ビジネスの課題・お悩み ここで解決!

AEDはどこに設置する?設置場所や耐用期間・管理について

AEDはどこに設置する?設置場所や耐用期間・管理について
2021.03.26

AED(自動体外式除細動器)は急な心疾患によって起こる「心室細動」という症状を、電気ショックにより正常に戻すことを目的とした医療機器です。2004年からは、医療従事者に限らず一般の人も使用して人命救助措置を行えるようになり、医療機関にとどまらず街のさまざまな場所で設置されるようになりました。
この記事では、AEDの設置が望ましいとされる場所や機器の点検に関する情報、耐用期間や管理方法についてご紹介します。

AED設置は義務?

AED設置は義務?

AEDを、自社やその構内に設置したいと考えている方も少なくないでしょう。ここでは、企業によるAED設置の是非やその必要性についてご紹介します。

AED設置が望ましい場所とは

法律でAEDを設置する義務が課せられている企業や施設などは、現在のところありません。ただし、特定の施設にAED設置を必要とする救急条例などを設けている自治体が複数あります。また、法律によって設置を義務付けられてはいないものの、設置が望ましいとされている場所は具体的に挙げられています。基本的に多くの人が集まるとされる商業施設や大規模な集合住宅、スポーツ競技やイベントの会場などは、設置が望ましい場所とされています。
なお、厚生労働省の「AEDの適正配置に関するガイドライン」では、さらに具体的に場所や施設を挙げて設置を推奨しています。あとの項目「AEDの設置場所」で、その詳細をご紹介します。

企業の安全配慮義務

企業には「安全配慮義務」と呼ばれる、従業員が安全に働ける環境を整えるための配慮や対策を行う義務が課されています。それに沿った考え方に基づけば、企業内にAEDを設置することも安全配慮の観点から非常に望ましいと考えられるでしょう。

心停止の発生頻度によるAED設置の目安

以下のグラフは、厚生労働省発表「人口動態統計の概況」令和元年のデータをもとにした、おもな疾病による死因別死亡者数をまとめたものです。

令和元年のおもな疾病による死因別死亡者数の
					まとめグラフ

国内での死者数が最も多い疾病はがんなどの「新生物」によるものですが、心疾患による死者数も年間20万人以上と非常に多くなっています。なお「心疾患を含む循環器系疾患」で数えた場合の総数は35万人余りに上り、新生物による死者数に迫る人数となります。心疾患で亡くなる人がこれだけ多い事実を踏まえると、AEDによる救命措置で助けられる人をもっと増やしていく取り組みが急務であると分かります。

【AED使用で救命率を上げられる場所とは?】

同じく厚生労働省の発表によると、ある大規模試験の結果AEDの使用による救命率の向上が証明できた施設は、以下の2つの特徴を持っていました。

  • 心停止が2年に1件以上目撃されている場所
  • 50歳以上の成人250人以上が1日あたり16時間以上いる施設

欧州のガイドラインではこの結果を踏まえ、2005年に「心停止が発生する可能性が高い場所」として空港やスポーツ施設など「少なくとも2年に1件は心停止発生の可能性がある施設」にAED設置を推奨しました。
これは現在、「5年に1件以上心停止の可能性がある場所」に変更されています。
アメリカも同様で、5年に1件以上心停止の可能性がある公共の場所にAEDの設置を推奨しています。この取り組みにより、公共の場において発生する心停止の3分の2をカバーできるといわれています。

AEDの設置場所

AEDの設置場所

前の項目で挙げたAED設置を推奨する場所の要件に沿って考えると、企業の事業所はAED設置が特に望ましい場所のひとつと見なして良いでしょう。ここでは、社内での業務中・休憩中における急病人の発生といったAEDが必要となる場面や、設置にあたって考慮が必要な点についてご紹介します。

