仏壇の正しい配置は?向きや置き方、仏具やお供えの飾り方も解説

高齢者・介護 2026.05.18更新(2024.08.23公開)
仏壇の正しい配置は?向きや置き方、仏具やお供えの飾り方も解説

本記事では、仏壇の正しい配置や向き、仏具やお供えの飾り方について解説します。
仏壇は、各家庭で仏様やご先祖様を祀っている大切な場所です。家を建てた際に新しく仏壇を購入する場合や、ご家族が亡くなったことをきっかけに仏壇を引き継ぐ際には、仏壇の配置や向き、飾り方、お供えの仕方などに悩む方は多いでしょう。
仏壇の配置や飾り方には基本的な考え方がありますが、宗派や住宅事情によって適した形は異なります。毎日無理なく手を合わせられるよう、置き場所や向き、仏具・お供えの基本を確認しておきましょう。

【この記事で分かること】

  • 仏壇を置く場所や適切な向き
  • 仏壇に必要な仏具と飾り方
  • お膳と日々のお供えの仕方

目次

仏壇を置く目的

仏壇はご先祖様を祀り、故人を弔うためのものです。そのため、ご家族が亡くなったことをきっかけに仏壇を置く場合も多くなっています。
しかし、本来の仏壇の目的は各家庭が信仰する宗派のご本尊をお祀りすることです。
仏壇は各家庭でご本尊を祀る小さなお寺であるため、亡くなった人がいない場合でも、仏壇を購入して置くことは可能です。

仏壇の配置

仏壇を配置する場所は、厳密な決まりがあるわけではありません。昔ながらの住宅であれば和室や仏間に置くのが一般的ですが、近年の住宅事情に合わせて、リビングルームや寝室に設置する家庭も増えています。

仏壇の配置場所 具体的な置き方
和室や仏間 床の間や仏間に設置する
リビングルーム 家族が集まりやすく、日常的に手を合わせやすい場所に設置する
寝室 足が向く方向に仏壇を置かないよう注意する

和室や仏間

和室や仏間(仏壇を設置するための部屋)がある家であれば、そこに仏壇を置くのが一般的です。
和室の壁面には床が一段高くなっているスペースが設けられている場合があり、そこを床の間といいます。床の間はご本尊やご先祖様を祀る場所(掛軸や香炉が置かれていた場所)で、格式ある場所と考えられているため、床の間に仏壇を置いても問題ありません。

リビングルーム

昔は和室や仏間がある住宅が多く、そこに仏壇を置いていましたが、近年は和室のない住宅も増えています。和室や仏間がない家庭は、リビングルームに仏壇を置くと良いでしょう。家族みんなが集まる場所であり、毎日手を合わせやすいので、仏壇を置く場所に適しています。
仏壇を目立たせたくない場合は、ロールスクリーンなどで目隠しする方法もあり、洋室に合うようなモダンなデザインの仏壇も増えています。

寝室

寝室に仏壇を置くことも可能です。静かで落ち着いた空間のため、ゆっくり手を合わせたい場合や、主に供養を行う方の部屋に仏壇を置きたい場合に適しています。
ただし、寝室はスペースが限られていることも多いため、仏壇の扉を開けた状態で無理なくお参りできるかを確認しておきましょう。扉の開閉や仏具の出し入れがしにくい場所に置くと、日々のお参りが負担になってしまいます。
また、寝る時に足が向く方向に仏壇を置かないように注意しましょう。

仏壇の置き場所を決める際の注意点

仏壇の置き場所に厳密な決まりはありませんが、仏壇を長くきれいな状態で保つためには、直射日光や冷暖房の風、湿気を避けることが大切です。また、神棚との位置やお参りする際の目線にも配慮して置き場所を決めましょう。

