SNSには危険がいっぱい!ネットトラブルからの小学生の守り方を考えよう

現在、SNSは社会生活に欠かせないインフラのひとつとして定着しています。そして、iPhone発売の2007年以降に生まれた世代は「スマホネイティブ」と呼ばれ、スマホが欠かせない世代です。スマホの進化は目覚ましく、親世代が子供と同じスピードで学んでいくのは困難でしょう。そこで、本記事では小学校の先生へのアンケート結果から、小学生が直面するであろうSNS・インターネットの持つリスクや対策を解説していきます。
インターネット教育のリスクを感じている小学校の先生は8割以上
ALSOKは、2018年6月から2019年3月にかけて、「第4回担任の先生に聞く、小学生の防犯に関する意識調査」を全国の小学校クラス担任教諭を対象として行いました。その結果、83.6%の先生が「昨年よりもインターネットにおけるリスク教育の必要性を感じている」と回答しています。


さらに、「自身のクラスでインターネットリスクについて指導している、もしくはその予定はありますか」という質問に対しては、学年が上がるごとに「指導している」という回答は多くなっています。1年生に対しては33.1%ですが、中間学年である3年生では半分近い59.7%になり、6年生では実に96.0%の先生がインターネットリスクについての指導を行っていると回答しています。


インターネットリスクについてはどのように指導しているのでしょうか。もっとも多いのは「個人情報や顔写真の公開・送信」で、次いで「ネット内いじめ」、「ネット・SNS依存」と続きます。指導の傾向としては、全体的にサイトの閲覧やSNSを通じた他人との接触などの情報の受信についてよりも、個人情報の公開や詐欺などの情報漏洩についての注意が多いようです。


本調査が行われた時点では、小学校へのスマホの持ち込みは禁止でしたが、2018年の大阪府北部地震発生をきっかけに、児童の安全確認を目的として登下校中のスマホ携帯の要請が増加してきました。それを受け、大阪府内の小学校では2019年に登下校中のスマホ携帯が許可されました。児童の安全確保のためのスマホ携帯の必要性は全国的に取り上げられています。そのため、今後ますます小学生がスマホ、ひいてはインターネットに触れる時間や機会は増加し、それに伴うリスク指導の必要性も増加していくと考えられます。そうしたトラブルからの小学生の守り方を確立するのも、今後の大きな課題といえるでしょう。
小学生の身の回りにあるインターネットトラブルとは?
「担当のクラスに実際にネットトラブルに遭遇したことのある児童は何人いますか?」という質問に対する回答では、実際にインターネット上でトラブルに遭った小学生は、全生徒2万1670名のうち86名でした。この数字は小学生250人に1人の割合で実際にインターネット上のトラブルに遭遇していることを示しています。さらに、トラブル遭遇率は高学年になるほど高くなり、低学年では約1000人に1人の割合ですが、高学年になると約80人に1人まで急上昇しています。
トラブルの内容でもっとも多かったのは、「ネット内いじめの加害者または被害者となった」で72.6%と大部分を占めています。次いで多かったのが「親の許可なく課金をしてしまった」ですが、6.0%と割合はかなり少なく、小学生のネットトラブルのうち、ネット内でのいじめがいかに多くを占めているかがわかるでしょう。本調査では、小学生はSNSを利用している際に知らないうちにいじめに巻き込まれたり加担してしまったりすることが多いことがわかりました。
それはどのようなトラブルでしたか?


