住宅リフォームを検討する際の注意点は?流れや費用相場を統計データで解説
本記事では、最新の住宅市場動向調査をもとに、リフォームの実施状況や流れ、費用相場、リフォームを成功させるための注意点を詳しく解説します。
住宅リフォームでは、工事の目的と優先順位を整理し、同じ条件で複数社の見積もりを比較することが重要です。契約前には、工事範囲、追加費用、工期、支払条件、保証内容も確認しましょう。
【この記事で分かること】
- 住宅リフォームで得られるメリット
- リフォームの流れや費用相場
- 後悔しないために気を付けたい6つの注意点
- より快適な住まいを実現するための防犯対策
目次
住宅リフォームを行うメリット
住宅リフォームを行う主なメリットは、次のとおりです。
- 既存部分を活かして必要な箇所を改修できる
- 住宅の劣化を抑え、状態を維持しやすくなる
- 必要な箇所だけを選んで工事できる
- ライフステージの変化やバリアフリー・防犯に対応できる
既存部分を活かして必要な箇所を改修できる
リフォームは、建物の既存部分を活かしながら、必要な箇所を選んで改修できる点がメリットです。ただし、費用や工期、仮住まいの要否は工事範囲や住宅の状態によって異なるため、建て替えと比較する場合は同じ条件で見積もりを取ることが大切です。
住宅の劣化を抑え、長く住み続けられる
劣化した外壁や設備を適切な時期に修繕・交換することで、雨漏りや腐食などの進行を抑え、住宅の状態を良好に維持しながら長く住み続けやすくなります。
必要な箇所だけを選んで工事できる
国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査報告書」によると、リフォーム実施世帯のリフォームの種類は「模様替えなど」が全体の83.2%を占めています。多くの世帯が増築や改築ではなく、部分的なリフォームを選んでいることが分かります。優先順位の高い箇所から着手できるため、予算に合わせて工事範囲を調整しやすいこともメリットです。
※調査対象は三大都市圏の「増築、改築、模様替えなどの工事を実施した住宅」に住んでいる方です。
※三大都市圏とは、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)・中京圏(岐阜・愛知・三重)・近畿圏(京都・大阪・兵庫)を指します。(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」の定義)
ライフステージの変化やバリアフリー・防犯に対応できる
子どもの独立や親との同居、加齢による身体の変化に合わせて間取りや設備を見直せます。手すりの設置や防犯性の高い建具への交換など、暮らしの安全性を高める工事も同時に検討できます。
住宅リフォームの流れ・工事期間
住宅リフォームは、内容と予算の検討から引き渡しまで、大きく6つのステップで進みます。
住宅リフォームの流れ
- リフォーム内容と予算の決定
- 施工会社の選定
- 工事の打ち合わせ・見積もり確認
- 契約
- 着工
- 工事完了・引き渡し
まずは、リフォーム内容と予算を設定します。家族構成やライフスタイルの変化を踏まえ、現在の住まいの不満や改善箇所を整理し、優先順位を明確にすることが重要です。
次に、複数の施工会社を比較検討したうえで信頼できる業者を選定しましょう。アフターサービスや保証内容についても確認しておくと、より安心してリフォームを進められます。
業者が決定したら、具体的な工事内容や工期、費用について詳細に打ち合わせ、見積書の内容を十分に確認します。内容に納得できたら契約を締結し、着工前には近隣への説明や挨拶を施工会社と相談し、誰が対応するかを確認しましょう。
なお、リフォームの規模や状況によっては、一時的に仮住まいが必要なケースもあります。
工事が始まったら定期的に進捗を確認し、完了後は仕上がりを細部まで検査して、問題がなければ引き渡しを受けます。
契約から着工までの期間は、工事内容、資材・設備の納期、施工会社の状況などによって異なります。契約前に着工予定日と工程を確認しましょう。
住宅リフォームの工事期間
リフォームの工事期間を見ると、「1週間以内」という回答が最も多く、全体の58.9%を占めています。令和3年度と比べて、工事期間が1週間以内だった世帯の割合は増加しています。工事期間は工事内容や住宅の状態によって異なるため、契約前に工程を確認しましょう。
住宅リフォームの費用相場
リフォーム費用の平均は170万円、中央値は70万円
