子どもと一緒に地域安全マップを作ろう!安全マップの作り方・ポイントは?

子どもたちの安全を守るためには、子どもたち自身が危険な場所を認識し、適切な行動がとれるようになることが大切です。地域安全マップづくりは、子どもたちが主体的に地域の防犯について学べる効果的な取り組みです。この記事では、学校の防犯教室や、家庭での防犯教育として実践できる地域安全マップの作り方とポイントについて解説します。
目次
安全マップづくりとは
地域安全マップづくりとは、犯罪が起こりやすい場所や危険のある場所を子どもたち自身が判断し、場所に応じた適切な行動をとれる力(危険回避能力)を育てる取り組みです。
単に「危ないから気をつけて」と言葉をかけるだけでは、子どもたちに危険性が伝わりにくいものです。地域安全マップづくりを通じて、子どもたちに危険な場所を自覚させ、身を守る方法を考えさせる学習が重要になります。
地域安全マップづくりでは、地図を作ることがゴールではなく、具体的な安全行動につなげることが目的です。また、「不審者」といった人物に注目するのではなく、「どのような場所が危険か」という場所の特徴に注目することがポイントになります。特に「入りやすい」場所と「見えにくい」場所が、犯罪が起きやすい危険な場所だということを子どもたちに理解させることが重要です。
地域安全マップの作り方
地域安全マップの作り方について、基本的な流れを紹介します。
事前準備
まず、安全マップづくりを始める前に、子どもたちに「入りやすい」「見えにくい」という2つのキーワードを伝えましょう。このキーワードをもとに、危険な場所と安全な場所を判断する力をつけることが目標です。
小学校や学童など集団で行う場合は、班ごとに役割分担を明確にしておくとスムーズに活動できます。写真を撮る係、メモをとる係、地図に記入する係など、子どもたちの得意分野を生かした役割を設定しましょう。
家庭で行う場合も、親子で役割分担を決めておくと良いでしょう。例えば、子どもが発見した場所を親が写真に撮り、子どもがメモをとるなどの分担が考えられます。
また、校区や調査エリアの白地図を用意しておくと、後のマップ作成がスムーズに進みます。
フィールドワーク【地域を探検】

実際に地域を歩いて回り、危険な場所と安全な場所を探します。学校の活動では、小グループに分かれて決められた範囲を歩き、キーワードをもとに危険な場所、安全な場所を探します。
家庭で行う場合は、保護者と一緒に通学路や自宅周辺を実際に歩いて確認しましょう。フィールドワークは交通ルールについても教育する良い機会となります。子どもと一緒に信号の渡り方や横断歩道の使い方などもあわせて確認すると良いでしょう。
危険と思われる場所を見つけたら、なぜ危険だと思ったのか理由を考え、写真を撮ったりメモをとったりします。同様に、安全だと思われる場所についても記録します。
可能であれば、地域の方にインタビューを行い、地域の安全に関する情報を集めるのも効果的です。地域の方から「昔から暗くて危ない場所」「最近不審者が出た場所」「交通事故が何度も発生している場所」などの情報が得られることもあります。
マップ作成
フィールドワークで集めた情報をもとに、実際に地図を作成します。白地図に危険な場所、安全な場所の写真を貼り、説明を記載します。
危険な場所には赤色、安全な場所には青色など、色分けをして視覚的に分かりやすくすると良いでしょう。また、なぜ危険なのか、なぜ安全なのかの理由も必ず記載します。
高学年の子どもの場合は、危険な場所に対する対応策も考えさせると、より実践的な学習になります。例えば「この場所は木が生い茂って見通しが悪いので、不審者が潜んでいる可能性がある。→ 通るときは友達と一緒に行く」など、具体的な行動につなげる内容を記載します。
家庭で作成する場合も、ただ危険な場所を記録するだけでなく、「どうすれば安全に過ごせるか」について話し合うことが大切です。
発表
学校などの集団で行った場合は、完成した地図を掲示して、発見したことを発表する場を設けましょう。他の班が発見した危険な場所や安全な場所を共有することで、子どもたちの防犯意識がさらに高まります。
家庭で行った場合は、作成した安全マップを家族で見ながら、発見したことや感じたことを話し合い、対応策を一緒に決めると良いでしょう。
危険な場所、安全な場所の見分け方
地域安全マップづくりのポイントは、「入りやすい場所」と「見えにくい場所」というキーワードを使って危険な場所を見分けることです。具体的な見分け方について、以下のイラストを見ながら考えてみましょう。

