ドアの鍵は後付けできる?玄関・室内ドアの鍵の後付け方法

防犯のため、玄関の二重ロック化を検討する方は多いのではないでしょうか。また、防犯対策やプライバシー保護のため室内ドアに鍵を付けたいという場合もあるでしょう。玄関ドアや室内ドアへの鍵の後付けは、目的や設置場所に応じて適切な方法を選択することが大切です。
本記事では、後付けできるドアの鍵の種類や方法、注意点などを解説します。
目次
ドアの鍵を後付けする目的
鍵の後付けは目的によって適切な方法が異なるため、まずは設置の目的を整理してみましょう。主な目的として、防犯対策、子どもの安全対策、プライバシー保護などが挙げられます。
防犯対策のために玄関の鍵を後付けする
玄関ドアに鍵を追加してワンドア・ツーロック(1つのドアに2つの鍵)にすることで、防犯効果を向上できます。空き巣や強盗などの侵入者は、解錠に時間がかかることを嫌うため、複数の鍵が設置されているドアを見ると侵入を諦める傾向があります。
警察庁の統計データでは、侵入に5分以上かかる場合、約7割の侵入者が諦めるという結果がでています。補助錠の設置により解錠に時間がかかるため、心理的な抑制効果も期待できます。
出典:警察庁「住まいる110番」
また、スマートロックの後付けは防犯効果に加えて利便性の向上にもつながります。暗証番号やスマートフォンでの施解錠が可能になり、鍵の紛失リスクも軽減されます。
子どもの鍵開け対策のために玄関の鍵を後付けする
小さな子どもが勝手に外に出てしまうことを防ぐため、内側からかけられる補助錠を設置するケースもあります。子どもの手の届かない高い位置に設置したり、複雑な操作が必要な鍵を選択したりすることで、子どもが勝手に外へ出てしまうことを防止できます。
チャイルドロックタイプの補助錠は、大人は簡単に操作できる一方、子どもには開けにくい構造になっているため、安全対策として有効です。
防犯対策のために室内ドアの鍵を後付けする
貴重品を保管している部屋などに鍵を後付けすることで、室内の防犯対策を強化できます。また、近年は強盗被害が多発しているため、万が一不審者が住宅内に侵入してきた場合に備えて、鍵をかけて避難できる安全な部屋を確保しておくことも重要な対策のひとつです。
プライバシー保護のために室内ドアの鍵を後付けする
子どもが成長して個人の部屋にプライバシーを求めるようになった場合や、在宅勤務用の書斎として集中できる環境を作りたい場合に鍵を後付けするケースがあります。
テレワークが普及した現在、重要な会議中に家族が入ってくることがないよう、作業部屋に鍵を設置するニーズも高まっています。
後付けできる鍵の種類
市販されている後付け可能な鍵には、設置方法や防犯性能によってさまざまな種類があります。用途や設置場所に応じて適切なタイプを選択することが重要です。
ディンプルキータイプの補助錠

鍵の表面にさまざまな大きさの凹み(ディンプル)が複数あるディンプルキーを使用した補助錠は、ピッキングに対する耐性が高く、防犯性能に優れています。工事不要で後付けできる製品も多くあります。
ワイヤー式ドアロック
ドアと壁の間にワイヤーを渡して固定するタイプの補助錠です。工事不要で簡単に設置でき、賃貸住宅でも使用しやすい特徴があります。ただし、防犯性能は限定的で、主に内側からの施錠用として使用されます。
引き戸用補助錠
引き戸専用に設計された補助錠で、レールに沿って移動する引き戸の特性に合わせた構造になっています。玄関や室内の引き戸に設置可能で、ネジと粘着テープで固定するタイプなど工事不要の製品もあります。
南京錠タイプ

