リレーアタックの手口とは?スマートキーを使った車の盗難を防ぐ対策

防犯 2026.02.19更新(2020.08.27公開)
リレーアタックの手口とは?スマートキーを使った車の盗難を防ぐ対策

国内では、年間6,000件を超える数の自動車盗難が発生しています。
「盗まれやすい車種や特徴」などの情報を目にする機会もあり、「自分の車は当てはまらないから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、自動車を盗む背景はさまざまなため、大丈夫と思っていても被害に遭う可能性はあります。

そこで今回は、車両盗難の新たな手口として問題になっている、スマートキーを悪用した「リレーアタック」について、その仕組みや具体的な手口、盗難を防ぐ対策をご紹介します。

目次

車両盗難の被害件数

車両盗難の被害件数

近年、自動車の盗難被害の件数はどのように推移しているのでしょうか。
警察庁のデータによると、令和5年(2023年)の全国における車両盗難の件数は「5,762件」でした。翌年の令和6年(2024年)には「6,080件」となり、前年からわずかに増加しています。平成27年(2015年)の「1万3,821件」と比較すると半数以下まで減少しているものの、近年は下げ止まりから増加に転じる兆しが見られる状況です。

1年間に国内で6,000台以上の自動車が盗まれている現実を考えると、車両盗難は決して他人ごととはいえません。
現代の自動車には、イモビライザーやスマートキーなど、盗難防止を目的としたさまざまな安全機構が搭載されています。しかし、その一方で、こうした仕組みを悪用した新たな手口による盗難被害も後を絶ちません。

従来は、窓ガラスを割る、ドアをこじ開けるといった物理的な破壊による手口が主流でした。近年では、多くの自動車に標準装備されている「スマートキー」の盗難防止機能を悪用した「リレーアタック」と呼ばれる手口による盗難が増加しています。

出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」

スマートキーの特性を悪用したリレーアタックとは?

スマートキーの特性を悪用したリレーアタックとは?

近年販売されている自動車の多くに搭載されているのが「スマートキー」です。鍵を取り出すことなくドアの解錠やエンジンの始動ができる利便性から、手放せないと感じる方も多いでしょう。
しかし、スマートキーの仕組みや特性を悪用し、車両の盗難を図る「リレーアタック」という手口が広まっています。

スマートキーの仕組み

「スマートキー」は、自動車の鍵穴を使わずにリモコン機能でドアロックを解除できる「キーレスエントリー」をさらに進化させたロック解除の仕組みです。従来のキーレスエントリーでは解錠操作のみが可能でしたが、スマートキーでは「エンジン始動」まで物理的な鍵操作なしで行える機能が備わっています。

具体的な使い方は、キーを手に持つかポケットやバッグに入れた状態で車両に近づき、以下のいずれかの動作を行うことでドアロックを解除できます。

  • ドアノブのボタンを押す
  • ドアノブを引く
  • キーのリモコンボタンを押す
  • 車両の近くまで行く

また、車両にスマートキーがある状態であれば、鍵穴にキーを差し込まなくても始動ボタンを押してエンジンをスタートさせられます。

なお、上記の操作方法は自動車メーカーや車種によって異なる場合もあるため、取扱説明書などで確認しましょう。

リレーアタックの手口

リレーアタックの手口

リレーアタックとは、スマートキーが発する微弱な電波を悪用し、車両を不正に解錠・始動する盗難手口です。犯人は特殊な機器を使ってスマートキーの電波を中継し、鍵が近くにない状態でも、車側に「正規のキーがそばにある」と誤認させます。
その結果、ドアロックが解除され、エンジンの始動まで可能になってしまいます。持ち主が自動車から離れた場所にいても、車両を盗まれるおそれがある点が大きな特徴です。

リレーアタックは、複数人のグループによって犯行が行われる場合がほとんどです。多くの場合は、以下の手口で盗難をはたらいています。

  1. 窃盗役の犯人Aが持ち主の自動車に接近する
  2. 持ち主に近づいた中継役の犯人Bが機器でキーの電波を中継し、自動車の近くにいる犯人Aが持つ受信機へ送る
  3. 自動車の近くにいる犯人Aが受信機でドアロックを解除し、エンジンを始動して逃走する

盗難車両はすぐにスマートキーを改造されるなどして海外へ転売されたり、解体された後に部品を転売されたりします。犯行にかかる時間はわずか数十秒と短く、物音もほとんど立たないため、周囲が気づきにくい点も被害拡大の要因です。最近は、全国各地で被害が確認されるようになり、今後もこの手口による盗難が増えると予測されています。
リレーアタックによる車両盗難の被害に遭わないためには、駐車場に防犯カメラを設置するなどの対策が必要です。

