猛犬注意ステッカーに防犯効果はある?効果的な活用方法や防犯対策を解説

手軽にできる防犯対策として「猛犬注意ステッカー」があります。中型犬や大型犬を飼っている方の中には、愛犬の存在を示すためにステッカーを貼ることを検討されている方も多いのではないでしょうか。猛犬注意ステッカーは、単なる注意喚起だけでなく、防犯効果も期待できるアイテムです。正しい活用方法を理解し、他の防犯対策と組み合わせることで、より高い効果を得ることができます。
本記事では、猛犬注意ステッカーの防犯効果や効果的な活用方法、併用したい防犯対策などを解説します。
目次
猛犬注意ステッカーの防犯効果
猛犬注意ステッカーを住宅に貼ることで、どのような防犯効果が期待できるのでしょうか。
犬の存在が不審者や空き巣犯への威嚇になる

猛犬注意ステッカーのもっとも重要な防犯効果は、犬の存在を示すことで不審者や空き巣に心理的なプレッシャーを与えることです。犬がいる住宅では、侵入者に対して吠えたり噛みついたりする可能性があるため、犯罪者は侵入を躊躇することが多くなります。
警察庁の「住まいる防犯110番」によると、実際に空き巣が犯行をあきらめる要素として「住人が犬を飼っていた」という理由が挙げられています。犬の吠え声は近隣住民の注意を引き、犯行が発覚するリスクが高まるため、空き巣犯にとって障害となるのです。
特に中型犬や大型犬の場合、体格的な威圧感もあり、侵入者にとってより大きな脅威となります。ステッカーによって犬の存在を知らせることで、下見の段階で犯行対象から外される可能性が高まります。
参考:警察庁「住まいる防犯110番」
住人が在宅している家という印象を与えられる
犬は定期的な散歩や世話が必要な動物であり、完全に留守にされることが少ないという特徴があります。そのため、犬を飼っている住宅は住人が在宅している可能性が高いという印象を与えられます。空き巣は住人の不在を狙って犯行に及ぶため、住人がいる可能性の高い住宅は避ける傾向にあります。
猛犬注意ステッカーによって犬の存在を明示することで、住人が頻繁に在宅している住宅であることをアピールでき、空き巣犯のターゲットから外れやすくなるのです。
猛犬注意ステッカーの効果的な活用方法
猛犬注意ステッカーの防犯効果を最大限に発揮するためには、適切なステッカーの選び方と設置場所が重要です。効果的な活用方法について詳しく解説します。
効果的なデザインのものを選ぶ

