海外赴任時の海外転出届、住民票やマイナンバーカードなどの手続きの仕方

単身赴任 2026.05.22更新(2021.03.23公開)
海外赴任時の海外転出届、住民票やマイナンバーカードなどの手続きの仕方

本記事では、海外赴任が決まった際の「海外転出届」や「住民票」、「税金・保険料」、「住まいに関すること」など、必要な手続きの仕方について解説します。

外国に転勤・駐在し、仕事をすることになる「海外赴任」。突然決まることもありますし、もし行ったことのない国であれば仕事だけでなく生活面でもさまざまな不安がともないます。仕事の準備と並行して、住民票やマイナンバーカード、社会保険など、さまざまな手続きを進める必要があります。特に「海外転出届」の提出は、住民票や健康保険など多くの手続きに影響を与える重要な届出です。

【この記事で分かること】

  • 海外転出届・住民票の除票の仕組みと、1年未満・1年以上の違い
  • 海外転出届の提出方法・必要書類・返却書類
  • 海外赴任中の住民税・年金・健康保険の取り扱い
  • マイナンバーカードの継続利用と、留守宅の管理方法

目次

海外赴任にともなう「海外転出届」と「住民票の除票」

海外赴任にともなう「海外転出届」と「住民票の除票」

1年以上海外に滞在する予定がある場合、「海外転出届(転出届)」を市区町村役場に提出する必要があります。届出後は住民票が除票となり、国民健康保険や住民税の課税対象から外れます。

1年未満の海外勤務の場合

1年未満の海外赴任は短期滞在として取り扱われるため、基本的には海外転出届を出す必要はありません。住民票も除票扱いとはならず、国内に住所を残しての転勤となります。
住民税は原則として、1月1日時点の住所に基づき課税されます。海外赴任の期間や、住民票の扱いで取扱いが変わる場合があるため、市区町村の案内で確認ください。
また渡航先での選挙の有無にもよりますが、海外で選挙に投票できる「在外選挙人票」の対象になるには日本の住民票を除票する必要があります。

なお、海外赴任期間が1年未満であれば「海外転出届」の提出は不要ですが、3カ月以上海外に滞在する場合、「在留届」の提出が義務付けられています。在留届は、外務省が提供するオンラインシステム「ORRネット」から提出可能です。在留届を提出しておくことで、現地での援護や領事サービスを受けやすくなるため、赴任が決定したら早めに手続きを行いましょう。

海外で1年以上勤務する場合

1年以上の期間海外赴任する予定であれば、お住まいの市区町村の役所に「海外転出届」を出す必要があります。渡航の14日前から当日までの間を目安に、本人・世帯主・同一世帯の方のうちいずれかの方が役所に出向いて提出を行ってください。なお海外転出届を出すと、現住所の住民票は「除票」となります。

海外転出届の提出手続き方法

パスポートのイメージ

一般的に、海外赴任が決まったことを職場から言い渡されるタイミングは「赴任の3カ月前」といわれています。ただし職場によっても時期は異なるため、半年前に分かっていることもあれば、2カ月前に決まって慌てて準備しなければならないこともあり得ます。
海外転出届の提出前に、手続き漏れがないか確認しましょう。

出国前に必要な手続き 手続き内容
在留届 3カ月以上滞在する場合、外務省ORRネットにて提出
海外転出届 出発14日前から市区町村役場へ提出
マイナンバー関連 マイナンバーカードの継続利用申請または返却
年金・保険 国民年金の任意加入または手続き、健康保険の確認
住まい 留守宅管理の方法の決定

【海外転出届の提出時期・方法】

多くの自治体では、出発の約14日前から海外転出届の受付を開始しています。手続きは市区町村役場の窓口で行うほか、郵送でも対応可能です。郵送手続きを利用する場合は、必要書類を揃えて本人確認書類のコピーとともに送付します。窓口では、本人確認書類の原本が必要です。

なお、自治体によって受付期間に差がある可能性があるため、必ず事前にお住まいの市区町村のホームページや窓口で確認しましょう。また、国外転出にともなうマイナンバーカード関連手続きは期限設けられている場合があるため、出発前に余裕を持って手続きしてください。