リレーアタックの対策方法

リレーアタックの対策方法

リレーアタックは、短時間で車両を傷つけることなく、ほとんど音も立てずに自動車を盗まれてしまう手口です。そのため、被害に遭ってから初めて盗難に気づくケースも少なくありません。では、車の持ち主が被害を防ぐために、行える対策はあるのでしょうか。

スマートキーの取り扱いによる対策

リレーアタックはスマートキーの電波を悪用する手口であるため、キーの扱い方を見直すだけでも被害リスクを下げることが可能です。主な対策として、次のような方法が挙げられます。

自動車に乗らないときはスマートキーを蓋付きの缶に入れておく

スマートキーから発信される電波は、金属製の容器で遮断することが可能です。在宅時など車に乗らないときは、キーを空き缶などの蓋付きの缶にしまうだけでも簡易的な盗難防止対策になります。

スマートキーを省電力モードにしておく

一部の車種には、スマートキーが発信する微弱な電波をオフにする省電力機能があります。車種によっては自分で省電力モード設定を行えるものもあるため、積極的に活用することでリレーアタックによる盗難防止に役立ちます。
また、車に乗る頻度が低い場合は、スマートキーの電池を抜いて保管しておくのも対策のひとつです。

リレーアタック防止用キーケースを使用する

カー用品店などでは、スマートキー専用ケースが販売されており、それらのなかにはリレーアタックによる盗難を防ぐため電波を遮断する機能が備わったものもあります。盗難が心配であればそれらを購入し、普段から使用するだけで盗難対策ができます。

玄関に鍵を保管しない

スマートキーの電波が届く範囲は、一般的に1~2m程度とされています。
駐車場に近い玄関や窓際に鍵を置いていると、室内に侵入されなくても電波を中継されるおそれがあります。そのため、鍵は駐車場から離れた部屋や2階など、電波が届きにくい場所で保管することが重要です。

その他の対策方法

リレーアタックに限らず、あらゆる手口の車両盗難を予防するための基本的な対策も行っておくと良いでしょう。

ハンドルロックを付ける

ハンドルロックは、物理的に車を運転できない状態にし、盗難を防ぐ方法です。乗降の際に手間はかかりますが、ハンドルロックを取り付けることでリレーアタック以外の手口による盗難も防止できます。

人目がつきやすいところに駐車する

もっとも基本的な盗難対策といえるでしょう。人が絶えず通る場所や人の目に触れやすい場所では、車両盗難に限らず犯罪や不審な行為はしにくいものです。ただし、リレーアタックによる盗難は数十秒で行えてしまうため、別の手段と組み合わせて対策したほうが安心です。

車内が見えないようサンシェードやボディカバーを付ける

サンシェードやボディカバーを使用して車内の状況を見えにくくするのも、有効な対策のひとつです。住宅の空き巣防止に二重ロックやキーシリンダーカバーを取り付けることと同様、盗難行為に至るまでの時間や手間を増やすことで犯行をあきらめさせる効果が期待できます。

リレーアタック対応の盗難防止装置を取り入れる

多少高価にはなりますが、リレーアタックによる被害を防げるタイプの盗難防止装置を導入する方法もあります。これは万一電波を第三者に受信されても、エンジンの始動を妨げることで盗難被害を防ぐ仕組みとなっています。

リレーアタック以外の車の盗難手口

車両盗難の手口は、リレーアタックだけに限られません。犯人は車の装備や保管状況に応じて、さまざまな方法を使い分けています。ここでは、リレーアタック以外に注意しておきたい代表的な車の盗難手口について解説します。

自宅に侵入して鍵を盗む手口

住宅内に侵入してスマートキーや車の鍵そのものを盗み、そのまま車を持ち去る手口も依然として確認されています。住人が不在の時間帯や就寝中などを狙い、玄関や窓から侵入されるケースが多く見られます。
この場合、どれだけ車側の防犯対策を強化していても、正規の鍵を使われてしまえば盗難を防ぐことは困難です。そのため、車の防犯対策だけでなく、玄関や窓の施錠、補助錠の設置など、住宅全体の防犯対策を強化することが重要になります。

イモビカッターを使用する手口

イモビカッターを使った盗難手口にも注意が必要です。多くの車には「イモビライザー」という盗難防止装置が備わっています。これはキーに内蔵されたチップに書き込まれている暗号を、車両側が認識しないとエンジンを始動できない仕組みです。
イモビカッターは、このイモビライザーを無効化し、不正にエンジンを始動させるための機器を指します。この手口による車両の盗難被害も少なくないことから、イモビライザーがあるからといって油断はできません。

