住宅火災の原因は?たばこの不始末やコンセントからの出火を防ぐ方法

防災 2026.01.29更新(2020.11.06公開)
住宅火災の原因は?たばこの不始末やコンセントからの出火を防ぐ方法

消防庁の調べによると、2023年の1年間で38,672件の火災が発生しています。
火災は、たばこの不始末やコンセントからの出火、火遊び、放火などさまざまな原因で発生します。ひとたび火災が発生すると自力では消火が難しいケースも多いため、日頃から対策を講じておくことが大切です。
この記事では、火災が起きる原因や住宅火災が発生したときの初期対応、火災を未然に防ぐための対策について解説します。

出典:消防庁「令和6年版 消防白書 第1章 災害の現況と課題 第1節 火災予防」

目次

出火原因で多いのは?

主な出火原因別の出火件数

出典:消防庁「令和6年版 消防白書 第1章 災害の現況と課題 第1節 火災予防」

火災を防ぐためには、まずどのような原因で火災が起きているのかを正しく知ることが大切です。上図は、消防庁が出火原因を公表している主な火災の出火件数を、出火原因別にまとめたものです。ここでは、実際の統計データをもとに、出火の原因について解説します。

出火原因第1位は「たばこ」

火災の原因として、もっとも多いのが「たばこ」です。消防庁の「令和6年版 消防白書」によると、令和5年(2023年)に発生した、消防庁が出火原因を公表している主な火災25,472件のうち、たばこが原因のものは3,498件(13.7%)でした。これは、2023年に発生した総火災件数(38,672件)で見ても9.0%を占める割合です。

「こんろ」による出火(2,838件)や「放火」による出火(2,495件)よりも件数が多く、たばこはすべての出火原因の中で最多となっています。

住宅火災による死者は「たばこ」を発火源とした火災が多い

出火件数だけでなく、住宅火災による死者数を発火源別に見ても、たばこがもっとも多い原因となっています。2023年に発生した住宅火災の死者1,023人のうち、たばこが発火源となったのは144人(14.1%)でした。着火物別に見ると、寝具類や衣類に引火したケースが多く、火災による死亡者のうち、「寝具・衣類」が着火物となった事例は全体の15.0%です。

たばこの不始末対策

出火原因のトップがたばこである以上、火災を未然に防ぐには「たばこの不始末」に気をつける必要があります。たばこによる火災3,498件のうち、半数以上の2,287件(65.4%)は「(たばこの)不適当な場所への放置」が原因です。たばこによる火災の損害はけっして少なくなく、2023年には床面積で合計52,525平方メートルの建物が焼損し、約46億円の損害額が発生しています。火災による被害を避けるためには、日頃からの対策が欠かせません。

たばこの不始末を防ぐため、次のような行動を心がけましょう。

  • 寝たばこはしない
  • 吸い殻は水を使って確実に消す
  • 吸い殻を溜め込まない

出典:消防庁「令和6年版 消防白書 資料編 資料1-1-4 出火原因別火災損害状況」

その他の出火原因

たばこ以外にも、「たき火」や「こんろ」「放火」「電気機器」などが出火原因になることもあります。特にこんろは、日常生活で使用する機会が多いため、使用中は目を離さないようにしましょう。
また、コンセントやリチウムイオン電池を使用した製品が火災の原因になることもあります。コンセント周りのほこりや、バッテリーへの衝撃が発火の引き金になるため、取り扱いには気をつけましょう。
また、地震発生による停電後、電気が復旧した際に火災が発生する「通電火災」にも注意が必要です。

住宅火災が発生したときの初期対応

もし火災が発生したら、落ち着いて迅速な初期対応をとりましょう。火災発生時の初期対応には次の3つの基本原則があります。

すみやかに通報し、隣近所に大声で知らせる

まずは、火災が発生したことを大声で周囲に知らせ、助けを求めることが大切です。声を出せない場合は、非常ベルを鳴らすか、叩くと大きな音が出るものを探しましょう。どんなに小さな火災であっても、必ず消防署に通報してください。

