火災保険の相場は?一戸建て・マンション・賃貸の目安や費用の抑え方

新築 2025.11.07更新(2021.04.19公開)
火災保険の相場は?一戸建て・マンション・賃貸の目安や費用の抑え方

火災保険とは、火災などにより住宅や家財が損害を受けた際に、その損失を補償してくれる保険です。名称は「火災保険」ですが、風災や水災などの自然災害による被害も補償してくれるため、仮に火災に遭わなかったとしても「備えておいて良かった」と思えることがあるかもしれません。住宅を購入する方の多くが万一の備えとして火災保険に加入しますが、何かとお金がかかるタイミングのため、保険料を少しでも抑えたいという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、一戸建て・マンション・賃貸別に火災保険の相場や傾向、保険料の抑え方をご紹介します。

目次

火災保険料の相場

新築住宅の購入時に火災保険に加入する場合、保険料の相場はどのようになっているのでしょうか。以下の表は、特定の条件下における一戸建てとマンションの保険料の一例です。

建物構造 保険料(一括払い)
一戸建て(T構造) 3万円~3万4,000円
マンション 2万6,000円~3万3,000円

【保険料の算出条件(構造以外)】
所在地:東京都、築年数:新築、保険期間:1年、地震保険あり
建物保険金額:1,000万円、家財保険金額:500万円
補償内容:火災、落雷、破裂、爆発、風災、ひょう災、雪災、水災、盗難、物体飛来、水ぬれ、騒擾、破損、汚損

火災保険料は、建物の構造や所在地、延べ床面積、補償内容など、さまざまな要素で決まります。少し条件が変わるだけで料金も変動することから、相場はあくまで目安として捉えるのが良いでしょう。ここでは、建物の種類ごとの特徴と火災保険料の傾向を見ていきます。

一戸建ての場合

木造が多い一戸建て住宅は、マンションよりも火災保険料が高く設定されている傾向にあります。これは、コンクリート造や鉄骨造が多いマンションよりも、木造一戸建ては耐火性能が低いと判断されるためです。火災などが発生した際の損害が大きいと考えられることから、木造の一戸建ては保険料が高めに設定されています。また、一戸建ての場合、建物全体が火災保険の対象となることも保険料が高くなりやすい理由のひとつです。

マンションの場合

マンションは、鉄筋コンクリートや鉄骨・鉄筋コンクリート造が多く、耐火性能が高いのが特徴です。そのため、一戸建てよりも火災保険料は安価に設定されています。ただし、築年数が経過していると、災害によって建物が損害を受けやすいと判断され、保険料が割高になる場合があります。

賃貸住宅の場合

賃貸住宅の借主が火災保険に加入する場合、一戸建てであってもマンションであっても、築年数は保険料にほとんど影響しません。賃貸用の火災保険は、建物内にある借主が所有している家財が補償の対象となるため、築年数による違いがないとされています。また、持ち家と比較して、火災保険料も低い傾向にあります。

2024年10月の火災保険料改定について

損害保険会社が加盟している損害保険料率算出機構は2023年6月、火災保険の参考純率を全国平均で13%引き上げたことを発表しました。参考純率は、各保険会社が火災保険料を決める際のベースとなる数値のことです。参考純率が引き上げられたことを受け、2024年10月から多くの保険会社で火災保険料の改定を行っています。

出典:損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内

火災の被害を最小限に抑えるためには、火災の発生をすぐに感知し知らせてくれるシステムの導入がおすすめです。ALSOKのホームセキュリティは、空き巣や強盗対策だけではなく火災の発生も感知。火災による被害の拡大防止にもお役立ていただけます。

火災保険料を決める基準

火災保険料は「純保険料」と「付加保険料」の2つで構成されます。純保険料は、火災などが発生したときに契約者に支払われる保険金の原資です。損害保険料率算出機構が算出する参考純率は、純保険料を決める際に使用されます。
一方、付加保険料は保険会社の運営コストや利益などに充てる保険料です。一定の基準に則っていれば各保険会社が独自に定めることができ、会社ごとに保険料が異なる要因となっています。
純保険料と付加保険料を合わせることで決まる火災保険料ですが、どのような要素で金額が変動するのでしょうか。ここでは、火災保険料を決める基準をご紹介します。

