家庭内事故を防ぐための安全対策!高齢者や子どもに多い事故とは?

高齢者・介護 2025.11.28更新(2021.03.31公開)
家庭内事故を防ぐための安全対策!高齢者や子どもに多い事故とは?

自宅は一番安全な場所であるべきですが、残念ながら家庭内で起こる事故も少なくありません。とくに、高齢者や小さな子どもがいる場合、家庭内での事故が多いため注意が必要です。
時には命にかかわる重大な事故が起こることもあることから、家の中で起こり得る事故を防止するための対策が必要です。

この記事では、家庭内でどのような事故が多いのか、どのような対策を講じる必要があるのかをご紹介します。

目次

家庭内事故の事例

家庭内事故の事例

一見すると、家庭内は安全に見えますが、実際は思わぬ場所に危険が潜んでいます。
厚生労働省が発表した「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」によれば、2024年に不慮の事故で亡くなった方は45,743人に上り、そのなかには家庭でも起こり得る転倒や転落が含まれています。実際に起こった家庭内事故の事例についていくつか見ていきましょう。

出典:厚生労働省「令和6年(2024年)人口動態統計(確定数)の概況

転倒・転落

家庭内の事故で多く見られるのが転倒や転落です。階段から転落してしまったり、ケーブルに足を引っかけて転倒してしまったりするケースがあります。転倒や転落は、捻挫や骨折、頭部へのダメージなど深刻な問題につながるリスクがあるため注意が必要です。

階段やちょっとした段差だけでなく、スリッパが床面に引っかかって転倒してしまう事例があります。加えて一人暮らしの高齢者の場合、電球の交換や屋根の修理などのために高所に登って転落する事故も発生しています。

また、子どもの転落事故による救急搬送は、0~4歳までが突出して多くなっており、年齢とともに減少していく傾向にあります。

出典:東京消防庁「救急搬送データからみる日常生活の事故(令和5年)

浴室での事故

浴室は、床が濡れていて滑りやすいことに加え、入浴が体に負担をかけることもあるため、事故の多い場所です。浴室に入ったときに転倒し頭をぶつけてしまう、熱いお湯に浸かってやけどをしてしまうといった事例があります。さらに、湯加減を確認しようとして湯船に頭から転落したケースもあります。

高齢者の場合、ヒートショックにも注意しなければなりません。ヒートショックとは血圧の大きな変動によって心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことです。暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室に入ると血管の収縮による血圧上昇が起こり、その後湯船に浸かって体が温まると血圧が低下し、体に大きな負担がかかります。心臓病をお持ちの方や高血圧の方は、とくに注意が必要です。

また、子どもの場合、10cmの深さでもおぼれてしまうことがあります。実際に、親が目を離したタイミングで子どもが勝手に浴室に入り、湯が張られていた浴槽におぼれてしまった事件も発生しています。

熱中症

近年では家にいるにもかかわらず熱中症になり命を落とす方がいます。
厚生労働省の人口動態統計によると、2024年における熱中症による死亡数は2,160人、そのうち65歳以上は1,835人と全体の85%を占めています。

高齢者が冷房をつけようとして暖房をつけてしまい熱中症になったケースや、入浴後の脱水によって熱中症の症状が出たケース、睡眠中の寝汗で脱水症状になったケースもあります。

また、高齢者だけでなく、子どもも熱中症への注意が必要です。子どもは体温調節機能が未発達で、大人よりも汗をかくのに時間がかかり、結果的に高くなった体温を下げるのに時間がかかってしまいます。

出典:厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)

誤飲・窒息

高齢者は、嚥下機能の低下により食べ物がのどに詰まりやすくなります。とくにお餅や団子などの粘り気が強い食べ物は注意が必要です。

一方で、子どもは好奇心から小さなおもちゃやボタン電池、薬、たばこなどを誤って口に入れてしまうことがあります。誤飲により中毒や窒息を引き起こすことがあり、命にかかわることもあります。また、寝ている間にタオルやスタイ(よだれかけ)が首に巻き付く、柔らかい寝具に顔が埋もれるといった窒息事故も報告されています。

