中古マンションと中古一戸建て、どっちを選ぶ?統計データをもとに徹底比較

住み替え 2025.09.29
中古マンションと中古一戸建て、どっちを選ぶ?統計データをもとに徹底比較

近年、住宅市場では中古住宅の流通量が増加しており、新築物件と比較して価格面でのメリットから注目を集めています。現在賃貸物件にお住まいでマイホーム購入を検討されている方の中には、中古マンションと中古一戸建てのどちらを選ぶか迷われている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、統計データをもとに中古マンションと中古一戸建ての違いを客観的に分析し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

目次

中古マンションと中古一戸建ての違い

マンションは、1つの建物に対して複数の世帯が居住し、管理のしやすさや利便性に優れている一方、一戸建ては主に1世帯のみが居住する独立した1棟の住宅で、プライバシーや自由度が高いのが特徴です。過去に人が住んだことのある分譲集合住宅のことを「中古マンション」、過去に人が住んだことのある一戸建て住宅のことを「中古一戸建て」といいます。
ただし、一度も人が住んだことがなくても、建設完了から1年を経過した場合は新築と表記できないため、「中古物件」または「未入居物件」として扱われることが多いです。完成から1年以上2年未満の場合は、「新古マンション」「新古物件」と呼ばれることもあります。

中古マンションと中古一戸建ての融資割合

融資区分(建て方)別の内訳

出典:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査

2024年度フラット35利用者調査によると、中古マンションの融資割合は10年間で4.5pt増加している一方、中古一戸建ての増加率はさらに大きく、10年間で12.9pt増加しています。

首都圏における中古住宅の成約件数を見ると、2025年3月は中古マンションが4,991件、中古一戸建てが2,196件となっています。前年同月比では中古マンションは31.0%、中古一戸建ては62.8%の大幅増となっており、特に中古一戸建ては市場流通量が着実に増加傾向にあることが伺えます。

参考:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所「不動産市場動向データ集

中古マンションのメリット・デメリット

中古マンションにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。

中古マンションのメリット

まずは、中古マンションのメリットから見ていきましょう。

管理会社に管理を依頼でき、セキュリティ性が高い

建物の管理や共有設備の修繕などを管理会社に任せられるのは、中古マンションの大きな利点です。中古マンションでは、共用部分の維持管理を管理会社へ依頼しているケースが一般的なため、個人で行うメンテナンスの負担が少なくなります。
また、オートロックや管理人の常駐など一定のセキュリティが備わっています。ただし、オートロックの隙をついた侵入などもあるため、油断せずに防犯意識を持つことが大切です。

立地が良く、資産価値が高い

中古マンションは、駅近など立地が良い場所に建てられていることが多いです。利便性の高い立地は日常生活の快適性だけでなく、将来の資産価値維持にも寄与します。
国土交通省の調査によると、木造の一戸建て住宅は築20年程で建物の価値がほぼなくなりますが、中古マンションは60%前後の価格査定になります。マンションは立地や管理状況によっては資産価値を維持しやすい傾向があります。

参考:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状

中古マンションのデメリット

中古マンションのデメリットについては、以下が挙げられます。

ランニングコストが高い

中古マンションを所有すると、購入価格以外に管理費、修繕積立金、駐車場代などのランニングコストが発生します。そのため、住宅ローンの支払いが終了しても毎月の負担はゼロになりません。特に中古マンションでは、築年数が経っている分、修繕積立金が高くなる傾向があります。入居前に長期修繕計画を確認し、将来的な負担を把握しておくことが重要です。

リフォーム・リノベーションの範囲が限られる

中古マンションでリフォームやリノベーションを行う場合、工事ができる範囲は専有部分に限定されます。玄関ドアやバルコニー、サッシなどは共用部分に該当するため、リフォームできません。
また、専有部分であっても、管理規約によって使用できる材質や工法が制限されている場合があるため、入居前に管理規約を十分確認することが必要です。

中古一戸建てのメリット・デメリット

中古一戸建てにも、メリットとデメリットの両方が存在します。

中古一戸建てのメリット

まずは、中古一戸建てのメリットを見ていきましょう。

床面積が広い

一戸建てはマンションよりも広い床面積を確保できることが多く、ゆとりのある住環境を実現できます。令和6年度住宅市場動向調査によると、中古マンションは延べ床面積の平均が66.5㎡である一方、中古一戸建ては100.5㎡と、広い床面積を確保できています。子どもの成長や在宅ワークスペースの確保など、将来的なライフスタイルの変化にも対応しやすい特徴があります。

