焼き破りには防犯ガラスで対策!こじ破りや打ち破りとの違いも解説
本記事では、焼き破りの具体的な手口や、対策として有効とされる防犯ガラスや防犯フィルムについて解説します。
侵入窃盗全体の認知件数はピーク時と比較すると減少傾向にあるものの、空き巣は依然として年に1万件以上発生しており、注意が必要です。最近では、いわゆる「闇バイト」による強盗事件なども相次いでおり、「自宅の窓ガラスは大丈夫だろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
令和6年の刑法犯に関する統計資料によると、住宅を対象とした空き巣の認知件数は11,048件で、侵入窃盗全体の約25.7%を占めています。そして、空き巣の手口として注意したいのが、「焼き破り」と呼ばれる手法です。空き巣などの侵入窃盗から住まいを守るためには、焼き破り対策が必要不可欠です。
【この記事で分かること】
- 焼き破りと、こじ破り・打ち破りとの違い
- 焼き破り対策に有効な防犯ガラスの特徴
- 防犯ガラス以外でできる焼き破り対策
目次
焼き破りとは?ガラス破りの特徴とほかの侵入手口との違い
「焼き破り」とは、空き巣の手口の一種で、バーナーやライターで窓ガラスを熱するガラス破りの手法です。熱した窓ガラスを急激に冷却することで、薄いフロートガラス(FLガラス)なら短時間で破ることができます。その手軽さや侵入までの時間の短さから、住宅の防犯対策を考えるうえで注意したい手口の1つです。
ガラス破りの特徴(焼き破り・こじ破り・打ち破り)
ガラス破りの手口は、焼き破りのほかに「こじ破り(三角割り)」、「打ち破り」があります。
| ガラス破りの特徴 | ||
|---|---|---|
| 焼き破り | こじ破り(三角割り) | 打ち破り |
| バーナーやライターであぶり、熱で弱くなったガラスに穴を開ける | ガラスとサッシの間にあるゴムパッキンの部分にマイナスドライバーなどを挿してこじ開ける | 物を投げ込んだり、バールなどの道具を用いてガラスを打ちつけて破壊する |
焼き破りと他の空き巣の侵入手口との違い
焼き破りは、音が出ないことや簡単に道具を入手できることなどが、他の空き巣の侵入手口と異なります。特殊な技能がなくても実行されるおそれがある点も、注意が必要です。
ガラスを破る際に音が出にくい
ハンマー・バール・ドライバーといった工具を使い、窓ガラスを叩いて破壊する「打ち破り」などの手口は、ガラスが割れる際に破壊音が発生します。しかし、焼き破りは窓ガラスをあらかじめ熱して破るため、ガラスが割れる際の大きな破裂音が出にくいとされています。焼き破りは周囲に気づかれにくい手口であり、泥棒や空き巣が好む要因の1つとなっています。
短時間で家屋に侵入できる
焼き破りは、短時間で窓ガラスを破ることが可能です。一般的な窓ガラスなら火で加熱するなどの方法により、わずかな時間で破られるケースもあるため注意が必要です。
簡単に道具を入手できる
焼き破りには、特殊な道具や工具が使われるとは限らず、ホームセンターで販売されているライター、ガスバーナー、トーチバーナーのような身近な道具が悪用されるおそれがあります。ライターやバーナーは携帯でき、服やバッグに隠して持ち歩くことも容易です。
特殊な技能が必要ない
従来、空き巣が好んで使ってきたのが、特殊用具で鍵をこじ開ける「ピッキング」や、穴や隙間から道具を差し込んでツマミ(サムターン)を回す「サムターン回し」でした。しかし、ピッキングやサムターン回しは、専用の工具が必要なだけでなく、特殊な技能が求められます。一方、焼き破りは、特殊な技能を必要としにくい手口とされており、住宅側の対策が不十分な場合は侵入リスクが高まります。
強い力が必要ない
ガラスに小さな穴を開け、そこから指を入れてクレセント錠を解錠する「こじ破り(三角割り)」という手口があります。この侵入手口は、音が立ちにくく静かに侵入できますが、穴を開ける際には力が必要です。一方で、焼き破りは熱して窓ガラスを破ることから、侵入するのに強い力が必要ない点も、空き巣に悪用されている理由の1つです。
窓ガラスの「焼き破り」は依然として注意したい侵入手口
出典:警察庁「令和6年の犯罪」
住宅における窓ガラスの焼き破り(焼切り)の認知件数は、令和3年まで減少傾向が続いていました。しかし、令和4年には増加に転じ、翌年の令和5年には696件まで増加しています。令和6年は522件と前年より減少したものの、依然として多い状況です。
こじ破りやその他の手口も合わせると、ガラス破りによる窓からの侵入全体の認知件数は4,399件でした。全体に占める割合は高くはないものの、令和4年以降は増加した年もあり、引き続き注意が必要な手口だといえます。
