家庭用防犯カメラを設置する際のポイントや主な設置場所は?注意点や方法も解説

防犯 2025.05.26更新(2020.09.04公開)
家庭用防犯カメラを設置する際のポイントや主な設置場所は?注意点や方法も解説

防犯カメラの設置は、家庭でできる防犯対策の1つです。玄関や窓の近く、駐車場などに取り付けると、防犯意識の高い住宅であることを泥棒や空き巣に対してアピールできるため、犯罪抑止につながります。

この記事では、家庭用防犯カメラを設置するときのポイントや設置場所に関する注意点、カメラ選びの方法などについて解説します。

目次

防犯カメラを設置する際の3つのポイント

防犯カメラ設置のポイント

防犯カメラは、設置場所や設置の仕方によって犯罪抑止の効果が大きく変わってくるので、設置にあたっては慎重な検討が必要です。自宅に防犯カメラを設置するときは、次の3つのポイントを考慮することをおすすめします。

防犯カメラの死角を作らないようにする

せっかく防犯カメラを設置しても、撮影されることなく犯罪を遂行できる状況であれば、防犯カメラの犯罪抑止効果は期待できません。防犯カメラの設置位置や向きなどをしっかりと検討し、死角がないように出入口や駐車場を映すことが大切です。敷地が広い場合は、複数のカメラを設置することも検討しましょう。
また、空き巣や居空き、忍び込みは、玄関だけではなく窓からも侵入します。警察庁の発表によると、令和5年(2023年)に発生した住宅侵入被害のうち、玄関などの表出入口から侵入された割合は26.8%、窓から侵入された割合は51.8%でした[注1]。特に住宅の裏側にある窓は近隣住民の目も届きにくいため、狙われやすいといえます。泥棒や空き巣の侵入を防ぐためには、侵入口として使われる可能性がある窓も撮影できるように防犯カメラを設置することが重要です。

[注1]警察庁 令和5年の刑法犯に関する統計資料

防犯カメラの存在をアピールする

防犯カメラの存在をアピールすることで、より高い防犯効果を期待できます。例えば「防犯カメラ設置中」「24時間監視中」などと書かれたステッカーを目立つ部分に貼っておけば、泥棒や空き巣に対する威嚇となり、犯罪抑止につながるでしょう。

プライバシーに配慮した画角にする

防犯カメラを設置する際は、隣人や通行人などのプライバシーに配慮する必要があります。
実際に、防犯カメラの設置がプライバシー権を侵害する不法行為にあたるとして、カメラの撤去と慰謝料の支払いを求めた裁判例があります。平成27年(2015年)11月5日の東京地裁の判決では、設置された4台のカメラのうち1台が原告のプライバシー権を侵害していると判断されました。その結果、被告に対し当該カメラの撤去及び原告1名あたり10万円の慰謝料の支払いが命じられました。
例えば、防犯カメラの映像から隣人がいつ外出し、いつ帰宅したのかが分かってしまう場合には、カメラの撤去を求められたり損害賠償を請求されたりするリスクがあります。防犯カメラの設置及び画角の設定にあたっては、プライバシー侵害とならないよう十分に注意しましょう。

一戸建てやマンションの防犯カメラ設置場所の例

防犯カメラは、「どんな目的で設置するか」「どのような効果を得たいのか」によって適切な設置場所が違ってきます。ここでは、防犯カメラの効果的な設置場所をご紹介します。

出入口・勝手口

空き巣や泥棒を遠ざけるには、主な侵入経路である玄関や窓、勝手口などに防犯カメラを設置するのが効果的です。玄関は他の出入口と比較して人の出入りが多く、施錠忘れのリスクも高いことから狙われやすい場所です。宅配業者やセールスを装って不審者が近づくケースも少なくありません。
また、庭やベランダに面した大きな窓も、アクセスしやすく狙われやすい場所です。植栽などで死角がある場合は特に注意が必要です。勝手口も外から見えにくいため、侵入口として利用されやすい傾向があります。
防犯カメラを設置する際は、人の顔や服装が識別できる位置・角度に調整し、死角をなくすことが重要です。近くに駐車場がある場合は、車も映るように設置しましょう。