やけど

やけども家庭内で起こりやすい事故の1つです。
高齢者の場合、ガスコンロや仏壇のろうそくの火が衣服に燃え移る着衣着火や、暖房器具の使い方を誤ったことによる低温やけどなどの事故が報告されています。

また、子どもの場合、保護者が目を離した隙にキッチンに入り込み、鍋やコンロに触れてやけどをする事故が少なくありません。電気ケトルやポットのコードでつかまり立ちをしてしまいお湯をかぶるなど、予想外の事故も起こります。

家庭内事故を減らすための安全対策

家庭内事故を減らすための対策

家庭内の事故は、少しの工夫で大きく減らすことができます。
どのような事故が起こりやすいかを把握し、その要因ごとに具体的な対策を講じることが重要です。ここでは、先ほどご紹介した事故種別に、家庭でできる予防策を解説します。

転倒・転落の予防策

手すりや照明を設置する

階段、浴室、トイレなど、転倒・転落のリスクがある場所には手すりの設置が有効です。
手すりをつかむことで、足元が不安定なときも体を支えることができます。さらに、階段の上り口や廊下などの暗くなりやすい場所には足元灯やセンサーライトを設置し、段差がはっきり見えるようにしましょう。

また、玄関に椅子を置いて座ったまま靴を履けるようにするなど、無理のない姿勢で動ける環境をつくるのも転倒防止に役立ちます。小さな子どもがいる家庭では、階段や吹き抜け部分にベビーゲートを設置し、転落事故を防ぎましょう。

床に物を置きっぱなしにしない

床につまずきそうな物を放置しないことも重要です。大きな物を床に置かないようにするのはもちろん、テレビや家電、掃除機のコードが原因で転倒することもあります。室内は整理整頓されていることが望ましいでしょう。

履物を工夫する

滑りやすい靴下を履いたまま家の中を歩くと転倒するおそれがあります。滑りにくい靴下やスリッパを履くなどして転倒を防止しましょう。

浴室での事故の予防策

浴室や脱衣所に暖房器具を設置する

冬場は、暖かいリビングと冷えた脱衣所・浴室との温度差が心臓に大きな負担をかけます。浴室や脱衣所に暖房器具を設置し、入浴前に温度差を解消しておくことでヒートショックの予防につながります。また、飲酒直後の入浴は避け、体調が悪いときは無理をせず休むことも大切です。

浴室の床を滑りにくい素材に張り替える

床に石鹸が残っていたり、床材が劣化したりしていると、滑って転倒し大きなけがにつながるおそれがあります。滑りにくい床材に張り替える、滑り止めマットを敷くなどの対策を講じ、転倒リスクを軽減しましょう。

浴室に誰かいないか定期的に確認する

浴室は一人で使用することが多く、転倒や体調不良などが起きてもすぐに気づかれにくい場所です。とくに高齢者の場合、入浴中のヒートショックや意識障害などによって倒れてしまい、家族が発見するまで時間がかかるケースもあります。入浴時間が長いと感じたときや物音がしないときは、声をかけて様子を確認する習慣をつけましょう。

また、目を離した隙に子どもが脱衣所や浴室に入り、洗濯機の中に入り込む、転倒してけがを負うなどのケースも考えられます。浴室に誰かいないか、できる限り頻繁に気にしておくことが事故の防止につながるでしょう。

熱中症は温度管理と水分補給が重要

熱中症は、温度管理と水分補給によって予防することが可能です。とくに室内にいるときには、適度にエアコンを使って温度を調節するようにしましょう。

エアコンが苦手な方は、室温を下げるために扇風機や遮光遮熱機能が付いているカーテン、すだれを用いるのもおすすめです。さらに、湿度が高いと熱中症になりやすいため、除湿器の使用も検討しましょう。

こまめな水分補給も欠かせません。とくに入浴直後や起床直後は脱水状態になりやすいため、水やスポーツドリンクを飲むことを心がけましょう。「のどが渇いた」と感じた時点ではすでに水分不足が始まっているため、のどが渇く前に補給することを意識してください。