扉に取り付けた金具やドアの取っ手部分に南京錠を取り付けて施錠します。設置が簡単で費用も安価ですが、防犯性能は限定的です。より防犯効果を高めるためには、シリンダー式ではなくピッキングされにくいダイヤル式の南京錠を選ぶことをおすすめします。
チャイルドロック
子どもの安全対策に特化した補助錠で、大人には簡単に操作できるものの、子どもには開けにくい構造になっています。玄関ドアの内側に設置することで、子どもの無断外出を防止できます。用途が子どもの安全対策に限定されるため、防犯効果は期待できません。
鍵付きドアノブ
既存のドアノブを鍵付きタイプに交換する方法です。円筒錠タイプやレバーハンドルタイプがあり、室内ドアの鍵付け改造によく使用されます。サイズが合えば既存の穴を利用して取り付けられるため、DIYで後付けできます。
電子錠・電気錠、スマートロックは後付けできる?
スマートロックも後付けが可能で、近年注目を集めている防犯アイテムです。暗証番号入力式、ICカードキー式、スマートフォン連動式など、さまざまな種類が販売されています。
従来の鍵穴がないため、ピッキングによる不正解錠のリスクがなく、防犯効果が高いとされています。また、鍵の閉め忘れを防ぐオートロック機能や、遠隔での施解錠確認機能など、利便性も向上します。
強力なシールで貼り付けるタイプのスマートロックであれば工事不要で後付けできるため、賃貸住宅でも導入しやすい特徴があります。ただし、電気錠の場合は配線工事が必要になるため、専門業者による施工が必要です。
玄関ドアの鍵後付け方法

玄関ドアへの鍵の後付けは、工事の有無や設置方法によって選択肢があります。住宅の状況や予算、求める防犯レベルに応じて適切な方法を選択しましょう。
工事なしで補助錠を設置する
工事不要で設置できる補助錠は、取り外しや付け直しも容易で、マンションなどの賃貸住宅でも管理会社や大家の許可が下りやすい特徴があります。
外付けタイプの補助錠
ドアの外側に設置する補助錠は、空き巣などの侵入者に対して補助錠の存在を明確にアピールできる効果があります。見た目からも防犯対策が施されていることが分かるため、心理的な抑制効果が期待できます。
既存のドアに穴を開けることなく、接着や挟み込みによって固定する製品もあります。
内付けタイプの補助錠
ドアの内側に設置する補助錠は、外部からは見えないため、ピッキングやサムターン回し(内側のつまみを外部から回す手口)の防止に特に効果的です。
内付けタイプは侵入者に補助錠の存在を気づかれにくく、解錠方法が分からないため、防犯効果が高いとされています。
鍵穴を増やして鍵を設置する

より高い防犯効果を求める場合は、工事を行って玄関ドア本体やドア枠に穴を開け、ネジで固定するタイプの鍵を設置する方法があります。
ディンプルキーなど防犯性の高い鍵を後付けできるため、本格的な防犯対策として効果的です。ただし、ドアに穴を開ける必要があるため、賃貸住宅の場合は事前に大家や不動産会社の許可を得る必要があります。
既存の鍵と独立して動作するため、片方の鍵が故障しても、もう片方で施解錠できる安心感があります。
室内ドアの鍵後付け方法

室内ドアへの鍵の後付けは、玄関ドアと比較して設置の自由度が高く、さまざまな方法が選択できます。
簡易的な補助錠を設置する
ドアの溝に金具を差し込んで設置するタイプや、粘着テープで貼り付けるタイプの簡易的な補助錠は、もっとも手軽に設置できます。
安価で設置も簡単ですが、防犯性能は限定的で、軽度のプライバシー保護や一時的な施錠に適しています。子ども部屋や書斎など、完全な密閉性よりも心理的な区切りを重視する場合に有効です。
鍵付きタイプのドアノブに交換する
既存のドアノブを鍵付きタイプに交換する方法です。円筒錠タイプやレバーハンドルタイプがあり、内側のみ、または外側のみからの施解錠が可能な製品があります。
既存のドアノブと同じサイズであれば、新たに穴を開けることなく取り付けられるため、工事の規模を最小限に抑えられます。
ドアに穴を開けて独立した鍵を設置する