猛犬注意ステッカーを選ぶ際は、デザインが重要な要素となります。ドーベルマンやジャーマン・シェパードなど、番犬のイメージが強い犬種を飼っている場合は、犬種が特定できるデザインのステッカーを選ぶことをおすすめします。犬種が明確になることで、より具体的な威嚇効果を期待できます。
色彩については、警告色(赤、黄など)を使用したステッカーが効果的です。赤色は生理学的に人の注意を引きやすく、危険や警告を示す色として広く認識されています。黄色も同様に視認性が高く、注意喚起の効果があります。警告色を使用すると遠くからでも目立つため、下見を行う不審者の目に留まりやすくなります。
文言は、シンプルで分かりやすい注意喚起の文字が書かれているものを選びましょう。「猛犬注意」「BEWARE OF DOG」「DANGER」といった簡潔な表現が、瞬時に内容を理解できるため効果的です。
耐久性のあるステッカーを選ぶ
屋外に貼られる猛犬注意ステッカーは、風雨や紫外線にさらされるため、耐久性が重要な要素となります。耐水性と耐候性に優れた素材を使用したステッカーを選ばなければ、短期間ではがれてしまい、防犯効果が失われてしまいます。
塩化ビニール製やポリエステル製のステッカーは、一般的に耐久性が高く、屋外での使用に適しています。また、UV加工が施されているものは、紫外線による色褪せを防ぎ、長期間にわたって鮮明な状態を保てます。
耐久性の高いステッカーを選ぶことで、交換の手間やコストも削減できます。
人目につきやすい場所に貼る
猛犬注意ステッカーの効果を最大化するためには、設置場所が重要です。不審者や空き巣が下見を行う際に必ず目に入る場所に貼る必要があります。
もっとも効果的な設置場所は、玄関ドアや門扉です。訪問者が最初に目にする場所であり、住宅の「顔」とも言える部分に設置することで、強い印象を与えることができます。
勝手口や裏口も重要な設置場所です。空き巣は人目につきにくい裏口からの侵入を好む傾向があるため、勝手口周辺にステッカーを貼ることで、侵入を思いとどまらせる効果が期待できます。
窓からの侵入は空き巣の手口として非常に多いため、窓周辺への設置も効果的です。窓からの侵入を躊躇させるためには、窓の近くにステッカーを貼ると良いでしょう。
猛犬注意ステッカーはどこで購入できる?
猛犬注意ステッカーは、さまざまな場所で手軽に購入できます。もっとも身近な購入場所は100円ショップです。100円ショップでは、基本的なデザインの猛犬注意ステッカーが安価で手に入ります。
ECサイトでは、サイズやデザイン、素材の異なる多様なステッカーが販売されており、より豊富な種類から選ぶことができます。口コミやレビューを参考にしながら、耐久性や視認性の高い商品を選べるでしょう。
ホームセンターや防犯用品専門店でも取り扱いがあります。実物を確認してから購入できるため、サイズ感や色合いを直接確認したい方におすすめです。
購入の際は、素材の耐久性、サイズ、デザインの視認性をしっかりとチェックしてから選ぶことが重要です。屋外での使用を前提として設計されているか、十分な大きさがあるか、遠くからでも読みやすいデザインかといった点を確認しましょう。
猛犬注意ステッカーを貼る際の注意点
猛犬注意ステッカーには防犯効果が期待できる一方で、使用する際に注意すべき点もあります。
近所の人や訪問者も警戒させてしまう可能性がある
猛犬注意ステッカーは、空き巣などの不審者だけでなく、近隣住民や正当な訪問者にも影響を与える可能性があります。猛犬がいると思われることで、宅配業者や郵便配達員、近所の方々が訪問を躊躇したり、過度な警戒心を抱いたりする場合があります。
特に小さな子ども連れの家族や高齢者の方は、猛犬の存在を知ることで不安を感じる可能性があります。良好な近隣関係を維持するためにも、必要以上に威圧的なデザインは避けることを検討しましょう。過度に警戒させたくない場合は、「猛犬注意」ではなく「犬を飼っています」といった穏やかな表現のステッカーを選択する方法もあります。

また、犬シールを門扉や玄関に貼ることで、威圧感を抑えながらも犬の存在を示すことができます。犬シールは、飼い犬の登録を行ったときや狂犬病の予防注射を受けた際に自治体から交付されるものです。防犯効果は控えめですが、近隣住民との関係を重視する場合には適した選択肢となります。
ステッカーが逆効果になる場合もある
猛犬注意ステッカーは、必ずしも防犯効果をもたらすとは限りません。場合によっては逆効果となるリスクも存在します。
経験豊富な空き巣の中には、ステッカーの存在から犬の有無や犬種を特定しようと試みる者もいます。実際には犬を飼っていない、または小型犬や吠えない性格の犬である場合、長期間の観察によって実情が判明してしまうことがあります。犬の存在が犯行に影響しないことが分かると、逆に標的にされやすくなるリスクがあります。
また、飼い犬が普段から通りがかりの人に対して頻繁に吠えている場合、住人が犬の行動を制御していない、または犬の鳴き声に慣れて注意を払っていないと判断される可能性があります。犯罪者にとって、住人の警戒心が低い住宅は狙いやすい標的となるため、注意が必要です。
あくまで補助的な防犯効果しかない
猛犬注意ステッカーの防犯効果は、あくまで心理的な威嚇に留まります。物理的な侵入阻止効果はないため、ステッカーだけに頼った防犯対策では不十分です。
本格的な防犯効果を得るためには、ステッカーを補助的な手段として位置づけ、他の具体的な防犯対策と組み合わせることが重要です。施錠の徹底、センサーライトや防犯カメラの設置、セキュリティシステムの導入など、防犯対策を組み合わせることで、住宅の安全性を大幅に向上させることができます。
猛犬注意ステッカーと併用したい防犯対策
猛犬注意ステッカーだけでは防犯対策として不十分であるため、防犯効果(被害の未然防止)を高めるためには、以下の対策をあわせて行うとより効果的です。
施錠を徹底する