建物の構造

コンクリート造や木造などの建物構造は、火災保険料の評価に影響します。構造区分の詳細と保険料の傾向は下記のとおりです。

火災保険料に影響する建物の構造 保険料
M構造 鉄筋コンクリート造のマンションなど
T構造 鉄骨造や省令準耐火建物に該当する2✕4構造の一戸建てなど
H構造 木造の一戸建てなど

M構造がマンション構造、T構造がコンクリート造・鉄骨造などの耐火構造、H構造が木造などの非耐火構造と考えると良いでしょう。M構造がもっとも保険料が低くなり、T構造、H構造の順で保険料が高くなる傾向にあります。

建物の所在地

地域によっても、火災保険料は変わります。台風や大雨などの水災、雪害などのリスクが高いと判断されるエリアの家は、保険料が高めになることがあります。
水災リスクは、地域ごとに5段階に分類されており、リスクがもっとも低い1等地は保険料も低めに設定されます。反対に、リスクが高い5等地では保険料が高くなります。
所在地ごとのリスクに関しては、自治体が作成するハザードマップを確認するのがおすすめです。

延べ床面積

延べ床面積は、建物各階の床面積を合計したものを指します。建物の延べ床面積が大きいほど、災害に遭った際の被害も大きくなると考えられるため、火災保険料が高くなる可能性があります。ただし、ロフトやバルコニーは、延べ床面積に含まれません。

契約年数

保険契約の年数(満期までの年数)は保険期間とも呼ばれ、現行の制度では1年から5年契約までが選べます。
多くの保険会社は、長期契約かつ一括払いを選択することで保険料が割安になるプランを提供していますが、長期契約には支払時の負担が大きい、補償内容の定期的な見直しの機会がないなどのデメリットも存在します。火災保険の契約年数を決める際は、長期契約と短期契約のメリット・デメリットを比較したうえで決定しましょう。

短期契約と長期契約の違い
短期契約(1年) 1年ごとに契約内容を見直す機会がある
支払い1回あたりの出費が少ない
長期契約(2~5年) 保険料の総額が安くなる 更新手続きの手間を省ける
保険料の値上がりの影響を受けにくい

補償内容・特約の範囲

火災保険料は、どのような損害までカバーするかによっても変動します。例えば、火災や落雷、風災などを基本補償としているプランで盗難や破損、水災などによる損害まで補償してもらう場合は、保険料が上がります。また、第三者に対する損害賠償を補償する「個人賠償責任」や、火災が発生した場合の延焼先に対する補償に利用できる「類焼損害」などの特約を付ける場合も保険料は高くなります。

支払い方法

火災保険料の支払い方法は、月払い・年払い・一括払いから選択できるのが一般的です。多くの保険会社では、一括払いでまとめて支払ったほうが、料金が割安になります。

火災保険の補償対象と範囲

火災保険で補償されるものは多岐にわたります。ここでは、火災保険の補償対象と範囲を解説します。

火災保険の補償対象

火災保険では、火災や落雷、破裂、爆発といった火災関連の事故だけでなく、次のような幅広い損害が補償対象となります。

  • 風災・雪害・ひょう災などの自然災害による被害
  • 台風や豪雨などによる洪水や土砂崩れなどの水災の被害
  • 水ぬれや騒擾(そうじょう)、第三者による破損などの外部からの被害
  • 盗難 など

