空き巣が用いるマーキングの種類や狙われたときの対処法を紹介

出典:令和3年の刑法犯に関する統計資料「図表:1-2-4-2(侵入窃盗の認知・検挙状況)
自宅に侵入され窃盗を行われてしまう「侵入窃盗」の発生件数は、令和3年では、37,240件と報告されており、そのうち空き巣は30.0%と約1/3を占めています。[注1] 実は、空き巣の被害に遭う前に、予兆となる目印が確認されることがあります。この予兆となる目印は「マーキング」と呼ばれ、普段から意識しておくことが必要です。 今回は、空き巣犯が用いるマーキングと空き巣に狙われたときの対処法を紹介します。
[注1] [警察庁]令和3年の刑法犯に関する統計資料「図表:1-2-4-2(侵入窃盗の認知・検挙状況)」
目次
空き巣が用いるマーキングとは?マーキングの意味と種類を紹介

※こちらのイラストはあくまでも一例となります。
マーキングとは、表札や郵便受けなどに空き巣がつけるマーク、いわばメモのようなものを意味します。 このメモには、住人の「家族構成」「留守の時間」などが記されています。
これらの情報は、以下のように空き巣が理解できる隠語・暗号で表札、玄関ドア、郵便受け、電気メーターなどに記されます。
- 女性=W
- 男性=M
- ファミリー=F
- 一人暮らし=S など
たとえば、女性の一人暮らしで、10時から20時まで外出しているとした場合は「WS1020」といったように記されることがあります。
上記のイラストに記載されているものはあくまで一例であり、これ以外にもマーキングにはさまざまな種類があります。
シールでマーキングする
文具店で販売されているような、色付きのシールがマーキングに用いられるケースもあります。 金色であれば「裕福」、赤色であれば「普通」といったように、対象となる家の状態に応じて、シールの色を変更していきます。
記号でマーキングする
英単語やシールではなく、記号でマーキングされるケースもあります。 さまざまな記号が用いられており、一般の目では理解できないものも多くある一方、以下のようにすぐわかる記号も用いられます。
○=入りやすい
☓=家には入れない
△=侵入できる可能性がある
※上記は一例になります。実際のマーキングは様々な種類があるため、ご注意ください。
空き巣が犯行前にマーキングを用いる理由
空き巣犯は、入念な下見を経て犯行におよびます。そして、空き巣犯は下見によって知った情報をマーキングとして該当の住宅に記していきます。空き巣は単独犯だけではありません。20人以上もの大勢からなる連続空き巣グループが検挙されたケースがあります。このような空き巣グループの場合、グループ内で情報を共有するためにマーキングを行うことが考えられます。一方、単独犯がマーキングを用いる際は、家族構成や留守にする時間など下見をして得たターゲットの情報を忘れないために、他の空き巣にはわからないような独自のルールに基づいたマーキングを用いる可能性があります。
公益社団法人 日本都市計画学会は、街と防犯の関係を調査した、「犯罪者の視点から見た防犯環境設計の有効性の検討 ー全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告ー」を、2009年8月に発表しています。[注2] 同調査では、空き巣を含む「財産犯」が現場の下見を何度行なっているかを調査しており、結果は次のようになっています。
- 1回:17人
- 2回:12人
- 3回以上:5人
この調査からも、空き巣を含む財産犯が現場の下見を多く行なっていることがわかります。その下見の際のメモ書きが、いわゆるマーキングとよばれるものとなります。
[注2] 犯罪者の視点から見た防犯環境設計の有効性の検討 2009年8月ー全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告ー
一部の訪問販売員がマーキングをするケースもある
マーキングを用いるのは必ずしも空き巣グループだけではありません。一部の訪問販売員が用いるケースもあります。もちろん、この場合の目的は空き巣ではありませんが、留守の時間や家族構成といった個人情報をマーキングされてしまうと、空き巣にもその情報が伝わってしまいます。
マーキングを見つけてしまったときの対処法
家の玄関にマーキングを見つけた場合、まずは警察に相談し、マーキングを消しましょう。 マーキングが油性ペンで書かれていたなら除光液を、シールならシール剥がしを使ってマーキングを消すことが大切です。
玄関に傷がつけられていた場合は補修する
マーキングは油性ペンやシールだけでなく、玄関の表札に直接傷をつけるケースがあります。このような場合、補修材で補修しましょう。賃貸住宅の場合は、大家さんや管理会社に補修したい旨を伝えてください。
要注意!引っ越し先であってもマーキングがあることも
引っ越した先にマーキングがされている場合があります。これは、前に住んでいた住人の生活情報がそのまま残っている状態です。 もし、前の住人と自分の生活リズムとが異なると、空き巣と鉢合わせてしまう恐れがあるため、引っ越した先にマーキングと思われる文字や情報がある場合は、必ず消すようにしましょう。
セキュリティ会社への防犯依頼が空き巣対策に効果的
マーキングという周到な手口で犯行におよぶ空き巣犯への効果的な対策として挙げられるのが、セキュリティ会社への防犯依頼です。 公益社団法人 日本都市計画学会「犯罪者の視点から見た防犯環境設計の有効性の検討ー全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告ー」では、「犯行を思いとどまった理由」を、拘置所・拘置支所収容者に質問しています。[注2] その結果、以下のようにセキュリティ会社への防犯依頼が効果的といえる答えが返ってきています。
- 防犯カメラや防犯ベルといった設備があったから:16.3%
- 巡回中の警備員やガードマンに遭遇したから:8.4%
- 警備会社と契約していたから:6.0%
上記以外の犯行を思いとどまった理由は、
- 住民の目が気になったから
- パトロール中の警察官に遭遇したから
- 街の人に見られた・声をかけられたから
といったような理由が多く、空き巣被害のリスクを軽減するのであれば、セキュリティ会社への防犯依頼が安心といえるでしょう。
普段から防犯の意識を持つことも大切
空き巣の被害に遭わないためには、セキュリティ会社への防犯依頼に加えて、普段から防犯の意識も持っておきましょう。 家族構成が分かるような表札を出さない、住居者の性別や家族構成、ライフスタイルといった情報が読み取れるため洗濯物を干すときは注意する、どんなに忙しくても外出する際は戸締まりをする、 郵便受けに郵便物を溜めない、SNSに不在とわかるような投稿をしないといった、毎日の生活のなかでも気をつけるべきポイントはいくつもあります。
空き巣対策はセキュリティ会社へ防犯依頼
空き巣犯は、現場を下見した後、郵便受けや玄関にマーキングをしていく可能性があります。マーキングをされたら、そのままにせず消す必要がありますが、空き巣対策はマーキングをされる前に講じるようにしましょう。
空き巣対策には日頃の防犯意識に加えて、プロであるセキュリティ会社へ防犯を依頼するのがおすすめです。たとえばALSOKであれば、24時間365日自宅を見守ってくれるホームセキュリティを月々4,070円(税込)からご提供しています。
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