駐車場・駐輪場

車上荒らしや自動車・二輪車などの盗難を防ぐためには、駐車場・駐輪場への防犯カメラ設置が有効です。防犯カメラを設置することで盗難被害の未然防止となりますし、映像を証拠として残すことができるため、万が一被害にあった場合も犯人の特定に役立ちます。死角になる場所ができないように設置しましょう。センサーライトと組み合わせるとより効果的です。

ベランダ

ベランダも空き巣の侵入口となり得る場所です。防犯カメラを設置する際は、侵入者の顔がはっきり映るように設置します。ただし、近隣の方々のプライバシーに十分に配慮し、隣家の敷地や室内の様子が映り込まないように画角の調整を行いましょう。

建物の四隅

自宅が塀や庭木に囲まれていて見通しが悪い場合、建物の四隅に防犯カメラを設置するのも有効です。不審者は死角を狙って侵入してきます。四隅にカメラを設置することで、建物の外周を広範囲にカバーでき、死角を最小限に抑えられます。

室内

リビングなど、室内に防犯カメラを設置することで、侵入された場合の証拠映像を残すことができます。また、高齢の親御さんやお子さん、ペットの見守りに活用することもできます。防犯カメラを設置する目的を明確にして、その目的にかなうように設置しましょう。

防犯カメラを設置する際の注意点

防犯カメラは正しい場所に正しい方法で設置しなければ、効果を発揮できません。ここでは、防犯カメラを設置する際の3つの注意点をご紹介します。

簡単に壊される場所に設置するのはNG

防犯カメラは、泥棒や空き巣への威嚇でもあるため、目に付きやすい場所に設置することが大切です。ただし、破壊されてしまっては意味がないため、手が届くような場所(柵に登れば簡単に手が届くような場所を含む)に設置するのは避けましょう。成人男性が手を伸ばしても手が届かない、3m以上の高さに設置するのが望ましいとされています。

強い光が映り込むような設置の仕方は避ける

西日や朝日、自動車のヘッドライトなどの強い光が当たると、うまく映像を記録できない場合があります。強い光が映り込むような設置の仕方は避けましょう。

屋内用・屋外用を確認して設置する

防犯カメラには、屋内用と屋外用があります。屋外用は、雨風がしのげるよう防水・防塵性に優れています。屋内用は防水・防塵機能が備わっていないことも多く、屋外に設置すると雨風などにより故障する可能性があります。設置する前に、どちらのタイプか確認しておき、設置場所に適した種類を選択することが重要です。

行政のガイドラインを確認する

防犯カメラに録画されている映像であって、人物の特定ができてしまうものは個人情報となるため、適切に管理することが求められます。総務省では、「カメラ画像利活用ガイドブック」を策定しています。ガイドブックには、基本的な個人情報の取り扱いや防犯カメラ設置にあたり事前告知などの配慮を行うことなどが記されているため、事前に確認しておきましょう。
また、自治体ごとに、防犯カメラの設置に関するガイドラインが設けられている場合もあります。例えば、群馬県邑楽郡大泉町では「大泉町家庭用防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」を策定しています。このガイドラインでは、家庭用防犯カメラを設置するにあたり不必要な個人の映像を撮影しないこと、防犯カメラの設置の表示を行うことなどが定められています。

出典:大泉町役場総務部安全安心課「大泉町家庭用防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

ダミーカメラは見破られるリスクがある

初期費用を抑えるためにダミーカメラの設置を検討される方もいますが、プロの空き巣や泥棒は、外観や動作、配線の有無などからダミーカメラを見破ります。ダミーカメラだと見破られてしまうと、「防犯対策がされていない家」と判断され、かえって狙われるリスクを高める可能性もあります。確実な防犯効果を期待するのであれば、録画機能やスマートフォンなどから遠隔で確認できる機能を備えた、本物の防犯カメラの設置をおすすめします。

自宅に防犯カメラを設置するメリット

防犯カメラ設置の意義

一般家庭に防犯カメラを設置することには、さまざまな意義があります。ここでは、主な3つの意義について確認しておきましょう。

泥棒や空き巣の侵入を防ぐ

泥棒や空き巣の侵入を防ぐことは、防犯カメラ設置の大きな目的です。防犯カメラを設置すれば、防犯意識の高い家であることをアピールできるため、泥棒や空き巣の被害に遭いにくくなります。警視庁も犯罪を抑止する方法の1つとして、防犯カメラの設置を推奨しています[注2]
また、万が一犯罪の被害に遭ってしまっても、防犯カメラの映像が犯人の特定に役立つ可能性があります。事件の早期解決という観点でも防犯カメラの設置をおすすめします。