社内でAEDが必要となる場面とは

社内にいる人が業務中や休憩中に突然倒れてしまったなど、AEDによる救急措置の必要性が予測される状況に立ち会った場合、周囲の人はどのような行動をとればよいのでしょうか。現在発症中の傷病者に意識がなく、呼吸が確認できない場合はAEDによる救命措置が必要な可能性があるとみられます。
倒れた人に声をかけたり肩を叩いたりして反応がなければ「意識がない」と判断できます。それに加えて、正常に呼吸をしていない場合は人命が危険な状態にあるとみられ、AED使用の必要性があると考えて良いでしょう。

AEDの設置にあたり考慮すべきこと

AEDを設置する場所は基本的に多くの人が集まる場所や施設、イベント会場などですが、それらには広い施設も多いため、施設内のどの箇所に設置するかも考慮しましょう。AEDの設置箇所が倒れた人から離れていれば、誰かが持ってくるまで時間を要し、救助にかかる時間も長くなる可能性があります。
施設内の設置箇所として「人目に付きやすい」「誰でも取りに行ける」「エレベーターや階段付近」などの要件を考慮し、最適な設置箇所を検討してください。
厚生労働省が資料として公開している、一般財団法人日本救急医療財団の「AEDの適正配置に関するガイドライン」によると「心停止発生から5分以内にAEDによる処置が可能な場所」への設置が望ましいとされています。
仮に1分あたり150mの早足移動でAEDを取りに行った場合、「300m以内」の距離にAEDがあれば5分以内に処置を行えます。大規模施設などにおいては、1箇所の設置ではこの距離を賄いきれない可能性があるため、水平移動距離300mごとに複数台の設置が必要となります。

【設置にともない、設置環境が整っているかも確認を】

AEDの設置箇所について、設置や使用に適した環境条件であるかどうかも設置する前に確かめておきましょう。各機種の取扱説明書に記載された温度・湿度範囲を参考に、設置場所が適した環境下にあるか確認しましょう。

AED設置が求められる施設

これまでは「AED設置が望ましい施設」をご紹介しましたが、「AED設置を推奨する施設」についてもご紹介します。これらの施設はAEDをぜひ設置しておきたい場所ともいえるため、未設置の施設があれば早急に設置を検討すると良いでしょう。

【AED設置が推奨される施設】

  • 駅、空港、バスターミナル
  • 「道の駅」、高速道路などのサービスエリア/パーキングエリア
  • 旅客機や長距離列車、旅客船など長距離輸送機関
  • スポーツジムやスポーツ関連施設
  • デパートやスーパーマーケットなどの大型店
  • 大型集客娯楽施設、観光施設、葬祭場など人が多く集まる場所
  • 人口密集地域にある交番や消防署などの公共施設
  • 50人以上が入所する大規模高齢者施設
  • 幼稚園、小中学校、高等学校、大学や専門学校などの学校
  • 多くの従業員が在籍する企業の大規模事業所 など

上記は厚生労働省の「AEDの適正配置に関するガイドライン」によって設置が推奨されている場所・施設です。

【AED設置が望ましいとされる施設】

  • 地域のランドマークになる施設
  • 保育園・認定こども園
  • 集合住宅 など

これらの施設についても、上記「AEDの適正配置に関するガイドライン」において「AED設置が考慮される施設(例)」として挙げられています。

AEDの点検

AEDの点検

AEDは、いったん導入したらそのままメンテナンスなしで良いというわけにはいきません。定期的かつ継続的に、点検を行うことも必要です。

日常的な点検での確認事項

AEDを設置したら、以下の項目について日々点検を行うようにしましょう。

インジケータの確認

AED点検時のポイント

目視で簡単に確認できる「ステータスインジケータ」(機器のおもに上部に設けられている、AED使用の可否を示すランプ状の表示箇所)を、AEDが目に入るたびチェックしましょう。インジケータ表示に関してはメーカーや機種によって動作パターンが異なりますので、取扱説明書に基づいて対処し、解決できないようならメーカーや販売店に相談しましょう。

