空き巣に狙われやすい家の特徴と防犯対策のポイントを解説
警察庁の調べによると、令和6年(2024年)に住宅で発生した侵入窃盗の認知件数は16,962件にのぼり、そのうち居住者の留守中に侵入して金品を盗む「空き巣」は10,968件を占めています。
空き巣は常に侵入しやすい家を物色しており、特に人通りが少ない立地や死角が多く見通しの悪い家などが狙われやすい傾向にあります。空き巣被害を防ぐには、防犯対策によって空き巣が嫌がる家にすることが大切です。
本記事では、空き巣に狙われやすい家の特徴や、防犯対策のポイントを分かりやすく解説します。
出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」
目次
空き巣に狙われやすい家の特徴
空き巣はどのような家をターゲットに選ぶのでしょうか。まずは、空き巣に侵入されやすい家や立地の特徴について知り、対策を立てることが安全安心な暮らしを考える第一歩です。ここでは、空き巣に狙われやすい家の特徴を解説します。
人通りが少ない
空き巣は留守を狙って家に侵入するため、なるべく人気がなく、人通りが少ない立地の家をターゲットにします。空き巣を含めた侵入窃盗の代表的な手口として、ドライバーなどを使用して窓ガラスの錠前に穴を開ける「こじ破り」、玄関ドアの鍵を特殊工具で開錠する「施錠開け」、玄関ドアの隙間にバールなどを差し込んでこじ開ける「ドア錠破り」などがあります。
いずれも、侵入するまでに平均2~5分を要するため、人目につきづらい立地をターゲットにする傾向があります。一戸建て住宅を建てる際や、分譲マンションを購入する場合は、人通りの少ない奥まった立地は避けたほうが安心です。
また、立地だけではなく人通りの少ない時間帯にも注意が必要です。警察庁がまとめた「令和6年の犯罪」によると、侵入盗(空き巣、忍び込み、居空きなど)がもっとも活発に活動するのは、住人が寝静まった深夜0~4時の時間帯です。令和6年(2024年)に全国で発生した侵入盗の総数43,036件中、発生時刻が特定できた件数4,023件(時間帯が不明なものは39,013件)のうち、約32.2%にあたる1,296件が午前0時から午前4時までの時間帯に集中しています。
出典:警察庁「令和6年の犯罪」
前述のとおり侵入窃盗対策をするうえで、もっとも警戒しなければならないのは就寝後の時間帯です。就寝する前に玄関ドアや窓の施錠を再度確認する習慣をつけましょう。
死角が多く、外から敷地内が見えづらい
空き巣が好む建物は、防犯カメラがなく、死角が多い建物です。たとえば、窓や玄関ドアの近辺に背の高い植木があったり、周囲が高いブロック塀で囲まれていたりする家は、居住者や近隣住民の死角になる場所が多くなります。身を隠しながら周囲に気づかれず犯行に及ぶことが可能であるため、侵入窃盗犯のターゲットとなりやすいでしょう。
特に植木やブロック塀に囲まれた家は、防犯カメラの設置を検討しましょう。死角が減るだけでなく、防犯カメラ自体に犯罪の抑止効果があるため、効果的な空き巣対策になります。
防犯対策がされていない低層住宅
一戸建て住宅や3階建て以下のテラスハウスなど、低層住宅も侵入窃盗犯に狙われやすい傾向にあります。警察庁によると、住宅で発生した空き巣のうち、一戸建て住宅がターゲットになったものは7,588件、4階建て以上の共同住宅が1,205件、3階建て以下の共同住宅でも2,175件でした。一戸建て住宅や3階建て以下の共同住宅への空き巣被害が多いことから、防犯対策をしていない低層住宅では特に注意が必要です。中でも、表出入口や窓からの侵入が多くなっており、玄関や窓の防犯対策が疎かになっている場合は侵入リスクが高まります。
例えば、スペアキーをポストなどの分かりやすい場所に隠していたり、鍵をかけずに出かけたりなどの習慣がある場合は、空き巣に狙われる可能性があります。
出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」