令和7年度の調査では、住宅リフォーム費用の平均は170万円、中央値は70万円です。平均値は一部の高額な工事の影響を受けるため、予算を検討する際は平均値だけでなく中央値も参考にしましょう。また、自己資金比率は84.2%でした。実際に必要な資金や調達方法は工事内容によって異なるため、見積額と手元資金を踏まえて検討しましょう。
参考:「国土交通省令和7年度住宅市場動向調査報告書」
※令和6年度に三大都市圏でリフォームを行った世帯等を対象とした調査
部位別のリフォーム費用相場
リフォーム費用は、工事内容や住宅の状態、使用する設備・建材、地域などによって異なります。一般的な工事事例では次のような価格帯が参考例として挙げられます。
- キッチン:50万円~300万円
- 浴室:20万円~300万円
- トイレ:10万円~50万円
- 内装(クロス・床):5万円~50万円
- 外壁塗装:70万円~150万円
- 屋根:30万円~250万円
- 給湯器:15万円~50万円
具体的な金額を把握する際は、現地調査を受けたうえで複数の事業者から見積もりを取得し、比較・検討することをおすすめします。
統計データで見る住宅リフォームの検討ポイント
ここからは、令和7年度の統計データから、リフォームを検討するうえで参考になるポイントをご紹介します。
リフォーム実施住宅の築年数と実施間隔
「令和7年度住宅市場動向調査」によると、リフォーム実施住宅の平均築後年数は30.2年です。ただし、この数値は実施世帯の平均であり、リフォームが必要になる時期の目安を示すものではありません。実施時期は建物や設備の劣化状況、過去の改修履歴を確認して判断しましょう。
| 項目 | 新築(注文・分譲) | 中古住宅 |
|---|---|---|
| 建築時期で最多 | 平成7年~平成16年 34.5% |
昭和60年~平成6年 28.7% |
| 平均築後年数 | 27.2年 | 35.4年 |
| 平均居住年数 | 27.0年 | 18.4年 |
新築は築後年数27.2年、居住年数27.0年とほぼ一致している一方、中古住宅は築後年数35.4年に対して、居住年数は18.4年(購入時点でおおむね築17年前後)です。中古住宅では、取得時点ですでに一定の築年数が経過している場合があります。ただし、リフォームの必要性は築年数だけでなく、住宅の状態や過去の改修履歴を確認して判断することが大切です。
| 今回が初めて | 5年以内 | 5年超10年以内 | 10年超15年以内 |
|---|---|---|---|
| 36.4% | 23.5% | 16.6% | 8.6% |
前回リフォームからの経過年数は、「今回が初めて」という回答が全体の36.4%を占めていました。リフォーム経験がある世帯では、「5年以内」が23.5%、次いで「5年超10年以内」が16.6%となっています。上述したように、リフォームの時期は、住宅や設備の状態を確認して判断しましょう。
出典:「国土交通省令和7年度住宅市場動向調査報告書」
※令和6年度に三大都市圏でリフォームを行った世帯等を対象とした調査
住宅リフォームの動機
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」
※令和6年度に三大都市圏でリフォームを行った世帯等を対象とした調査
リフォームを実施した動機を見ると、「住宅がいたんだり汚れたりしていた」という回答が39.7%で最も多く、次いで「家を長持ちさせるため」が22.3%、「省エネ性能の向上のため」が17.8%となっています。
住宅の傷みや汚れ、住宅を長持ちさせることなど、建物の維持に関する動機が上位に挙がっています。
住宅リフォームを実施した部位
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」
※令和6年度に三大都市圏でリフォームを行った世帯等を対象とした調査
リフォームを実施した部位では、「居間・リビング」が26.3%で最も多く、「外壁」が20.6%、「トイレ」が19.5%と続きます。日常的に使用する居住空間や設備に加え、住宅を外部環境から守る外壁も上位に挙がっています。
住宅リフォームの内容
住宅リフォームには、内装・設備の交換、外壁や屋根など住宅外部の改修、間取りや構造に関わる工事などがあります。工事の規模によって、費用、工期、住みながら工事できるかどうかが異なります。
住宅リフォームで最も多いのは、「住宅内の設備の改善・変更」で37.8%となっています。
| リフォーム内容 | 実施率 | 主な工事内容 |
|---|---|---|
| 住宅内の設備の改善・変更 | 37.8% | 台所・便所・浴室等の設備改善(76.7%)、窓・扉などの建具の取り替え(21.9%) |
| 内装の模様替えなど | 27.3% | クロス・床材の張り替えなど |
