おひとりさまの老後を豊かに生きるには?不安を解消する備えを知ろう

結婚や家族という形にとらわれず、自分らしく人生を歩む「おひとりさま」という生き方を選ぶ方もいます。しかし、おひとりさまで老後を迎えるとなると、住まいや経済面など不安に思う点もあるのではないでしょうか。
おひとりさまでも、正しい知識と早めの準備があれば、老後を安心して過ごすことは十分に可能です。そこで今回は、おひとりさまの老後の不安を解消する備えについて解説します。
目次
「おひとりさま」の高齢者が増加している

出典:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」
内閣府の調査によると、2024年(令和6年)の65歳以上人口は3,624万人で、総人口に占める割合は29.3%です。さらに、65歳以上人口に占める一人暮らしの割合は2050年(令和32年)には男性26.1%、女性29.3%まで増える見込みとなっています。
調査結果から、一人暮らしをする高齢者は今後さらに増加することが予想されます。将来的に「おひとりさま」の老後を迎える可能性がある方は、早めに不安への備えをしておくと安心です。
おひとりさまの老後に準備が必要な理由
近年は平均寿命が伸びたことにより、単身で過ごす老後期間が平均的に長くなっています。おひとりさまの老後にはさまざまなリスクや不安が伴うため、対策を考える必要があります。
住まいへの不安
一人暮らしを続けている場合、将来的な住まいについて悩む方も多くいます。老後の住まいは、持ち家のまま暮らす方法や高齢者用住宅、施設への入居などさまざまな選択肢があります。
高齢になると、賃貸住宅の新たな契約が難しくなるケースも見受けられます。また、持ち家であっても、老朽化などによりリフォームが必要となることがあり、費用がかかるケースがあります。このような課題に備えるためにも、自分に合った住まいの選択肢を早めに検討し、必要な準備をしておくことが大切です。
経済的な不安
老後の主な収入は、年金となります。しかし、年金だけでは生活費や突発的な出費に対応できない可能性もあります。特に病気やケガをした際の医療費・介護費用が大きな負担となることも考えられます。将来を見据えた資金計画を立て、対策を講じておくことで、より安心して暮らせるでしょう。
健康への不安
健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は、男性72.57歳、女性は74.79歳といわれています。平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳と、健康寿命と平均寿命には差があるため、健康でない期間をどのように過ごすかという課題が生まれます。
特におひとりさまの場合、ケガや病気への対応が遅れるリスクがあります。また、介護が必要になったときにきちんと手続きができるのか、誰に手続きを依頼するのかなどを確認する必要があります。
孤独への不安
高齢になると近所付き合いや交友関係が減り、地域コミュニティも希薄化してしまう可能性があります。その結果、一人暮らしの場合は特に孤独感が深まりやすくなり、家で倒れても気づかれず孤独死するリスクもあります。孤独死は年々増加しているため、不安に感じる方も多いでしょう。
漠然とした「不安」は情報不足から生じるため、正しい知識を持って備えをしておくことで、安心して老後を過ごすことができます。
おひとりさまの老後を支える「住まい」の選択肢
まずは、老後の住まいの選択肢を見ていきましょう。
自宅(持ち家)で暮らし続ける
持ち家がある場合は、老後もそのまま住み続けるという選択肢があります。
ただし、自宅(持ち家)で暮らす場合、老後のことを見据えて段差をなくしたり手すりを設置したりなどのバリアフリー化が必要です。他にも、老朽化への対応や固定資産税の支払いを考慮する必要があります。
自宅で一人暮らしを続ける場合は孤独になりやすいため、近隣コミュニティとのつながりや、見守りサービスの導入検討も必要になります。
高齢者向け住宅を検討する
自宅での一人暮らしに不安がある場合は、老後は高齢者向けの住宅や施設へ住み替えるという手段もあります。例えば、高齢者向け賃貸住宅(サ高住)やシニア向け分譲マンション、有料老人ホームなどの選択肢があります。
高齢者向け賃貸住宅(サ高住)やシニア向け分譲マンションは、高齢者向けの住宅でバリアフリーになっているのが特徴です。また、食事支援や見守りなどの生活支援を行ってくれる場所もあります。
一方で介護サービスは基本的に備わっていないため、介護が必要な場合は外部サービスの利用が必要です。介護度が高くなると、住み替えが必要になることもあります。
将来的な介護を視野に入れるのであれば、有料老人ホームなど介護サービスが受けられる施設も検討すると良いでしょう。
高齢者向け賃貸住宅やシニア向け分譲マンションについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
経済的な不安を解消するには