トラブルに遭った小学生 86人
前述の通り、2018年の大阪府北部地震をきっかけに、小学生のスマホ所持率は急上昇しています。内閣府の調査によれば、小学生のインターネット利用比率・通信端末使用比率は2017年の時点ですでに3人に1人の割合となっています。
SNSは1対1ではなく1対多のコミュニケーションなので、利用には細心の注意が必要です。また、幸い本調査では事例はありませんでしたが、SNSを通じて不審者と接触してしまい、脅迫や誘拐といった事件に発展するということもあるえるので十分な注意が必要です。
小学生のためのSNS上のトラブルからの身の守り方
ALSOKが実施している「ALSOK安心教室」では、2019年1月から新たに小学生に対するインターネットリテラシー指導を行っています。
そこでは、「かきくけこ」「あくまがでた」というキーワードを用いて、小学生にもわかりやすく注意すべき点を説明しています。
「かきくけこ」とは、情報発信の際に注意するべきポイントで、「顔がはっきり映っていないか」「禁止されていることではないか」「暮らしている場所が知られてしまわないか」「ケータイ番号などの連絡先を教えても大丈夫か」「困らせたり、迷惑がかかったりしてしまわないか」の5項目です。
「あくまがでた」は、知らない人からの注意するべきメッセージで「会おうと言ってきた」「クリックさせようとしてきた」「回すように言ってきた」「画像を送るように言ってきた」「電話やメールをさせようとしてきた」「タダで上げると言ってきた」の6項目となっています。
情報を発信するときに確認する5つのポイント
書き込む前に、「か・き・く・け・こ」を確認しよう
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か顔がはっきりうつっていないか
悪意を持った人に狙われるきっかけになる。また、肖像を勝手に使用されるリスクがある。
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き禁止されていることではないか
著作権、肖像権等のルールについて知り、違反しないよう注意する。親と交わした約束を破るのもいけない。
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く暮らしている場所が知られてしまわないか
住所はもちろん、自分の生活圏が知られてしまう情報を載せない。写真に写りこんだ背景にも注意。
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けケータイ番号など連絡先を教えても大丈夫か
自分の連絡先を知らない人に教えたり、公開してはいけない。これらを騙し取ろうとする罠もあるので注意。
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こ困らせたり、迷惑がかかったりしないか
書き込むことで、誰かを困らせたり、迷惑がかかってしまわないかよく考える。場合によっては炎上などのトラブルに発展する危険もある。
知らない人からのこんなメッセージ(メール)は要注意!
「あ・く・ま・が・で・た」ときは、相手にしないで、おうちの人に相談しよう
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あ会おうといってきた
インターネット上で知り合った人と子供だけで会うことはとても危険。犯罪やトラブルにつながりやすい。
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くクリックさせようとしてきた
メッセージ内のURLや添付ファイルには、有害なものもある。安易にクリック(タップ)するのは危険。
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ま回すようにいってきた
チェーンメールなどは友だちに回さない。悪質なURLやファイルが含まれていたら、自分が加害者になってしまう。
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が画像を送るようにいってきた
顔写真だけでなく、下着姿などを送信させられてしまう被害も。画像が他人の手に渡ると二度と消せなくなる。
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で電話やメールをさせようとしてきた
代金支払い請求や、間違いメールを装った詐欺もあるので注意。連絡すると自分の連絡先が知られてしまう。
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たタダであげるといってきた
うまい話で興味を引き、個人情報をだまし取ったりトラブルに巻き込もうとする罠に気をつける。
こうしたケースが起こりうることを想定して、親も対策を講じる努力をしなくてはいけません。まずやるべきは、URLフィルタリング・ペアレンタルコントロールの設定でしょう。
国内の携帯電話事業者では、未成年による有害サイトへの接続の制限が法律で義務付けられています。しかし、契約者が両親である場合などは十分な制限をせずに端末を渡してしまう場合もあります。子どもが使う携帯の設定は必ず渡す前に確認するようにしましょう。
また、いざというときのために親以外の相談先も確保しておくことが重要です。各自治体などが設置している相談窓口をあらかじめ教えておきましょう。ネットトラブルの内容は、親や学校以外の第三者に相談したいものが多いということが事態を大きく、深刻化させる理由のひとつとなっているからです。
個人情報の取り扱いについての注意も重要です。最悪の場合、ネット上のトラブルだけでなく強盗や誘拐といった犯罪の被害者になってしまう危険もあります。取り扱いには十分気をつけなくてはいけないということを、是非親子で話し合ってくださいね。
「ALSOKあんしん教室」とは
ALSOKでは、2004年から社会貢献活動として、小学生向けの防犯出前授業「ALSOKあんしん教室」を実施しています。守りのプロであるALSOKのガードマンを小学校へ派遣し、自分で自分の身を守ることや命の大切さについて考えるきっかけを提供している人気の防犯出前授業です。
インターネットの安全な利用をテーマとした授業もありますので、是非チェックしてみてください。
防犯のプロ、ALSOKが小学生の皆さんにアドバイスします
ALSOKあんしん教室「安全にインターネット」編の詳細はこちら