ドアノブとは別に独立した鍵を設置する方法は、もっとも防犯効果が高い選択肢です。デッドボルト(かんぬき)で施錠するタイプの鍵は、こじ開けに対する抵抗力が強く、確実な施錠が可能です。
ただし、ドアに新たに穴を開ける必要があるため、賃貸住宅では注意が必要です。また、設置には一定の技術が必要なため、DIYに不慣れな場合は専門業者への依頼を検討しましょう。
ドアの鍵を後付けするときの注意点
鍵の後付けを成功させるためには、事前の準備と適切な施工が重要です。以下の注意点を確認して、安全で効果的な鍵の設置を行いましょう。
マンションなどの賃貸住宅は後付け工事に許可が必要
賃貸住宅でドアに穴を開ける場合は、必ず事前に管理会社や大家の許可を得る必要があります。無断で改造を行うと、退去時に原状回復費用として高額な請求を受ける可能性があります。
賃貸物件では退去時に元々の状態に戻す原状回復義務があるため、交換したドアノブや設置した鍵は取り外し、元の部品に戻す準備も必要です。
工事不要の補助錠であっても、設置前に管理規約を確認し、必要に応じて事前相談を行うことをおすすめします。
ドアの種類に注意して鍵を選ぶ
開き戸と引き戸、内開きと外開きなど、ドアの種類によって設置できる鍵の種類が制限されます。購入前にドアの開閉方向や構造を確認し、適合する製品を選択することが重要です。
特に引き戸の場合は、専用の補助錠を選択する必要があり、開き戸用の製品は使用できません。また、ドア枠の形状や材質によっても設置可能な鍵が限定される場合があります。
寸法を測ってから取り付ける
ドアノブを交換する場合は、既存の穴の寸法と新しいドアノブの寸法が適合するかを事前に確認する必要があります。サイズが合わない場合は、追加の加工が必要になったり、取り付けができなかったりする可能性があります。
また、誤った取り付け方法や不適切なサイズの製品を使用した場合、鍵本来の防犯効果を発揮できないおそれがあります。DIYに不慣れな場合や、複雑な工事が必要な場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
他の防犯対策と併用する
ドアへの鍵の後付けや二重ロックは重要な防犯対策ですが、防犯効果はじゅうぶんではありません。センサーライトや防犯カメラの設置、窓への補助錠の設置や防犯フィルムの貼り付けなど、複数の防犯対策を組み合わせることで、より防犯力を強化できます。
特に玄関ドアの防犯だけでなく、侵入経路となりやすい窓の防犯対策も検討することをおすすめします。
ご自宅の安全を守るALSOKのサービス
ALSOKでは、防犯対策に役立つスマートロックや窓の補助錠、ホームセキュリティをご提供しています。
スマートロック「SADIOT LOCK2」

スマートロックは従来の鍵と比較して防犯性が高く、利便性にも優れています。
ALSOKがご提供するスマートロック「SADIOT LOCK2」は、工事や特殊な工具は不要で、ご自身で簡単に取り付けが可能です。オートロックやハンズフリー解除の機能が搭載され、セキュリティ面・利便性どちらも強化できます。
遠隔地からの操作や施錠・解錠履歴がリアルタイムで確認できる機能もオプションで追加でき、ご家族の帰宅・外出や鍵の閉め忘れなども管理可能です。
窓の防犯補助錠「ALSOKロック」
玄関ドアの防犯対策だけでなく、窓の防犯も住宅の安全には欠かせません。ALSOKロックは粘着シールで簡単に貼り付けでき、換気中のロックも可能です。
ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」

より強固な防犯対策として、ホームセキュリティの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望にあわせてお選びいただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
オンラインセキュリティは、不審者の侵入や火災などの異常発生時に自動でALSOKが駆けつけます。加えて、スマートフォンを持っているだけで、外出時はワンタッチで警備の設定、帰宅時は自動で警備解除できる機能があります。スマートフォンの持ち忘れ防止機能もあり、スマートロックの場合にも便利です。
また、ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、外出中はもちろん、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
まとめ
後付けできるドアの鍵は、防犯対策やプライバシー保護などの目的に応じてさまざまな種類があります。設置の目的を明確にし、住宅の状況や予算に合わせて適切な方法を選択しましょう。
また、鍵の後付けに加えてセンサーライトや防犯カメラ、ホームセキュリティの導入など、複数の防犯対策を組み合わせることで、効果的な住宅の安全確保が可能になります。ご自宅の状況に合わせて検討されることをおすすめします。