119番にかけると、「火事ですか、救急ですか」と聞かれます。「火事だ」とはっきり伝えて、氏名や住所、出火場所の目印になるものを知らせましょう。

出火直後3分間までなら初期消火も有効

出火直後で、まだ火が小さい場合は初期消火も有効です。初期消火をする目安は「出火直後3分間まで」です。家庭用・住宅用の消火器や、浴槽やポリ袋などに貯めた置き水を活用するほか、毛布や座布団で火元を叩く方法も効果的です。

発火源 初期消火の方法
油なべ ● ガスの元栓をすみやかに閉める
● 粉末タイプの消火器を使用し、油を覆うように噴射する
● 消火器がない場合は、水で濡らしたバスタオルで出火元を覆う
衣服 ● 自分の衣服に火が移ったら、床や地面を転がり、すみやかに消火する
● 火が消えたように見えても安心せず、水をかけて完全に消火する
● 付近に風呂場がある場合は、湯船の水を頭からかぶる
カーテンやふすま ● 水や消火器ですみやかに消火する
● 火の勢いが強い場合は、カーテンをレールから引きちぎる、障子やふすまを蹴り倒すなどして、天井に燃え広がらないようにする
石油ストーブ ● 消火器を火元に噴射するか、水で濡らしたバスタオルや、バケツの水で一気に消火する
● 火が消えたように見えても、余熱で再発火する可能性があるため注意する

ただし、3分たっても消火できなかった場合や、火の勢いが強く天井付近にまで達してしまっている場合は、初期消火は困難です。自分で火を消そうと思わず、すみやかに避難行動に移りましょう。
消防庁の調べによると、2023年の救急自動車の現場到着所要時間は平均約10.0分でした。出火後3分以内に消火できなくても、救急車や消防車が火災発生から10分以内には出火現場に駆けつけると考えられます。そのため、初期消火にあたっては、けっして無理をしないことが大切です。

出典:消防庁「令和6年版 消防白書 第2章 消防防災の組織と活動 - 第5節 救急体制」

少しでも危険を感じたら安全な場所に避難する

少しでも危険を感じたら、火元を離れて安全な場所に避難しましょう。

2023年中の住宅火災による死者1,023人(放火自殺者等を除く)のうち、約40.6%が「逃げ遅れ」によるものです。そのうち、延焼拡大が早く逃げられなくなった方が52人、消火しようとして逃げ遅れた方が33人、服装や持ち出し品に気をとられた方が2人でした。

火の勢いが強い場合は、服装や持ち出し品にはこだわらず、すみやかに屋外へ避難することが大切です。避難を開始する際は、火災場所の窓やドアを閉め、空気を遮断することで延焼拡大を防げます。火災による煙を吸い込まないよう、避難の際は口元をタオルやハンカチで覆い、一気に屋外へ走り抜けましょう。

出典:消防庁「令和6年版 消防白書 第1章 災害の現況と課題 第1節 火災予防」

住宅火災の予防に効果的な対策

日頃からの意識や備え次第で、住宅火災のリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、家庭で実践しやすい住宅火災の予防策について解説します。

燃え移りやすい物の近くでたばこを吸わない

布団やベッド、ソファ、カーテンなど、燃えやすい物の近くで喫煙するのは避けましょう。火のついたたばこが落ちたり、灰が付着したりすることで、気づかないうちに火種となり、出火につながるおそれがあります。
また、吸い終わったたばこを捨てる際は、必ず水にくぐらせるなどして、火が完全に消えていることを確認しましょう。灰皿に放置したたばこから再び火が出るケースもあるため、確実な消火が重要です。

火を扱う際にそばを離れない

たき火やガスこんろ、仏壇の線香・ろうそくなど、火を扱う場面では、少しの時間でもその場を離れないことが大切です。たき火やこんろなどによる出火は、目を離した隙に起きやすいとされています。
調理中に別の用事を済ませようとしたり、来客や電話対応でその場を離れたりすると、火が広がってもすぐに対応できません。火を使う際は最後まで目を離さず、使用後は必ず火が消えているか確認しましょう。