[注2]警視庁「防犯環境設計による防犯対策

駐車場への侵入や車上荒らしを防ぐ

東京都の自動車盗発生場所別割合(令和6年)

自宅に駐車している場合でも、自動車の盗難に遭うことがあります。警視庁によると令和6年(2024年)の東京都における自動車の盗難は、駐車場で39.5%、住宅で43.1%発生しています[注3]

防犯カメラは、住宅の駐車場への侵入や車上荒らしを防止する目的でも活用できます。

[注3]警視庁「東京の犯罪(令和6年版) 乗り物盗の発生状況

外出中でもペットの様子を確認できる

犬や猫といったペットを家族の一員としてかわいがっている方で、外出中も留守番をしているペットの様子が気になる方は多くいらっしゃることでしょう。防犯カメラは、外出先からペットの様子を確認することにも役立ちます。最近では、スマートフォンを使って映像を確認できるタイプも普及してきています。

防犯カメラを選ぶときに重視すべき6つのポイント

防犯カメラを選ぶ際は、設置前に画素数や形状などを比較して目的に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、防犯カメラを選ぶときの6つのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

犯人の顔を映したい場合は200万画素以上のカメラを選ぶ

泥棒や空き巣を威嚇する目的なら画素数の低いカメラでも問題ありませんが、犯人の顔や車のナンバーを映したい場合は200万画素以上のカメラを選びましょう。200万画素は、いわゆる「フルHD(1920×1080)」と呼ばれる解像度で、一般的なテレビやパソコンのディスプレイにも広く採用されている規格です。これよりも画素数が低いカメラの場合、映像が不鮮明になりやすく、人物の顔や車のナンバーなどの細かい情報が判別しにくくなるおそれがあります。また、敷地が広い場合は、必要に応じて望遠レンズの設置を検討することも大切です。

夜間に撮影したい場合は赤外線暗視型のカメラを選ぶ

住宅の周辺は夜になると真っ暗になり、撮影ができないケースもあります。夜間などの光が少ない状態でも撮影したい場合は、赤外線暗視型のカメラを選びましょう。また、逆光の場合にうまく映らない可能性もあるため、逆光補正機能が付いていると安心です。

用途に合った形状のカメラを選ぶ

防犯カメラにはドーム型や箱型など、さまざまな形状があります。室内に設置する場合は圧迫感の少ないドーム型、屋外に設置する場合は耐久性の高い箱型など、用途や設置場所に合った形状のカメラを選びましょう。

スマートフォンから映像を確認できるカメラを選ぶ

スマートフォンと連携して、リアルタイムで映像を確認できる防犯カメラもあります。カメラが動きを感知した際に、アラートを受け取り、すぐに確認することが可能です。外出中や旅行先でも自宅の状況を即座にチェックできるため、何か異常があった際にも素早く対応できるでしょう。

人感センサー付きのカメラを選ぶ

人感センサー付きのカメラは、人が近づいたり不審な動きを感知したりすることで、深夜や外出時でも自動的に録画が開始されます。常時録画による無駄なデータ保存を避けつつ、重要な瞬間を確実に記録できます。不審者の侵入や不自然な動きを即座に察知できるため、防犯効果が格段に高まります。

設置しやすいカメラを選ぶ

防犯カメラを設置する際、複雑な工事や設定が必要なものもあります。また、大掛かりな工事は避けたいと考える方もいらっしゃることでしょう。
最近では、大掛かりな工事や複雑な設定を必要としない高性能な防犯カメラも登場しています。導入・設置の簡便さも、考慮すべき事項の1つに入れると良いでしょう。

防犯カメラの設置方法

防犯カメラを設置するには、専門業者に依頼する方法と自分で設置する方法があります。それぞれメリット・デメリットがあるので自分に適している方法で設置しましょう。

専門業者に依頼する

防犯カメラは設置する高さやカメラの角度で撮影範囲が大きく変わります。自分では設置が難しい場所も、信頼できる専門業者に依頼することで目的に合わせて適切に設置でき、より高い防犯効果を得られるでしょう。ただし、導入コストが高額になりがちである点がデメリットとなります。