ご近所付き合いが少ない
ご近所付き合いが少ないと近隣住民の顔を見分けられないため、不審者がいても気づきにくくなります。その結果、侵入を試みても声をかけられる心配が少なく、空き巣に狙われやすくなります。また、隣家と距離がある場合も、侵入されても気づかれにくいことからターゲットにされるおそれがあります。空き巣は、地域状況も含めて下見に来ることがあるため、注意が必要です。
留守を判断しやすい
空き巣は、安全に侵入し金品を物色するため、住人が留守の時間帯を狙ってきます。特に、長時間留守にしている場合は狙われやすいため注意が必要です。洗濯物が夜遅くまで干しっぱなしであったり、郵便物を溜めたりしていると、家を空けていることが分かってしまうため、気をつけなければなりません。
家の庭や周囲の手入れが行き届いていない
庭や住宅周りの手入れが行き届いていないと、防犯意識が低いと見なされることもあり、空き巣に狙われやすくなります。庭木が伸び放題になっていたり、家の周囲にものが散らかっていたりすると、見通しが悪くなり、犯人が身を隠しやすい環境をつくってしまいます。
空き巣が嫌がる家にするための防犯対策
空き巣被害に遭わないためには、空き巣が嫌がる家にすることが重要です。ここでは、空き巣が嫌がる防犯対策をご紹介します。
外出時に留守を悟られないようにする
郵便受けや郵便ポストに郵便物が溜まっていると、「この家の住人はあまり家の周辺に目が行き届いていない」「侵入しても気づかれない可能性が高い」と判断され、空き巣のターゲットになる可能性が高まります。長期不在にする場合、郵便物は配達を止めるなどしておきましょう。30日以内の不在であれば、事前に不在届を提出することで郵便物を留め置いてもらい、期間終了後にまとめて配達してもらえるサービスもあります。郵便受けに入っているチラシを放置しないことも大切です。
また、洗濯物が干しっぱなしでも不在にしていることが分かるため、長時間不在にする場合は、外に干さないのも防犯対策の1つとなります。
窓や玄関ドアは「ワンドア・ツーロック」
侵入窃盗の手口は、「無締り」「ガラス破り」が上位となっており、窓や玄関ドアからの侵入が多いことが分かっています。
1か所に1つの鍵だけでは、短時間で簡単に侵入されてしまいます。そのため、空き巣の主要な侵入ルートとなる窓や玄関ドアには、補助錠を取り付けるなどして「ワンドア・ツーロック」にするのが有効です。侵入に時間がかかるほど、空き巣は犯行をあきらめる傾向があります。
警察庁によると、侵入に2~5分以上かかると多くの空き巣が犯行をあきらめるとされています。この数分間をやりすごすことで、空き巣を撃退できる可能性が高まります。
出典:警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」
警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング~心理と行動3」
窓に設置する補助錠は、ALSOKロックがおすすめです。ガラス面に貼るだけで簡単に取り付けることができ、換気中もロックが可能です。設置後は外からALSOKマークが見えるため、犯罪抑止の効果が期待できます。
死角になる場所に防犯カメラを設置する
家が背の高いブロック塀に囲まれていたり、背丈のある草木が茂っていたりすると、空き巣が「ガラス破り」「ドア錠破り」などを行うための死角が生まれます。なるべく死角が生まれないよう、塀や垣根は低くし、植栽を定期的に剪定することをおすすめします。
どうしても難しい場合は、家の周辺に防犯用のライトをつけて明るくしたり、監視カメラ・防犯カメラを設置したりすることで、死角を減らし、空き巣が入りづらくすることが可能です。
ALSOKでは、ご家庭向けの防犯カメラも数多く取り揃えております。自宅に防犯カメラの設置を検討している方は、ぜひご検討ください。
ご近所と良い関係を築いておく