コンセントの周辺を定期的に掃除する

トラッキング現象により火災が発生するおそれもあります。トラッキング現象とは、湿気を含んだほこりが電気を通し、発熱・発火につながる現象です。コンセントとプラグの間にほこりが溜まると、トラッキング現象が起こりやすくなります。
特に、家具の裏など普段目につかない場所のコンセントは、定期的に掃除を行い、ほこりが溜まらないようにしましょう。たこ足配線やコードを束ねたまま使用することも発熱の原因となるため、注意が大切です。

感震ブレーカーを設置する

地震時の通電火災を防ぐ対策として有効なのが、感震ブレーカーの設置です。感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断し、電気機器からの出火を防ぐ役割があります。
自治体によっては、感震ブレーカーの購入や設置に対して補助金を利用できる場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。設置後は定期的な点検を行い、交換時期を迎えたらすみやかに対応しましょう。

放火対策を行う

不審者による放火の対策も必要です。放火を防ぐためには、建物の周辺にゴミや古新聞などの燃えやすい物を放置しないことが大切です。燃えやすいゴミはできるだけ屋外に置かず、決められた収集日の朝に出すよう心がけましょう。
また、門の施錠や防犯カメラの設置を行い、敷地内に不審者が立ち入りにくい環境を作ることも大切です。さらに、人の動きに反応して点灯するセンサーライトや、歩くと大きな音が鳴る防犯砂利を設置すれば、不審者の侵入に気づきやすくなり、放火の抑止効果が高まります。日常の防犯対策を強化することが、結果として火災予防にもつながります。

住宅火災に備えて準備しておくこと

住宅火災に備えて準備しておくこと

火災を未然に防ぐためには、日頃からの火災予防対策が欠かせません。
ここでは、住宅火災に備えて準備しておきたいことをご紹介します。

すべての部屋に住宅用火災警報器を設置しましょう

2006年の消防法改正以降、すべての一般家庭で住宅用火災警報器の設置が義務化されています。消防法や都道府県の火災予防条例では、寝室と寝室がある階の階段、台所の3箇所への設置が義務付けられています。しかし、火災の被害を最小限に抑えるには、すべての部屋・階段・台所への警報器の設置が必要です。

住宅用火災警報器が住宅火災を迅速に検知し、警報を鳴らすことで、すみやかな避難行動が可能になります。逃げ遅れを防ぐため、すべての部屋に住警器を設置しましょう。

住宅用消火器の設置も初期消火に役立つ

消火器を設置していれば、火災発生時の初期消火に役立ちます。個人が利用できる消火器には、一般住宅向けの住宅用消火器のほか、ホームセンターなどで購入できるエアゾール式の簡易消火器があります。

住宅用消火器には使用期限が設定されているため、定期的に買い換えましょう。
また、効果的な初期消火を行うためには、消火器の使い方を学ぶことも大切です。所属する企業や自治体が開催する防災訓練に参加し、消火器を用いた正しい消火方法を学びましょう。

火が燃え移りにくい「防炎製品」を使う

火が燃え移りにくい機能が備わった防炎品として「防炎物品」と「防炎製品」があります。
「防炎物品」とは、消防法で高層建築物、地下街、劇場といった不特定多数の利用者がいる施設における防炎対策として、使用が義務付けられた物品を指します。

一方、「防炎製品」とは、火災予防として消防庁などが普及を推奨する製品を指します。
防炎製品は通常の製品より耐火性能が高くなっており、例えば布団やマットレスなどの寝具類やじゅうたんなどがあります。このような防炎製品を使うことで、火災が発生した際の燃え移りを防ぎ、延焼拡大を抑えることができます。
防炎製品は全国のホームセンター等で購入可能です。

避難経路を確認する

どれだけ注意していても、火災が発生してしまう可能性はあります。そのため、上記イラストにはありませんが万が一の事態に備え、日頃から避難経路を確認しておくことが大切です。玄関だけでなく、窓やベランダなど複数の避難経路を想定しておきましょう。
また、家族が別々の場所にいるタイミングで火災が起きた場合に備え、連絡方法や集合場所を事前に決めておくと安心です。

ALSOKのホームセキュリティで住宅火災のリスクに備えよう!

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ALSOKのホームセキュリティは、火災予防だけではなく、放火などの防犯対策としても有効なサービスですので、ぜひ一度導入をご検討ください。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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