誤飲・窒息の予防策

食べ物は細かく刻む

食材を細かくカットすることで、咀嚼力や嚥下力の弱い高齢者・小さな子どもでも安心して食べられます。また、噛み切りやすい食材を選び、とろみをつけたり、柔らかく煮込んだりする工夫も事故を防ぐ上で効果的です。

口に入る物を子どもの手の届く場所に置かない

危険が分からない子どもは、薬や洗剤、ボタン電池、お酒などを口に入れてしまうことがあります。誤飲してしまうと命にかかわるおそれがあるため、口に入れて危険な物は子どもの手の届かない場所に置くようにしましょう。

寝ている子どもの周りにタオルなどを置かない

寝ている間に首に巻き付いてしまうのを防ぐため、首に絡まりやすそうなタオルやコードなどは寝ている子どもの近くに置かないよう気を付けましょう。寝返り時に鼻や口を塞がないよう、就寝時にはスタイ(よだれかけ)を外すことも忘れないでください。
また、寝具はできるだけシンプルにし、柔らかすぎる布団や枕も避けることをおすすめします。

やけど対策はキッチンに立ち入らせないようにしよう

キッチンは火や熱い油、お湯など、やけどの危険が多い場所です。子どもが近づかないようにベビーゲートを設置しましょう。床に置くタイプの暖房器具も触れてやけどをするおそれがあるため、柵で囲むと安心です。

さらに、低温やけどを防ぐため長時間同じ場所を温めないよう注意しましょう。例えば、こたつで寝てしまったり、湯たんぽ・カイロを同じ場所に当て続けたりすると低温やけどの原因になります。

高齢者・子どもにはとくに注意を

家庭内では、誰でも思わぬ事故に遭うおそれはありますが、とくに注意が必要なのはやはり高齢者や子どもです。

高齢者は危険を察知しても瞬時に体が反応できないことが多くなります。コードに引っかかっても床に手をつけない、高所から落ちてもとっさに受け身が取れないといった理由で重大事故につながるかもしれません。

一方、子どもは危険を察知する能力がまだ発達しておらず、危ない場所に行ってしまったり階段から転落してしまったりするケースが少なくありません。親御さんが少し目を離した隙に家庭内の危険な場所に行ってしまうこともあるでしょう。

さらに、高齢者も子どもも急激な温度変化に対応するのが難しいため、熱中症やヒートショックなどの事故が起こりやすくなります。家庭内に高齢者や子どもがいる場合には、家庭内にどのような危険があるかをそれぞれの目線でチェックすることが重要です。

家庭内の不慮の事故に備えた見守り体制を整えよう

どれほど気を付けていても、家庭内における不慮の事故のリスクをゼロにすることはできません。とくに高齢者や子どもがいる家庭では、誰かが常にそばで見守ることができれば安心ですが、仕事や外出などでそれが難しい場合も多いでしょう。

HOME ALSOK みまもりサポート

そのようなときにおすすめしたいのがALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」です。体調が悪くなったり、けがをしたりしたときにボタンを押すだけで、ALSOKが駆けつけます。また、オプションでセンサーを設置し、ガス漏れや火災の感知を強化することも可能です。万が一ガス漏れや火災を感知した際もALSOKが駆けつけ、適切に対応します。

さらに、「相談」ボタンを押せば、24時間いつでも看護師資格をもつスタッフにつながり、健康相談をすることもできます。オプションでは、日々の定期的な安否確認も行ってくれるので、もしものときも安心です。

HOME ALSOK アルボeye

もっとお手軽に始めたい方には「HOME ALSOK アルボeye」がおすすめです。「HOME ALSOKアルボeye」は、お客様がご自身で自宅のカメラをチェックし、必要に応じてALSOKに出動を依頼できるサービスです。部屋の温度を感知し熱中症の危険性を知らせてくれるので、高齢者や子どもを熱中症の危険から守れるでしょう。

見守り態勢を十分に整えることで、家庭内での事故のリスクを最小限に抑えることが可能となります。

家庭内には思わぬところに危険が潜んでいますが、大切なご家族の健康と安全を守るために、家庭内の危険を事前に把握しておき、ALSOKのサービスを活用してみませんか。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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