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

専有の庭や駐車場を持てる

中古一戸建ての魅力として、専有の庭や駐車場を持てる点が挙げられます。自分の庭があれば、子どもの遊び場や家庭菜園を楽しむ場として活用することが可能です。
また、駐車場が敷地内にあることで月々の駐車場代が不要となり、長期的なランニングコストの削減につながります。車を頻繁に利用する世帯にとっては大きなメリットとなります。

中古一戸建てのデメリット

中古一戸建てのデメリットとしては、以下が挙げられます。

管理の状態を適切に把握できない

中古一戸建ての購入において注意すべき点は、過去の管理状況の適切な把握が困難な場合があることです。マンションの場合、大規模修繕工事の記録が管理組合に残されていることが多いですが、一戸建て住宅にはそのような記録がないため、建物の管理状況を把握しにくいという特徴があります。住み始めてから予期しない修繕が必要となるケースもあるため、事前の建物調査や住宅診断(ホームインスペクション)の実施を検討することが重要です。

修繕の費用がかかる

中古一戸建ては、築年数の経過とともに、修繕費用がマンション以上にかかる傾向があります。屋根、外壁、設備機器など、建物全体の維持管理費を所有者自身が負担しなければなりません。リフォームの自由度が高いことはメリットである一方、工事範囲が広いと費用がかさむデメリットもあります。計画的なメンテナンスと資金準備をしておくことが重要です。

【統計データ別】中古マンションと中古一戸建ての比較

ここからは、国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」の統計データを用いて、住宅別に選んだ理由や資金調達の方法、世帯、建築時期やリフォームの有無を比較していきましょう。

選択理由別の比較

住宅の選択理由「既存(中古)集合住宅取得世帯」

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

中古マンション購入者の主な選択理由としては、「価格が適切」「立地環境が良い」「交通の利便性が良い」が上位に挙がっています。都市部での利便性を重視する世帯に選ばれている傾向があります。

住宅の選択理由「既存(中古)戸建住宅取得世帯」

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

一方、中古一戸建て購入者の選択理由は、「価格が適切」「一戸建てだから」「住宅の立地環境が良い」「住宅のデザイン・広さ・設備等が良い」が上位に挙がっています。
一戸建てならではの広さや間取りの自由度を求める世帯に支持されており、特に子育て世代からの人気が高い特徴があります。

資金調達別の比較

住宅購入資金 既存(中古)集合住宅
住宅購入資金 既存(中古)戸建住宅

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

住宅購入における資金調達の実態を見ると、中古マンションと中古一戸建ての令和6年度の住宅購入資金はどちらも平均3,000万弱となっていますが、中古マンションについては、5年前と比較して600万円以上増加しています。新築マンションの価格上昇にともない、中古マンションも相対的に価格が上がっていると考えられます。

また、中古マンション購入者の方が自己資金比率はやや高い傾向があります。
住宅ローンの年間返済額は中古マンションが109.3万円、中古一戸建ては114.0万円と同程度です。住宅ローンの返済期間については、中古マンションが平均27.7年、中古一戸建ては平均25.5年です。

世帯別(年齢・年収)の比較

世帯主の年齢

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

世帯主の年齢構成を見ると、平均年齢は差がないものの、中古マンションは60歳以上の世帯主がやや多くなっています。老後の住み替え先として中古マンションを選ぶ方が多いと想定できます。

世帯年収

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

世帯年収を見ると、中古一戸建て購入者の世帯年収の平均は699万円で、中古マンション購入者の世帯年収の平均は717万円と僅差です。
一方で、400万円未満世帯の割合は中古マンション購入者の方がやや大きく、年収が低い世帯から選ばれていることが分かります。

居住人数

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

居住人数を見ると、中古一戸建て購入者の居住人数は平均3.2人で、子どものいる世帯の購入が多く見られます。
一方で、中古マンション購入者の居住人数は平均2.5人となっており、単身や夫婦のみ、少人数世帯の購入が多い傾向があります。

建築時期とリフォームの有無の比較

建築時期

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

購入物件の建築時期については、中古マンションの場合は「昭和 60 年~平成 6 年」が19.3%ともっとも多いですが、幅広い建築年の物件が取引されています。一方で、中古一戸建ての場合は「平成7年~平成16年」が23.5%ともっとも多く、建築年が比較的新しい物件が選ばれる傾向があります。

購入前後のリフォーム 既存(中古)集合住宅
購入前後のリフォーム 既存(中古)戸建住宅

参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書

令和6年度の購入前後のリフォームの実施状況を見ると、中古マンションは79.1%(青・黄・緑の合計値)、中古一戸建ては69.4%と高くなっています。特に中古マンションにおいては「売主によるリフォームのみ」の割合が半数弱を占めており、リフォーム済み物件の需要が高いことが伺えます。