近年は、SNSなどを通じて実行犯を募る強盗事件も報じられており、住宅の侵入口となりやすい窓まわりの防犯対策への関心が高まっています。住まいの防犯対策を考えるうえでは、焼き破りを含むガラス破りへの備えをしておくことが大切です。
焼き破りに防犯ガラスが有効な理由
窓ガラスの焼き破り対策に有効なのが「防犯ガラス」です。防犯ガラスは、2枚の板ガラスの間に特殊な中間膜を挟み、加熱・圧着された構造です。穴が開きにくいため、侵入までの時間を稼ぐことができ、防犯性の高さをアピールすることも可能です。
侵入までの時間を稼ぐことができる
防犯ガラスの設置によって、犯人が侵入するまでの時間を稼ぐことができます。多くの侵入犯は、侵入に手間取ると犯行をあきらめる傾向にあります。
都市防犯研究センターの調べによると、侵入窃盗の前歴がある者のうち、侵入をあきらめるまでの時間が「2分以内」と回答した者は約17%、「2分を超えて5分以内」と回答した者は約51%でした。
つまり、窓ガラスが破られるまでに「5分間」の時間を稼ぐことができれば、侵入犯に犯行をあきらめさせる1つの目安になるといえます。一般的なペアガラスを防犯ガラスに交換することで、空き巣が侵入するまでの時間を「5分間」確保することを目指しましょう。
「CPマーク」のステッカーで防犯性の高さをアピールできる
空き巣や強盗は、犯行前に入念な下見を行い、侵入しやすい家かどうかなどをチェックしています。基本的に侵入のハードルが高い住宅は、狙われにくい傾向にあります。防犯ガラスにはCPマークの付いた防犯ステッカーが貼られているため、防犯性の高さをアピールできます。
CPマークとは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が、実証実験において泥棒による侵入攻撃に5分以上耐えることが確認された防犯建物部品に付与される目印のことです。防犯ガラスを選ぶ際は、「CPマーク」の有無を目安にするのがおすすめです。
焼き破り対策に向かない窓ガラスの種類
住宅で使われている窓ガラスの種類によっては、焼き破りを防げないものもあります。たとえば、複層ガラスや網入りガラスは防犯性能があると勘違いされることもありますが、防犯を目的としたガラスではありません。
| 焼き破りを防げない窓ガラスの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 複層ガラス(ペアガラス・トリプルガラス) | 断熱性に優れているが、防犯を主目的としたガラスではない |
| 網入りガラス | 防火や飛散防止に優れているが、防犯を目的としたガラスではなく、焼き破り対策には向いていない |
複層ガラス(ペアガラス・トリプルガラス)
複層ガラスとは、複数のガラスとその間に設けられた空気層で構成されるガラスのことです。
2枚のガラスと空気層で構成されるものをペアガラス、3枚のガラスと2つの空気層で構成されるものをトリプルガラスといい、主に断熱目的に用いられます。
ガラスが1枚の窓(単板ガラス)と比較して断熱効果は高いものの、1枚ごとのガラスは薄いため、防犯ガラスのような高い防犯性能は期待できないといわれています。
網入りガラス
金属製のワイヤーが封入されたガラスを網入りガラスといい、主に防火目的や破損時の飛散防止目的に用いられます。網入りガラスは主に防火や飛散防止を目的としたガラスであり、防犯性能を高めるものではありません。バーナーなどによる加熱でヒビが入ると、穴を開けられて侵入される可能性があります。
防犯ガラス以外でできる焼き破り対策
焼き破り対策は防犯ガラスだけではありません。戸建て住宅と賃貸住宅では取り入れやすい対策が異なるため、住まいに合わせた対策を選ぶことが大切です。ここでは、防犯ガラス以外でできる焼き破り対策をご紹介します。
| 戸建て住宅の焼き破り対策 | 賃貸住宅でもできる焼き破り対策 |
|---|---|
| 窓にシャッターや面格子を設置して焼き破りによる侵入を困難にする | 補助錠を取り付け、侵入しにくい環境をつくる |
| 補助錠を取り付け、センサーライトや防犯カメラを設置して侵入しにくい環境をつくる | 窓用の防犯ブザーを設置して、大きな音で牽制する |
| 窓用の防犯ブザーを設置して、大きな音で牽制する | 防犯カメラを設置して侵入しにくい環境をつくる ※設置前に管理会社・大家へ確認 |
まず優先すべき対策
- 防犯フィルムを貼る
- 窓やドアの施錠を徹底する
防犯ガラスは、既存の窓ガラスを交換する必要があり、コストや手間がかかることから、現実的でないケースもあるでしょう。そこでおすすめなのが「防犯フィルム」です。
防犯フィルムは、窓ガラスに貼ることで割れにくくし、犯行に時間をかけさせる防犯アイテムです。防犯フィルムを選ぶ際も、CPマークの有無を確認すると良いでしょう。
