中古住宅(一戸建て)購入の注意点は?統計データをもとに解説

住み替え2026.09.30更新(2025.09.30公開)
中古住宅のイメージ

本記事では、国土交通省の住宅市場動向調査などの統計データをもとに、中古住宅(一戸建て)のメリットや購入までの流れ、費用相場、注意点を詳しく解説します。

マイホームの購入を検討されている方にとって、中古の一戸建ては魅力的な選択肢の一つです。中古一戸建ては、新築住宅と比較して価格面や立地などのメリットがある一方、購入前に把握すべき注意点も存在します。「住み始めてから追加費用がかかるのではないか」「築年数が古い物件でも安心して住めるのだろうか」など、中古一戸建てならではの不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

【この記事で分かること】

  • 中古一戸建てのメリット
  • 購入時に確認しておきたい注意点
  • 購入までの流れと費用相場
  • 中古一戸建てを購入している世帯の傾向

目次

中古一戸建てとは?

中古一戸建てとは、過去に一度でも人が住んだことがある住宅のことです。また、完成後1年以上が経過した住宅は、未入居であっても中古物件(未入居物件)として扱われる場合があります。
中古一戸建ての大きな特徴は、新築の一戸建てと比較した場合の購入価格の安さにあります。新築物件の価格には、建築費のほかに土地代、販売会社の利益なども含まれるため、同じ立地・広さでも中古の方が価格を抑えられる傾向にあります。

中古一戸建てのメリット

中古一戸建てには、次のようなメリットがあります。

  • 新築より購入価格を抑えやすい
  • 実物・周辺環境を確認してから購入できる
  • リフォーム済み物件は早期に入居しやすい

新築より購入価格を抑えやすい

新築の一戸建てと比較した際の購入価格の安さは、中古一戸建ての大きな特徴です。建物は築年数の経過とともに、市場での資産価値が下がっていく傾向があり、これが中古住宅の価格を抑えやすくしている一因と考えられます。

実物・周辺環境を確認してから購入できる

新築のうち注文住宅は契約時点で建物が未完成であることが多く、「実際に住んでみたらイメージと違った」と感じる可能性もあります。一方、中古一戸建ては、内覧時に完成した建物の状態に加え、周辺の交通量や人通り、生活利便性、防犯面で気になる点などもあわせて確認できます。そのため、入居後の暮らしをイメージしながら購入を検討できるというメリットがあります。

リフォーム済み物件は早期に入居しやすい

国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」によると、中古一戸建て住宅の購入前後、いずれかのタイミングでリフォームを実施した世帯は71.8%にのぼります。リフォーム済み物件は、購入後に大規模な工事を行う必要がなければ、比較的早く入居できる点も、新築や未リフォームの中古と比べた際の強みといえます。

※調査対象は三大都市圏の「既存(中古)一戸建て住宅」に住んでいる方です。
※三大都市圏とは、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)・中京圏(岐阜・愛知・三重)・近畿圏(京都・大阪・兵庫)を指します。(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」の定義)

出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」

中古一戸建てを購入する際の注意点

中古一戸建てを購入する際は、さまざまな観点から総合的に判断することが重要です。

  • リフォーム費用も加味して検討する
  • 住宅ローン控除の対象かチェックする
  • 再建築不可物件ではないか確認する
  • 築年数と耐震性をしっかり調べる

リフォーム費用も加味して検討する

購入価格が安くても、実際に快適な生活を送るために、多額のリフォーム費用が必要な場合も少なくありません。特にキッチン、浴室、トイレなどの水回りや電気設備、給排水管は、築年数に応じて交換が必要になる場合があり、一定の費用がかかります。内覧時には、各設備の状態をよく確認しておくことが重要です。

住宅ローン控除の対象かチェックする

住宅ローン控除(減税)とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末の住宅ローン残高に応じて所得税などが控除される制度です。中古住宅の住宅ローン控除では、原則として「昭和57年(1982年)1月1日以降に建築された住宅」が対象です。これより古い住宅でも、耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1~3)、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書のいずれかにより、耐震基準を満たしていることを証明できれば、対象となる場合があります。
このほか、床面積や所得などの要件もあります。住宅ローン控除を利用できるかどうかは資金計画にも関わるため、購入前に対象となるかを確認しておきましょう。

参考:No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

再建築不可物件ではないか確認する

建築基準法に基づき、現在の建物を取り壊した後に新たな建物を建築できない土地を「再建築不可物件」と呼びます。再建築不可物件は建て替えができないため、将来的な資産価値の維持や活用に大きな制限が生じます。万が一、契約後に再建築不可であることが判明した場合は、契約不適合責任により売主に対して損害賠償請求や契約解除が可能な場合もありますが、事前の確認がもっとも重要です。