自分で設置する

自分で設置する最大のメリットは、導入コストを安く抑えられることです。最近は小型タイプや配線工事が不要なタイプも増えてきており、防犯カメラを自分で設置するハードルは下がってきています。
例えば、Wi-Fi接続で動作する「ワイヤレスカメラ」のように配線不要・簡易設置型の製品が普及しています。工事の手間なく自分で設置でき、すぐに運用を始められるのが魅力です。
他にも、熱や動きを検知して自動で撮影する「トレイルカメラ」もあります。元々は野生動物などの撮影に用いられていましたが、電池やソーラーパネルで稼働する製品が多いため、家庭用防犯カメラとして利用されるケースもあります。庭先や物置、車庫など、電源の確保が難しい場所や人目につきにくい場所を撮影したいときに便利です。
ただし、防犯カメラの種類によっては設置に専門的な知識や熟練した工事技術が必要な場合もあります。適切に設置できていないと効果を最大限発揮できない可能性があるため、自分で設置したい場合には、なるべく設置が簡単な防犯カメラを選ぶと良いでしょう。

防犯カメラの設置に利用できる補助金はある?

自治体によっては、防犯カメラを含む防犯対策品を購入・設置した場合、その費用の一部を補助してくれるケースもあります。東京都では、各市区町村で補助金制度を設けています。例えば、東京都荒川区であれば、個人宅に常時録画している防犯カメラを設置した場合、上限4万円の補助金を受けられます。ただし、荒川区にお住まいで住民登録があること、荒川区の販売店で購入・設置しているなどの条件があります。(令和7年5月現在)[注4]
先ほどご紹介した群馬県邑楽郡大泉町など、荒川区以外にも防犯カメラの設置にあたり補助金制度を実施している地域があるため、各自治体のWebサイトを確認することをおすすめします。

[注4]荒川区公式サイト「荒川区住まいの防犯対策補助金交付制度

防犯カメラとホームセキュリティはどっちを選ぶ?

空き巣や不審者の被害を防ぐには、防犯カメラだけでなくホームセキュリティの導入も効果的です。カメラで周囲の状況を記録しながら、ホームセキュリティのセンサーや警報機能で異常を即座に検知・対応できる体制を整えることで、防犯効果はさらに高まります。単体では補いきれない部分を相互にカバーできるため、自宅の防犯を本格的に強化したい方には併用をおすすめします。

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家庭用の防犯カメラをお探しなら、ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」がおすすめです。
面倒な設定や配線工事は不要で、お手軽に設置できます。また、防水性や防塵性に優れているため、玄関や駐車場などの屋外でも活躍してくれます。外出中にスマートフォンからライブ映像をチェックできるのも特徴です。取り付けやすい防犯カメラをお探しなら、ぜひALSOKにご相談ください。

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ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」をご用意しており、ご希望に合わせてお選びいただけます。
オンラインセキュリティは、住宅への侵入や火災が起こった際、ALSOKが現場へ駆けつけ対処します。加えて、スマートフォンを持っているだけで、外出時は警備の設定、帰宅時は簡単に警備解除ができるスマホゲートもご用意。防犯カメラとアプリ連携ができることから外出中でもリアルタイムで映像を確認できます。
セルフセキュリティは、お手軽に導入できるホームセキュリティです。異常発生をアプリで通知し、お客様の依頼に応じてALSOKが駆けつけます。
ALSOKのホームセキュリティは、在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。

まとめ

今回は、家庭用防犯カメラを設置するときのポイントや設置場所に関する注意点、カメラ選びの方法などについて解説しました。
防犯カメラの効果を最大化するためには、「死角を作らないようにすること」や「ステッカーなどでカメラの存在をアピールすること」が重要です。カメラを低い位置に設置すると、簡単に破壊されてしまうこともあるため注意しましょう。
防犯カメラを最適な場所に設置することで、空き巣や車上荒らしの抑止効果が期待できます。住宅の防犯を高めたいと考えている方は、ぜひ防犯カメラの設置をご検討ください。

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