空き巣に狙われやすい家の3つの特徴と防犯対策のポイントを解説
警視庁の調べによると、侵入窃盗は減少傾向にあり、令和5年(2023年)の都内での発生件数は2,147件でした。侵入窃盗のうち、居住者が不在の間に家屋へ侵入して金品を盗む「空き巣」の割合は、およそ30.6%だといわれています。[注1]
空き巣の被害を未然に防ぎ、大切な財産を守るためにはどのような対策が有効なのでしょうか。本記事では、空き巣に狙われやすい家の特徴や、防犯対策のポイントをわかりやすく解説します。
目次
空き巣に狙われやすい家の特徴3選
空き巣はどのような家をターゲットに選ぶのでしょうか。まずは空き巣に侵入されやすい家や土地の特徴について知り、対策を立てることが安全安心な暮らしを考える第一歩です。ここでは、立地・建物・時間帯の3つの視点から、空き巣に狙われやすい家の3つの特徴を解説します。
狙われやすい立地は?人通りが少ない土地に注意
空き巣は留守を狙って家に侵入するため、なるべく人気がなく、人通りが少ない立地の家をターゲットにします。空き巣を含めた侵入窃盗の代表的な手口として、ドライバーなどを使用して窓ガラスの錠前に穴を開ける「こじ破り」、玄関ドアの鍵を特殊工具で解錠する「施錠開け」、玄関ドアの隙間にバールなどを差し込んでこじ開ける「ドア錠破り」などがあります。
いずれも、侵入するまでに平均2~5分を要するため、人目につきづらい立地をターゲットにする傾向があります。一戸建て住宅を建てる際や、分譲マンションを購入する場合は、人通りの少ない奥まった立地は避けた方が安心です。
死角が多く、防犯カメラのない低層住宅は危ない
次に、建物の特徴はどうでしょうか。空き巣が好むのは、防犯カメラがなく、死角が多い建物です。たとえば、窓や玄関ドアの近辺に背の高い植木があったり、周囲が高いブロック塀で囲まれていたりする家は、居住者や近隣住民の死角になる場所が多くなります。身を隠しながら周囲に気付かれず犯行に及ぶことが可能であるため、侵入窃盗犯のターゲットとなりやすいでしょう。
また、一戸建て住宅や3階建て以下のテラスハウスなど、低層住宅も侵入窃盗犯に狙われやすい傾向にあります。警視庁の調べによると、都内で発生した侵入窃盗(空き巣、忍込み、居空きなど)のうち、一戸建て住宅がターゲットになったものは19.7%、その他の住宅(3階建て以下)が狙われたものは14.9%で、合わせると3割を超える犯行事例が低層住宅で発生しています。[注1]
植木やブロック塀に囲まれた家や、3階建て以下の低層住宅に住んでいる場合は、防犯カメラの設置を検討しましょう。単純に死角が減るだけでなく、防犯カメラ自体に犯罪の抑止効果があるため、効果的な空き巣対策になります。
侵入窃盗犯が活動する時間帯は深夜0~4時
警察庁がまとめた「令和4年の犯罪」によると、侵入盗(空き巣、忍び込み、居空きなど)がもっとも活発に活動するのは、住人が寝静まった深夜0~4時の時間帯です。令和4年度(2022年)に全国で発生した侵入盗の総数36,588件中、発生時刻が特定できた件数3,553件(時間帯が不明なものは33,035件)のうち、約30.0%にあたる1,066件が、午前0時から午前4時までの時間帯に集中しています。万引き、すり、ひったくり、置き引きなどを含む非侵入盗の被害の大半が、午前10時から午後20時ごろまでの日中に集中していることを考えると侵入盗とは対照的です。[注2]
前述のとおり侵入窃盗対策をするうえで、もっとも警戒しなければならないのは就寝後の時間帯です。就寝する前に玄関ドアや窓の施錠を再度確認する習慣をつけましょう。
空き巣に有効な防犯対策5選
空き巣被害に遭わないため、次の5つの防犯対策が効果的です。
家の周辺を常に整理整頓し、「在宅」をアピール
まず、家の周辺を常に整理整頓することを心がけましょう。とくに郵便受けや郵便ポストに郵便物が溜まっていると、「この家の住人はあまり家の周辺に目が行き届いていない」「侵入しても気づかれない可能性が高い」と判断され、空き巣のターゲットになる可能性が高まります。
窓や玄関ドアは「ワンドア・ツーロック」