直射日光や冷暖房の風が当たる場所、湿気の多い場所には置かない

仏壇を長く大切に使うためには、直射日光や冷暖房の風を避け、風通しがよく温度や湿度の変化が少ない場所に設置しましょう。
仏壇は木製のものが多く、設置環境によっては傷みやすくなります。直射日光が当たる場所に置くと、日焼けやひび割れ、変色の原因になるため注意が必要です。
また、エアコンなどの冷暖房の風が直接当たる場所も避けましょう。乾燥や急な温度変化によって、木材の反りや割れが起こることがあります。
湿気の多い場所も、カビや変形の原因になります。水回りの近くや風通しの悪い場所は湿気がこもりやすいため、仏壇を置く場所としては避けたほうが良いでしょう。

神棚と向かい合わせや上下に重ねて配置しない

同じ部屋に仏壇と神棚を置く場合は、向かい合わせや上下の配置を避け、どちらにも失礼のない場所に設置しましょう。
仏壇と神棚を向かい合わせに置くと、どちらかに手を合わせる際に、もう一方へ背を向ける形になります。このような配置は「対立祀り」と呼ばれ、避けたほうが良いとされています。
また、仏壇と神棚を上下に重ねる配置も、神様と仏様に優劣をつけているように見えるため、好ましくないとされています。

ご本尊が目線の少し上にくるように設置する

仏壇を置く際は、ご本尊の高さにも注意しましょう。お参りする際に、ご本尊を少し見上げる位置になるように設置するのが良いとされています。座ってお参りする場合は、正座した時の目線よりもご本尊が少し上にくる高さを目安にします。椅子に座ってお参りする場合は、座った状態の目線を基準にして高さを調整すると良いでしょう。
ご本尊を見下ろす位置に置くと、失礼にあたると考えられることがあります。仏壇台や棚を活用し、無理なく手を合わせられる高さに調整しましょう。

宗派ごとに異なる仏壇の向き

仏壇を置く向きに明確な決まりはありませんが、宗派ごとに考え方が異なります。代表的な考え方には、「東面西座説」「南面北座説」「本山中心説」があります。日蓮宗のように、特定の向きにこだわらない宗派もあるため、自身の宗派や菩提寺の考え方を確認しておくと安心です。

宗派 配置の考え方 仏壇の向き
浄土真宗・浄土宗・天台宗 東面西座(西方浄土)説 東向き
臨済宗・曹洞宗 南面北座説 南向き
真言宗 本山中心説 本山の位置により方角が変わる
日蓮宗 特に決まりはない 決まった向きはない

東面西座説(とうめんせいざせつ)

東面西座説は、仏壇を東向きに置き、西の方角を見て手を合わせることになる置き方です。この説はインドの考え方がもととなっており、日が昇る東は縁起の良い方角とされ、東向きに置くようになったといわれています。
宗派のなかでも、浄土真宗・浄土宗・天台宗はご本尊として阿弥陀如来を祀っており、阿弥陀如来は西方の極楽浄土にいるとされ、その方角に向かって拝むため、東向きが採用されています。
その他にも、西のかなたに極楽浄土があるとする「西方浄土説(さいほうじょうどせつ)」の考え方においても、西に向かって拝めるように東向きに仏壇を配置します。

南面北座説(なんめんほくざせつ)

南面北座説は、仏壇を南向きに置き、北の方角に向けて手を合わせることになる置き方です。古代中国では王をはじめとする高貴な人物は南向きに座る習慣があったことから、日本でも取り入れられた考え方です。宗派のなかでも、臨済宗・曹洞宗では南面北座説の考え方を採用し、仏壇を南向きに置くことが多いとされています。

本山中心説

本山中心説は、宗派の本山がある方角に向くように仏壇を置く置き方です。本山の方向を見て手を合わせる形となり、住む場所によって各家庭での仏壇の向きが変わります。宗派のなかでも、真言宗は本山中心説の考え方を採用しています。

仏壇の飾り方と必要な仏具

仏壇の飾り方

仏壇の飾り方は、本来宗派によって配置が異なります。ただし、近年は仏壇のサイズや住宅事情に合わせて、各家庭に合った祀り方で良いという考えが浸透してきています。主に必要な仏具は以下の通りです。