統計データから中古マンション・中古一戸建てそれぞれの特徴が見えてきました。しかし、数字だけでは判断できない重要なポイントもあります。実際の住まい選びで後悔しないために、以下の注意点も合わせて検討しましょう。

中古住宅を検討する際の注意点

中古住宅を検討する際は、建物の状態や防犯・災害対策など、さまざまな観点から慎重に判断することが重要です。

住宅の劣化状況を把握し、適切な資金計画をたてる

中古住宅は、新築と比較して物件価格を抑えられる反面、リフォームや修繕により予想以上の費用がかかることがあります。特に、見落としていた劣化が入居後に判明し、想定外の出費が発生するケースも少なくありません。購入前には、住宅診断(ホームインスペクション)を専門業者に依頼し、建物の状態を客観的に把握することが重要です。保証内容や修繕履歴も確認し、適切な資金計画をたてることが安心した住まい選びにつながります。

災害リスクを確認する

住宅購入時は、自治体発行のハザードマップを活用し、地震、洪水、土砂災害などのリスクを確認しましょう。中古住宅は耐震基準を満たしていない建物の可能性もあるため、特に注意が必要です。
また、木造の中古一戸建ては、地震による倒壊や浸水のリスクが高い傾向にあります。過去の災害履歴や地盤の状況も調査し、耐震基準を満たしている物件を選ぶ、またはリフォーム時に耐震補強をするなどの対策が求められます。

周辺の治安状況や防犯リスクを確認する

中古住宅は、新築住宅と比較して建物・設備が古いため、防犯リスクが高まる可能性があります。特にマンションは物件によってセキュリティレベルに差があるため、オートロック、防犯カメラなどの有無を確認しましょう。
警察署の犯罪統計や地域の事件発生状況、居住予定地の防犯ポータルサイトや自治体の防犯ページなどから、治安状況を確認しておくと良いでしょう。
売主や不動産業者からの情報収集も効果的です。また、現地を実際に歩いてみて、駅から物件までの人通りや街灯の設置状況なども見ておくと安心です。

中古マンション・中古一戸建てへの入居を検討する際は防犯対策も欠かさず行おう

マイホームの防犯対策

警察庁の統計によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一戸建て住宅での発生がもっとも多く、全体の約3割を占めています。また、マンションなどの共同住宅でも全体の約1割の被害が発生しており、住宅形態に関わらず防犯対策が必要であることが分かります。特に中古住宅の場合、建築年数の経過により玄関や窓枠などが古くなっている可能性があり、新築物件と比較して防犯リスクが高まる傾向があります。
適切な防犯対策を講じることで、安心して生活できる環境を整えることが重要です。

出典:警察庁 住まいる防犯110番

中古マンションの防犯対策

中古マンションを検討する際は、セキュリティ性の高い物件を選ぶことが重要です。オートロックがない場合は、モニター付きインターホンや補助錠の設置を検討しましょう。
なお、オートロックがある物件でもすり抜けられるリスクがあるため過信はせず、日頃から防犯意識を持つことが大切です。
また、窓ガラスは共用部分に該当するため、防犯フィルムなどの設置には管理組合の許可が必要な場合があります。入居前に管理規約を確認し、実施可能な防犯対策の範囲を把握しておきましょう。

中古一戸建て住宅の防犯対策

中古一戸建て住宅には元々防犯設備が備わっていないことが多いため、リフォームやリノベーションにより防犯性を高める必要があります。玄関ドアの交換、防犯性の高いディンプルキーへの交換、補助錠やスマートロックの設置、窓への防犯ガラスや防犯フィルムの設置などが効果的です。防犯カメラやセンサーライトの設置も有効で、特に庭のある住宅や駐車場を持つ住宅では、死角となりやすい場所への設置が防犯効果を高めます。

新居での安全な生活を支えるALSOKのサービス

新居での生活のスタートには、安全と安心が欠かせません。侵入窃盗や火災からご自宅を守り、安心できる暮らしを支える住環境づくりをALSOKがサポートします。

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まとめ

中古マンションと中古一戸建ては、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあるため、個々の家庭の価値観や優先順位に応じた選択が重要です。また、購入時には、物件の劣化状況や災害リスク、防犯面を新築住宅以上に慎重に確認することで、安心できる住環境を築くことができます。十分な情報収集と検討を行い、納得のいく住まい選びを目指しましょう。

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