もっとも基本的で重要な防犯対策は、施錠の徹底です。警察庁の統計によると、空き巣の多くは無施錠の窓や玄関を狙って侵入しています。短時間の外出であっても、すべての出入り口と窓の施錠を確実に行うことが重要です。
玄関ドアだけでなく、勝手口、1階の窓、2階であってもベランダにつながる窓など、侵入経路となり得るすべての箇所の施錠を行いましょう。また、忍び込みや強盗の被害も発生しているため、留守中だけでなく在宅中の施錠も習慣化させる必要があります。
門扉を閉める
敷地に門扉がある場合は、しっかりと閉めて施錠することで防犯効果が期待できます。門扉が閉まっていることで、不審者の敷地内への侵入を物理的に阻止し、下見を困難にする効果があります。
門扉の施錠は犬の飛び出し防止にもなるため、犬を飼っている家庭では特に重要です。近隣住民への迷惑防止と防犯対策の両方を実現できます。
自動で閉まるタイプの門扉や、施錠忘れを防ぐ自動施錠機能付きの門扉であれば、より確実な防犯効果を得ることができます。
玄関や勝手口、窓に補助錠をつける
玄関・勝手口、窓をワンドア・ツーロック(二重ロック)にして補助錠を設置することで、侵入により多くの時間をかけさせることができます。空き巣は侵入に時間がかかることを嫌うため、補助錠の存在は大きな抑止力となります。
玄関ドアには上下二箇所の錠前、窓には窓用補助錠やクレセント錠に加えてサブロックを設置することが効果的です。
窓に防犯フィルムを貼る
窓ガラスに防犯フィルムを貼ることで、ガラスを割れにくくし、侵入に時間をかけさせることができます。防犯フィルムが貼られた窓は、何度もハンマーなどで衝撃を加える必要があり、通常のガラスを割るよりも大きな音を発するため、近隣住民が異変に気付きやすくなります。音による威嚇効果も防犯対策として重要です。
防犯砂利を敷く
庭や建物周辺に防犯砂利を敷くことで、侵入者の足音が大きくなるため、住人や近隣住民が不審者に気付きやすくなる効果があります。防犯砂利は歩くと通常の砂利よりも大きな音が出るよう設計されており、夜間の侵入に対して特に効果的です。
ただし、犬を飼っている家庭では注意が必要です。犬が砂利の上を歩くと足を痛める可能性があるため、犬が普段歩く場所への設置は避けましょう。「犬走り」と呼ばれる家の周りの通路部分にのみ設置することで、犬への影響を最小限に抑えながら防犯効果を得ることができます。
センサーライトを設置する
夜間の侵入を防止するためには、センサーライトの設置も効果的です。人の動きを感知して自動的に点灯するセンサーライトは、侵入者を躊躇させ、近隣住民の注意を引くことができます。
センサーライトは玄関周辺、勝手口、庭などの複数箇所に設置することで、死角を作らない防犯体制を構築できます。
防犯カメラを設置する

もっとも効果的な防犯対策の一つが防犯カメラの設置です。防犯カメラは設置することで侵入抑止の効果があり、侵入者の行動を記録できるため証拠保全にも役立ちます。
ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」は、配線工事が不要なワイヤレスタイプで、簡単に設置できます。防塵・防滴機能を備えているため、状況に応じて屋外での使用も可能です。スマートフォンからリアルタイムで映像を確認できるほか、人の動きを検知した際の自動通知機能なども活用できます。
ご自宅の安全を守るにはALSOKのホームセキュリティ

猛犬注意ステッカーや個別の防犯対策に加えて、より確実な防犯対策をお求めの場合は、ホームセキュリティサービスの導入をおすすめします。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望にあわせてお選びいただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
オンラインセキュリティでは、センサーが不審者の侵入や火災などの異常を検知すると、自動でALSOKが駆けつけます。スマートフォンを持っているだけで、外出時はワンタッチで警備の設定、帰宅時は自動で警備解除できる便利な機能も活用いただけます。
また、ALSOKのホームセキュリティは在宅時も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
まとめ
猛犬注意ステッカーは、手軽に実践できる防犯対策として一定の効果が期待できます。犬の存在を示すことで不審者や空き巣への心理的な抑止力が期待できます。ステッカーの防犯効果は補助的なものであるため、施錠の徹底、補助錠の設置、防犯フィルム、センサーライトや防犯カメラの設置、ホームセキュリティの導入など、他の防犯対策と組み合わせることが重要です。段階的に防犯対策を充実させ、ご家族と愛犬の安全を守りましょう。