【必要な仏具】

  • ご本尊
  • 位牌
  • 掛軸(脇侍)
  • 仏器膳(ご飯やお茶を供える際に下に置くお膳)
  • 仏飯器
  • 茶湯器
  • 高月(供物台)
  • 花立
  • 線香差(線香立て)
  • マッチ消
  • 香炉
  • 火立
  • おりん・りん棒

仏壇で重要な仏具は、ご本尊と位牌です。仏壇の最上段中央にご本尊をお祀りし、左右に宗祖名号の描かれた掛軸(脇侍)を配置します。位牌はご本尊が隠れないよう、一段下の右端、2柱目は左端に安置します。
次の段では、中央に仏器膳(ご飯やお茶を供える際に下に置くお膳)を置き、仏飯器・茶湯器を配置。その左右に、高月(供物台)を配置します。
最下段には花立、線香差(線香立て)、マッチ消、香炉、火立、おりんとりん棒などを配置してお参りできるようにするのが一般的な仏壇の飾り方です。

宗派ごとのご本尊の飾り方

仏壇に飾るご本尊や脇侍(わきじ)の種類は、宗派ごとに異なります。脇侍とは、ご本尊の両脇に置かれる仏像や掛軸のことです。宗派ごとの飾り方は以下の表の通りとなっています。

宗派 脇侍(左) ご本尊 脇侍(右)
浄土真宗本願寺派 蓮如上人 阿弥陀如来 親鸞聖人
真宗大谷派 九字名号 阿弥陀如来 十字名号
浄土宗 法然上人 阿弥陀如来 善導大師
天台宗 伝教大師 阿弥陀如来 釈迦如来 天台大師
臨済宗 普賢菩薩 観世音菩薩 釈迦如来 文殊菩薩 達磨大師
曹洞宗 常済大師 釈迦如来 承陽大師
真言宗 不動明王 大日如来 弘法大師
日蓮宗 大黒天 御曼荼羅・三宝尊・日蓮聖人 鬼子母神

それぞれの宗派でご本尊として祀っているものが異なり、脇侍の配置も異なります。日蓮宗の脇侍は、お寺や地域によって左右の配置が異なる場合があるため、注意が必要です。また、上記表以外のご本尊や掛軸でも良いとされる場合もあります。

仏壇のサイズやデザインによっても内部の空間が異なり、置ける仏具の数が変わることもあります。ご本尊や脇侍の配置が分からない場合は、事前にお寺などに相談すると良いでしょう。

無宗教でも取り入れやすい仏壇の飾り方

特定の宗派に属していない場合でも、ご先祖様や故人を供養するために仏壇を置くことはできます。無宗教の場合は、決まった形式に合わせるよりも、故人を思い出しやすく、家族が自然に手を合わせられる仏壇に整えることが大切です。例えば、骨壺に遺骨や遺灰の一部を納め、写真や花と一緒に飾ったり、故人が好きだった食べ物や思い出の品を添えたりなど、その人らしさを感じられるようにすると良いでしょう。
近年では、インテリアになじみやすいコンパクトでモダンなデザインの仏壇も増えているため、住まいの雰囲気に合わせて選ぶのもおすすめです。

お膳の配置とお供えの仕方

仏壇へのお供えには、日々の感謝を伝えるために毎日行うものと、お盆や命日、法事・法要などの際に用意する特別なお膳があります。毎日のお供えは「五供(ごくう)」と呼ばれ、「香・灯燭(とうしょく)・花・飲食(おんじき)・浄水」の5つを基本とします。

一方、お盆や法要の際に仏壇にお供えするお膳は「御霊供膳」と呼ばれます。御霊供膳では、白米と一汁三菜を基本とした汁物、煮物、和え物、香の物を5つの小さな器に盛り、精進料理としてお供えします。精進料理とは、仏教の教えに沿った野菜や穀物中心の伝統料理です。
基本の並べ方は、お膳の左上に平椀、右上に壺椀、中央に高杯(たかつき)、左下に飯椀、右下に汁椀を並べ、手前に箸を置きます。仏壇や祭壇などにお供えする際は、箸の置いてある方を仏様に向けるのが一般的です。