・外観の損傷の有無

本体に部品の欠損や破損・汚損などがないか、日々目視でチェックしましょう。

・消耗品の交換

救助する人に直接当てる除細動パッドは1回使い切りタイプとなるため、1度救命措置を行ったら必ず新しいものに交換してください。また未使用の場合も、使用期限を確認し期限切れとなっていれば交換が必要です。
またAEDの要の部品ともいえるバッテリーも消耗品です。電池切れを起こしていない場合でも、使用期限が切れていれば交換を実施しましょう。

AED点検時のポイント

AED点検時のポイント

AEDは日々行う日常点検と、決まった時期に行う定期点検の両方(日常点検のみのAEDもあります)により、いつでも救命措置を行える状況にしておく必要があります。以下のポイントを押さえ、AEDをいつも正常に保つようにしましょう。

継続的な点検

日常点検等を怠らずに実施しましょう。点検したら必ず記録を残し、記録のチェックも定期的に行います。また点検の担当者が交代する際にも、確実な引継ぎを実施してください。販売会社が点検に関するサポートサービスを提供している場合もあるため、継続的な点検が困難なときはそれらのサービスの活用も一案です。

サポートサービスの活用

メーカーや販売店のサポートをしっかり活用し、適切なメンテナンスをしましょう。

耐用期間の確認

本体には耐用期間が設けられており、消耗品には使用期限があります。つねに確認を行い、経過していれば速やかに新しいものへ入れ替えを行ってください。

製造元のはがきやメールを確認

製造元のメーカーからはがきやメールが送られてきたら、その内容を必ず確認しましょう。定期メンテナンスのお知らせなどはもちろん、場合によっては改善対策措置などの重要な情報が記載されていることがあります。

AEDの廃棄方法

AEDの廃棄方法

AEDの本体には所定の耐用期間があり、消耗品にも使用期限があります。それらの期間を経過したら、適切に廃棄を行わなければなりません。
AEDは医療機器であるため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律に基づいて適正な廃棄処理を行わなければなりません。医療機器は産業廃棄物として扱われており、万一不法投棄などがあれば環境に大きな悪影響を及ぼす可能性があるためです。

本体の廃棄方法

本体を廃棄する際は、廃棄登録を行う必要があります。必ず購入した販売店もしくはメーカーまでご連絡ください。その後、企業や団体で所有していたAED本体は自治体へ確認後産業廃棄物として処理し、医療機関では医療廃棄物として処理を行ってください。

消耗品の廃棄方法

AEDには、定期的に交換が必要な消耗品(定期交換部品)があります。除細動パッドとバッテリーが消耗品に該当しますが、これらにも適切な廃棄方法があります。以下でそれぞれについての正しい廃棄方法をご紹介します。

①除細動パッドの廃棄方法

除細動パッドに体液が付着している場合は、医療廃棄物として処理する必要があります。それ以外の場合は一般のごみとして廃棄可能なため、自治体の決まりにしたがって処理を行いましょう。

②バッテリーの廃棄方法

バッテリーは法令に基づいて廃棄する必要があります。自治体の廃棄方法やリサイクル方法を確認し、それらに則って廃棄を行いましょう。

AEDレンタル・リース・購入の比較

AEDレンタル・リース・購入の比較

AEDの導入方法には、購入のほかにレンタルやリースという手段もあります。ここではAEDの導入に際し、購入とレンタル・リースでの費用やサービス内容の違い、メリット・デメリットについてご紹介します。

AEDを購入する場合

AEDの価格は製品によって異なりますが、35万円~40万円ほどが一般的です。販売店によっては購入時に定期交換品に関するプランを選択できる場合もあるため、それらの活用もおすすめです。たとえば5年間定期交換品込みのプランを選択した場合、購入後5年間は定期交換品を新たに購入する必要はありません。AED本体のみを購入した場合は、定期交換品を都度購入する必要があります。なおAEDは固定資産として取り扱われるため、会計処理上の手続きも煩雑になります。

