押し込み強盗とは?犯行手口や下見の方法、対策方法を知り被害を防ごう

近年、住宅を狙った侵入犯罪が増加傾向にあり、特に「押し込み強盗」と呼ばれる手口に注意が必要です。自宅が犯罪の標的となることは、物理的にも精神的にも大きな衝撃を与えます。本記事では、押し込み強盗の実態や犯行手口、下見の特徴、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。
目次
増加する「押し込み強盗」とは
押し込み強盗は、玄関ドアを開けさせ、住宅に無理やり押し入って金品を奪う犯罪です。押し込み強盗は法律で定められている罪種ではありませんが、近年増加している犯罪手口です。

警察庁によると、侵入強盗の認知件数は平成26年から令和4年まで年々減少していたものの、令和5年には増加に転じています。さらに、住宅への侵入強盗も増加傾向にあります。
押し込み強盗の特徴は、玄関から侵入することです。窓を割ったり鍵を破壊したりして侵入する手口とは異なり、何らかの方法で住人に玄関ドアを開けさせて住宅内に押し入ります。通常不審者は人目につくことを避けるのですが、住人と対面する危険性を冒してでも犯行に及ぶため、身体的危害のリスクも高いといえるでしょう。
なかでも、被害者を縛り上げてから暴行を加える「緊縛強盗」といった粗暴な手口も報告されています。
押し込み強盗の犯行手口
押し込み強盗と定義される犯行の手口を解説します。
業者などを装って玄関を開けさせ押し入る
宅配業者を装って荷物の配達を名目にしたり、ガス点検や消防点検などを装って玄関ドアを開けさせる方法です。また、屋根や水道の点検を名目に訪問する事例も報告されています。特に巧妙なのは、ガス漏れなど緊急性があると偽り、住人を慌てさせて判断力を鈍らせる手口です。
高齢者が狙われるケースが多く、日中の在宅時に訪問してくる特徴があります。
住人の帰宅時に押し入る

住人が帰宅し、玄関ドアを開けるタイミングを狙って押し入るケースも報告されています。犯人は事前に住人の行動パターンを観察し、帰宅時刻を把握することがあります。帰宅する住人のあとをつけ、ドアを開けた瞬間に押し入ったり、自宅前で待ち伏せし、住人が帰宅したところを狙ったりする手口が確認されています。
また、犯人は被害者が鍵を取り出す時や、荷物で両手がふさがっている時など、防御が難しい状況を狙う傾向があります。特に女性や高齢者が帰宅する際は、周囲への警戒が必要です。
アポ電をして押し入る
事前に電話で情報収集を行ってから押し入る「アポ電強盗」も増加しています。犯人は役所の職員や銀行員などを装い、家族構成や資産状況を聞き出したり、電話で在宅状況や家の間取りなどの情報を収集したりします。また、電話で相手の警戒心を解いてから押し入る手口も確認されています。
押し込み強盗は下見をする?
強盗は、事前に何らかの下見を行うことがあり、以下のような事例が報告されています。
- 侵入前に周辺地域をうろつき、防犯カメラの設置状況や近隣住民の様子を確認する
- 不用品買取業者を装い、家の中の様子を窺う
- 屋根の点検・修理などの名目で訪問し、家財状況や住人の様子を探る
- 事前連絡なく突然訪問し、無理やり家の中に上がり込もうとする
- 複数回にわたって訪問し、家人の生活パターンを把握する
不審に感じた場合は、警察に相談・通報するようにしましょう。また、近隣の地域で不審者情報があれば、地域全体で共有して警戒することも大切です。
押し込み強盗の被害を防ぐための対策
押し込み強盗の被害を防ぐには、日頃から以下の事項を心がけることをおすすめします。
不審な業者は家に入れない
訪れた業者には必ず身分証明書の提示を求め、身元を確認しましょう。また、事前に連絡のない訪問者は基本的に信用せず、曖昧な返答をせずにきっぱりと断ることが大切です。個人情報(家族構成、資産状況など)は話さないようにし、可能であれば一人で対応せず、複数人で対応しましょう。
何か違和感がある場合、相手が立ち去るまでドアを開けないことが重要です。特に「緊急点検」などと言われても応対はせず、相手が企業名を名乗った場合はその企業に確認しましょう。
宅配は直接受け取らない

