今すぐできるアポ電強盗対策!主な手口や電話に出ない工夫を解説

近年、首都圏を中心に高齢者を狙った「アポ電強盗」の被害が相次いでいます。事前に電話で資産や在宅状況を探り、自宅に押し入り金品を奪う手口で、中には被害者が殺害されるという凶悪な事件にまで発展しているものもあり、一層の警戒が必要です。
では、アポ電強盗の被害を防ぐためにはどのような方法が有効なのでしょうか。
本コラムでは、アポ電強盗の実態や主な手口、具体的な対策方法を解説します。
目次
アポ電強盗とは?
アポ電強盗とは、事前に電話口で資産額や家族構成、在宅時間などを聞き出し、その情報をもとに自宅へ押し入り、金品を盗む犯罪のことです。
オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺も、親族や公的機関の職員になりすまして事前に電話(アポ電)をかけ、金銭を騙し取る点は共通しています。近年、このアポ電がかかってきた後に詐欺や強盗の被害に遭う事例が増えているため、より一層の注意が必要です。
出典:大阪府警察「アポ電に注意!」
渋谷区「アポ電強盗」に注意しましょう
アポ電強盗の実態

次に、アポ電の実態を見ていきましょう。警察庁によると、電話の相手に対して住所や氏名、資産などを探る特殊詐欺が疑われる予兆電話は、令和6年に193,475件確認されました。令和5年の131,868件から1年で61,607件増加しており、被害の顕著な拡大がうかがえます。
特殊詐欺による被害も増えており、令和6年の認知件数は21,043件で、前年の19,038件と比べて2,005件増加しました。1日当たりの被害額は1億9,639万円に達しており、アポ電強盗を含む特殊詐欺の被害は非常に深刻です。そのため、アポ電と特殊詐欺から身を守るための対策を講じる必要があります。
出典:警察庁「令和6年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」
アポ電強盗の主な手口
アポ電強盗では、犯人はターゲットから情報を引き出すためにさまざまな職業の人物になりすまします。ここでは、その典型的な手口を解説します。
犯人がなりすます主な職業
アポ電強盗の犯人は、さまざまな職業の人になりすまし、被害者を騙します。具体的には、警察官、官公庁の職員、ターゲットの家族が従事している職業など、相手が信用するような人物になりすまして電話をかけてきます。
また、親族を装い金銭を要求するケースも少なくありません。「電話番号を変えた」「風邪をひいて声が違う」と前置きし、続けて「入院することになった」「至急お金が必要」などと切迫感を演出して、冷静な判断力を奪おうとします。こうして相手に考える時間や確認する猶予を与えず、質問への回答や金銭の用意を急がせるのが狙いです。
よく聞かれる質問とその目的
犯人は情報を引き出すためにさまざまな質問をしてきます。例えば、警察官や役所の職員を装い、家族構成や資産状況、自宅の現金保管額、在宅時間などの情報を聞き出そうとします。その後、自宅に現金があることを把握した犯人が、強盗に押し入ります。
他にも、消防職員になりすまして、「災害の際に迅速に救助できるように」との名目で家族構成を聞き出すアポ電も報告されています。
アポ電強盗への対策
アポ電強盗から身を守るには、日ごろの電話対応や訪問者の対応を見直す必要があります。以下では、アポ電強盗の被害に遭わないための対策を解説します。
かかってきた電話にはすぐ出ないようにする
アポ電強盗の対策として、かかってきた電話に直接出ないようにすることが有効です。電話にはすぐに出ずに、留守番電話に録音されたメッセージを確認してから、必要であれば折り返し電話することをおすすめします。従来のアポ電は、固定電話を中心に狙われていましたが、最近ではスマートフォンへのアポ電も増えています。そのため、スマートフォンでも留守番電話の設定をしておくようにしましょう。
迷惑電話防止機器を取り付ける
迷惑電話防止機器は、固定電話に取り付ける機器です。迷惑電話防止機器を設置すると、電話機の呼び出し音が鳴る前に、電話をかけて来た人に対して通話内容を録音する旨のメッセージが流れ、実際に電話の内容が録音されます。また、迷惑電話だと判断した場合は、自動で着信を拒否します。
アポ電強盗の犯人は、証拠が残ることを嫌うため、録音の案内だけでも犯行の抑止効果が期待できます。
資産状況や所持金額を伝えない
電話に出ないことが一番ですが、つい電話に出てしまうこともあるかもしれません。電話に出てしまった場合でも、資産状況や所持金額に関する質問は絶対に答えないようにしましょう。キャッシュカードや個人情報に関する話が出た場合も、特殊詐欺の恐れがあるため、すぐに電話を切るようにしましょう。
一度切ってからかけ直す
アポ電か分からない電話に出てしまった場合、一度切ってからあらためてかけ直すようにしましょう。話を聞いてから断ろうとすると、些細な質問から個人情報を聞き出されるリスクがあるため、まずは電話を切った上でかけ直すことが大切です。
もし、警察などの組織を名乗っている場合は、相手から伝えられた電話番号ではなく、インターネットなどで正しい番号を調べてからかけ直してください。親族の場合は、一度家族に確認しましょう。
不審な訪問者には対応しない
アポ電以外には、セールスやリフォーム業者などを装い、ターゲットの自宅を直接訪問して間取りや現金の置き場所などを聞き出そうとするケースもあります。心当たりのない訪問者には安易に対応しないようにしましょう。もし出てしまった場合も、チェーンやドアガード越しに対応して、家に入れないことが大切です。
警察の相談窓口に連絡する
不審な電話がかかってきた場合や、不審な訪問者が来た場合は、家族に相談した上ですぐに警察相談専用電話の番号である「#9110」に相談しましょう。
ALSOKのアポ電強盗撃退サービス
ALSOKでは、アポ電強盗や特殊詐欺による被害を防ぐサービスである、迷惑電話自動着信拒否装置「トビラフォン」をご用意しています。

