屋外に設置する家庭用防犯カメラの選び方!設置のポイントも解説

不審者や泥棒が近づきにくい家にするためには、防犯対策を行うことが大切です。防犯対策にもカギの補強やセンサーライトの設置などさまざまな方法がありますが、防犯カメラの設置もその一つです。防犯カメラに興味はあるものの、価格に見合った効果が本当にあるのか不安で、どうやって選べば良いか分からず、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、屋外防犯カメラの効果や一般家庭での設置状況、防犯カメラの選び方について解説します。
目次
屋外向け家庭用防犯カメラの主な種類
屋外に設置する家庭用防犯カメラにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。ここでは、主な家庭用防犯カメラの種類を解説します。
ネットワークカメラ(IPカメラ)
ネットワークカメラ(IPカメラ)は、カメラ自体にIPアドレスを割り当て、IPネットワーク内でカメラシステムを構築する仕組みの防犯カメラです。元々業務用として利用されていたものが発展し、家庭向けにも普及するようになりました。スマートフォンやタブレット、パソコンからリアルタイムで映像を確認でき、外出先でも自宅の様子を把握できます。防犯目的でご家庭に防犯カメラを設置するのであれば、遠隔監視や録画などの機能に対応したネットワークカメラを選ぶのがおすすめです。
トレイルカメラ
トレイルカメラは、人や動物の動きや熱を感知して自動的に撮影を行うタイプの防犯カメラです。元々は、畑などを荒らす野生動物の観察などを目的に使用されていましたが、屋外での利用を前提にした耐久性などから、家庭用の防犯カメラとして利用するケースもあります。
屋外に設置する家庭用屋外防犯カメラの選び方
防犯カメラは種類や機能が多く、何を基準に選べば良いか迷いがちです。ここでは、屋外設置に適した家庭用防犯カメラの選び方を解説します。
電源の供給方法
防犯カメラの電源の供給方法には、「電源型」「バッテリー型」「乾電池型」「ソーラー充電型」の4種類があります。電源型はコンセントから常時給電されるため、バッテリー切れの心配がなく安定した運用が可能です。ただし、電源のない場所に設置する場合は電気工事が必要です。
電源の確保が難しい場所には、ソーラー充電型の防犯カメラを取り付ける方法もあります。ただ、日当たりが悪いと適切に稼働しないため、事前に設置場所の日当たりを確認しておきましょう。
また、バッテリー型や乾電池型は電源確保のための電気工事は必要なく、取り付けが簡単な製品も多いです。そのため、工事不要で後付け可能な防犯カメラを探している場合は、バッテリー型や乾電池型がおすすめです。
撮影範囲の広さ・画質の良さ
撮影範囲は垂直方向も水平方向も広範囲に撮れるものが良いでしょう。カメラによってはパン/チルト機能(首振り)やズーム機能があるものもあります。
また、画質の良さも見逃せないポイントです。防犯カメラの画素数としては100万~500万程のものが多く、画素数が大きいほど解像度が高く精密な映像を撮影できます。しかし、映像を確認する際には画素数に対応したモニターが必要になることに注意が必要です。
約200万画素のフルハイビジョン(FHD)であれば、部分的に映像を拡大しても粗くならず確認が可能です。
雨風に強い耐久性
屋外に設置するカメラは、雨風や砂ぼこりなどの影響を受けやすいため、耐久性が重要です。防水・防塵機能が備わっているものを選ぶと安心です。防水・防塵機能はIP規格という、「IP」の文字と2桁の数字で表される防水・防塵性能の指標です。数字が大きいほど防水・防塵機能が高く、「IP65」以上のものを選ぶと良いとされています。
また、ハウジングケースと呼ばれる紫外線・雨風からカメラを守るためのカバーを使用することもできます。
逆光補正機能
設置場所によっては日光の影響を受ける可能性があるため、逆光補正機能も重要です。明るさを自動調整してくれるため、天候や時間帯によって鮮明に映像を記録できないといった事態を避けられます。