築年数と耐震性をしっかり調べる

1981年6月以前に建築された建物は旧耐震基準で建てられており、現行の耐震基準を満たしていない可能性があるため、耐震性能を確認することが重要です。特に中古住宅の場合、築年数の経過により建物の劣化が進行し、当初の耐震性能が維持されていないおそれもあります。
築年数の古い物件を購入する場合は、専門家による建物状況調査(ホームインスペクション)の実施がおすすめです。災害リスクや防犯面を総合的に考慮し、家族の安全を確保できる物件かどうかを慎重に判断する必要があります。

中古一戸建てを購入するまでの流れ

中古一戸建てを購入するまでの基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 物件探し
  2. 物件の内覧
  3. 購入の申し込み
  4. 住宅ローンの事前審査
  5. 重要事項説明・売買契約
  6. 住宅ローン契約
  7. 決済・引き渡し

まずは予算や希望条件を整理して、物件を絞り込みます。国土交通省の住宅市場動向調査によると、物件探しの段階では、住宅購入者の多くがインターネットを活用して物件情報を収集しています。
物件の内覧では、現地で実際の建物の状態を確認できるため、設備の劣化状況や周辺環境などをよく見ておくことが重要です。駅までの道のりに人通りはあるか、建物周辺に街灯は十分設置されているかなど、防犯面で気になる点も確認しておきましょう。
購入の申し込み後、住宅ローンを利用する場合は金融機関の事前審査を進めます。重要事項説明では、物件の権利関係や法令上の制限、契約条件などについて説明を受け、売買契約の締結に至ります。最終的な住宅ローンの本審査・契約を経て、決済と引き渡しが完了します。

物件探しから引き渡しまでの期間は、2カ月~半年程度が目安です。中古住宅は売主が居住中の場合や、購入後にリフォーム・リノベーションを行う場合もあるため、引き渡しまでに時間がかかることがあります。

中古一戸建ての費用相場

令和7年度の住宅市場動向調査によると、中古一戸建て(三大都市圏)の購入資金の平均は2,966万円、自己資金は1,130万円となっています。購入にかかる費用の目安は、以下の表のとおりです。

項目 令和7年度
購入資金総額(平均) 2,966万円
自己資金(平均) 1,130万円
自己資金比率 38.1%
住宅ローン年間返済額 111.3万円
返済負担率 16.7%
平均返済期間(うち35年以上の割合) 29.0年(52.6%)
金利タイプ(変動金利型) 83.6%
融資を断られた経験がある割合 17.4%

出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」

中古一戸建て購入資金の平均額と内訳

中古一戸建ての購入資金は平均2,966万円、うち自己資金は1,130万円です。

住宅購入資金 既存(中古)戸建住宅

出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」

自己資金比率は令和6年度36.6%から令和7年度は38.1%でほぼ横ばいとなっています。
また、住宅ローンの年間返済額は平均111.3万円、平均返済期間は29.0年(うち35年以上が52.6%)で、金利タイプは変動金利型が83.6%を占めています。また、融資を断られた経験のある世帯は17.4%となっています。

統計データで見る中古一戸建て購入世帯の傾向

ここからは統計データをもとに、中古一戸建ての選択理由や妥協した点、購入世帯の年齢・年収・居住人数について見ていきましょう。

中古一戸建てを選択した理由

順位 住宅の選択理由 令和7年度
1位 価格が適切だったから 62.5%
2位 一戸建てだから 53.8%
3位 住宅の立地環境が良かったから 36.8%
順位 設備等に関する選択理由 令和7年度
1位 間取り・部屋数が適当だから 77.8%
2位 住宅の広さが十分だから 76.4%
3位 台所の設備・広さ 27.8%
9位(最下位) 防犯性能の高さ 2.8%

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

中古一戸建ての選択理由でもっとも多いのは「価格が適切だったから」でした。次いで、「一戸建てだから」「住宅の立地環境が良かったから」となっています。また、設備等に関する選択理由では、「間取り・部屋数が適当だから」「住宅の広さが十分だから」という回答が多く、価格に加え、居住空間や立地条件も重視されていることがうかがえます。
中古一戸建ての取得世帯は購入後のリフォームを検討している人もいるため、その場合は購入時点では住宅性能よりも部屋の広さなどを優先していると考えられます。

既存(中古)住宅にした理由

順位 項目 令和7年度
1位 予算的にみて既存(中古)住宅が手頃だったから 70.0%
2位 新築住宅にこだわらなかったから 39.9%
3位 リフォームを前提としていたから 29.6%

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

新築ではなく中古住宅にした理由は、「予算的にみて既存(中古)住宅が手頃だったから」が70.0%と最も多い結果でした。このことから、中古住宅取得において価格が重視されていることがうかがえます。
また、新築住宅にこだわらない購入者も多く、リフォームによって、内装や設備を希望に合わせて整えられる点も評価されていると考えられます。

中古一戸建て購入時に妥協したポイント

順位 項目 令和7年度
1位 価格(予定より高くなった) 22.5%
2位 交通の利便性 20.6%
3位 間取り、部屋数/デザイン 15.0%

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

中古一戸建てを選ぶにあたり妥協したものは、「価格(予定より高くなった)」が22.5%で最も多く、次いで「交通の利便性」が20.6%、「間取り、部屋数/デザイン」が15.0%でした。