防犯対策には、ご近所の方とコミュニケーションを取り、良い関係を築いておくことも大切です。日頃からあいさつを交わし、顔見知りになっておくことで、不審者がうろついていた場合に気づきやすくなります。犯人は「バレる」「声をかけられる」ことを嫌がるため、あいさつなどの日常的なコミュニケーションが防犯対策になります。
建物の周りや庭を常にきれいにしておく
庭木は定期的に手入れを行い、ある程度見通しを良くしておくと、「隠れる場所がない」「外から見れるかもしれない」と思わせることができ、犯行の抑止につながります。また、敷地内にゴミやものを放置している場合も、防犯意識の低い家と判断され、空き巣に狙われるリスクが高まるため、整理するようにしましょう。住宅周辺は、常にきれいにしておき、空き巣が入りにくい環境をつくることが大切です。
空き巣対策に利用できる防犯アイテム
空き巣被害を防ぐためには、補助錠や防犯カメラの設置に加えて、侵入されにくい環境を整えることが大切です。ここでは、空き巣対策に利用できる防犯アイテムをご紹介します。
防犯フィルム・防犯ガラス
空き巣の主な侵入手口であるガラス破りの対策には、防犯フィルムや防犯ガラスの活用がおすすめです。防犯フィルムは、窓ガラスの内側に貼るだけで強度を高められる手軽な防犯アイテムです。強い衝撃を加えられてもガラスが飛び散りにくく、侵入までの時間を大幅に遅らせることができます。
また、新築やリフォームのタイミングであれば、防犯ガラスへ交換するのも効果的です。防犯ガラスは中間膜を挟んだ二重構造になっており、割れても貫通しにくいため、工具やハンマーなどによる手口に強くなります。
なお、防犯フィルムや防犯ガラスには、防犯性能が公的に認められたものであることを示す「CPマーク」が表示されている製品があります。より確実な防犯効果を求める場合は、CPマーク付きのものを選ぶと良いでしょう。
窓用防犯ブザー
窓用の防犯ブザーは、窓の開閉やガラスの破壊による振動を検知して大きな警報音を鳴らす防犯アイテムです。音によって侵入者を威嚇し、周囲に異常を知らせる効果があります。電池式で簡単に取り付けられるものが多く、特に1階やベランダなどの侵入経路になりやすい窓に設置すると効果的です。
ALSOKでは、窓用防犯ブザー「どろぼーセンサーⅡ」をご用意しています。窓の開閉や振動を検知すると90dBの大音量でアラームが鳴るため、異常をすばやく把握できます。窓用防犯ブザーをお探しの方は、ぜひご利用ください。
防犯砂利
防犯砂利は、上を歩くと「ジャリジャリ」と大きな音が鳴る特殊な砂利のことです。玄関や庭などの侵入経路となりそうな場所に敷くことで、足音で周囲に不審者の存在を知らせることができ、犯行の抑止が期待できます。見た目も自然で、景観を損なわずに防犯対策ができる点も魅力です。建物の裏側や勝手口の周辺など、人目につきにくく、死角になりやすい場所に敷くのもおすすめです。
センサーライト
人の動きに反応し自動で点灯するセンサーライトは、夜間の防犯に非常に効果的です。侵入者の接近を検知するとライトが点灯し、強い光で侵入者を驚かせて犯行を思いとどまらせます。
玄関や勝手口、裏庭など、暗くなりやすい場所に設置するのがポイントです。最近では、ソーラー式や電池式など、電源工事不要で設置できるタイプも多く、手軽に導入できます。
遠隔操作可能な照明器具
最近では、スマートフォンを使い外出先から操作できる照明器具があります。旅行や帰省などで長期間不在にする際、タイマー機能やアプリ操作で時間帯に合わせて照明を点灯・消灯することで、外からは普段通り生活しているように見せかけることができます。特に、リビングや玄関など、外から光が見える場所の照明を設定しておくと、留守を悟られにくくなります。
空き巣に狙われないための生活習慣
空き巣に狙われないためには、防犯アイテムの活用だけではなく生活習慣の改善にも取り組みましょう。
施錠を徹底する