トビラフォンは、警察等公的機関から提供される迷惑電話番号(約3万件)データベースにアクセスし、過去に迷惑電話と判定した番号からの電話を自動で着信拒否します。さらに、登録のない電話番号は利用者自身で着信の許可・拒否を登録することができます。

また、本体のLEDの発光色により、電話に出る前に着信電話番号の安全度を確認することができるので安心です。

もしものときの高齢者の味方!
ALSOKのトビラフォンについて詳しく見る強盗被害に遭わないための防犯対策
アポ電対策を徹底していても、少ない情報をもとに強盗に押し入られるケースもあります。特に、玄関ドアを開けさせて無理やり住宅に押し入る「押し込み強盗」の被害も多いことから、住宅の防犯対策は欠かせません。被害を防ぐには、簡単に家に入らせないことに加え、侵入に時間がかかる家にすることが重要です。
防犯カメラを設置する
玄関や窓付近などの侵入口となり得る場所や死角となりやすい場所には、防犯カメラを設置するのが効果的です。侵入時に見える箇所に防犯カメラがあることで、犯行を諦めさせる効果が期待できます。万が一被害に遭った場合も、犯行の様子を映像で記録し、証拠を残すことが可能です。
防犯カメラの存在に気づいた犯人に壊されないよう、設置する際は簡単に手が届かない高さに取り付けましょう。また、隣家の敷地内や室内の様子が映り込むことのないよう、近隣住民のプライバシーへ配慮した場所に設置することも大切です。
窓や玄関に侵入対策を施す
防犯カメラに加えて、窓や玄関に物理的な対策を施すことも有効です。例えば、主錠(メインの鍵)の他に補助錠を設置して侵入に時間がかかるようにしたり、窓用防犯ブザー(アラーム)で窓の破壊や開閉を検知した際に大きな音を鳴らし、住人や周囲に異常を知らせたりすると良いでしょう。
その他には、窓ガラスの強度を高める防犯フィルムや、玄関ドアの隙間を塞ぎ、こじ開けを防止するガードプレートなども効果的です。
これらの防犯アイテムを複数組み合わせることで、侵入に手間と時間がかかるようになり、犯行を途中で断念させやすくなります。
センサーライトや防犯砂利を活用する
玄関先や庭、通路には、人の動きを検知して自動で点灯するセンサーライトが有効です。暗闇を利用して接近しようとする不審者を光で威嚇し、「気づかれるかもしれない」というプレッシャーを与えます。合わせて、歩くと大きな音が鳴る防犯砂利を敷いておけば、犯人が建物に接近していることを察知しやすくなり、住人や近隣住民に発見されるリスクから犯行を諦める可能性が高まります。
万が一のためにみまもりサービスやホームセキュリティも検討しよう
不審な電話の多くはトビラフォンによって防ぐことができますが、不審者の侵入までは防げません。
万が一に備えてトビラフォンだけではなく、ALSOKのみまもりサービスやホームセキュリティと組み合わせて導入することをおすすめします。
健康相談や見守りも兼ねるならみまもりサポートがおすすめ

ALSOKの「HOME ALSOKみまもりサポート」は、緊急通報と健康相談が一つになった高齢者向けの在宅見守りサービスです。アポ電強盗や悪徳商法など、万が一不審者が自宅まで来てしまった場合や玄関先でトラブルになった場合でも、緊急ボタンを押すことでALSOKが駆けつけます。また、看護師資格を持つスタッフにいつでも健康に関する相談が可能です。安否確認サービスなどのオプションも充実しています。
一人暮らしのご高齢の方や離れて暮らすご家族の不安を減らせるよう、トビラフォンと併用してみてはいかがでしょうか。
家族と住宅の安全安心にはALSOKのホームセキュリティ
住宅の防犯を強化したい方にはホームセキュリティの導入がおすすめです。

ALSOKのホームセキュリティは、「セルフセキュリティ」「オンラインセキュリティ」の2種類から選択できます。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときには、ALSOKの依頼駆けつけが利用できます。オンラインセキュリティでは、不審者の侵入や火災などの異常発生時には自動でALSOKが駆けつけ、状況に応じて各関係機関と連携するので安心です。
また、スマートフォンをホームセキュリティ機器本体に近づけるだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始する便利な機能も活用できます。在宅中も警備のセットが可能なので、就寝中や高齢者だけでの在宅時にも安心です。
ALSOKのホームセキュリティは、戸建て住宅はもちろんのこと、アパート・マンションなどの集合住宅でも導入可能です。お住まいの住居に合わせ、最適な防犯・防災対策もしっかり行っておきましょう。
離れて暮らす高齢の親御さんだけでなく、ご自身がアポ電強盗の被害に遭わないか心配な方も多いでしょう。万が一の対策としてホームセキュリティの導入を検討してみてはいかがでしょうか。