中古一戸建てを購入した世帯主の年齢・世帯年収・居住人数

項目 令和7年度
世帯主の平均年齢 47.3歳
平均世帯年収 703万円
平均居住人数 3.1人(最多は3人世帯28.5%)

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

世帯主の平均年齢は47.3歳、平均世帯年収は703万円、平均居住人数は3.1人でした。世帯主は40代、次に50代の割合が多く、子どもの成長などライフステージの変化が購入の一因となっている可能性も考えられます。

中古一戸建てのリフォーム・インスペクション・瑕疵保険について

ここからは、中古一戸建ての建築時期や購入前後のリフォーム状況、インスペクション・瑕疵保険の実施の有無について見ていきましょう。

建築時期・築年数の傾向

項目 令和7年度
平成7年~平成16年(最多) 20.9%
平成17年~平成26年 17.8%
昭和60年~平成6年 17.0%
平成27年~令和6年 10.3%
平均築後年数 27.1年

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

購入された中古一戸建て住宅の建築時期を見ると、「平成7年~平成16年」がもっとも多く、全体の20.9%を占めています。平均築後年数は27.1年で、築20~30年前後の物件が購入対象の一つとなっていることがうかがえます。

購入前後のリフォームの実施状況

購入前後のリフォーム既存(中古)戸建住宅

出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」

購入前後にリフォームが実施された物件の割合は71.8%にのぼっています。中古物件を選択する理由として、「リフォームされており、きれいだった」「リフォームで快適に住めると思った」という回答があったことから、家族構成やライフスタイルを考慮してリフォーム済み物件に価値を感じている人が多いと考えられます。

インスペクションの実施状況

インスペクションの実施状況は、「売主が実施した」が13.0%、「自身で検査人に依頼し、実施した」が3.6%となっており、買主自身ではなく売主側が実施している場合が多いです。住宅の状態を事前に調査することで買主の不安を取り除き、円滑な取引につながっているケースが一定数あると考えられます。
一方で、「実施していない」が36.4%、「分からない」が45.5%という結果でした。

瑕疵保険への加入状況

瑕疵保険に「加入した」世帯は20.6%という結果の一方で、「加入していない」世帯が25.3%、「加入の有無を把握していない」世帯が51.4%と半数以上を占めている状況です。中古一戸建ての購入において、瑕疵保険の役割や加入状況を確認する重要性が十分に認識されていない可能性があります。

中古一戸建て購入後は防犯対策も欠かさず行おう

警察庁の統計によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数のうち、一戸建て住宅が全体の約3割を占めています。特に中古一戸建ては、築年数や管理状況によって玄関ドアや窓、鍵などが劣化しているおそれがあり、防犯性能の向上を目的とした交換・改修を検討することが大切です。

出典:警察庁 住まいる防犯110番

玄関や勝手口はディンプルキーなどの防犯性能の高い鍵に交換する、ワンドア・ツーロックにする、窓は防犯ガラスや面格子を設置するなどして侵入に時間をかけさせることで、侵入をためらわせる効果が期待できます。さらに、防犯カメラやホームセキュリティを導入すれば、侵入者への抑止力や万が一の際の対応力を高めることにつながります。
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中古一戸建てに関するよくある質問

Q:中古一戸建て購入時には、物件価格以外にどのような費用がかかる?

A:中古一戸建てを取得した世帯のうち、仲介を通じて購入した世帯が84.6%を占めており、多くの場合で仲介手数料が発生します。物件価格に加えて、仲介手数料や登記費用、各種税金などの諸費用も資金計画に含めて検討することが大切です。

出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」

Q:リフォーム済みの中古一戸建てと購入後にリフォームする中古一戸建て、どちらを選ぶべき?

A:リフォーム済み物件は比較的早く入居でき、実施済みの工事費が販売価格に反映されているため、資金計画を立てやすいのが特徴です。一方、購入後のリフォームは、間取りや設備を自由に設計できる反面、工事期間や費用がかかります。入居を急ぐ方や資金計画を明確にしたい方はリフォーム済み物件、こだわりを重視し時間に余裕がある方は購入後リフォームが向いています。リフォーム済み物件を選ぶ際は、工事範囲や保証内容、追加工事費用を確認しておきましょう。

まとめ

中古住宅は、予算や希望条件に応じてマイホームを検討する際の選択肢の一つです。価格を抑えやすい一方で、リフォーム費用や耐震性、住宅ローン控除の適用条件など、購入前に確認しておきたいポイントも少なくありません。本記事でご紹介した統計データと注意点を参考に、必要な準備を整え、無理のない購入計画を立てたうえで、安心できるマイホーム選びを進めていきましょう。あわせて新居での防犯対策も行い、安全な暮らしのスタートにお役立てください。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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