【海外転出手続きの際に必要なもの】

手続きを円滑に行うため、以下の書類を事前に準備しておきましょう。顔写真付きの本人確認書類があると、窓口での手続きがよりスムーズに進められます。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、在留カード、健康保険証など)
  • 個人番号カード(マイナンバーカード)または住民基本台帳カード(渡航される方全員の分が必要です)

【海外転出手続きの届出人や代理申請について】

海外転出手続きの届出(届出人)ができるのは、本人や世帯主、同一世帯の方、法定代理人、任意代理人となります。代理人の方に手続きを依頼する場合、本人が作成した委任状と本人確認書類等をマイナンバーカードとともに窓口まで持参してください。
ただし、届出場所や手続き可能な時間帯は自治体により異なるため、事前に各自治体のホームページで確認しましょう。

【返却が必要な書類】

海外転出届を提出する際、以下の書類・カード類の返却が求められます。返却漏れがないよう、事前に確認しておきましょう。

  • マイナンバーカード(継続利用申請をしない場合)
  • 住民基本台帳カード
  • 国民健康保険被保険者証
  • 国民健康保険退職被保険者証
  • 後期高齢者医療被保険者証
  • 介護保険被保険者証
  • 印鑑登録証

海外赴任時にともなう準備として、留守中のご自宅の安全を守るための対策も必要です。ALSOKでは、海外赴任中のご自宅を定期的に巡回・点検し、防犯・防災面からご自宅を守るサービスをご提供しています。

海外赴任時の社会保険料の扱いについて(住民税や年金)

海外赴任時の社会保険料の扱いについて(住民税や年金)

海外赴任中の社会保険料・税金の取り扱いをまとめると、以下のとおりです。

  • 住民税:1月1日時点で国内に住所がある場合課税される
  • 所得税:非居住者として取り扱われ、国内源泉所得のみ課税
  • 厚生年金:会社員の場合は加入継続(会社による手続き)
  • 国民年金:任意加入制度を利用して継続加入するか、加入しないかを選択
  • 健康保険:会社の健康保険は継続して加入が可能

住民税

参考:総務省 個人住民税
制度は改正されるため、最新情報は自治体・公的機関で確認が必要です。

住民税は、毎年1月1日時点の住所に基づいて課税されます。海外転出届を出さずに赴任した場合は、滞在中も国内に住所があるため従来通り住民税が課税されます。海外赴任が1年を超えるなどで海外転出届を出している方の場合、その年の1月1日に日本国内に住所がなければ住民税は課税されません。ただしその場合も、渡航先での法令によって現地での課税はされるため、それに則って納税が必要です。

所得税

参考:国税庁 No.2875 居住者と非居住者の区分
制度は改正されるため、最新情報は自治体・公的機関で確認が必要です。

国税庁では、国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人を「居住者」といい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。

【海外滞在期間が1年を超えない場合】

国内での居住者扱いとなるため、所得税や住民税は従来通り課税されます。

【海外滞在期間が1年以上となる場合】

海外に1年以上滞在する場合、住民票が除票となり、日本国内では「非居住者」扱いとなります。会社員が非居住者となった場合、海外勤務で得た給与は国外での所得となるため、所得税の課税は行われません。ただし一般会社員の方は、渡航先の税法に従って現地での個人所得税を納める必要があります。その際の納税に関する規定は会社によって異なりますので、必ず確認しましょう。
会社役員の方は海外所得も日本国内で課税されるため、出国日までに国内での所得に関して源泉徴収された所得税を会社で精算しなければなりません。
役員報酬は国内源泉所得となるため、海外赴任中も日本で課税されます。日本と渡航先での二重課税とならないよう、渡航先で申告を行って外国税額控除の適用を受ける必要があります。

厚生年金・国民年金

参考:日本年金機構 海外へ転勤または転職するときの手続き/海外から帰国したときの手続き
参考:日本年金機構 国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)
制度は改正されるため、最新情報は自治体・公的機関で確認が必要です。

