焼き破りには防犯ガラスで対策

ガラス 2020.11.13

侵入窃盗全体の認知件数は年々減少していますが、とくに注意が必要なのが「空き巣」です。

平成30年の刑法犯に関する統計資料によると、空き巣の認知件数は22,141件で、侵入窃盗全体の約35.2%を占めています。空き巣を始めとした侵入窃盗から住まいを守るためには、「焼き破り」に効果的な防犯ガラスへの交換が必要不可欠です。

この記事では、焼き破りの手口や、防犯ガラスや防犯フィルムの有効性について解説していきます。

焼き破りとは?ほかの空き巣手口との4つの違い

焼き破りの手口
焼き破りの手口

「焼き破り」とは、空き巣手口の一種で、バーナーやライターでガラス窓を熱する侵入方法です。熱したガラスを水やスプレーで瞬間冷却することで、薄いフロートガラス(FLガラス)なら10秒ほどで破ることができます。その手軽さや侵入までの時間の短さから、近年焼き破りの手口を使った住宅侵入窃盗が急増しています。

まずは、従来から使われてきた空き巣手口との4つの違いを見てみましょう。

1ガラスを破る際に音が出ない

ハンマー・バール・ドライバーといった工具を使い、ガラス窓を叩いて破壊する「打ち破り」などの手口は、侵入する際に衝撃音が発生します。しかし、焼き破りはガラス窓をあらかじめ熱するため、ガラスが割れる際の音がほとんど出ません。焼き破りは周囲に気づかれにくく、泥棒や空き巣が好む要因の1つとなっています。

2短時間で家屋に侵入できる

焼き破りは短時間で窓ガラスを破ることが可能です。トーチバーナーと瞬間冷却スプレーを使った事例では、バーナーで熱するのに10秒、スプレーで急速冷却するのに5秒、合計15秒ほどで焼き破りに成功しています。冷却を行わず、バーナーで炎を当てるだけでも、一般的な窓ガラスなら20秒もあれば破壊可能です。

3簡単に道具を入手できる

焼き破りには特殊な道具や工具は必要ありません。ホームセンターで販売されているライター、ガスバーナー、トーチバーナーがあれば十分です。ライターやバーナーは携帯性が高く、服やバッグに隠して持ち歩くことも可能です。

4特殊な技能が必要ない

従来、空き巣犯が好んで使ってきたのが、特殊用具で鍵をこじ開ける「ピッキング」や、穴や隙間から道具を差し込んでツマミ(サムターン)を回す「サムターン回し」です。ピッキングやサムターン回しは、専用の工具が必要なだけでなく、特殊な技能が求められます。他方、焼き破りはバーナーで熱するだけでよいため、ピッキングやサムターン回しができない空き巣犯でも簡単に家屋へ侵入できます。

窓ガラスの「焼き破り」は近年増加傾向にある

警視庁の調べによると、令和元年中(2019年)に発生した住宅を対象とした侵入窃盗のうち、侵入口が「窓」であったものは63.4%でした。この内訳としては、「居室」の窓が狙われたケースは28.1%、「縁側・ベランダ」の窓は24.3%、トイレや浴室などの「その他」の窓が11.0%となっています。[注1]

また、空き巣の侵入手段のデータを見ても、窓ガラスを割ったりこじ破ったりする「ガラス破り」が大きな割合を占めています。一戸建て住宅で発生した空き巣被害のうち、37.5%がガラス破りによるものです。4階建て以上の中高層住宅でさえも、侵入手口の15.0%がガラス破りとなっています。[注2]雨樋をよじ登ったり、塀や樹木などを足場にしたりして、空き巣犯は中高層階の窓ガラスも狙っているのです。

このように住まいの防犯対策を考えるうえで、「窓ガラス」は最重要ポイントです。窓ガラスを狙った侵入手口には、すでにご紹介した打ち破りや、ドライバーで窓ガラスに穴を開ける「こじ破り(三角やぶり)」などがあります。