空き巣の主要な侵入ルートとなる窓・玄関ドアは、「ワンドア・ツーロック」が原則です。1つの窓・ドアに1つの鍵だけでは、簡単に侵入されてしまいます。市販の補助錠を取り付けるなどして、1つの窓・ドアに2つの鍵をかけることで、侵入されるまでの時間を稼げます。
(財)都市防犯研究センターの調べでは、空き巣が侵入をあきらめる平均時間は2~5分間です。[注3]この2~5分間をやりすごすことで、空き巣を撃退できる可能性が高まります。[注3]
外出する際は洗濯物をなるべく外に干さないようにする
小さなことのように思えるかもしれませんが、洗濯物はなるべく外に干さないのも効果的な空き巣対策です。空き巣はターゲットを選ぶため、候補となりそうな家を物色しています。
もし、洗濯物がずっと干されたままだったり、雨が降っているのに洗濯物が取り込まれていなかったりすると、家にいないことが露見し、空き巣に情報を与えてしまうことになります。季節によっては難しいケースもありますが、外出時に雨が予見される場合、帰宅が夜になる場合には、洗濯物はなるべく部屋干ししておくと良いでしょう。
死角をつくらず、監視カメラを設置する
家が背の高いブロック塀に囲まれていたり、背丈のある草木が茂っていたりすると、空き巣が「ガラス破り」「ドア錠破り」等を行うための死角が生まれます。なるべく死角が生まれないよう、塀や垣根は低くし、植栽を定期的に剪定することをおすすめします。
どうしても難しい場合は、家の周辺に防犯用ライトをつけて明るくしたり、監視カメラ・防犯カメラを設置したりすることで、死角を減らし、空き巣が入りづらくすることが可能です。
ホームセキュリティの導入の検討を
さらなる空き巣対策を検討している場合は、防犯グッズやホームセキュリティの導入を検討しましょう。たとえば、防犯センサーやワイヤレスセキュリティシステムを設置すれば、不審者が接近した際にブザーやアラームを鳴らし、犯行前に追い払うことが可能です。
また、センサーライト付きカメラの設置も効果的です。人感センサーにより空き巣の行動を検知すると、ライトを点灯して侵入しづらくするだけでなく、携帯電話やスマホにメッセージを送信してくれるものもあります。
さらに侵入されてしまったケースを想定するなら、ホームセキュリティサービスの導入も検討しましょう。異常発生時には駆けつけたガードマンに対処してもらうことが可能です。
空き巣の嫌がる家にすることが大切
ここまで紹介したように、空き巣は人目につきにくく、簡単に侵入できる家を狙って犯行に及びます。侵入に時間がかかるよう対策を施すことで空き巣のターゲットとされにくい家にすることが可能です。主な侵入口となるドアや窓には、主錠とは別に補助錠を取り付けておくと良いでしょう。鍵が一つであれば2分足らずで侵入できる場合でも、鍵が二つになると解錠するのに時間がかかるため、犯行をあきらめる可能性が高まります。
また、空き巣が嫌がる家の特徴として、セキュリティシステムが備わっている家や周囲から見通しの良い家を敬遠します。警備会社のセキュリティサービスを導入していると「防犯意識が高い家」と認識され、空き巣のターゲットから外れる可能性が高まるでしょう。死角となりやすい場所には防犯カメラやセンサーライトを設置し、空き巣が身を隠すことができない環境づくりを行うことが大切です。
大切な家と家族を守るために、空き巣が近寄らない防犯対策を施し、被害を未然に防ぎましょう。
空き巣が侵入しないように防犯対策を
「空き巣が嫌がる家の特徴」について詳しくはこちら空き巣の狙いを知り、安全安心なホームセキュリティを
空き巣がターゲットに選ぶ家には共通点があります。家の安全性を見直し、適切な防犯対策を実施することが大切です。窓やドアはワンドア・ツーロック、建物周辺にはなるべく死角をつくらないことを心がけ、必要に応じて防犯カメラや防犯センサーなどの防犯グッズを設置しましょう。大切な財産を守るためには、日頃の防犯対策の積み重ねが欠かせません。
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