宗派ごとに異なるお供え(お膳)の配置方法

御霊供膳の配置は、宗派によって異なる場合があります。下段の飯椀と汁椀は共通ですが、上段に置く平椀、壺椀、高杯の位置は宗派ごとに違いがあります。

【上段のお供えの配置方法】

宗派 左上 右上 中央
天台宗・真言宗・日蓮宗 平椀 壺椀 高杯
浄土宗 壺椀 平椀 高杯
臨済宗・曹洞宗 平椀 高杯 壺椀
浄土真宗 なし なし なし

天台宗・真言宗・日蓮宗は、左上に平椀、右上に壺椀、中央に高杯を置く基本的な並べ方です。浄土宗では、平椀と壺椀の位置が入れ替わります。臨済宗・曹洞宗では、中央に壺椀を置き、右上に高杯を配置するのが一般的です。

なお、浄土真宗では、仏壇に御霊供膳をお供えしないのが一般的とされています。ただし、地域や菩提寺の考え方によって異なる場合もあるため、迷う場合は事前に確認しておくと安心です。

毎日のお供えの仕方

毎日のお供えでは、「香・灯燭・花・飲食・浄水」の五供を用意します。いずれも、ご先祖様や故人へ感謝の気持ちを伝えるために供えるものです。

  • 香…お線香
  • 灯燭…ローソク
  • 花…生花や造花
  • 飲食…ご飯
  • 浄水…水やお茶

お線香は、水やご飯などのお供えをした後に焚きます。宗派によっては本数や立て方が異なる場合もあるので確認しましょう。花は基本的には生花をお供えしますが、頻繁な取り換えが必要なため造花をお供えするという方も増えてきています。
ご飯は炊きたてのものを自分たちが食べる前にお供えし、冷めて湯気が出なくなったら下げましょう。水やお茶は毎朝取り換えるようにします。

ご飯やお茶以外の食べ物や飲み物を仏壇にお供えする場合は、常温保存可能な季節の果物や日持ちする個包装のお菓子などをお供えしましょう。

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まとめ

仏壇を置く場所に厳密な決まりはありません。床の間や仏間がある場合はそこに設置するのが一般的ですが、住宅事情に合わせてリビングルームや寝室に置くこともできます。大切なのは、家族が日常的に手を合わせやすく、落ち着いて供養できる場所を選ぶことです。
なお、仏壇の向きや仏具の飾り方、お膳の配置は、宗派によって考え方が異なります。基本的な配置を参考にしつつ、迷う場合は菩提寺や仏壇店などに確認すると安心です。
仏壇の配置や飾り方を覚えて、毎日のお参りに役立ててみてはいかがでしょうか。

仏壇の配置に関するよくある質問

Q:仏壇は1階と2階どちらに置くのが良い?

A:仏壇は、1階と2階のどちらに置いても問題ありません。ただし、仏壇の上を人が歩くことは良くないという考えもあります。気になる場合は、2階に設置すると良いでしょう。
1階に置く場合、仏壇の上にあたる天井部分に「空」「雲」「天」などと書かれた紙を貼る方法もあります。これは、仏壇の上には何もないことを表すためのものです。

Q:仏壇を設置した後に法要は必要?

A:仏壇を新しく設置した際には、菩提寺によって開眼供養(魂入れ)を行う場合があります。必須ではないケースもありますが、事前に菩提寺や僧侶に相談しておくと安心です。

Q:仏壇の中に写真を飾るのはNG?

A:故人の写真を飾ること自体が禁止されているわけではありません。ただし、仏壇は本来ご本尊をお祀りする場所であるため、仏壇の内部に写真を飾ることは避けたほうが良いとされています。故人の写真を見ながら手を合わせたい場合は、ご本尊や位牌などと重ならないよう供物台などに置きましょう。

執筆:ALSOK株式会社

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