コードグラバー

コードグラバーという、スマートキーのスペアキー作成に用いる機器を悪用した手口もあります。
コードグラバーは、施錠・解錠のタイミングでスマートキーから出る電波を傍受し、IDコードをコピーします。コピーしたIDコードを使えば、ドアの解錠やエンジンの始動が可能となるため、犯人は正規のキーを持っているかのように車両を操作できます。
コードグラバーは半径100m程度離れていても使用できるとされており、車上荒らしにも用いられることがあるため注意が必要です。

CANインベーダー

CANインベーダーは、自動車の内部ネットワークを不正に操作する盗難手口です。
近年の車両には、エンジンやブレーキ、スマートキーなど、さまざまな制御を行うコンピューターが搭載されており、これらをつなぐ通信ネットワークを「CAN(Controller Area Network)」と呼びます。

犯人は車体の一部に外部機器を接続し、CANに不正アクセスすることで、ドアの解錠やエンジン操作を行います。スマートキーの電波を利用しないため、最新のセキュリティ機能を備えた自動車であっても、短時間で盗まれてしまうリスクがある点が特徴です。

車の盗難に前兆はある?

リレーアタックによる車両盗難は、事前に下見を重ねたうえで計画的に実行されるのが一般的です。そのため、被害に遭う前段階として、周囲に不審な兆候が現れる場合があります。

知らない人や自動車を何度も見かける

自宅周辺で、見覚えのない人物や不審な車を何度も見かける場合は注意が必要です。
自動車盗や空き巣を計画し、犯人が高値で転売できる車種かどうか、駐車場に死角はないか、車の使用頻度や住人の生活リズムなどを確認している可能性があります。
違和感を覚えた際は、戸締まりの徹底や防犯対策の見直しなどを行いましょう。不審者がうろついている場合は、警察に相談しパトロールを強化してもらうのも効果的です。

駐車場や玄関にマーキングがある

窃盗犯が下見を行う際、目印として駐車場や玄関周辺にマーキングを残すケースがあります。代表的なマーキングには以下のようなものがあります。

  • 駐車場や玄関ドア、タイヤなどにチョークでなにか書かれている
  • 車や玄関ドア、表札などにシールが貼られている
  • ワイパーにチラシが挟まっている
  • 車の脇にペットボトルや空き缶などが置かれている

こうしたマーキングが何日残っているかで、車に乗る頻度を把握しようとしている可能性があります。また、家族構成や不在の時間帯などを仲間にのみ伝わる形で残しているおそれもあります。例えば、○と書かれていたり白いシールを貼られていたりする場合は、侵入しやすいという意味で使われることがあります。数字が書かれている場合は、不在の時間帯を表していることも。
マーキングのようなものが見つかった場合は、写真を撮って証拠を残し、すぐに消すようにしましょう。マンションの場合は管理会社へ連絡したり、近隣住民にも情報を共有したりして、地域全体で防犯意識を持つことも重要です。

車両盗難防止に役立つALSOKのサービス

ご自身でどんな対策を行っていても、車両盗難のリスクをなくすことは難しいものです。実際に、人通りの多い市街地や日中の時間帯であっても、盗難被害に遭うケースは報告されています。
そのため、個人でできる対策を行ったうえで、万一の事態にも備えたいと考える場合には、防犯カメラを導入して自宅のセキュリティを強化する方法もおすすめです。

ALSOKの防犯(監視)カメラの特徴

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ALSOKの防犯カメラは、工事不要で設置できるほか、人感センサーによる自動録画やオプションの駆けつけサービスにも対応しています。人の動きを検知するとLEDライトが点灯するため、夜間や暗い時間帯でも状況を把握しやすく、安心感を高めてくれます。防犯性能を重視しつつ、導入のハードルを下げたい方に適した防犯カメラです。

自宅全体の防犯を強化するALSOKのホームセキュリティ

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自動車の窃盗は、リレーアタックによるものだけではなく、住宅に侵入し車のキーを盗んだうえで犯行に及ぶケースもあります。そのため、住宅に侵入しにくくなるよう、家自体の防犯対策を強化することも大切です。そこでおすすめなのが、ホームセキュリティの導入です。
ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選べます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの駆けつけを依頼できます。オンラインセキュリティは、異常発生時にALSOKが駆けつけ、適切に対処します。
また、スマートフォンを持っているだけで警備を解除し、警備開始もワンタッチでできる「スマホゲート機能」があるため、外出時や帰宅時にもスムーズに警備をセットできます。
ALSOKのホームセキュリティは、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。

まとめ

今回は、スマートキーを搭載した車両を狙った盗難手口であるリレーアタックについて、その仕組みや対策方法を解説しました。
近年の自動車には、時代に合わせさまざまな盗難防止機能が搭載されていますが、それに対応する形で盗難手口も高度化しています。
愛車を守るためにも、ご自身で行える基本的な対策を行うことはもちろん、防犯カメラの設置やホームセキュリティの導入など、駐車場や自宅全体の防犯強化も視野に入れましょう。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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