入りやすい場所、見えにくい場所の例
- 人があまり通らない道や場所
- 人のいない自転車置き場
- 空き家、空き地、空きビル
- 高い木が多く薄暗い道
- フェンスのない駐車場
- 地下道
- 高架下
- 見通しの悪い公園、公園のトイレ
- 建物の間の路地や影になる場所
「入りやすい場所」とは、誰でも簡単に入ることができる場所です。このほか、男女共用のトイレ、出入口の多い公園なども挙げられます。
「見えにくい場所」とは、周囲から見通しが悪く、人目につきにくい場所、暗くなりやすい場所です。例えば、木や植え込みが生い茂っている公園、街灯がなく夜間に暗くなる道路などが挙げられます。
また、物理的に見えにくい場所だけでなく、ゴミが放置されている公園や、落書きが放置されている道路など、人の目が向けられていない「無関心」な状態であるため、心理的に「見えにくい」場所も覚えておきましょう。
特に「入りやすい」かつ「見えにくい」場所は、犯罪が起きやすい危険な場所と考えられます。子どもたちには、このような場所の特徴を理解させ、自分たちの目線で地域を歩いて見つけられるようにしましょう。
安全な場所としては、多くの人が利用する明るい場所や、困ったときに助けを求められる場所が挙げられます。例えば、「子ども110番の家」、交番、コンビニエンスストア、人通りの多い商店街などが該当します。このような場所も地域安全マップに記載することで、いざというときの避難場所として認識できるようになります。
安全マップのポイント
効果的な地域安全マップづくりのためのポイントをいくつか紹介します。
危険な場所を教えるのではなく、子どもたち本人が気づけるようにする

大人が一方的に危険な場所を教えるのではなく、子どもたち自身が「なぜ危険なのか」を考え、気づけるようにすることが重要です。フィールドワークの際は、「この場所はどう思う?」「ここの見通しはどうかな?」など、子どもが自分で考えるきっかけとなる質問をしましょう。
キーワードを使って、なぜ危険なのか理由を記載する
マップ作成の際は、単に「危険」「安全」と記載するだけでなく、「入りやすい」「見えにくい」というキーワードを使って、なぜその場所が危険なのか、理由を明確に記載することが大切です。例えば「木が生い茂って見通しが悪く、見えにくいので危険」「塀がなく誰でも入りやすいので危険」などと記載します。
初めて行く場所でも危険な場所を判断できるようにする
地域安全マップづくりの目的は、通学路や自分の調べた場所だけでなく、初めて行く場所でも危険な場所を判断できる力を身につけることです。そのためには、場所の「特徴」に注目することが重要です。「入りやすい」「見えにくい」という特徴を理解していれば、どのような場所でも危険を予測できるようになります。
場所に応じて適切な行動をとれるようにする
最終的に大切なのは、危険を認識するだけでなく、適切な行動がとれるようになることです。具体的には次のような行動を身につけるよう、子どもに教えましょう。
- 危険な場所には行かない、近くを通らない
- 危険な場所に行ったり、近くを通る必要があるときは、できるだけ保護者や友達と一緒に行く
- 一人で危険な場所に行ったり、近くを通る必要があるときは、時間帯に気を付ける(なるべく明るい時間に行く)、安全な迂回ルートがないか検討する
子どもたちの安全を守るための防犯教室
地域安全マップづくりに加えて、専門家による防犯教室も子どもたちの防犯意識を高める効果的な取り組みです。ALSOKが社会貢献活動の一環として行っている出前授業「あんしん教室」では、守りのプロであるALSOKの社員が講師として子どもたちに分かりやすく防犯について教えています。
「あんしん教室」では、登下校や街歩きの際の安全対策だけでなく、留守番時やインターネット使用時の危険、さらには防災についても総合的に学べます。
※「あんしん教室」のお申し込みは小学校からのみとさせていただいております。
また、「あんしん教室」のWebサイトでは、学年別の資料や「ぼうはんかるた」などの学習用教材もご提供しています。資料や学習用教材は、地域安全マップの作成や家庭内での防犯教育に活用できます。防犯に関する知識を楽しく学べる工夫がされているので、子どもたちの興味を引きながら学習を進めることができます。
子どもたちの安全を守るには
お子さまの安全を守るためには、外出中の安全確保だけでなく、留守番時などご家庭での安全確保についても考えてみませんか。お子さまが一人で留守番をする機会があるご家庭におすすめしたい、ALSOKのサービスをご紹介します。
子どもの留守番時も警備できるホームセキュリティ

ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、緊急時にはALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に、自動でALSOKが駆けつけます。
在宅中も警備をセットできるので、お子さまの留守番時や就寝中も安心です。お子さまのスマートフォンで警備解除した場合には、保護者の方のスマートフォンからアプリを通じてお子さまの帰宅を確認できます。
また、万が一お子さまが鍵をかけ忘れた場合でも、ホームセキュリティが警備を行うため安心につながります。
留守番時の子どもを見守るアルボeye

インターネットに接続したカメラを設置することで、留守番のお子さまの様子を確認できます。ALSOKの見守りサービス「アルボeye」は、外出先からご自宅の様子をスマートフォンで確認できるサービスです。画像や映像だけでなく、音声によるコミュニケーションも可能で、留守番中のお子さまに声をかけることもできます。緊急時にはALSOKに駆けつけを依頼できるため、子どもが一人で留守番する際の安心感につながります。
まとめ
子どもたちの安全を守るためには、危険を認識する力と適切な行動をとる力を育てることが重要です。地域安全マップづくりは、子どもたち自身が主体的に防犯について学び、考えるきっかけになるでしょう。学校だけでなく、家庭や地域全体で防犯意識を高め、子どもたちが安心して暮らせる環境づくりに取り組んでいきましょう。