AEDには耐用期間がある!AEDの点検時と廃棄方法のポイント

AEDには耐用期間がある!AEDの点検時と廃棄方法のポイント
2024.02.20更新(2023.03.28公開)

AEDには耐用期間が設けられており、除細動パッドやバッテリーなどの消耗品は使用期限を迎えると処分・交換しなければなりません。いつでも正常にAEDを使用できる状態にしておくためには、AEDの耐用期間や使用期限、消耗品の交換時期を日頃からチェックしておくことが大事です。
この記事では、AEDの耐用期間の確認の仕方とあわせて、点検や廃棄方法のポイントをご紹介します。

目次

AEDの点検は義務化されている?

AEDの点検は、法律で義務化はされているわけではありません。しかし、AEDを適切に管理していなければいざというときに作動せず、傷病者に大きなリスクを与えるおそれがあります。

ある救急隊の事例では、心肺停止状態の患者を搬送していた救急車内で、AEDがバッテリー不良により正常に作動せず、患者は搬送先の病院で亡くなってしまいました。
このような事態が起きた原因は、AEDの点検前に出動要請があったため、未点検の状態のまま現場へ向かったことです。その結果、AEDのバッテリー切れで患者の命を救えなかったことが問題とされました。

いつでも適切に使用できるように、日常的にAEDの耐用期間や消耗品の使用期限などの点検を実施する必要があります。

日常点検での確認事項

AEDを設置したら、以下の項目について日々点検を行うようにしましょう。

インジケーターの確認

インジケーター

目視で簡単に確認できる「ステータスインジケーター(機器のおもに上部に設けられている、AED使用の可否を示すランプ状の表示箇所)」を、AEDが目に入るたびチェックしましょう。インジケーター表示に関してはメーカーや機種によって動作パターンが異なりますので、取扱説明書に基づいて対処し、解決できないようならメーカーや販売店に相談しましょう。

外観の損傷の有無

本体の外観に損傷がないか、部品の欠損や破損・汚損などがないか、日々目視でチェックしましょう。

消耗品の交換

傷病者に貼り付ける除細動パッドは使い切りタイプとなるため、一度使用したら必ず新しいものに交換してください。使用期限が経過すると十分な効果を得られないため、たとえ未使用の場合でも使用期限が近づいていれば交換が必要です。
また、AEDの要の部品ともいえるバッテリーも消耗品です。電池切れの状態ではなくても、使用期限前に交換しましょう。

AED点検時のポイント

AED点検時のポイント

AEDは日々行う日常点検と、決まった時期に行う定期点検の両方(日常点検のみのAEDもあります)により、いつでも正常に使用できる状態にしておく必要があります。以下のポイントを押さえ、AEDをいつも正常に保つようにしましょう。

継続的な点検と記録

日常点検等を怠らずに実施しましょう。点検したら必ず記録を残し、記録も定期的にチェックします。また点検の担当者が交代する際にも、確実な引継ぎを実施してください。メーカーや販売会社が点検に関するサポートサービスを提供している場合もあるため、日常的な点検が困難なときはそれらのサービスの活用も一案です。

製造元のはがきやメールを確認

製造元のメーカーからはがきやメールが送られてきたら、その内容を必ず確認しましょう。定期メンテナンスのお知らせなどはもちろん、場合によっては改善対策措置などの重要な情報が記載されていることがあります。

耐用期間(耐用年数)・使用期限の確認

AEDの本体には耐用期間が設けられており、消耗品には使用期限があります。
AED本体の耐用期間は、製造販売業者が使用環境、使用回数などを考慮して設定しています。耐用期間は取扱説明書に記載されているため、予め確認しておきましょう。

また、除細動パッドやバッテリー等消耗品にも使用期限があります。除細動パッドは、本体に使用期限が記載されたシールが貼られていることが多いため、期限を迎えると交換が必要です。バッテリーは使用期限前でも劣化してくると正常に動作しなくなるため注意が必要です。
定期的に確認し、耐用期間や使用期限を経過していれば速やかに新しいものへ入れ替えを行ってください。

一般的な耐用期間(耐用年数)・使用期限

AEDの耐用期間には、機器の耐用期間と法定耐用期間があります。法定耐用期間とは、税法で規定されている耐用年数のことで、減価償却の期間のことです。AEDの一般的な耐用期間は7~8年で、法定耐用期間は4年となっています。

AED本体の廃棄・処分方法

AED本体の廃棄方法

AEDは医療機器であるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律に基づいて適切に廃棄処理を行わなければなりません。医療機器は産業廃棄物として扱われており、万一不法投棄などがあれば環境に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

AED本体の廃棄・処分方法

AED本体を廃棄する際は、廃棄登録を行う必要があります。そのため、必ず購入した販売店もしくはメーカーまでご連絡ください。その後、企業や団体で所有していたAED本体は自治体へ確認後、産業廃棄物として処理し、医療機関では医療廃棄物として処理を行ってください。

除細動パッド(消耗品)の廃棄・処分方法

AEDに付属している除細動パッドは消耗品のため、一度使用した場合は、再利用できません。また、耐用期間を過ぎている場合も使用できないため処分が必要です。
除細動パッドを処分する際、AEDを使用し除細動パッドに体液が付着している場合は、医療廃棄物として処理する必要があります。それ以外の場合や未使用のものは一般廃棄物として処分可能なため、自治体の廃棄方法にしたがって処理してください。

バッテリー(消耗品)の廃棄・処分方法

バッテリーは、法令に基づいて廃棄・処分する必要があります。自治体によって廃棄方法やリサイクル方法が異なるためしっかりと確認し、それらにしたがって処分しましょう。

ALSOKのAED販売・レンタルサービス

ALSOKのAED販売・レンタルサービス

AEDは一般の人でも使用できる医療機器として、さまざまな場所に設置が推奨されています。また、設置するだけでなく耐用期間の確認や消耗品の交換など、いざという時に正常に使用できるよう日々の点検や消耗品の交換が必要です。

耐用期間の確認や消耗品の交換などの対応を徹底することが難しい場合は、販売店などが提供しているサービスの利用がおすすめです。
ALSOKでは、AEDの販売・リース・レンタルから消耗品の管理、講習までトータルでサポートしています。警備会社のノウハウを活かした独自の管理システムによって、AED本体や消耗品の交換時期が適切に通知されるため、交換やメンテナンスを忘れることがありません。
また、パッケージレンタルプランでは、定期消耗品を交換時期にお届けしたり、使用した場合に消耗品を無償でお届けします。さらに、通常使用時の故障等の際は、お客様にご負担をかけることなく交換が可能です。

AED本体も用途や設置環境に合わせて幅広く取り揃えており、さまざまなニーズに対応しています。AEDの設置を検討している方は、ぜひトータルサポートを行っているALSOKにご相談ください。

ALSOKのAEDについて詳しくはこちら

まとめ

AEDを使用する機会はいつ訪れるか分かりません。万一の事態でも確実にAEDが動作するよう、導入後は日常点検や消耗品の交換を確実に行い、いざというときに正常に使用できるように備えましょう。また、AED本体や消耗品は各自治体の廃棄方法に従って廃棄してください。