| 冷暖房設備等の変更 | 25.9% | 冷暖房設備の改善・設置(84.0%)、電気温水器の設置(8.7%)、太陽光発電・太陽熱温水器の設置(8.0%) |
| 住宅外の改善・変更 | 25.4% | 外壁・屋根・門扉などの改修 |
| 高齢者等に配慮し段差をとるなど | 8.5% | 手すりの設置、段差の解消 |
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」
※令和6年度に三大都市圏でリフォームを行った世帯等を対象とした調査
リフォーム内容で多かったのは「住宅内の設備の改善・変更」が37.8%で、その内訳ではキッチン・トイレ・浴室等の設備改善が76.7%となっています。ここでは調査結果として確認できる実施率と内訳を紹介しているため、実際にリフォームを検討する際は、ご自身の住まいの状態に合わせて優先順位を判断することが大切です。
後悔しないために!住宅をリフォームする際の6つの注意点
住宅リフォームで後悔しないためには、次の6つのポイントを押さえておきましょう。
- 目的と優先順位を決める
- 現地調査を受け、工事範囲と設備仕様を明確にする
- 同じ条件で複数社の見積もりを比較する
- 契約前に費用総額、追加工事、支払時期、工期を確認する
- 補助金の対象条件と申請時期を公式情報で確認する
- 施工会社の保証、アフターサービス、工事期間中の近隣への対応を確認する
① 目的と優先順位を決める
現在の住まいの不満や改善したい点を家族で洗い出し、優先順位をつけましょう。何を最優先に改善するかを決めておくと、予算内で満足度の高いリフォームを実現しやすくなります。
② 現地調査を受け、工事範囲と設備仕様を確認する
施工会社に実際に家まで来てもらい、現地調査を受けます。工事範囲と設備仕様、採寸、劣化状況や導入設備との互換性などを調べ、希望するリフォーム工事の対応可否と、正確な見積もりを出してもらいます。
③ 同じ条件で複数社の見積もりを比較する
施工会社選びでは、「以前から付き合いのある業者」や「知人からの紹介」を重視する世帯が多く、過去の実績やアフターフォロー体制への信頼が選定の決め手になっている様子がうかがえます。ただ、リフォーム工事では、同じ内容でも業者によって費用が大きく異なるため、適正価格を把握するためにも複数の業者から見積もりを取ることが重要です。見積もり比較の際は金額だけでなく、使用材料の品質、工期、アフターサービスの内容、施工実績などを総合的に比較しましょう。見積書の内訳を詳細に確認し、不明点は必ず質問して納得してから契約を進めることが、信頼できる業者選びとトラブル回避の鍵となります。
④ 契約前に費用総額、追加工事、支払時期、工期を確認する
契約前には、工事費用の総額、追加工事が発生した場合の扱い、支払いの時期や方法、工期を書面で確認しましょう。内容に納得してから、契約を締結することが望まれます。なお、リフォームの規模や状況によっては、一時的な仮住まいが必要になる場合もあります。
⑤ 補助金の申請条件と申請時期を公式情報で確認する
省エネ改修や断熱リフォームを行う場合は、国の補助金制度を活用することで、リフォーム費用の一部が助成され、経済的負担を軽減できます。
既存住宅のリフォームで活用できる国の補助金の例として、以下があります。
| 名称 | 補助金の対象 |
|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 登録された「みらいエコ住宅事業者」と契約し、一定の要件を満たす断熱改修やエコ住宅設備の設置などを行う |
| 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省) | 省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた既存住宅の断熱リフォーム |
| 給湯省エネ事業 | 一定の性能要件を満たす高効率給湯器の設置 |
出典:国土交通省 住宅リフォームの支援制度
みらいエコ住宅2026事業
給湯省エネ2026事業
制度ごとに対象期間が定められており、条件なども異なるため、事前に確認が必要です。
※本年度の募集は終了している場合があるため、詳細は各事業の公式ページをご確認ください。
また、地方自治体ごとに耐震診断・耐震改修、省エネ化、バリアフリー化などが補助対象となる制度があります。リフォームを検討している場合は、事前に利用できる補助金制度がないか確認しておくことで、補助対象となる工事内容を踏まえたリフォーム計画を立てやすくなります。