夜間や暗所での撮影が可能
屋外に設置する防犯カメラは、天候や時間帯によって明るさの影響を強く受けます。照明のない住宅街や駐車場などに設置する場合は、夜間撮影に対応しているカメラを選びましょう。暗い場所での撮影に対応した機種としては、「暗視カメラ」と「赤外線カメラ」がありますが、暗視カメラは光が足りないと画像が真っ暗になってしまいます。その点、物体が発する赤外線をとらえて撮影する赤外線カメラであれば、光源がない場所でも設置できるため、利便性は高いといえます。
録画データの保存方法
防犯カメラには、映像を録画して記録を残す役割があるため、録画データの保存方法も重要です。具体的には「SDカード」「HDD(ハードディスクドライブ)」「クラウドストレージ」など、さまざまな方法があります。
SDカードは、コンパクトで扱いやすく、デジタルカメラなどにも広く使用されています。本体に差し込むだけで映像を記録できるため、手間がかからないのも特徴です。ただし、容量が限られているため長期間の録画には向いていません。
HDDタイプは、保存できる容量が多く、長時間の録画を安定して行えるメリットがあります。ただし、レコーダーのサイズが大きい場合は設置場所に困るケースがあるため注意が必要です。
クラウドタイプは、インターネット上の仮想スペースにデータを保存するため、カメラ自体が壊されても録画データが残るといったメリットがあります。ただし、インターネット経由で保存されるため、接続環境が不安定な場合、映像が正しく保存されない可能性があります。
設置のしやすさ
設置のしやすさも重要です。設置にあたり配線や電気工事が必要な防犯カメラは、導入までに時間や手間がかかります。一方で、簡単に設置できるタイプであればすぐに導入でき、短期間で自宅の防犯を強化できます。
防犯カメラに犯罪の抑止効果はあるのか
全国の自治体では、交差点や公園などの公共施設や通勤・通学路に防犯カメラを設置・運用する取り組みを進めています。では実際のところ、防犯カメラを設置することで犯罪の抑止効果は出ているのでしょうか。
防犯カメラで犯罪件数が大きく減少
兵庫県加古川市では、小学校の通学路や学校・公園周辺などに防犯カメラを積極的に導入し、安心して暮らせる街づくりを進めています。具体的には、2017年から2023年にかけて防犯カメラを約1,600台増設し、2017年には2,926件だった刑法犯認知件数が、2024年には1,761件と約40%減少しました。これは、同期間における兵庫県全体の減少率(約26%)を上回っており、防犯カメラの導入が認知件数減少の一因と考えられます[注2]。
また警察庁の発表によると、令和5年6月末時点で、29都道府県で計2,246台の街頭防犯カメラが設置されています[注1]。さらに、民間事業者等による設置も促進されており、官民一体となった防犯体制の強化が図られています。
警察は、街頭防犯カメラは被害の未然防止や犯罪発生時の被疑者特定・追跡などに有効な対策としています。加古川市の事例も、防犯カメラ対策の有効性を示した事例といえるでしょう。
[注1]警察庁「令和6年版 警察白書」
[注2]加古川市「見守りカメラ」
家庭用防犯カメラの設置は?
自治体や警察での設置が進む一方で、家庭用防犯カメラの設置も増加しています。
ALSOKが2018年に実施した防犯カメラに関する意識調査では、家庭で防犯カメラを設置しているのは約24%で、約4人に1人が防犯カメラを導入していることが分かりました。
防犯カメラを設置した理由は「空き巣などの侵入者対策のため」という回答が最も多く、「近所で不審者や空き巣などの事件があったため」「らくがきなどのいたずら対策のため」という回答が続いています。近隣での事件やニュースなどで危機感を覚え、防犯意識を高めて導入する家庭が増えているのでしょう。
また、近年は技術の進歩によりコンパクトで低価格なものや離れた場所からも映像を確認できるネットワークカメラなどが増え、家庭で導入しやすくなった点も一因といえます。

ダミーカメラはバレる?