国内の職場から給与を受け取っていれば、海外赴任中も各種社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険など)の被保険者資格は継続となります。
稀なケースですが、赴任にともなって雇用主が赴任先現地法人となる「移籍出向」の場合は、被保険者資格を喪失することになります。その場合は厚生年金から国民年金への切り替えや健康保険の任意継続などの手続きが必要となります。

下図は海外転勤時の納税先を、分かりやすく表にしたものです。

日本国内における納税 海外赴任先での納税
海外に1年以上赴任し住民登録を抹消した人(非居住者) ×
海外赴任期間が1年未満で住民登録を国内に残している人(居住者)

赴任期間中は国民年金を納めない

国内に住所がなくなり国民年金へ任意加入しない場合、赴任期間中は「合算対象期間」となり、老齢基礎年金の受給資格期間になります。しかしその期間は年金額の対象にならず、将来受けられる年金額が減ってしまう可能性があります。

赴任期間中も国民年金を任意継続して納付を続ける

海外赴任する前に市区町村の窓口で任意加入の手続きが行えます。渡航先へ転居してしまってからでも、日本国内に代行を頼める人がいれば日本で最後に住んでいた住所の管轄年金事務所か、市区町村の窓口で手続きを行えます。
どちらを選んでも問題ありませんが、納付しない期間があると将来受け取れる年金額が減少する可能性があります。また、万一障害を負った場合に受給できる障害年金の額にも影響する可能性があるため、可能なら任意継続を選択しておくことがおすすめです。

なお、居住者の方で滞在日数が183日以下の場合、課税は日本国内のみとなります。184日を超える場合は、日本国内での課税と赴任先での課税が二重になってしまわないよう、「外国税額控除」という手続きが必要になります。
外国税額控除の手続きは会社の年末調整では行えないため、ご自身で税務署への確定申告によって手続きを行う必要があります。

健康保険

参考:協会けんぽ 海外療養費
制度は改正されるため、最新情報は自治体・公的機関で確認が必要です。

会社員として海外赴任する場合、会社の健康保険は継続して加入できます。日本国内では病気やけがで診療を受ける場合に健康保険が適用されますが、海外赴任中は健康保険の「海外療養費制度」が適用されます。海外療養費制度とは、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどで現地の医療機関で診療を受けた際に、加入している健康保険組合や健康保険協会へ申請を行うことで医療費の一部が払い戻しとなる制度です。国民健康保険に加入している場合は、帰国後に市区町村の窓口で申請を行います。

海外赴任時のマイナンバーの手続きについて

2024年5月27日の法改正によってマイナンバーの手続きの仕方が新しくなり、1年以上の海外滞在でもマイナンバーカードの継続利用が可能になりました。

海外滞在期間が1年を超えない場合

海外滞在期間が1年を超えない場合は基本的に海外転出届を出す必要がないため、今まで通りマイナンバーカードの継続利用が可能です。

海外滞在期間が1年以上となる場合

2024年5月27日の法改正により、国外転出前に有効なマイナンバーカードを持っている日本国籍の方が、国外転出者向けマイナンバーカードへ切り替え手続きを行うことで、国外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できます。ただし、マイナンバーカードを持ったまま手続きせずに国外転出してしまうと失効しますので注意してください。
これまでは海外滞在期間が1年以上の場合は海外転出届を出すため、マイナンバーカード・通知カードは失効し、市区町村への返納が必要となっていました。しかし、法改正後はマイナンバーカードを失効することなく、海外でも引き続き利用することが可能です。

海外転出後もマイナンバーカードを継続利用するメリット

マイナンバーカードを継続利用することで、以下のメリットが挙げられます。

  • 国内からマイナポータルを利用したオンライン手続き(年金受給、確定申告など)が可能
  • 一時帰国時の本人確認として活用できる
  • 再入国時の手続きが簡素化される

マイナンバーカードの継続利用手続きは、海外転出届の提出と同時に市区町村役場で行います。海外赴任中にカードの有効期限が切れる場合は、出国前や一時帰国時に更新手続きを行うことを推奨します。

海外赴任中の自宅の管理はどうする?

海外赴任中の自宅の管理はどうする?