AEDをレンタルする場合

AEDをレンタルする費用面でのメリットは、初期費用が安く済む点です。月額のレンタル料がかかってきますが、点検やメンテナンスなどのサポートがレンタル料に込みとなっているものもあります。このため、AEDを常時正常に保ちやすく緊急時ただちに救命措置を行えます。また会計上の予算も計上しやすく、経費処理もスムーズです。強いてデメリットを挙げるなら、レンタル販売店によっては本体が新品ではない可能性がある点でしょう。

AEDをリースする場合

リースの場合も、レンタルとほぼ特徴やメリット・デメリットは変わりません。レンタルと異なる点は、リースは利用者と販売店をリース会社が仲介しての三者間契約になるため、その点が利用者と販売店の二者間契約であるレンタルと異なります。また、リースで取り扱われるAEDは基本的にすべて新品となります。

AED補助金について

AED補助金について

AEDを導入する際に受けられる、補助金制度があることも知っておくと良いでしょう。AEDに関する補助金制度は、自治体や諸団体が設けています。自治体や団体ごとに制度の詳細は異なりますが、購入する場合のほかレンタルやリースにも補助金制度が適用されることがあります。会社のある自治体や、会社が関連する団体や協会がAED関連の補助金を取り扱っているかどうか事前に確かめてみると良いでしょう。ただし自治体などが設ける補助金制度によっては購入のみが補助対象となり、レンタルやリースは対象外となる場合もあるため、制度の詳細をよく確認することが大切です。

AED設置にともなって補助金を受ける際の注意点

AED購入補助金については、設置する施設の種類や性質などで基準が設けられる場合もあるため、それらも確認し受給資格を満たすかもチェックする必要があります。東京都足立区が商店街活性化のために設けている補助金では初期購入費用の10割(全額)を補助する(2021年2月現在)などの例もあるため、要件を満たすなら利用を検討しましょう。
補助金制度によっては、AEDを設置する施設の対象が限定されている場合もあります。自治体の補助金は、おもに地域の自治会や消防団、商店街などが対象となる場合が一般的です。事業財団が設けている補助金制度もありますが、これらは財団が関連している事業を行っている企業や団体が補助の対象となります。

AEDの使い方

AEDの使い方

AEDの詳しい使い方は、以下でご紹介しています。

またALSOKでは、実技時間に重点をおいたトレーニング講習会を実施しております。受講者お一人お一人の修練度にあわせた、きめ細やかな指導をご提供いたします。詳しくは以下のPDFをご確認ください。

ALSOKのAED(自動体外式除細動器)についてPDF資料はこちら

https://www.alsok.co.jp/corporate/list/pdf/alsok-aed.pdf

ALSOKのAED販売・レンタルサービス

ALSOKのAED販売・レンタルサービス

ALSOKでは、AEDの販売・リース・レンタルを行っています。使用を想定した簡易講習も実施し、いざというときにすぐ活用できる環境を整えられます。
警備会社のノウハウを活かした独自の管理システムが、ALSOKのAEDの大きな特徴です。本体や消耗品の交換時期が適切に通知されるため、いざというときに安心してお使いいただくことが可能です。パッケージレンタルプランでは、定期消耗品を交換時期にお届けしたり、使用した際、消耗品を無償でお届けしたりすることが可能です。通常使用時の故障等の際は、お客様の負担無しで交換も致します。
また本体は用途や設置環境に合わせたラインナップを揃えており、さまざまなニーズに対応可能です。

ALSOKのAEDについて詳しくはこちら

まとめ

AEDを使用すべき機会は、いつ訪れるか分からないものです。万一の事態でも救命措置が確実に行えるよう、万全の状態をつねに整えておく必要があります。
導入して終わりではなく、消耗品の交換や日常点検等を確実に行い、いざというときにしっかり備えましょう。ALSOKではリーズナブルなコストで用途に合ったAEDを備えられる様々なプランをご用意し、最適な導入方法をご提案いたします。