とはいえ、防犯カメラの設置には費用もかかります。ALSOKの調査でも、防犯カメラへの要望として低価格化を求める声が約3割に上っています。
そうした中で、「本物でなくても見た目だけで抑止力があるのでは」と考え、ダミーカメラを設置する家庭もあるようです。確かに、ダミーカメラは防犯カメラに外観が似ており、価格もリーズナブルなので見かけ上の防犯対策にはなるかもしれません。録画機能などを搭載していないので電気代も安く済むでしょう。しかし、実際には録画や記録ができないため、万が一の事態が発生した場合に証拠を残すことができません。また、犯罪手口に詳しい空き巣犯には、ダミーカメラだと気づかれてしまう心配もあります。
一定のコストはかかりますが、防犯対策をするなら本物の防犯カメラの設置を検討したいものです。では、防犯カメラを設置する際はどのような点を考慮すれば良いのでしょうか。
屋外に家庭用防犯カメラを設置する際の注意点
防犯効果を十分に発揮するためには、カメラの性能だけでなく、設置場所や周囲への配慮も重要です。ここでは、屋外に家庭用防犯カメラを設置する際に押さえておきたいポイントを解説します。
簡単に壊されない場所に設置する
撮影されていることに気づいた不審者は、防犯カメラを壊そうとする可能性があります。侵入前に防犯カメラが壊されてしまうと、映像を記録できず、防犯としての効果が失われてしまいます。このような事態を防ぐには、手の届かない高い位置など、簡単に壊されない場所に防犯カメラを設置することが重要です。
敷地外からでも目立つように設置する
下見に訪れた空き巣が、防犯カメラの存在に気づき「防犯意識の高い家」として認識し、犯行を諦める可能性もあります。そのため、道路など敷地外からもカメラの存在が確認できるよう、目立つ場所に設置したり、「防犯カメラ作動中」といったステッカーを掲示したりするのが効果的です。
死角が生じないように設置する
設置場所やカメラの向きの検討が十分ではなく、死角ができてしまうと、肝心の場面を映せずに犯罪の証拠を撮影できない可能性があります。そのため、設置前には撮影範囲や画角を確認し、死角が生じないように工夫しましょう。また、必要に応じて防犯カメラを複数台設置するのも効果的です。
近隣住民へのプライバシーに配慮する
防犯カメラは、自宅周辺を撮影する性質上、隣家や通行人が映り込んでしまう可能性があります。トラブルを避けるためにも、設置時には近隣住民のプライバシーに十分配慮する必要があります。カメラは必ず自宅の敷地内だけを撮影するように設置し、必要に応じて撮影範囲を調整しましょう。
ALSOKの家庭用防犯カメラなら屋外でも安心
屋外に家庭用防犯カメラを設置する際は、カメラの機能をよく確認して用途に合ったものを選びましょう。防水・防塵性能や十分な撮影範囲、画質に加え、設置のしやすい製品を選ぶのがおすすめです。特に、警備会社のロゴなどが入った防犯カメラであれば、下見に訪れた不審者を警戒させ、犯行を諦めさせる効果も期待できます。
工事が必要なく、自宅に後付けが可能な防犯カメラも多く販売されているので、この機会に一度探してみてはいかがでしょうか。ALSOKでもご家庭向けの防犯カメラを数多く取り揃えていますので、お気軽にご相談ください。
また、より一層の防犯対策のために、ホームセキュリティをあわせて導入することをおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」の2つがあり、ご希望に合わせてお選びいただけます。
セルフセキュリティは、お手軽にホームセキュリティを始めたい方におすすめです。異常発生をアプリで通知し、お客様の依頼に応じてALSOKが駆けつけます。
オンラインセキュリティは、不審者の侵入や火災を感知した際にALSOKがご自宅へ駆けつけ対処します。
加えて、スマートフォンを持っているだけで、帰宅時に簡単に警備解除が可能なスマホゲートもご用意しています。スマートフォンから簡単に警備をセットすることもできます。
また、ALSOKのホームセキュリティは、在宅中も警備ができるため、就寝中や一人での在宅時にも安心です。
防犯カメラの設置と同時にホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。