ただし、補償の範囲は加入プランによって異なるため、どのリスクを対象に含めるかを事前に確認しておくことが大切です。

地震は火災保険の補償対象ではない

火災保険は、さまざまな損害が補償の対象となっていますが、地震や噴火による損害は補償対象ではありません。火災や津波によって損害を受けた場合でも、それらの発生原因が地震および噴火であれば火災保険の補償対象外となってしまうことが挙げられます。
このために、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害に対応した「地震保険」があります。地震保険は単体での加入はできず、必ず火災保険とセットで加入する必要があります。
万一の火災の他、地震や噴火、津波のリスクが懸念されるようであれば、地震保険と火災保険がセットになったプランに加入しておきましょう。地震保険は、条件が同一であれば保険会社に関係なく保険料は同じです。
なお、現状は住宅ローンを組む際に地震保険の加入は義務付けられていないため、任意で選定する必要があります。

火災保険の補償範囲

火災保険の補償範囲

火災保険は、プランによって損害を受けた住宅そのもの以外も補償対象とすることができます。主に以下3つのパターンで補償対象物を選ぶことができるため、じっくり検討して補償対象を選択しましょう。

  • 住宅の建物部分の損害のみを補償するプラン
  • 住宅内外の家財に関する補償を行うプラン
  • 住宅の建物部分も、それ以外の家財も補償するプラン

火災保険料を抑えるポイント

火災保険料を抑えるポイント

火災保険料は、いざというときの損害を考えれば決して高い出費ではありません。しかし、必要な補償を受けられる前提で保険料を節約する方法があれば、家計にとってメリットになります。そこで続いては、火災保険の費用を賢く抑えるポイントについて見ていきましょう。

補償内容を絞る

必要のない特約を沢山付帯していれば、その分保険料は割高になってしまいます。ご自宅に起こり得る「万一」を想定し、必要と思われる適正な補償内容で契約をしましょう。

複数の保険会社から見積もりを取る

民間保険会社による保険や団体による共済など、さまざまな火災保険・火災共済があります。保険商品によっても保険料は異なるため、1社/1団体だけではなく複数から見積もりを取り、慎重に比較検討しながら契約先を決めましょう。

保険料を一括で支払う

同じ条件の保険であっても、保険料を一括で支払うプランと月額など分割で支払うプランが用意されていることが一般的です。この場合は、一括払いを選択したほうが支払う保険料を抑えられます。

自己負担額(免責金額)を設定する

保険料は、自己負担額を設定することでも、抑えることが可能です。自己負担額とは、火災などにより保険金の支払いが発生した場合に契約者が負担する金額のことです。例えば、自己負担額を5万円に設定すると、損害額が20万円であった場合は差額の15万円が保険金として支払われます。
ただし、自己負担額を高くしすぎると、実際に保険金の支払いが発生した場合に十分な補償を受けられなくなるおそれがあるため、無理のない範囲で設定しましょう。

契約期間を長期にする

1年契約と5年契約では、一般的に5年契約にしたほうが保険料の総支払額は安くなります。保険料が値上げした場合でも、契約期間内は契約時の保険料率が適用されるため、保険料の値上げを回避することが可能です。

保険会社の割引を活用する

火災保険料の負担を抑えるには、保険会社が提供している割引を活用するのもおすすめです。例えば、Web申し込みによる割引や新築割引、建物築浅割引などの制度があります。保険会社によって内容や割引率は異なるため、事前に確認してから申し込みましょう。

マイホームの購入時に火災保険の加入は必須?

マイホームの購入時に火災保険の加入は必須?

法律上、火災保険への加入は義務付けられていません。しかし、マイホームを持っている方のほとんどは、火災保険に加入しています。その理由は、住宅ローンを契約する際に金融機関から万が一の備えとして火災保険に加入することを勧められるからです。中古住宅の購入でも、住宅ローンを利用する場合は新築と同様にほとんどの方が火災保険に加入します。一戸建て住宅で火災保険に加入しないケースは、親族などから住宅の譲渡・贈与を受けた場合や、住宅ローンを組まずに家を購入した場合に限られるでしょう。ただしそのようなケースであっても、万一に備えて火災保険に加入しておいたほうが良いに越したことはありません。