また、ガラスに対する対策だけではなく、施錠も徹底することが大切です。窓やドアが無施錠のままだと、ガラス破りをしなくても住宅への侵入を許してしまいます。外出中はもちろん、在宅中も施錠を徹底しましょう。特に就寝時は侵入に気づきにくいため、施錠を習慣づけておくと安心です。
戸建て住宅におすすめの焼き破り対策
戸建て住宅の場合、以下のような対策を取り入れることをおすすめします。
- 窓にシャッターや面格子を設置する
- 補助錠を取り付ける
- 窓用の防犯ブザーを設置する
- センサーライトや防犯カメラを設置する
シャッターや面格子を取り付けることで、焼き破りによる侵入を困難にできます。さらに補助錠の設置によって、万が一焼き破りされても解錠しにくいメリットがあります。窓用の防犯ブザーは、不審者が窓を開けた際に大きな音が鳴るため、犯行の抑止につながります。さらに、侵入を防ぐならセンサーライトや防犯カメラを設置することで、犯人に「見られている」という心理的なプレッシャーを与えられるため、防犯対策として有効です。
賃貸住宅でもできる焼き破り対策
賃貸住宅でも取り入れられる対策は以下のとおりです。
- 補助錠を取り付ける
- 窓用の防犯ブザーを設置する
- 防犯カメラを設置する
戸建て住宅と同じく、補助錠や窓用の防犯ブザーなど、原状回復しやすい対策を取り入れると効果的です。また、防犯カメラの設置も効果的ですが、設置には管理会社・大家への確認が必要です。
焼き破りによる侵入被害を防ぐにはホームセキュリティの導入もおすすめ
上記の対策に加え、焼き破りをはじめとしたさまざまな手口による侵入被害の抑止効果が期待できるのが、ホームセキュリティの導入です。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」は、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2つから選択できます。
セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときには、訓練を受けたALSOKの依頼駆けつけが利用可能です。
オンラインセキュリティは、異常発生時には自動でALSOKが駆けつけます。さらに、帰宅時にはスマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時もワンタッチで警備を開始する便利な機能も活用できます。また、防犯カメラとアプリ連携ができ、外出中でもリアルタイムで映像を確認できます。
ALSOKのホームセキュリティは、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。留守中だけではなく、在宅中の安全を守るにはホームセキュリティの導入をおすすめします。
犯行の抑止につながるALSOKの防犯カメラ
不審者の侵入を抑止するには、防犯カメラの設置が効果的です。万が一侵入されたとしても、侵入経路に使われやすい場所や死角に設置することで、不審者の様子を記録できます。
ALSOKの屋外用カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」は、工事不要で設置でき、人感センサーによる自動録画やオプションの駆けつけサービスにも対応しています。人の動きを検知するとLEDライトが点灯するため、夜間や暗い時間帯でも状況を把握しやすく、安心感を高めてくれます。
防犯性能を重視しつつ、導入のハードルを下げたい方に適した防犯カメラです。
防犯ガラスに交換して「焼き破り」の対策を
焼き破りは短時間かつ大きな音を立てずに侵入できることから、近年注意が必要な侵入手口の1つとなっています。
住まいの防犯対策の最重要ポイントである「窓」を守るためには、防犯ガラスへの取り替えや、防犯フィルムの貼り付けが効果的です。侵入に時間をかけさせる環境を整え、空き巣をはじめとした侵入被害のリスクを抑えましょう。
焼き破りと防犯ガラスに関するよくある質問
Q:「防犯ガラスは意味ない・後悔した」と聞きますが本当ですか?
A:「意味がない」というわけではありません。防犯ガラスは、侵入までの時間を稼ぎ、防犯意識の高さをアピールできます。ただし、「割れない」わけではなく、割れても貫通しにくいガラスです。また、性能が認められた製品でなければ期待した効果は得られないため、CPマークの有無を確認することが大切です。
Q:焼き破りの音や所要時間はどのくらいですか?
A:焼き破りはガラスを加熱して割るため大きな音が出にくいといわれています。所要時間は、一般的なフロートガラスであれば、10~20秒程度で割られることもあります。





