おひとりさまの老後において、多くの方が不安を感じるのが「お金」に関することです。
ここでは、経済的な不安の解消につながる方法をご紹介します。
老後の資金計画を立てる
老後も安心して暮らすために、資金計画を立てることをおすすめします。老後の主な収入源は公的年金になりますが、年金だけですべての生活費をまかなえるとは限りません。現在の生活費と想定される支給年金額をもとに、毎月の支出額をシミュレーションしてみましょう。
もし不足が見込まれる場合、現役時代からの積み立てや投資などによる備えを検討することをおすすめします。ただし、投資にはリスクも伴うため、自分の資産状況やリスク許容度に応じて無理のない範囲で行うようにしましょう。
老後の財産管理に関する法的な備え
万が一、認知症や病気などで判断能力が低下した場合に備え、法的な財産管理の手段についても知っておくことが重要です。例えば、信頼できる方に財産管理を任せる「任意後見制度」や、死後の手続きを依頼できる「死後事務委任契約」などの方法があります。
これらの契約内容や詳細については、法律や制度に関わる重要な事項となるため、専門の弁護士や司法書士などの専門家に相談してください。
健康・孤独への不安を解消するには
一人で老後を過ごす場合、健康や孤独に対する不安も大きいです。ここでは、健康面や孤独の不安を軽減するための方法をご紹介します。
かかりつけ医を決める
日頃から体調の変化を相談できる、かかりつけ医を見つけておくことは、健康な老後を送るうえで非常に大切です。かかりつけ医を決めておくと健康相談がしやすくなり、生活習慣のアドバイスなどをもらえます。特におひとりさまの場合、急な体調不良でも身近に相談できる医師がいることで、症状の悪化を防ぎやすくなります。健康なうちに、相談ができるかかりつけ医を見つけておくと安心です。
健康診断を受ける
病気の早期発見には、健康診断を定期的に受けることが大切です。特に高齢になると、症状が出にくい生活習慣病などを抱えていることも多く、気づかないまま病状が進行してしまうリスクがあります。
年に一度の健康診断を習慣にすることで、病気を未然に防ぐことができ、老後の不安を減らすことにもつながります。自治体では、無料健診や特定健診を行っているため、積極的に活用するのもおすすめです。
地域のコミュニティに参加する

孤独や社会からの孤立を避けるには、地域のコミュニティとのつながりがとても大切です。地域との関わりを持つには、地域サロンや老人クラブなどに参加する手段があります。人と交流することはストレス緩和、認知症防止にもなります。
終活をする
終活は、人生の終わりに向けて自分の希望や身の回りの整理を行う活動のことです。早めに身の回りの整理をしておくことで、老後の不安を軽減できます。
例えば、お墓や葬儀の希望を明確にしたり、エンディングノートを作成して意思を示しておくなど、前もって準備することで周囲の負担を減らせます。また、自分自身も気持ちの整理ができ、不安を軽減する効果が期待できます。
見守りサービスを利用する
おひとりさまの老後において、急な体調不良や事故に備えるために有効なのが見守りサービスの利用です。センサーやカメラを使って家の中での動きを確認するタイプや、定期的に電話や訪問で安否を確認するタイプなどがあり、安否確認や急な体調不良時の対応を依頼できます。
高齢者の見守りサービスの詳細については以下の記事でも解説しています。
一人暮らしの高齢者の見守り対策ならALSOKの「みまもりサポート」
おひとりさまの場合、急病やケガなどで倒れたらどうしよう、と不安になることもあるでしょう。先程もご紹介したとおり、一人暮らしの高齢者のサポートとして見守りサービスの導入がおすすめです。

ALSOKの見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」は、体調不良や急な発作時には、ボタンを押すだけでALSOKが駆けつけて対応します。さらに、健康や介護について気になることがあれば相談ボタンを押すだけで、24時間いつでも看護師資格を持つスタッフに健康相談をすることもできます。
また、熱中症や災害時の危険も音声で警告。一人暮らしをする高齢者の安全な暮らしを支えるサービスとしてご活用いただけます。
まとめ
おひとりさまは、自由に時間が使えて、きままに過ごすことができる魅力的な生き方です。しかし、老後の住まいや経済面、健康面などで不安が出てくるケースも多いため、早いうちから備えを知っておくと安心です。終活によって様々な不安を軽減したり、見守りサービスの導入などを検討するのも良いでしょう。