火災保険に加入しないことによるリスク

火災保険に加入しない場合、火災や自然災害が発生した際に大きな経済的損失を被るおそれがあります。ここでは、火災保険に加入しないことで生じる主なリスクを解説します。

失火による自宅の損害を自己負担で補償する必要がある

火災保険に加入していない場合、自宅で発生した火災による建物や家財の焼失・損壊などに対し、自己負担で修復・再建する必要があります。住宅の建て替えが必要となった場合、費用は数千万円以上にのぼることもあり、家計への影響は甚大です。
また、賃貸住宅でも火災によって室内を損傷させた場合には、原状回復費用を請求されることがあります。

近隣住宅からのもらい火による損害に備えられない

隣家からのもらい火で自宅が被害を受けた場合であっても、法律上は損害賠償を請求できないケースがほとんどです。これは「失火責任法」により、故意または重大な過失がない場合、火元となった人に損害賠償責任が発生しないと定められているためです。
そのため、もらい火による被害を受けたとしても、自身の火災保険で備えていなければ補償を受けられない可能性があります。

火災以外の災害に対する備えも不足する

火災保険は、火災だけではなく落雷や風災、雪害、水災など、自然災害による損害も補償対象に含まれています。火災保険に加入していない場合、こうした予期せぬ自然災害による損害にも備えられません。台風や豪雨による被害が増えている近年では、火災以外のリスクにも対応できる火災保険の重要性がますます高まっています。

日本の火災発生状況

以下は、2015年~2024年の10年間における火災発生件数の推移をグラフ化したものです。

過去10年間の火災件数の推移

出典:消防庁「令和6年(1月~12 月)における火災の概要(概数)について

火災の発生件数自体は、2024年は37,036件となっており、2015年の39,111件と比較すると減少傾向にあります。また、住宅が含まれる「建物火災」の発生件数は、2015年の22,197件と2024年の20,906件を比べると減ってはいますが、増減を繰り返している状況です。火災発生件数の半数以上を建物火災が占めていることから、火災保険への加入は万一のときの備えとして重要であることが分かります。

火災保険加入のタイミング

マイホームの購入にあわせて火災保険に加入する場合は、基本的に住宅を引き渡す日までに契約が済んでいれば問題ありません。しかし引き渡し日の前後は何かと忙しくなるため、引き渡しの半月前ころまでには加入を済ませておくと良いでしょう。注文住宅を購入する場合は期間に余裕を持って計画できますが、建売住宅や完成済みの住宅の場合は期間に余裕がない場合もあるため、早めに準備をしましょう。

ALSOKのホームセキュリティで火災による被害の拡大を防ごう

マイホームの購入時や家を借りる際は、火災などの損害に備えて火災保険に加入するのが一般的です。しかし、「損害が起きた後に補償を受ける」ことに加え、「被害をいち早く検知し、被害を最小限に抑える」ことができれば、さらに安心です。大切なご家族や家財を守るためには、ホームセキュリティの導入がおすすめです。

スマホゲート写真

ALSOKのホームセキュリティは、不審者の侵入だけではなく「火災」も監視。「セルフセキュリティ」と「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。
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オンラインセキュリティでは、設置したセンサーが火災の発生や侵入などの異常を感知すると即座にALSOKに通報。ALSOKの専門スタッフが駆けつけます。さらに、スマートフォンを持っているだけで簡単に警備のオン・オフが可能なスマホゲートもご用意。火災に限らず空き巣などの被害拡大防止にも役立ちます。
また、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。

まとめ

火災保険に加入していても万一の事態による損害はできるだけ抑えておきたいものです。損害を受けてしまったときの備えに加え、損害を未然に防ぐための備えも万全にしましょう。
引っ越しをするタイミングは、セキュリティ対策の導入にも最適です。家のあらゆる異変を察知するALSOKのホームセキュリティを取り入れて、新居の安全対策強化を考えてみてはいかがでしょうか。

【執筆】ALSOK株式会社

「安全・安心」を皆様にお届けするため、セキュリティのプロフェッショナルであるALSOKが編集しています。日常生活に潜む危険から身を守るための防犯対策、突然の災害に備える防災情報、ご高齢者やお子さまのみまもりまで、暮らしに役立つ確かな情報を分かりやすく発信しています。

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