不安な場合、宅配は直接受け取らず、非対面での受取を選択すると良いでしょう。一部のネットスーパーなどでも非対面配達を実施しています。防犯対策として非対面での受取を希望する旨を配達員に伝えましょう。
集合住宅の場合は宅配ボックスを利用したり、自宅以外の受取場所(コンビニ受取など)を指定する方法もあります。また、配達予定日時が分かっている場合は、事前に準備しておくことで不審な訪問者と区別しやすくなります。
訪問者に対してはチェーンやドアガードをかけたまま対応する
心当たりのない訪問者に対応する際は、モニター付きインターホンやドアスコープで相手を確認してから、チェーンやドアガードをかけたまま対応しましょう。不用意にドアを開けないことが大切です。
玄関の鍵を開ける前に、不審者がいないか確認する
帰宅時は鍵を取り出す前に周囲を確認しましょう。集合住宅の場合はエレベーターに一人で乗るよう心がけ、乗り合いになって不安な場合は、自宅以外の階で降りるようにしましょう。
特に夜間の帰宅時は周囲に気を配り、不審な人物がいないか確認してから玄関を開けることをおすすめします。
家の中に入ったらすぐに施錠する
入室時を狙われるおそれがあるため、入室したら素早く施錠する習慣をつけましょう。特に荷物で手がふさがっているとすぐに施錠できないこともあるため注意が必要です。
在宅時や短時間家を開ける時も必ず施錠し、在宅中も玄関や窓の施錠を確認する習慣をつけましょう。
万が一に備え、玄関に防犯ブザーを置いておく
玄関近くのすぐ手が届く位置に防犯ブザーを設置しましょう。防犯ブザーは、犯人を威嚇するとともに、同居する家族や近隣住民に異常を知らせる効果があります。大音量で周囲に異常を知らせられるものを選び、定期的に作動確認と電池交換を行うことが大切です。また、家族と同居している場合は家族全員が使えるように使い方を確認しておきましょう。
あらかじめ逃げるルートを用意し、普段から確認しておく
犯人に侵入された場合に備えて、逃げるルートを事前に用意しておきましょう。複数の脱出経路を確保しておくことが望ましく、玄関、勝手口、ベランダなどさまざまな経路を検討できると良いでしょう。万が一の事態に備えて冷静に行動できるよう、日頃から避難経路を確認しておくことが重要です。特に高齢者や子どもがいる家庭では、実際に歩いて確認しておくことをおすすめします。
逃げられなかった時に備え、施錠して一時避難できる場所を確認しておく
高層階に住んでいる場合や、物理的に玄関以外から逃げることが不可能な場合も、逃げ込める場所を作っておくことが大切です。内側から鍵がかけられる部屋(寝室やトイレなど)を確認しておきましょう。避難場所に身を隠し、安全を確保することで、警察への通報など次の行動に移るための時間を稼ぐことができます。
在宅時に不審者に侵入された場合の対応
命を守る行動をとる
万が一侵入された場合、最も重要なのは命を守ることです。犯人と対峙せず、可能な限り逃げることを優先しましょう。危険な状況を避けるために、以下の点に注意してください。
- むやみに様子を確認しない
- 逃げても追いかけない
- 早く外に出る、もしくは鍵のかかる部屋に避難する
- 鉢合わせた場合は怒鳴らない
- 刺激をしない
犯人の顔を見ようとしたり、抵抗したりすることで、怪我や命にかかわる危険が増すため、刺激せず身の安全を確保することが重要です。
安全な場所から110番通報する
安全な場所に避難したら、落ち着いて110番通報をしましょう。現在の状況や自宅の住所、犯人の特徴などを明確に伝え、警察が到着するのを待ちます。この時、物音がしなくなったからといって様子を確認しないように注意しましょう。犯人が立ち去ったあとも再び戻ってくる可能性があるため、警察が到着するまで安全な場所にとどまるようにしましょう。
押し込み強盗対策にALSOKのホームセキュリティ

ご自宅やご家族を強盗の脅威から守るため、ホームセキュリティの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしもの時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に、自動でALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能も活用いただけます。
在宅警備モードの活用
強盗対策には、在宅警備モードの活用をおすすめします。在宅警備を設定している場合、侵入された際に警報メッセージが流れるため犯人への威嚇となり、犯行を諦めさせる効果が期待できます。また、住人の方が異変に気付くことで安全確保に努めることができ、犯人に襲われるリスクを回避できる利点があります。
非常押ボタン
ALSOKのホームセキュリティではオプションで遠隔の非常押ボタンを追加できます。緊急時に携帯電話が手元にない場合でも、非常押ボタンを押すことでALSOKが駆けつけ、状況に応じて警察など関係機関と連携します。
ALSOKステッカー
ALSOKのホームセキュリティをご導入いただくと、導入先であることを示すALSOKステッカーをご自宅に貼り付けさせていただきます。
ALSOKのホームセキュリティは、戸建て住宅はもちろんのこと、アパート・マンションなどの集合住宅でも導入可能です。
ご自宅や、離れて暮らすご家族の防犯対策として、ALSOKのホームセキュリティを導入してみてはいかがでしょうか。
まとめ
押し込み強盗の被害を防ぐには、不審な訪問者や帰宅時に警戒心を持ち、日頃から防犯対策を徹底することが重要です。特に高齢者や子どもが住んでいる家庭では、家族間で防犯対策について話し合い、実践することが望まれます。自分自身や大切な家族を守るため、本記事でご紹介した対策を取り入れてみてください。