たこ足配線は危険?火災予防のためにコンセントや電源タップの使い方を見直そう

防災 2024.07.16更新(2021.05.31公開)
たこ足配線は危険?火災予防のためにコンセントや電源タップの使い方を見直そう

ご自宅のコンセントの数が足りず、市販の延長コードや電源タップでコンセント口を増やしている方も多いのではないでしょうか。
電源タップを使用してコンセントより多い数の家電をつなぐことは、一般的に「たこ足配線」と呼ばれます。
本コラムでは、たこ足配線が火災の危険につながる状況やその理由を説明し、家庭でのコンセントによる電気火災を防ぐポイントをご紹介します。

たこ足配線が危険とされる理由

たこ足配線が危険とされる理由には、次の要因が挙げられます。

発熱・火災のリスクが高まる

たこ足配線で火災が発生すると聞いただけでは、どのくらい危険なのか分からないかもしれません。

電気火災の数(件)

※出火原因が「電灯電話等の配線」「電気機器」「配線器具」の件数を合計し算出

出典:総務省消防庁「令和5年版 消防白書」

総務省消防庁による2016年から2022年の7年間で発生した電気火災の件数をグラフにしたものです。2016年は3,574件、2022年は4,924件と、1,300件以上増加しています。日常生活の身近な家電製品からも火災が発生しており、電気を使用している限り、どのような原因であっても電気火災は起こりうると考えられます。

家電製品や電子機器の故障につながる可能性がある

家電製品のなかにはパソコンや電気ケトルといった、消費電力が大きいものもあります。
本来、これらは1つのコンセントから電力を供給して使用するものであり、たこ足配線で使用することは考慮されていません。
たこ足配線によって無理やり複数の機器を接続すると、使い方によってはコンセントの容量を超えてしまい、先述した電気火災のリスクが高くなります。
また、発熱によって家電製品や電子機器が正常に動作しない・故障するなどの恐れもあります。

たこ足配線による火災発生の原因

ここでは、たこ足配線による火災発生の原因をご説明します。

コンセントや電源タップの定格容量の超過

電源タップを使用する場合は、その電源タップで使う家電の消費電力の合計が定格容量(出力可能な最大の電力量)の1,500Wを超えないようにすることが基本です。容量をオーバーしてしまうと電源タップが過熱し、発火の原因となることがあります。

まず、電気にまつわる基本的な単位を簡単に紹介します。

  • 電流:アンペア(A)電気の流れの大きさを示す単位
  • 電圧:ボルト(V)電流を流す力の大きさを示す単位
  • 電力:ワット(W)電気がする仕事の大きさを示す単位

各家庭やコンセントにどれだけ電気を流せるかは「アンペア(A)」で表示します。
日本の一般家庭の場合、1箇所のコンセントへ流せる電流のアンペア数の目安は「15Aまで」となっています。家庭用電源の電圧は100Vで、この場合に15Aで出力可能な最大の電力(定格容量)は1,500Wです。電源タップでも容量の上限は1500Wまでとされており、本体に「合計1,500Wまで」と書かれています。

複数の差込口がある場合でも、使用できる電気容量の上限は1,500Wまでなので、複数の家電製品を使用する場合は、総量が1,500Wを超えないようにしなければなりません。しかし家電製品にはドライヤーや電子レンジなど、1台で1,000W以上の電力を消費するものもあり、それらを同じ電源タップで複数使用すると簡単に容量オーバーになる可能性があります。

電源タップにつないだ家電製品の消費電力の合計がコンセントの定格容量を超えてしまう状態を「過電流」と呼びます。電流により発生する熱量は電流の2乗に比例しますので、過電流の状態が続くと、持続的に過熱し、電源タップやコードの絶縁物(コードの被膜やタップ本体、プラグ部分など)の発火を招くことがあり非常に危険です。
このため「たこ足配線は電力容量オーバーになりやすい」といわれています。

主な家電製品の消費電力

家電製品に書かれている「消費電力」は、その製品がどのくらい電力を使用するかを表しています。以下は代表的な家電製品の消費電力の目安です。

家電 消費電力
スマートフォン(充電時) 5.4Wから16.8Wほど
冷蔵庫 150Wほど
炊飯器 600Wほど
掃除機 200Wから1,000Wほど
パソコン・テレビ 130Wから150Wほど
電子レンジ 400Wから1,000Wほど
ドライヤー 1,000Wから1,500Wほど

上記はあくまで目安であり、各家電製品によって消費電力は異なります。詳しく知りたい場合は家電製品の本体や取扱説明書、外箱の記載を確認しましょう。

なお、エアコンも消費電力の大きい家電製品として知られますが(1,000Wから1,400Wが目安)、エアコンは専用コンセントで使用することが一般的なため、たこ足配線への影響はあまりないでしょう。

トラッキング現象

火災の原因として耳にする機会もある「トラッキング現象」。コンセントの差込口付近にたまったホコリに湿気などによる水分が付着し、その水分に電気が流れて発生した火花がホコリに着火することで起こります。

コードの破損や絶縁不良によるショート

電源タップや電源コードを家具などで踏むことや折り曲げて使用すると、コードの破損や絶縁物の劣化が起こる場合があります。
それにより、コード内部にある2本の銅線が断線や接触などでショートし、発火することがあります。

接続部分の緩みによる過熱

古い電源タップを使い続けていると、接続端子の部分が緩みやすくなります。接続部分が緩んでしまうと、間からホコリが入ってしまったり、コード同士が絡まってショートしやすくなったりします。
交換せずそのまま使用していると、接触不良を起こして端子部から繰り返し火花が出るなど、過熱による出火の恐れがあります。
また、接触抵抗が増すことによっても過熱や火災の原因となってしまうことから、コンセントにプラグがしっかりと差し込まれていることを確認しましょう。