そのなかでも、「焼き破り」は特殊な道具や技能が必要なく、薄いフロートガラスなら10秒ほどで破壊することができます。そのため、窓ガラスの防犯対策を万全にするためには、「焼き破り」を対策することも重要です。

防犯ガラスで焼き破りが対策できる2つの理由

防犯ガラスで焼き破りが対策できる2つの理由
防犯ガラスで焼き破りが対策できる2つの理由

それでは、窓ガラスの「焼き破り」をどのように対策すればよいのでしょうか。空き巣犯の多くは事前に下見を行い、犯行場所を選定しています。空き巣犯に侵入させないためには、住まいの防犯意識の高さをアピールする必要があります。また、侵入までの時間を稼ぐことで、空き巣犯が諦める可能性が高くなります。そこで役に立つのが、「防犯ガラス」と「防犯フィルム」です。

防犯ガラスや防犯フィルムがなぜ焼き破り対策になるのか、2つの理由を紹介します。

1侵入までの時間を稼ぐことができる

耐火性の高い耐熱強化ガラスや、焼き破りに強い防犯フィルムを窓ガラスに貼ることで、空き巣犯が侵入するまでの時間を稼ぐことができます。ほとんどの空き巣犯は、侵入に手間取ると空き巣をあきらめます。

都市防犯研究センターの調べによると、侵入窃盗の前歴がある元泥棒のうち、侵入をあきらめるまでの時間が「2分以内」と回答した者は約17%、「2分を越えて5分以内」と回答した者は約51%でした。[注3]

つまり、窓ガラスが破られるまでに「5分間」の時間を稼ぐことができれば、空き巣犯の7割近くを撃退できます。そのため、警察庁・国土交通省・経済産業省などがつくる「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」は、泥棒の攻撃から「5分間」耐えることを防犯性能の目安として、基準を満たした製品に「CPマーク」を付与しています。

一般的なフロートガラスを耐熱強化ガラスに取り替えたり、窓ガラスに耐熱性の高い防犯フィルムを貼ったりして、空き巣犯の侵入から「5分間」の時間を稼ぐことを目指しましょう。

2防犯対策の高さをアピールし、標的になるのを避けられる

防犯ガラスを設置することで、泥棒に防犯意識の高さをアピールし、自宅が標的にされるのを未然に防ぐことができます。住居侵入窃盗の犯人は、犯行直前に入念な下見を行います。

警視庁の2008年のアンケート調査によると、他人の財産を狙う「財産犯」のうち16.5%が、あらかじめ犯行場所の下見を行っています。そのうち、下見を1回行った者は約38.6%、2回行った者は約27.2%、3回以上繰り返した者は約11.3%の割合です。[注4]

空き巣犯が下見を行う目的は、犯行場所やその周辺をチェックし、容易に侵入できそうな住宅を見つけ出すためです。警視庁の調べでも、財産犯が犯行場所を選定した理由として、「人通りが少なかったから(12.1%)」「施錠していなかった又は侵入が容易だったから(6.2%)」「防犯カメラなど防犯設備がなかったから(5.9%)」「逃げやすい場所だったから(4.8%)」などが挙げられています。[注4]

空き巣犯の多くは、事前に住宅周辺をうろつき、防犯対策をチェックしています。空き巣犯のターゲットに選ばれないためにも、防犯ガラスに交換し、防犯意識の高さをアピールすることが大切です。

防犯ガラスに交換して「焼き破り」の対策を

空き巣の手口で急増しているのが、ライターやバーナーで窓ガラスを熱する「焼き破り」です。住まいの防犯対策の最重要ポイントである「窓」を守るためには、耐熱強化ガラスへの取り替えや、防犯フィルムの貼り付けが効果的です。空き巣を始めとした住まいのトラブルを避けるため、窓ガラスの防犯対策を実施しましょう。

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