海外赴任中の自宅の管理には、大きく分けて「家族や親族、知人への依頼」と「専門の管理会社への依頼」の2つの方法があります。それぞれの状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。

自宅の管理を家族や親族、知人に依頼する

家族や親族、知人に自宅管理を依頼すると、金銭的な負担が少なく、信頼できる人物に任せられる安心感が得られます。短期間の海外赴任で、定期的に訪問できる距離に居住している家族・知人がいる場合には有力な選択肢です。一方で、依頼できる人物がいない場合、トラブル発生時の対応が難しいなど、状況によってはあまり現実的ではありません。長期的な管理を依頼する際は、あらかじめ緊急時の対応範囲や流れを明確にしておくことが重要です。

専門の管理会社に依頼する

専門の管理会社に依頼することで、定期的な巡回・点検による防犯対策や、トラブル発生時の迅速な対応につながります。長期の海外赴任や近くに頼れる家族・知人がいない場合には、特に有力な選択肢です。

海外赴任中はALSOKの空き家管理サービスがおすすめ

海外赴任中はALSOKの空き家管理サービスがおすすめ

海外赴任が決まった際、多くの方が心配になるのは、やはり空き家管理の問題です。空き家は適正な管理をしないと、カビの発生や構造材の腐食による建物が劣化するおそれがあります。そんな海外赴任中の留守宅管理には、ALSOKの空き家管理サービスがおすすめです。定期的な巡回・点検を行うため、長期不在でも大切なご自宅を安全に守ることができます。

ALSOKでは、安心して海外に渡航するために、空き家となるご自宅をお客様に代わって管理する「HOME ALSOKるすたくサービス」をご提供しています。ご自宅の周囲を定期的に見回りし、空き巣に狙われる原因になりやすい投函物の放置が発生しないようしっかり回収します。防犯面をさらに強化したい場合には、万一不審者の侵入があった場合ALSOKがすぐに駆けつけて対処するオプションサービスも追加可能です。

長期間放置していたご自宅の掃除は、部屋の換気や拭き掃除、カビ除去、害虫駆除などやることが多くあります。一人で行う場合は負担が大きいため、専門業者に依頼することをおすすめします。
海外赴任から久しぶりに帰ってきたときのご自宅のお掃除や害虫駆除などはALSOKの「HOME ALSOK ハウスサポート」もおすすめです。

まとめ

海外赴任にともなう行政手続きは、海外転出届や住民票、マイナンバーカード、社会保険など多岐にわたります。安心して渡航できるよう、出国までに計画的に手続きを済ませましょう。職場で代行してくれる手続きも多いのですが、ご自身での準備事項も国内の転勤よりかなり増えるため、期間に余裕を持っての行動が肝心です。手続きの内容や期限は自治体・公的機関によって異なる場合があるため、必ずお住まいの自治体または関係機関で最新情報をご確認ください。
特に、ご自宅を残して出国する場合、空き家に関する準備や管理はすべてご自身で行う必要があります。海外で安心して仕事や生活を満喫するためにも、空き家に関する不安はなくしておきたいもの。警備会社のALSOKが提供する空き家管理サービスなら、万が一の事態にも備えておくことができます。

海外転出届に関するよくある質問

Q:1年未満の海外赴任の場合は海外転出届は必要ですか?

A:1年未満の予定であれば、原則として海外転出届の提出は不要です。ただし、赴任期間中に1年以上の滞在となった場合は、その時点で海外転出届を提出する必要があります。

Q:海外転出届を出し忘れた場合はどうしたら良いですか?

A:一時帰国の際に、帰国中に市区町村役場で手続きを行う方法がもっともスムーズです。帰国が難しい場合は、日本国内にいる代理人に委任状を発行し、代理で手続きを行うことも可能です。詳細は、お住まいの自治体にお問い合わせください。

Q:海外から帰国後はどうすれば良いですか?

A:帰国後14日以内に、新しい住所の市区町村役場に「転入届」を提出してください。転入届の提出後、マイナンバーカードの住所変更手続きや国民健康保険、国民年金の手続きなども行います。

執筆:ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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