なお、住宅火災の原因はたこ足配線だけではありません。たばこの不始末やコンロからの火災など、身近なところにさまざまなリスクがあります。

たこ足配線をする場合の火災対策

たこ足コンセントのイメージ

その時の状況によっては、たこ足配線が必要になることもあると思います。その場合は火災の原因となりうる使い方を避け、手入れをしながら適切に使用するようにしましょう。

コンセントや電源タップの容量を守って過電流を避ける

コンセントや電源タップの定格容量を超えないようにし、可能であれば少し容量に余裕を持たせて使用するようにしましょう。
定格容量が1,500Wだからと1,500W目一杯まで使用するよりも、1,200W~1,300W程度に抑えて使用する方が安全です。
たこ足配線そのものが必ずしも危険というわけではなく、正しく使うことで発火のリスクは避けられます。

コードのねじれを放置しない

電源コードがねじれたり絡まったりしたままの状態は、内部の銅線をショートさせる原因となります。長い電源コードを邪魔だからとぐるぐる巻いたり束ねたりしたまま使用することも、発熱やコードの劣化を招くため避けましょう。

ホコリや水の付着を防ぐ

トラッキング現象による火災はコンセント接続部のホコリと水分で引き起こされるため、定期的に接続部分にホコリがたまっていないか点検し、こまめに掃除と差し直しを行いましょう。
電源タップにつないだ家電の接続部分だけでなく、コンセントと電源タップの接続部分も忘れずに点検するようにしてください。
また、接続部分の水濡れはトラッキングだけでなく、感電の原因にもなるため絶対に避けましょう。

コンセントやタップを隠して使わない

電源コードは見映えを損ねるからと、コンセントや電源タップを家具や敷物などで隠して使用するのは避けましょう。手入れが行き届かなくなりトラッキング現象や、コードのねじれやたるみで過熱を招く可能性もあります。接続部分の点検や手入れがしやすいよう、コンセントや電源タップは必ず見えるようにしておくことが大切です。

電源タップを定期的に交換する

実は、電源タップは消耗品で、定期的に交換しなければならないものだということをご存知でしょうか。
一般的に、電源タップの交換時期は3年から5年程度が目安といわれていますが、下記のような症状が見られたときは交換することをおすすめします。

  • コードを動かすと接続している機器が点いたり消えたりする
  • プラグの抜き差しが緩くなっている
  • プラグの先端が焦げたり溶けたりしている
  • 本体やコードにキズやひび割れが見られる
  • プラグの先が曲がっている
  • 電源タップが熱くなっている など

もし火災が発生した場合は、速やかな初期消火によって被害を最小限に抑えることが重要です。

万が一の電気火災への備え

どれだけ火災予防していても、予期せぬ原因で火災が発生してしまうことも考えられます。安心して日常生活を送ることができるよう、できる限り対策しておきたいものです。
ここからは、電気火災への備えをご紹介します。

ブレーカーの場所を把握しておく

電気火災は電気に起因する火災なので、まず電気を遮断するためにブレーカーを落とす必要があります。
火災に気づいた時に速やかに対応できるよう、ブレーカーの場所を把握しておきましょう。

火災報知器を設置する

火災予防と聞いて火災報知機を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。実際に、火災報知器は火災の早期発見に有効な手段です。
住宅用火災報知器には煙式(光電式)と熱式(定温式)があるので、設置する場所に適したものを選びましょう。

● 煙式(光電式)

煙が火災報知器内に入ると音や音声で火災を知らせます。火災発生時には熱よりも煙が先に発生するため、火災の早期発見には煙式のものが有効で、住宅への設置が義務付けられています。寝室と寝室がある階の階段上部には必ず設置しましょう。なお、調理時の湯気や煙などでも反応する場合があるので、設置する場所によっては注意が必要です。

● 熱式(定温式)

火災報知器周辺の温度が一定の温度を超えたときに音や音声で火災を知らせます。条例で認められている場合には、台所など湯気や煙が出やすい場所に設置することができます。

市区町村の火災予防条例によっては、台所やその他の居室にも設置が必要な場合があります。詳しくはお住いの地域の消防署に確認してみてください。

消火アイテムを用意しておく

火災が発生したとき、火災が広がらないように初期消火が重要です。
消火器はご家庭でも使用できる代表的な消火アイテムで、住宅だけでなく多くの建物に設置されています。集合住宅にお住まいの方は、どこに消火器があるのかを把握しておきましょう。戸建て住宅で消火器を設置していない場合は、この機会に設置を検討しましょう。
また、消火器には粉末系消火器や水系消火器、ガス系消火器の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。電気火災については、粉末系消火器が有効です。
なお、火災が天井まで広がってしまったら、安全を確保して消防署へ連絡しましょう。

ホームセキュリティを導入する

コンセントや電源タップに起因する電気火災は、火の手が大きくなってから気付くこともあるため大きな被害につながる恐れがあります。万が一に備え、在宅時も外出時も、火災を検知したら自動で警備会社に通報してくれるホームセキュリティを導入することをおすすめします。

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たこ足配線を見直して電気火災を防止しよう

コンセントが足りなくても電源タップがあれば大丈夫と、あまり深く考えずに「たこ足配線」をしている方もいるのではないでしょうか。この機会にご自宅のコンセントや電源タップの使用状況を見直し、適切に使用して火災を予防しましょう。万が一に備えて、火災報知器や消火器の設置、ホームセキュリティの導入をご検討されている方はお気軽にALSOKにご相談ください。

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