空き巣の侵入手口としてもっとも多いのが、無施錠の玄関ドアや窓からの侵入です。短時間の外出やゴミ出し、庭仕事の間でも、ドアや窓の施錠を忘れないようにしましょう。
また、在宅中や夜間の就寝時も油断は禁物です。空き巣の中には、人の気配があっても裏口や浴室の小窓などの人目につかない場所から侵入を試みる者もいます。玄関ドアや勝手口、窓はすべて施錠する習慣をつけましょう。
合鍵を外に置かない
鍵を持たない家族のために、郵便受けの中や植木鉢の下などに合鍵を隠している方もいるかもしれません。しかし、空き巣はそうした合鍵の隠し場所を熟知している可能性があります。簡単に見つけられて侵入される危険が高いため、合鍵は絶対に外に置かないようにしましょう。
不審な点がないか定期的に確認する
空き巣は犯行前に下見を行い、ターゲットの家に目印としてマーキングを残すことがあります。たとえば、ポストや表札付近に「○」「×」「W」「S」などの不自然な記号やアルファベットが書かれていた場合、それが空き巣のサインである可能性があります。「○」は「侵入しやすい」、「W」は「女性」、「S」は「一人暮らし」といった意味があります。また、門扉に石を置いてマーキングする手口もあるようです。
マーキングを見つけたら、すぐに消したり取り除いたりすることが大切です。念のため周囲の防犯カメラや地域の不審者情報を確認しておきましょう。
外出時のSNS投稿に注意する
旅行や外出先の写真をSNSにリアルタイムで投稿するのは、防犯の観点から危険です。長期間留守にしていることが把握できてしまい、空き巣のターゲットになるおそれがあります。外出時の投稿は帰宅後に行う、写真に位置情報(Exif情報)を残したまま掲載しない、公開範囲を家族や親しい友人のみに限定するなどして対策しましょう。また、自宅の場所や現在地が特定できてしまうような背景やものが映り込まないよう注意が必要です。
ALSOKのホームセキュリティで空き巣から狙われにくい家を実現しよう
空き巣対策をさらに強化するには、防犯アイテムの活用や生活習慣の見直しに加え、ホームセキュリティの導入を検討しましょう。
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「セルフセキュリティ」と「オンラインセキュリティ」の2種類をご用意しています。セルフセキュリティでは、お手頃価格でホームセキュリティを実現でき、もしものときにはALSOKの依頼駆けつけが利用可能です。
オンラインセキュリティでは、異常発生時には自動でALSOKが駆けつけ、迅速かつ適切に対処し、お客様の大切なご家族とお住まいを守ります。
また、スマートフォンで警備操作が可能で、帰宅時にはスマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時もワンタッチで警備を開始する便利な機能も活用できます。在宅中も警備をセットできるので、就寝中や一人での在宅時にも安心です。
さらに、防犯カメラとアプリ連携ができ、外出中でもリアルタイムで映像を確認することができます。
防犯対策を徹底して空き巣被害を防止しよう
空き巣がターゲットに選ぶ家には、住宅周辺の見通しが悪い、長期間留守にしていることが分かるなどの共通点があります。空き巣被害を防ぎ、大切な家族や家財、住まいを守るためには、家の安全性を見直し、適切な防犯対策を実施することが大切です。窓や玄関ドアはワンドア・ツーロックにして必ず施錠すること、建物周辺にはなるべく死角を作らないことを心がけ、必要に応じて防犯カメラや防犯センサーなどの防犯グッズを設置しましょう。
ALSOKでは空き巣の侵入を察知し、万が一の際には迅速にALSOKが駆けつけ対応を行うホームセキュリティサービスを提供しています。空き巣が侵入した際の対策としてはもちろんのこと、侵入の抑止力としても大いに期待できます。防犯対策として、ホームセキュリティの導入もぜひご検討ください。





















