられています。
鍵を交換する際にはメーカーが公表している防犯性能を確認し、ピッキングなどの不正開錠に対する防犯性能の高い鍵を選ぶようにしましょう。
参考:警察庁 住まいる防犯10番 指定建物錠の防犯性能の表示制度
ピッキング被害を防ぐには時間をかけさせることが重要

防犯対策の基本は、侵入者に時間をかけさせることです。警察庁の統計データによると、侵入までに5分かかると侵入者の約7割があきらめ、10分かかると侵入者のほとんどがあきらめるという結果が出ています。
侵入者は発見されるリスクを避けるため、短時間で侵入できる家を狙う傾向があります。そのため、ピッキング防止など複数の防犯対策を組み合わせて侵入に時間がかかるようにすることが効果的です。
ピッキングを防止する4つの対策
防犯性の高い鍵に交換する
もっとも基本的な対策は、ピッキングされにくい高性能な鍵に交換することです。ディンプルキーのピッキングには5~10分かかるとされており、高い防犯性を誇ります。また、指紋認証や暗証番号式などのキーレス錠、スマートロックの導入も効果的です。
定期的に鍵を交換することも防犯対策になります。長期間使用している鍵は摩耗や劣化、故障などにより、ピッキングされやすくなる可能性があります。鍵を紛失した場合や転居時は必ず鍵を交換しましょう。
補助錠を取り付ける
「ワンドア・ツーロック」と呼ばれる対策は非常に効果的です。主錠に加えて補助錠を設置することで、開錠に必要な時間を大幅に増やすことができます。
補助錠には、さまざまな種類があります。
- サムターン式補助錠:内側からレバーを回して施錠・解錠するタイプ
- ドア用チェーン:ドアを少し開けた状態で固定できるタイプ
- 棒状補助錠:ドアの内側に取り付け、物理的に開かないようにするタイプ
また、シリンダーガードやガードプレートを取り付けることで、鍵穴や錠本体を保護することもできます。これにより、ピッキングや破壊工作への対策が強化できます。
門灯や人感センサー付きライトを設置する
侵入者は暗い場所や人目につかない場所を好みます。門灯を常時点灯させたり、人感センサー付きのライトを設置したりすることで、侵入者が嫌う明るい環境を作り出すことができます。
特に、玄関周りや家の死角となる場所には、センサー付きライトの設置が効果的です。侵入者が近づくと自動的に点灯するため、不審者を威嚇し、住民や近隣に人や車両が近づいたことを知らせる効果があります。
防犯センサーと組み合わせることで、人の動きを検知して警報を鳴らすシステムも効果的です。これにより、侵入者を早期に発見し、犯行を未然に防ぐことにつながります。
防犯カメラを設置する
防犯カメラは、侵入者に対する強力な抑止力となります。目につく場所に防犯カメラを設置したり、防犯カメラが設置されていることがわかると、不審者に侵入をあきらめさせ、犯行を防ぐことにつながります。
また、実際に侵入被害が発生した場合には証拠映像として活用できるため、犯人の特定や捜査にも役立ちます。近年は遠隔地からでもスマートフォンやパソコンなどでモニタリングできるものや、動きを検知して自動録画するものなど、高機能な製品も増えています。
泥棒の侵入はピッキング以外にも注意しよう
泥棒や不審者の侵入を防ぐには、ピッキング対策だけでは不十分です。侵入者はさまざまな手口を使い分けるため総合的な防犯対策が必要です。
サムターン回し
サムターン回しは、ドアのすき間や郵便受けから細長い工具を挿入し、ドア内側のサムターン(鍵のつまみ)を回して開錠する手口です。
対策
- サムターンカバーを取り付ける
- 郵便受けに南京錠やドアポストカバーを設置する
- 外側から外れないタイプのドアスコープに交換する
- 郵便受けを使わずに、別途ポストを設置する
カム送り(バイパス解錠)
カム送りは、シリンダーのリングを浮かせ、そこから特殊な工具を使って錠本体を直接操作する手口です。ピッキングよりも短時間で開錠できる場合があります。
対策
- 防犯性能の高いシリンダーに交換する
- シリンダーガードを取り付ける
- 補助錠を設置する
ガラス破り
窓ガラスやドアの小窓を破って侵入する手口も多く見られます。ガラス破りには以下のような種類があります。
- 打ち破り:硬い物でガラスを叩いて割る方法
- 焼き破り:熱を加えてガラスを割る方法
- 三角割り:特定の箇所に、集中的に衝撃を与えて割る方法
対策
- 防犯フィルムを窓に貼る(割れても破片が飛び散らず、貫通しにくくなる)
- 防犯ガラスに交換する
- 窓に補助錠や面格子を取り付ける
- 窓センサーやガラス破壊センサーを設置する
家の防犯に役立つALSOKのサービス
泥棒や不審者は、ピッキングを含むさまざまな方法を駆使して侵入を試みます。防犯性能の高い鍵への交換や補助錠の設置、窓に防犯フィルムを貼るなど、防犯対策を入念に行いましょう。ALSOKではご自宅の防犯強化に役立つホームセキュリティサービスをご提供しています。
ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」

ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望にあわせてお選びいただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
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また、ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
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ALSOKの屋外対応無線式カメラは、設置が簡単で高性能な監視カメラです。工事不要で、簡単にセキュリティカメラを導入できます。防塵・防滴機能を備えているため、状況に応じて屋外での使用も可能です。
カメラが人の動きを検知すると自動で録画を開始し、スマートフォンに通知を送ることもできます。遠隔地からでもリアルタイムで映像を確認できるため、不在時の住宅を効果的に見守ることができます。
窓や玄関、勝手口などの防犯対策としてお役立ていただけます。
まとめ
ピッキング対策は、住宅の防犯対策において重要な要素の一つで、「侵入に時間をかけさせる」という考え方です。対策は一つだけではなく、複数の防犯対策を組み合わせてセキュリティレベルを高めることが大切です。
日頃から防犯意識を持ち、定期的にご自宅のセキュリティ状況を見直すことで、安全・安心な住まいを維持しましょう。