⑥ 施工会社の保証、アフターサービス、工事期間中の近隣への対応を確認する
保証内容やアフターサービスの有無は、業者ごとに異なります。対象範囲、保証期間、免責事項と、定期点検の有無を契約書面で必ず確認しましょう。
また、リフォーム工事は騒音、振動、工事車両の出入りなど、近隣住民に迷惑をかけるおそれがあります。着工前には、施主や施工会社が工事期間や作業時間、工事内容を記載した挨拶状を配布し、近隣住民へ直接挨拶に伺うことが望ましいです。丁寧な事前説明により、工事期間中のトラブル防止につながります。工事完了後にも改めて挨拶を行い、良好な近隣関係の維持に努めましょう。
住宅をリフォームする際は防犯対策も欠かさず行おう
住宅リフォームは、住まいの快適性を向上させると同時に、防犯対策を強化する絶好の機会でもあります。警察庁の統計によると、令和7年の侵入窃盗の発生場所別認知件数は、住宅(一戸建、共同住宅)への侵入が最も多く、全体の38.2%を占めています。
住宅を対象とした侵入窃盗が多数発生している現状を踏まえると、リフォーム時に防犯性能を高めることは、家族の安全を守るうえで重要な取り組みといえます。
住宅をリフォームする際は、設計段階から防犯対策を組み込んでおくことも大切です。玄関や勝手口はワンドア・ツーロックにし、窓には防犯性能の高いガラスや面格子を採用するなど、侵入に時間がかかる防犯対策を行いましょう。防犯カメラは周囲の確認や映像記録、ホームセキュリティは異常の検知や通報など、目的に応じて設備を選ぶことが大切です。
ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」の2種類から選べます。
オンラインセキュリティは、異常発生時にALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能も活用いただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、外出中はもちろん、就寝中や一人での在宅時にも安心です。一戸建てはもちろん、マンションなどの集合住宅にも設置可能です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」
防犯対策の強化には、防犯カメラの設置も効果的な選択肢のひとつです。ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」は、バッテリー駆動とWi-Fi接続で面倒な配線・電気工事が不要で簡単に設置可能。人感センサーが動きを検知すると自動録画してスマートフォンへ通知します。また人の動きを検知するとLEDライトが点灯するため、夜間や暗い時間帯でも状況を把握しやすく、安心感を高めてくれます。専用アプリでリアルタイムに映像を確認でき、もしもの時にはALSOKが駆けつける「依頼駆けつけオプション」にも対応しています。防犯性能を重視しつつ、導入のハードルを下げたい方に適した防犯カメラです。
住宅リフォームに関するよくある質問
Q:住宅リフォームでよくある困りごとは?
A:国土交通省の調査では、「特にない」が66.5%でした。一方、困った経験としては、「見積もりが適切か分からなかった」15.2%、「費用がオーバーした」9.3%、「プランが適切か分からなかった」8.6%などが挙げられています。契約前に、工事範囲、見積もりの内訳、追加費用の発生条件、支払条件、工期、保証内容を書面で確認しましょう。
Q:住みながらリフォームできますか?
A:工事箇所や工期、騒音・粉じん、電気・水道を使えない期間、安全な生活動線を確保できるかによって異なります。水回り全体や広範囲の改修では、仮住まいが必要になる場合があるため、事前に施工会社へ確認しましょう。
Q:リフォーム工事の契約前に何を確認すればよいですか?
A:工事範囲と仕様、見積もりの内訳、追加・変更工事の承認方法、支払時期、工期、保証内容、近隣対応を確認します。口頭で決めた内容も契約書や打ち合わせ記録などの書面に残しましょう。
まとめ
住宅リフォームは、建物の資産価値の維持と、快適な住環境を実現するために重要な役割を果たします。目的と優先順位を整理し、複数社の見積もりを同じ条件で比較したうえで、契約内容や工期、保証を書面で確認することが、後悔のないリフォームにつながります。さらに家族が安心して暮らせる住まいを目指し、リフォーム計画の段階から防犯を含めた総合的な検討を行うことが大切です。大きな投資となるリフォームだからこそ、慎重な準備と計画が欠かせません。ぜひ本記事の統計や注意点を参考に、住まいに最適なリフォーム計画を立ててください。





















